日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その54)

 昨年、全国聾学校長会の中で『Ontena(オンテナ)』という新しいタイプの機器の紹介がありました。どのようなものか簡単に言えば、音や声、音楽などを振動や光に変えて体で感じることのできる新しいタイプの送受信機器です。これまでにも似たような発想から開発された機器として、ボディソニックチェアやボディソニックマットなどがありますが、それらの小型軽量版(携帯型)と考えればよいでしょう。
 既に全国の多くの聾学校で使用されていると思いますが、本校でも試用を希望したことで、今年3月には10台の機器が届けられました。昨年度末からの休校期間があったことで、今年度は学校再開後にようやく音楽の授業で使い始めたところです。実際に着用した小学部の子供たちは最初「くすぐった~い」と口々に言っていたようですが、すぐに馴染んで体のいろんなところにくっつけて感触を楽しんでいるようです。 
 私も実際に試してみましたが、音楽や話しことばをリズムとして捉えるには有効な手立てとなり得るようです。また、音楽以外でも発想を広げれば、自立活動や体育、その他の教科等でも活用の幅が広がると思われます。試用していくうちに効用と課題も見えてくると思いますが、先ずは音楽科の中で試していきたいと考えています。
さらに付け加えれば、振動覚を活用しての学習は聴覚に障がいのある子供たちに限らず、他の障がいのある子供たちにとっても有益な学習につながります。聾学校以外の他の特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室での活用も大いに考えられますね。

 
令和2年7月6日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その53)

 小学部3・4年生の大好きな歌に『にじ』(教科書に掲載)があります。
 先日、音楽の授業を見に行った時には、情景を味わいながら歌っている子、大きな動きで虹を作っている子、飛び跳ねながら体全体を使って表現している子、と十人十色ならぬ九人九色の豊かな表現に触れ、私の心も踊りました。
 授業の後半では、音を体で感じる新しいタイプの機器『Ontena(オンテナ)』が登場しました。このOntenaについては次号でお伝えします。
 どうぞお楽しみに!

 
令和2年7月3日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その52)

 中学部の「自立活動」~ろうの先輩に学ぶ~の授業を参観しました。Zoomを用いて、『手話フレンズ』でお馴染みのモンキー高野さんとの遠隔交流の様子を見せていただきました。本校の生徒たちは勿論、私たち職員もモンキー高野さんの豊かな表情と手話表現、そして高野さんの生い立ちや面白いエピソード等々に引き込まれ、あっという間の1時間を過ごしました。
 生徒たちの事後の感想を聞かせてもらうのがとても楽しみです。  

令和2年7月2日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その51)

 今回は少し硬い話から入ります。
 特別支援学校においては、個々の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するための指導が必要となるため、小・中学校等と同様の各教科等のほかに、特に「自立活動」の領域を設定し、その指導を行うことによって、幼児児童生徒の人間として調和のとれた育成を目指しています。
 「自立活動」は個に応じた指導計画を作成し指導を行うことが基本ですが、指導目標を達成する上で効果的である場合には、集団を構成して指導することも考えられます。
 先週、高等部本科の自立活動の時間に、生徒たち共通の課題について学年毎に学習している様子を参観しました。


令和2年7月1日

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その50)

 7月からのプール使用に備えて、本校生徒と熊本はばたき高等支援学校の生徒、そして職員によるプールの清掃を先週終えました。
 また、旧寄宿舎が取り壊されたことで、外からプールの中を覗かれないよう応急的な仮囲いを取り付けています。
 準備万端!あとは水を張って待つだけです。
 

令和2年6月30日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