学校長挨拶

「多様な学び」と「キャリア教育」 

 本日は、熊本県立翔陽高等学校のホームページを訪ねていただきありがとうございます。

 本校は、熊本県内でも数少ない単位制の総合学科高校です。今年で創立から数えて118年目、総合学科高校としては28年目を迎えます。私は、校長として本校に赴任して2年目ですが、翔陽高校での勤務で見えてきた本校の魅力を皆さんに紹介します。

 本校最大の魅力は、生徒たちが多様な学びを経験できることです。本校では、「国語」や「数学」、「体育」等の普通教科の科目に加え、「農業」「工業」「商業」「家庭」の四つの専門教科から、自分が学びたいと思う教科(系列)を中心に科目選択して授業を受けることができます。5つの系列の内、「農業」「工業」の系列はさらに「園芸・造園」「食品製造」と「機械」「電気電子」「建築」の5分野に分かれているので、翔陽高校が開設する科目数は県内高校随一です。

 多様な学びに関しては、開設科目の種類だけでなく、各科目の学び方も多様です。特に紹介したいのが、「実習での学び」と「ICTを使った学び」です。農業、工業、商業、家庭の各系列には、実習で専門的技能を身に付ける科目が設けられ、資格取得に必要なスキルも磨いています。各科目の学習においてはタブレットPC等のICTの活用も進んでおり、一昨年本校は、学校情報化認定(日本教育工学会)優良校に認定されています。

 さて、本校のもう一つの魅力は、「キャリア教育」を柱にして、卒業までの3年間のカリキュラムが作られているところです。価値観の多様化とテクノロジーの急速な進歩で、これから先、人の仕事、職業は大きく様変わりすると予想されています。予想では、これまで社会になくてはならないと考えられていた職業がなくなったり、人間にしかできないと考えられてきた仕事が機械にとって代わられたりするようです。これからの若者には「他者とのコミュニケーションをとおして相互の関係を形づくっていく力」「自分の個性や適性を理解し、感情や行動をコントロールする力」「目の前の課題を適切に処理し、解決に導く力」「自分の将来を働くことと結び付けて考え、主体的に生きようとする力」の四つの力が求められています。本校では、1年次に「産業社会と人間」、2、3年次には「総合的な探究の時間」の授業を中心に、これらの力を育てるキャリア教育を展開しています。将来への見通しが利きにくい今だからこそ、このような翔陽高校での学びの価値は高まっていくのだと感じています。

 以上、本校の魅力を紹介しました。詳しくはこのサイトの各ページを見ていただけたらと思います。どうぞゆっくりと御覧ください。

 

                   熊本県立翔陽高等学校長 古閑 千尋