日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その58)

 NHKテレビの「クマロク」で先週取り上げられましたが、熊本工業高校の電波部ロボット班の生徒さん達が制作した透明マスクの贈呈式を昨日本校会議室で行いました。
 熊工と熊聾による透明マスクの共同開発は、「市販品の透明マスクに改良を加えたものを3Dプリンターで制作していただけないだろうか」と、本校から依頼したことがきっかけでした。
 また、熊工電波部ロボット班としては今年度の全国高等学校ロボット競技大会が中止となり、新型コロナウイルス対策として何か出来ることがないか検討されていたことも相まって、両校でのコラボレーション企画が始まりました。
 改良途中ではありますが、市販品と比べて改良型透明マスクには次のような特徴(メリット)があります。
①   透明部分(マスク)の大きさを好みの大きさに調整できること
②   安価で作れること(本品は1枚当たり30円程度)
③   軽量であること
④   顎にかける部分を必要とせず、肌への接地面を極力小さくしており、ベタつきを軽減でき、夏場に蒸れないこと
⑤   マスク(透明部分)の取替品を簡単に自作出来ること
 
※マスクの土台となる部分を透明素材にすれば、見た目の違和感が更に無くなると思われます。(透明の材料が現在は品薄で手に入らない状況ということです…)

 令和2年7月10日      

 熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その57)

 今月4日未明からの県南地域の豪雨災害に続き、6日から7日にかけては長崎県、佐賀県、福岡県と熊本県北地域にも線状降水帯がかかり、大きな被害をもたらしました。本当に恨めしい雨です。
 今週日曜日(5日)は人吉~八代間の高速道路が通行できたので、寄宿舎生の多くは帰舎することができ、学校生活も通常通りに過ごすことができています。しかし、一部の御家庭では、一時車中泊をされたり、自宅待機をされていたり、交通事情により学校に通えていないところもあります。先ずは、安全第一でお過ごしできますことをお祈りしています。
 さて、昨日の学校安心メール等でお知らせしました通り、明日金曜日は全学部ともに給食後下校といたします。御理解と御協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
なお、天候悪化や高速道路等の交通状況の変化によっては、寄宿舎生が自宅に帰省できないことも十分考えられます。その際には寄宿舎を開舎して対応出来るよう、既に準備を整えています。御相談やお尋ね等がありましたら、寄宿舎の方にお問い合わせください。
 また、このたびの豪雨被害に対しまして、連日、全国各地の聾学校長様からお見舞いの便りをいただいております。本書面にてあらためて深く御礼申し上げますとともに、他都道府県におきましても被害が拡大しないことを心からお祈りいたします。
 

令和2年7月9日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その56)

 コロナ禍ということもあり、校内の教職員が理容科の実習モデルとなって、シャンプーやマッサージの授業に入っています。
 高等部本科理容科の3年生は実習経験を積んだだけあって、技術が伸びてきていることを肌で感じます。1,2年生も負けじと一生懸命実習に励んでおり、吸収欲が旺盛な様子が伝わってきます。
 普段、理容店に行くときには気持ちよくなってうたた寝することもありますが、授業中ですのでそういう訳にはいきません。授業の最後には、生徒に評価(感想)を伝えねばなりませんので、生徒たちの動きの一挙手一投足に注目したり、力加減を確かめたり、接客態度を見たりしながらモデルを務めています。

 
令和2年7月8日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その55)

 本校が位置する東町周辺は県立学校4校(本校、盲学校、熊本はばたき高等支援学校、第二高校)、市立学校3校(東町小学校、東町中学校、健軍東小学校)や警察署、消防署、自衛隊、税務署等々が建ち並ぶ文教地区です。
 このような地の利を生かして、本校では以前から各学部等で「交流及び共同学習」を進めてきています。
 本年度に限っては新型コロナウイルス感染症対策のため、年度当初から例年通りに進めることが難しい状況ですが、交流及び共同学習についても段階的に再開していければ…との思いでいます。
 皮切りとして、先週2日間にわたり延べ12人の第二高校バドミントン部の生徒さんと本校体育館で練習(試合)を行いました。本校の生徒たちにとって他校生徒との練習試合は貴重な経験であり、有難い機会となります。試合経験を多く積むことで度胸をつけ、試合慣れし、本番で自分の力を出し切ることに繋がっていきます。
 部活動顧問からは今後他校にも練習試合の声掛けをしていきたいと聞いています。お互いにとって意義のある部活動交流が広がっていくことを大いに期待し、応援(支援)していきます。

 
令和2年7月7日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(特別号)

