校長室より

2022年6月の記事一覧

ハート 生徒の姿を見れば

今月半ばまで、教育実習生が来ていました。
その中の一人から心温まる手紙が届きました。

「 私が高校生だったころに感じていたよりもさらに先生方は生徒一人ひとりを愛し、真摯に
 向き合っておられたことにも、おそばで実習させていただいてあらためて気づき、感動いた
 しました。
  この、先生が一丸となって生徒のことを考えておられる姿を拝見できたことは本当に貴重
 な体験であったと今でも感じています。また、その気持ちにこたえるように生徒たちも日々
 の生活や学習、部活動等一生懸命に過ごしており、私もすごく元気づけられました。
  実習初日の校長先生の訓話でもありましたように、どれだけ教師生活は忙しくとも生徒の
 姿を見ればつらさも忘れてしまう、というお言葉の意味が分かったような気がしました。
  今回の実習を終えて、より一層教職の奥深さを感じ、将来、教師として生徒たちの未来を
 見届けたいという思いが強くなりました。
  来月には教員採用試験を控えておりますが、今回お世話になった先生方の背中を追いかけ
 て試験勉強に励むとともに、残りの大学生活で様々な経験を積みながら日々自分自身の人間
 性も育んでいきたい、と考えております。」

私たちの仕事は、子どもたちに、将来の夢を叶える種を播くことなのかもしれません。
それは、大学生に育ちあがった子どもたちへも同じです。
僅か3週間の出会いでしたが、先生と子どもたちとの息遣いは、彼ら彼女らの中に宿り、
大きな推進の力となりつつあるようです。

教師に限らずどの仕事も、やりがいはあります。楽しさも苦しさもあります。
しかし大事なのは、
投げ出さないこと、かもしれません。

職人さんの道具は、
使い込むにつれて手になじむように変形していきます。
そして、職人さん自らの手も 変形していきます。
私は、その変形した道具や手を、
たとえようもなく〈美しい〉と感じてしまうのです。

長い間、繰り返し、繰り返し、取り組むことで形を変える。
形をかえるだけの時間の蓄積が、そこにある。
「続けたら天職になった」
が真実なのではないか、と、近頃、漠然と思います。

「続けること」です。

ハート 一笑懸命 ~楽しんだもの勝ち!!~

 各地区の天草高校同窓会支部から「同窓会報」が送られてきています。中京支部も関西支部も、母校・天草高校を想う言葉が溢れ、頁をめくりながら、私も、天草高校で青春を送ることができて幸せだったと実感しています。

 今、天草高校には、多くの教育実習生が来て生徒たちとの学びの時間を過ごしています。「天草高校で教育実習できて本当に良かったと思っています。絶対、教員になりたい、再び母校の教壇に立ちたいと思いが強くなりました。来月の教員採用試験は、死ぬ気で頑張ります。」と、今朝、熱く語ってくれた実習生がいます。そんな実習生たちの言葉に頷きながら、教員というのは、人と関わりながら、その子どもの人生の節目に立ち会うことができる、何て素敵な職業なんだろうと、いまさらながらに感じ入っている自分がいます。

 高校時代の友人から電話をもらいました。
「癌にかかり、いま、久留米大学附属病院で治療を続けている。馬場君が天高の校長になったと聞いたから、僅かばかりだけれど、後輩たちのために役立ててほしいから寄附をしたい。今度、学校に来るよ」訥々とした語り口は、高校時代の、元気が走り回っているような面影が全く感じられません。高校時代は、廊下の向こうの端で話していても話が筒抜けでやかましいぐらいだったのに。電話越しに「心配している」と告げると、「治療は順調に進んでいるから大丈夫だよ」とのこと。「久しぶりの里帰りだね。寄附とかじゃなくて、ついでに学校に遊びに来たぐらいの気分でいいよ」と言うと、「HPで写真見たけれど、髪も薄くなったし、ずいぶん太ったねー」と、昔の明るい笑い声が戻ってきました。

 6月19日(日)は、天草高校倉岳校で恒例の海の運動会マリンフェスタが開催されます。今年のテーマは「一笑懸命 ~楽しんだもの勝ち!!~」。この春入学した1年生が考案してくれたものですが、子どもたちの柔軟で大らかな発想力に脱帽です。コロナへの不安や、それぞれがいろいろ背負わされている重たいものを、一度、ちょっとだけ下して、周りを見渡しながら笑って(笑んで)みましょうか。 人生は楽しんだもの勝ちです!!