校長室より

ハート 生徒の姿を見れば

今月半ばまで、教育実習生が来ていました。
その中の一人から心温まる手紙が届きました。

「 私が高校生だったころに感じていたよりもさらに先生方は生徒一人ひとりを愛し、真摯に
 向き合っておられたことにも、おそばで実習させていただいてあらためて気づき、感動いた
 しました。
  この、先生が一丸となって生徒のことを考えておられる姿を拝見できたことは本当に貴重
 な体験であったと今でも感じています。また、その気持ちにこたえるように生徒たちも日々
 の生活や学習、部活動等一生懸命に過ごしており、私もすごく元気づけられました。
  実習初日の校長先生の訓話でもありましたように、どれだけ教師生活は忙しくとも生徒の
 姿を見ればつらさも忘れてしまう、というお言葉の意味が分かったような気がしました。
  今回の実習を終えて、より一層教職の奥深さを感じ、将来、教師として生徒たちの未来を
 見届けたいという思いが強くなりました。
  来月には教員採用試験を控えておりますが、今回お世話になった先生方の背中を追いかけ
 て試験勉強に励むとともに、残りの大学生活で様々な経験を積みながら日々自分自身の人間
 性も育んでいきたい、と考えております。」

私たちの仕事は、子どもたちに、将来の夢を叶える種を播くことなのかもしれません。
それは、大学生に育ちあがった子どもたちへも同じです。
僅か3週間の出会いでしたが、先生と子どもたちとの息遣いは、彼ら彼女らの中に宿り、
大きな推進の力となりつつあるようです。

教師に限らずどの仕事も、やりがいはあります。楽しさも苦しさもあります。
しかし大事なのは、
投げ出さないこと、かもしれません。

職人さんの道具は、
使い込むにつれて手になじむように変形していきます。
そして、職人さん自らの手も 変形していきます。
私は、その変形した道具や手を、
たとえようもなく〈美しい〉と感じてしまうのです。

長い間、繰り返し、繰り返し、取り組むことで形を変える。
形をかえるだけの時間の蓄積が、そこにある。
「続けたら天職になった」
が真実なのではないか、と、近頃、漠然と思います。

「続けること」です。