 7月4日(土)未明から県南地域を襲った豪雨は甚大な被害をもたらしました。テレビや新聞で報じられる映像や写真等を目にして、言葉が出ないほどの衝撃を受け、心を痛めております。
 本校幼児児童生徒のうち人吉・芦北・水俣・八代方面から通っている子供たちは寄宿舎生と施設利用者を含めて18人います。4日のうちには全員の無事が確認されましたが、自宅や親戚の家屋が浸水したり、周辺道路が遮断されたりと登校できる状況にはない御家庭もあります。
 今後しばらくは大雨が続くとの予報が出ていますので、土砂災害等の二次災害が起きないことを願うばかりです。当該地域に関わらず、災害時には先ずは身(命)を守る行動をとることが大切です。言うまでもありませんが、いつでもすぐに避難できるよう情報収集を心がけ、避難場所や持出し品等の確認と準備をしておきましょう。
 さて、このような中、早速全国聾学校長会会長の村野一臣校長先生(東京都立立川ろう学校長)、九州地区聾学校長会会長の中野康子校長先生(福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校長)からお見舞いと励ましの御連絡をいただきました。あらためて御礼申し上げます。
 振り返ると4年前の熊本地震の時にも、県内外の皆様からの多くの御支援に勇気づけられ幾多の試練を乗り越えてくることができました。このたびの豪雨により被害を受けた国道や鉄道橋、ライフラインの復活までには相当の期間を要すると思われます。被災地の皆様の安全を心よりお祈りするとともに、一刻も早い復旧を願っています。


令和2年7月6日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その54)

 昨年、全国聾学校長会の中で『Ontena(オンテナ)』という新しいタイプの機器の紹介がありました。どのようなものか簡単に言えば、音や声、音楽などを振動や光に変えて体で感じることのできる新しいタイプの送受信機器です。これまでにも似たような発想から開発された機器として、ボディソニックチェアやボディソニックマットなどがありますが、それらの小型軽量版(携帯型)と考えればよいでしょう。
 既に全国の多くの聾学校で使用されていると思いますが、本校でも試用を希望したことで、今年3月には10台の機器が届けられました。昨年度末からの休校期間があったことで、今年度は学校再開後にようやく音楽の授業で使い始めたところです。実際に着用した小学部の子供たちは最初「くすぐった~い」と口々に言っていたようですが、すぐに馴染んで体のいろんなところにくっつけて感触を楽しんでいるようです。 
 私も実際に試してみましたが、音楽や話しことばをリズムとして捉えるには有効な手立てとなり得るようです。また、音楽以外でも発想を広げれば、自立活動や体育、その他の教科等でも活用の幅が広がると思われます。試用していくうちに効用と課題も見えてくると思いますが、先ずは音楽科の中で試していきたいと考えています。
さらに付け加えれば、振動覚を活用しての学習は聴覚に障がいのある子供たちに限らず、他の障がいのある子供たちにとっても有益な学習につながります。聾学校以外の他の特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室での活用も大いに考えられますね。

 
令和2年7月6日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その53)

 小学部3・4年生の大好きな歌に『にじ』(教科書に掲載)があります。
 先日、音楽の授業を見に行った時には、情景を味わいながら歌っている子、大きな動きで虹を作っている子、飛び跳ねながら体全体を使って表現している子、と十人十色ならぬ九人九色の豊かな表現に触れ、私の心も踊りました。
 授業の後半では、音を体で感じる新しいタイプの機器『Ontena(オンテナ)』が登場しました。このOntenaについては次号でお伝えします。
 どうぞお楽しみに!

 
令和2年7月3日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その52)

 中学部の「自立活動」~ろうの先輩に学ぶ~の授業を参観しました。Zoomを用いて、『手話フレンズ』でお馴染みのモンキー高野さんとの遠隔交流の様子を見せていただきました。本校の生徒たちは勿論、私たち職員もモンキー高野さんの豊かな表情と手話表現、そして高野さんの生い立ちや面白いエピソード等々に引き込まれ、あっという間の1時間を過ごしました。
 生徒たちの事後の感想を聞かせてもらうのがとても楽しみです。  

令和2年7月2日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その51)

 今回は少し硬い話から入ります。
 特別支援学校においては、個々の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するための指導が必要となるため、小・中学校等と同様の各教科等のほかに、特に「自立活動」の領域を設定し、その指導を行うことによって、幼児児童生徒の人間として調和のとれた育成を目指しています。
 「自立活動」は個に応じた指導計画を作成し指導を行うことが基本ですが、指導目標を達成する上で効果的である場合には、集団を構成して指導することも考えられます。
 先週、高等部本科の自立活動の時間に、生徒たち共通の課題について学年毎に学習している様子を参観しました。


令和2年7月1日

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その50)

 7月からのプール使用に備えて、本校生徒と熊本はばたき高等支援学校の生徒、そして職員によるプールの清掃を先週終えました。
 また、旧寄宿舎が取り壊されたことで、外からプールの中を覗かれないよう応急的な仮囲いを取り付けています。
 準備万端!あとは水を張って待つだけです。
 

令和2年6月30日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