2019年6月の記事一覧
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
本校では、教育の機会均等を図り、将来社会に貢献し得る人材を育成することを目的として様々な奨学金を各ご家庭に案内しています。教室に案内を掲示するだけでなく、「学校安心安全メール」により、各家庭に奨学金の連絡が確実に届く体制を整えています。奨学金については、こちらから。
教室の掲示物
飢餓をゼロに
本校には、水俣市で作られたパンを売っている売店があります。特に、チョコアンドクリームパンとテリヤキチキンが人気です。昼休み前に売切れてしまうものもあります。売店のおかげで小腹がすいたときにお腹を満たして授業に集中できます。パンのほかにもジュースや文房具が売ってあり、水高生にとってなくてはならない場所です。
また、本校では家庭科の授業の調理実習で出た生ゴミを乾燥させ、肥料として使っています。この肥料は、ラディッシュを育てる際に使われます。さらに、日本国内での米の消費量が減少し、廃棄が増えていることから、お米を使った料理(ケーキや外国の米料理)を多く作っています。
<本校の売店>
<米粉で作ったケーキ>
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
本校は、保健委員会の活動が活発で、毎年文化祭では生徒の健康への意識を高める為に、工夫を凝らした発表をしています。
また、保健室の勝田先生はとても親切で、体調を崩した生徒のケアをしてくれます。
スクールカウンセラーの先生も定期的に来校し、心の悩みを抱える生徒に寄り添ってサポートしてくれます。
文化祭での発表 水俣高校の保健室
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
本校には、Wi-Fi環境の整った視聴覚室が設けられおり、放課後は自習室としても生徒に開放されています。さらに、水俣高校は文部科学省のスーパーグローバルハイスクールに認定されており、他校にない様々な取組が行われています。2月末にはSGH成果発表会が開かれ、1年間の取組の成果を発表します。
視聴覚室PCともえぎPCの様子
SGH成果発表会
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
今年度は、体育委員長が陸上競技部に所属する女子生徒です。
そして実績を残しているカヌー部・弓道部の主将もなんと女子生徒なのです。
男子生徒も頑張っていますが、水俣高校では女子生徒の活躍も目立っています。
活躍する本校の女子生徒
すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する
水俣高校は校舎が新しく、生徒も一生懸命掃除に取り組むので、トイレはいつもピカピカです。
さらに、全ての女子トイレにトイレ用擬音装置(音姫)が設置されています。快適に用を足すことができます。
また、月に1回のエコスクールデーには水高生の環境・エコ意識が高まるように、環境委員が節電・節水の呼びかけ、トイレや水道にポスターも掲示しています。
水俣高校のトイレ
「音姫」完備!! 掲示しているポスター
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
本校の電気・建築システム科電気コースは、独自にSDGsの研究をしており、持続可能なエネルギーの開発を目標に「P.V. power generating systemもえぎ H30型」という完全独立型発電・充電装置を製作しました。
「もえぎ」は、停電した際も、手回し発電機や蓄電池を使用することにより、発電・給電することができます。また、災害が起こった時、ライフラインが途絶えたとしても電気を貯蔵しておけます。さらに、インフラの整備されていないところでも電気を使うことができます。
今後も持続可能な社会の建築に向けて、身近なところからどのような取組ができるかを各科で考えていきます。
<もえぎH30>
すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
昨年度、本校に届いた求人票の数は就職を希望している生徒1人あたり30.6件で、合計2000件を越えました。
就職率は、毎年100パーセントを達成しています。生徒が希望する企業の内定をもらう為に、先生方も熱心に指導してくださいます。
レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
工業科の生徒たちは毎年、環境に配慮した様々な取組を考案・実践しています。
昨年度は熊本県工業高校生徒研究発表会において機械科のEVスクーターの研究が最優秀賞を受賞し、「小径丸太廃材を活用した教材キットの開発・販売」に取り組んだ建築コースの3年生が第6回高校生ビジネスプラン・グランプリの最終審査会ファイナリスに選ばれ東京大学でプレゼンテーションを行いました。
