校内では終業式も無事に終わり、冬休みが始まりました。しかし、農業科2年生の果樹の生徒たちは、今日も元気に登校し、果樹園へと向かいました。
寒さの中にも、生徒たちの熱気でどこか暖かさを感じる今日。
わが校の果樹園では、一年で最も活気あふれる「不知火(しらぬひ)」と「甘夏」の収穫実習が行われました
今回は、生徒たちの弾ける笑顔と、真剣な眼差しが詰まった実習の様子をお届けします
青空の下、一歩一歩「学び」の場所へ
実習の始まりは、心地よい足音から。 青い収穫バッグを肩にかけ、みんなで果樹園へと向かいます。生い茂る木々のトンネルを抜けると、そこには黄金色に輝く宝物たちが待っています
一玉に込める「お疲れ様」の気持ち
「見てください」 「不知火」を手に、思わず笑みがこぼれる生徒たち
「不知火」の最大の特徴である「デコ」を傷つけないよう、ハサミを入れる手元は真剣そのものです。春から夏、そして秋。台風の心配をしたり、害虫から守ったり。自分たちが関わってきた時間が形になっていることを、その重みで実感しているようでした
爽やかな香りに包まれる「甘夏」の収穫
続いて、果樹園に爽やかな香りを漂わせる「甘夏」の収穫です。 「不知火」とはまた違う、つるりとした肌の美しい黄色が、冬の青空によく映えます。
高い場所にある実も、仲間と協力しながら丁寧に摘み取っていきます。一玉一玉を優しく扱い、コンテナへと運ぶ姿からは、これまで大切に育ててきた樹への敬意と、収穫への感謝が伝わってきました。
新聞紙を敷き詰め、果実同士がぶつからないよう配慮する細かな作業にも、妥協はありません。この丁寧な仕事が、消費者の皆さまに届く「安心・安全」に繋がっているんですね。
「美味しいって言ってもらえるといいな」
そんな呟きが聞こえてくるほど、丁寧に、優しくコンテナへと運びます。
帽子に刻まれた「ASHIKITA」の文字。
実習中の彼らの背中を見ていると、この地域の特産品である柑橘を守り、繋いでいくという力強い意志を感じます。
終業式を終えてなお、実習に励む彼らの努力。 土に触れ、樹と対話し、収穫の喜びを分かち合う。
教室の机の上だけでは学べない「命の重み」と「食の尊さ」が、ここには溢れています
生徒たちが主役として輝く「長距離走大会」。 その号砲が鳴る数時間前、まだ静寂に包まれた農場には、いつも通りの日常を淡々と守り続ける先生たちの姿がありました。
農業科の視点から見た、知られざる「アナザーストーリー」を少しだけお届けします。
静寂の中のルーティン
一日の始まりを告げる、柔らかな光。大会という大きな任務が控えていても、農場の命に「特別」はありません。
これらは、生徒たちが走り出す前の農場の風景です。 先生たちは、大会運営へと飛び出す直前まで、いつもと変わらぬ手つきで植物と向き合っていました。シクラメンの葉を整え、苗に水を与える。限られた時間の中でも焦ることなく、ただ淡々とプロの仕事を完遂させる。その揺るぎない後ろ姿が、本番前の農場を支えていました。
湯気の向こうにある、静かな情熱
調理室では、先生が保護者の皆さまと共に、大きな釜で料理を仕上げていました。 走り終えた生徒たちが、冷えた体と心を温めるための一杯。 そこには「共に生徒を支える」という共通の想いがありました。保護者の方々と呼吸を合わせ、黙々と釜を回す先生の姿。それは、行事の活気を支える、もう一つの確かな熱量でした。
本来、今日の主役は一生懸命に走った生徒たちです。 ですが、彼らが走る「前」から農場を守り、走り終えた「後」まで支え続けた先生方の姿があまりに見事だったので、今日はあえて職員の奮闘を記録させていただきました。
先生方、そしてご協力いただいた保護者の皆さま。 今日一日、本当にありがとうございました。
この準備された舞台で、生徒たちはどんな力走を見せたのか。 「本編」のレポートも、このあと更新予定です。ぜひ併せてご覧ください!
― 農業科主任
今日は農業科2年「食品製造」の実習
さて、言葉で長々と説明するよりも、実際に見ていただくのが一番です 一生懸命製造に取り組んだ生徒たちの笑顔と、愛情たっぷりの完成したデコレーションケーキをどうぞご覧ください
ブログをご覧の皆さん、この写真を見て、ピンときたでしょうか
これは、以前、農業鑑定競技会で紹介した、樹形に関する問題です
正解は、我々の園地で目指している「開心自然形(かいしんしぜんけい)」ですね。樹の中心を開けて、日光をしっかり取り込むための樹の骨格です
本日の実習は、このスイートスプリングの剪定3年生はまさに、学んだ知識を活かし、この理想の樹形を保つための実践に挑戦しています
剪定の目的は、この開心自然形を保ち、果実に光と風を行き渡らせること。そのために、基本となる「主幹(しゅかん)」や、そこから伸びる「主枝(しゅし)」、そして勢いよく伸びる「徒長枝(とちょうし)」など、それぞれの枝を見極める必要があります
しかし、実際に樹を前にすると、
「ああ、樹は教科書どおりになっているわけではないんだな…」と感じたことでしょう。
どこが主枝で、この徒長枝は切るべきか残すべきか。初めは戸惑い、先生からの指示を真剣に受けながら、一本一本の枝をよく観察していました
剪定は、自分の手で樹の未来を決める作業です。
生徒たちが「なぜ切るのか?」「なぜ残すのか?」と自分で考えることで、少しずつ分かってきます
この経験を重ねることで、彼らの技術が身についてきましたねさすがは3年生です
この実践から得た感覚は、座学では得られない貴重な財産となるはずです。生徒たちの成長にご期待ください
レベルアップ講座「デコレーションケーキ講習会」を実施しました!
これは、芦北町芦北高校総合支援事業の「レベルアップ講座」として、日頃の学習をさらに深めるために行う、特別な実習です 。
プロの技を直伝!
今回の講師は、熊本市で「フランス食堂 ル・ブリアン」を経営されている、オーナーシェフの藤島 将輝様です 。
講習会では、ケーキの土台となるスポンジへのナッペの技術や、特に重要な生クリームの泡立て方や硬さの調節といった、デコレーションケーキの技術を細部にわたって教えていただきました 。
真剣な表情で技術を学ぶ生徒たちの様子や、プロの鮮やかな手さばきに、感激の声が上がっていました
縁が実現した特別な授業
実は、講師の藤島様と、本校で食品加工を担当している村田先生は、高校時代の同級生なんです!
高校在学中、「将来、講師と先生という立場で一緒に仕事ができたらいいね」という話をしていたそうで、今回、その夢が形となって実現しました。昔からのご縁によって、生徒たちにとって大変貴重な学びの機会をいただくことができました。
感謝を力に、さらなる高みへ
この「デコレーションケーキ講習会」は、芦北町芦北高校総合支援事業による多大なご支援・援助をいただいて、講師謝礼や材料費などを賄い、実施することができています 。
地域の皆様のご理解とご協力に心より感謝申し上げます
プロの技術と情熱を肌で感じ、生徒たちにとってかけがえのない、素晴らしい学習となりましたこの経験を活かして、これからも「ものづくり」の楽しさと奥深さを追求し、知識と技術のレベルアップを目指していきます
〒869‐5431
熊本県葦北郡
芦北町乙千屋20-2
熊本県立芦北高等学校
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