日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その4)

 本校の子供たちにとって、コミュニケーションをとるうえで表情や口形はとても大切な要素です。手話を用いるにしても、音声でやりとりをするにしても紙マスクや布マスクでは表情や口形が見えないため、話し手の感情や話の内容等をつかみ取ることは大変困難です。

 そのような意味からも、コミュニケーション上は「透明マスク」が有効な手立てとなりえます。

 実は、始業式の校長挨拶では、クリアファイルを使ってこしらえた透明マスクを着けて話をしました。実際に使ってみると、使用後に結構な量の飛沫がくっついていたので、あらためてマスクの有効性を認識したところです。

 学校再開を見据えて、自作の透明マスクを準備する先生方もいますが、学校としても市販の透明マスクを既に購入し試用しています。透明部分を広くしたり、隙間を埋めたりする工夫等が必要と思われますので、より良いものに改良していきたいと思います。(『熊聾マスク』が作れたらいいなぁ‥)

 最後にお知らせですが、本日、熊本日日新聞社から「透明マスク」に関して本校に取材がありました。明日、熊日朝刊に掲載されると思いますので、是非目を通していただければと思います。

    令和2年4月21日    

     熊本聾学校長  五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その3)


 
 小学部の子供たちが駆け回っている中庭の端には、数年前まで築山とトンネルがありました。熊本地震の後の調査で危険箇所であることが分かり、現在は撤去され、立ち入りできないように三角コーンが置かれているところです。

 これまでは地肌がむき出しになっていたところですが、4月16日に、小学部の先生方と事務室の技師の先生方で「ラベンダー」や「ローズマリー」、「クチナシ」等の苗を合わせて約70株植えました。ある先生は「○○さん、△△さんたちが喜ぶだろうなぁ」なんてつぶやきながら、子供たちの喜ぶ顔を想像しながら植えておられました。他にも「ユキヤナギ」と「ヒュウガミズキ」を別の場所に植えてあります。(どこに植えてあるかは秘密です。今度学校に来た時に探してみてください。)


 学校再開後には、苗が少し大きくなっていることでしょう。綺麗に咲いたときは色とりどりに咲き誇り、華やかになると思います。どうぞ楽しみにしていてください。他にもチューリップやパンジー、ベゴニアなどが今満開です。せっかくなので、このホームページの写真でおすそ分けします。

  
令和2年4月20日     

    熊本聾学校長  五瀬 浩


 

今、熊聾では・・・(その2)

 熊本地震から4年が経過しました。4月14日は前震が、そして16日は本震が起きた日です。
 熊本地震の際には、全国の皆様から物心両面にわたって多大なる御支援をいただき、あらためて感謝とお礼を申し上げます。
 未だに仮設住宅での生活を余儀なくされていたり、自宅再建の目途が立たない方がいたりと、まだまだ復興半ばの状況です。

 最近は新型コロナウイルスの影響で、熊本地震のことが薄れている感がありますが、熊本県人にとっては忘れることのできない、そして忘れてはならない日です。本校では、今後も熊本の創造的な復興を目指していくこと、後世に繋いでいくことを誓い、熊本地震で犠牲になった方々に対し、全職員で黙祷を捧げました。

今、熊聾では・・・(その1)

  4月14日(火)朝8時30分、熊聾の全職員が体育館に集まり、会議を開きました。会議のテーマは、休校期間中の、そして更に延長されるかもしれない休校を見据えての「子供たちの学習保障や心のケアをどのようにしていくか」というものです。前週に学習支援のための緊急プロジェクトチームを立ち上げ、短い期間に今後の対応策を検討し、14日当日に全職員向けに提案をしてもらいました。
 県立学校の児童生徒へのタブレット1人1台導入が未だ実現していない状況ですが、今出来るところからスピード感をもって進めていこうと考えています。
 先ずは、児童生徒・保護者の皆さんに学習支援の希望の有無、御家庭におけるネット環境の状況、可能なやり取りの方法等についてのアンケートを早急に実施します。御協力のほどよろしくお願いします。

令和2年4月16日     
 熊本聾学校     
  校長  五瀬 浩  

令和2年度のスタートにあたり・・・

 令和2年度がスタートしました。

 数日続いている好天と粘り強く咲いている桜の花が、進級、新入の子供たちを今か今かと待っていたかのようでした。

 4月8日(水)には学部毎に時間をずらして始業式を実施しました。そして、翌9日(木)の入学式では出席者を新入生と保護者、本校職員に限定したり、プログラムを短縮したり、席の間を十分に開けたり、さらには体育館の窓を開放したりと、昨年度末から続く新型コロナウイルス感染症の影響で、本校も異例尽くしの対応を迫られています。

 日本中がこれまでに経験したことのない状況を目の当たりにして、いつまで続くことになるのかという不安も抱きながらのスタートになりましたが、心温まる場面にも幾つか遭遇しました。始業式当日は寄宿舎を閉舎したこともあって遠方の生徒たちの出席は叶いませんでしたが、ほとんどの幼児児童生徒たちが久しぶりに会う友との再会を喜んでいる様子が窺えました。「子供たちが学校に来てくれるだけでこんなに賑やかになり、先生達の表情もパッと明るくなるんだ。」と、あらためて子供あっての学校だと感じました。さらには、入学式に参加できない幼稚部在校児のお母さん方が、翌日入学してくる3歳児(赤組)さん向けにお祝いの壁面掲示物を作ってくださっていました。なんともその心遣いとチームワークの良さに感嘆したことと併せて、本当に幸せな気分になりました。

 今後しばらくは休校が続くことになり、課題も多々ありますが、全職員で知恵を出し合い、工夫しながら、この難局を乗り切っていきたいと思います。

 保護者の方々、関係の皆様におかれましても御理解と御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずは、学校再開の日まで皆様が健康で過ごされますことをお祈りしております。

熊本県立熊本聾学校   

校長  五瀬 浩

★入学式の様子★