保護者の声

本校に通う幼児の、保護者さんからのメッセージです。

令和5年度(2023年度)幼稚部3歳児 保護者の声03

 入学して1年、○○はたくさんのことを理解し、できることが増えました。入学前はなぜこんなに落ち着きがないのだろう、発語がないのだろうと子育てについてとても悩んでいました。そんな時、うさぎルームの存在を知り教育相談に行きました。先生が○○を見て、「○○は絶対に聾学校が合う。成長するよ。伝える手段がないから動作で伝えるしかない。だから落ち着きがないように見える」と仰ってくださり安心したのを覚えています。

 「手話を覚えたら絶対に落ち着くから」という先生方の言葉を信じ、入学を決断しました。赤組(3歳児学級)で過ごして行く中で、今までできなかった『イスに座り先生の話を聞く、お友達と喧嘩をする、お友達と一緒に遊ぶ、待つ』など色々できるようになりました。

 もし今悩んでるお母さんがいたらぜひ一度相談されてください。そして実際に聾学校を見学し、子ども達の学校生活を楽しむ姿を見ると感じるものがあるのではないかと思います。

 最後に、私は○○を熊本聾学校に入れて心から良かったと思います。これから○○がもっともっと成長する姿を見るのが楽しみで仕方ありません。

 先生方、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

令和6年(2024年)3月 3歳児保護者 

令和5年度(2023年度)幼稚部3歳児 保護者の声02

 幼稚部に入学してから1年、たくさんの成長をみせてくれました。

 入学当初は、慣れない環境で初めての事や嫌なことは話も聞かずに「イヤ」と逃げる事が多かったのですが、先生が絵カードや黒板などを使い丁寧に説明をされ、何をするのかをきちんと理解し、見通しを持つことが出来たことで、集中して活動する時間が増えました。

 半年も経たずに「イヤ」と言うことがなくなり、分かることが増えることで、むしろ「自分が1番じゃないと嫌!」と何事も積極的に取り組むようになりました。分かることや伝わることの嬉しさを感じ、自信を持っていろんな人と関わる姿を見て、表現の仕方・伝え方がわからず「イヤ」と言っていたのだと気づかされました。

 今では、先生や同級生、異年齢との関わりを通して、音声だけではなく指文字や手話、ひらがなに興味を持ち覚え始めたことで、伝わらない事はどうしたら伝わるのか考え、自分が持ってる有りとあらゆる手段で伝えようとするようになりました。

 また、負けず嫌いで我が強いところはありますが、お友達を気遣う様子もみられるようになり、関わりが深まってきていることがとても嬉しいです。

 入学するまでたくさん悩み、入学してからも送迎など大変なことはありますが、〇〇の成長を実感し、分かる環境の大切さを感じています。

 これからも、たくさんのことを経験し、お友達とたくさんやり取りをしてほしいなと思います。親子一緒に、成長していきたいです。

令和6年(2024年)3月 3歳児保護者 

令和5年度(2023年度)幼稚部3歳児 保護者の声01

 聾学校に入る前は、数少ない手話とジェスチャーで子供とコミュニケーションをとっていました。

聾学校に入学して初めの頃は、他の友達は沢山の手話を覚えて表現が増えてる中で、我が子は手話での表現も少なかったり、手話で伝えた事も伝わらなかったり…。家庭の事情で学校に行けない日々もありました。月が経つにつれ手話で伝えた事の理解も増え、赤組が終わる頃には手話での表現も増えてきました。先生も仰っていた毎日の積み重ねはとても大切という事を改めて実感しました。

 残り2年間ありますが、今よりも沢山のことを覚えていくのだろうと思うと益々子供の成長が楽しみになりました。また、初めての子育てで生まれた時から聴こえない我が子だったので、子育てに関する相談や日頃の親子同士のコミュニケーションについて、たくさん先生にアドバイスを頂き私も沢山救われました。

 熊本聾学校に通わせて良かったです。

令和6年(2024年)3月 3歳児保護者 

令和4年度(2022年度)幼稚部卒業生 保護者の声06

通学するにあたり、1日約180㎞メートル、1週間で900㎞の運転。それを3年間・・・と考えてみるとゾッとします。なので、「大変ですね。」や「えっ!毎日通って?」などと声をかけられていた事も納得できます。ただ、この3年間息子の送迎に関しては大変だとは感じたことはなく、むしろ息子と二人だけの楽しいドライブの時間でした。幼稚部3年間は、コロナの影響や自然災害、病気などにより登校できない日も多々ありましたが、可能な限りは登校していました、それは、息子本人の「行きたい。」という気持ちがあったからという事もありますが、息子の成長していく姿を私自身が感じていたので、よほどのことがない限りは登校しました。