<機械科の取組>
<建築コースの取組>
国内および国家間の不平等を是正する
本校は平成27年度より文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受けています。
海外研修・台湾修学旅行に参加したり、海外からのゲストを多く迎え入れたりするなど、国際交流が盛んです。昨年はUNEP(国際連合環境計画)の職員の方々と交流する機会があり、SDGsの観点から私たちが住む水俣の現状や取組について調査しました。
SGHの様々な活動により一人ひとりの国際理解が進み、他者を受け入れる度量が大きくなっていると感じます。
<SGH事業における様々な交流の様子>
都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
毎年夏に行われる水俣の一大イベント「恋龍祭」に、2学年の生徒が参加し、水俣を盛り上げています。男子は神輿を担ぎ、女子は体育大会むけて練習したダンスを披露します。
また、本校の商業科は地元企業と共同で米やあられを開発しており、昨年は熊本県内各地の特産品を一堂に集めた展示即売会である、くまもと物産フェアで販売し、大好評でした。
人口が減り、街の風景は寂しくなってきましたが、水俣唯一の高校としてどう水俣を盛り上げることができるか全員で考えています。
<恋龍祭の様子>
<くまもと物産フェアの様子>
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
水俣高校では各教室で燃えるごみ、廃プラスチック、缶、ペットボトル、ペットボトルキャップの5種類にゴミを分別しています。また、コンタクトレンズの空ケースを各教室と昇降口で回収しており、学校の中で出来る資源の再生に力を入れています。
コンタクトの空ケースの回収は、CO2排出量の削減につながるだけでなく、空ケースの売却代金は日本アイバンク協会へ寄付されています。
<教室のゴミ箱> <コンタクトケース回収ボックス>
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
毎年水俣市では、市全体で行う水俣市総合防災訓練が行われています。避難所として水俣高校の体育館を使用します。地域の方々と全校生徒で、津波を想定した体育館への非難や、負傷した人への手当ての仕方、ご飯やカレーの炊きだしなど、災害を想定した訓練を行っています。
海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
本校の2年生が、SGH水俣ACTⅠの活動の一環で国立水俣病総合研究センターと共同で、「水俣病の現状~水俣湾を含む八代海域でのDINの季節的・地理的変動について~」というテーマで、継続的に調査を行っています。
この研究は水俣湾の漁獲量が減少していることとDIN(溶存態無機窒素濃度)との関係を明らかにする目的でスタートし、海水を採集し、水質の分析を続けています。本研究については、国水研で行われるNIMDフォーラム等で発表し、多くの方に水俣湾の現状について知ってもらう機会となりました。
<NIMDフォーラムでの発表>
森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
水俣市は日本初の「環境首都」に認定されており、水俣高校は水俣市唯一の高校として環境美化に力をいれています。今年、環境に配慮した取組を行っている高校であるという理由で「グリーンフラッグ校」に認定されました。
また、水俣高校の建築コースでは昨年度より山林管理業者や水俣市建具組合と連携し、「ウッドコネクトプロジェクト」を立ち上げました。自分達で伐採した木材を用いた木製ベンチを製作し、10台のベンチを水俣環境アカデミアへ贈呈しました。
<本校の環境委員と美化委員>
<本校建築コースの作成した木製ベンチ>
公正、平和かつ包摂的な社会を推進する
本校では毎年、いじめ防止に向けた取組として、生徒が主体となり、「いじめをなくす人権宣言文」を作成しています。
また、「スクールサイン」というサイトを利用し、いじめの相談をしやすい環境づくりを行っています。
<教室に掲示されている宣言文と各種相談窓口の連絡先>
持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する
本校では5月に体育大会、10月に文化祭があります。
体育大会では、団やクラス対抗のリレー、学年混成チームでの競技など、普段は関わりが少ない人と交流しながら各団優勝を目指します。文化祭では、各科、委員会、部活動の取組の発表があったり、クラス毎に企画を考案し、展示やステージ発表を行ったりしています。
同じ目標を見据え、全力で学校行事に取り組む中で絆が深まり、様々な困難を協力しながら乗り越える力を学校生活で育んでいます。
<本校の体育大会、文化祭の様子>