 息子はペラペラと、きれいな発音で喋ります。喋りますが聞こえません。喋っているのに聞こえません。聞こえないけど喋ります。なかなか理解しがたい姿ですが、人工内耳を外したら無音の世界です。そんな様子の息子なので、熊本聾学校の幼稚部に入学することに対しては「行かなくても大丈夫ですよ。」や「今の保育園でもやれているのに、わざわざ遠い所に行く必要があるの?」などの事をよく言われました。ですが、どれだけ発音がきれいで、おしゃべりが上手でも、聞こえない息子にとって、これからの人生において重要となる幼児期を、熊本聾学校幼稚部で過ごす事が大切だと感じ、幼稚部へ入学しました。

 息子は8ヶ月過ぎから保育園へ通い始めました。私も同じ保育園で働いており息子の様子を目にすることもできました。保育士の先生方も簡単な手話や絵カードなどの視覚的な支援をしてくださっていました。2歳児の頃になるとよく喋る様になっていました。保育園での大きなトラブルや、お友達とのトラブルもなく、登園渋りもなく毎日通っていました。ですがなぜ、熊本聾学校幼稚部へ通うことになったのか・・・それは、息子の保育園での様子を見る中で不安が募っていった為です。先ほど述べた様に特に大きな問題もなく過ごせていた保育園生活。問題を起こす事はないものの、息子の中では問題を起こせるほどの友達との関係性や自分の感情が無かった様に思います。先生の指示を理解して行動しているのでなく、皆が行くから同じ方向へ行く、同じ事を見様見まねでする。好き、遊びたい遊具・玩具があってもお友達と同時に手にしてしまったり、先にお友達が使っていたらササッと違う遊具や玩具へ手を伸ばす。誰でも叱られるのは嫌ですし、トラブルは避けたいものです。まさに息子は叱られたくない、お友達とトラブルになるくらいならば、自分から引いて過ごしている姿を頻繁に目にした時に、このまま、自分で考えて行動する、お友達とのコミュニケーションを図る事もなく、大きくなっていったとしたら・・・と考えると将来が不安になりました。

 ロボットの様な息子が幼稚部へ入学してから、1年が過ぎる頃には、理解し、納得した上で行動する姿やお友達とケンカも出来る様になりました。そして、一番の変化は、表情が豊かになりました。更に3年経った今では、お友だちとふざけ合ってついつい注意を受けることもある程になりました。安心して自分をさらけ出し、思いっきり楽しんで、真剣にケンカもして、友達と一緒に考えて、何かを作り上げたり・・・主体的に活き活きとした姿で毎日過ごすことができました。

 3年間親子で絵日記に取り組みましたが、3年目にしてやっと絵日記の大切さを実感できる場面が多く「前に赤組の時に絵日記でやったよね。その時こんな話をしたよね。」や「これって、あの時にした絵日記のことと同じだ。」と普段の何気ない生活の中で絵日記での内容を結び付けていたり、以前の絵日記を見返して確認したり、比べてみたり・・・まるで辞典のようです。絵日記については、私と息子の間で毎日楽しいやり取りができていたわけではありません。なので、困っていたり、悩んでいたり、不安になったり・・・このすっきりしないモヤモヤ感があるからこそ、息子にとっての今の絵日記のベストな方法は何なのか考える事になり、考える事によって息子に寄り添う事ができたのかなと感じています。卒園する前日に「もう先生と絵日記できないんだ・・・先生と絵日記のおしゃべりしたかったな・・・」と淋しそうに呟いて一人静かに絵日記を見返している姿や「お母さん、幼稚部卒業しても、この絵日記全部捨てたりしないでね。僕の宝物だから。」と鼻を大きく膨らませて力強く言う息子の姿に救われました。

 4月から息子は地元の小学校へ入学します。これまでとはがらっと変わる環境に戸惑う事や疲れてしまう事が多いと思います。これから先、様々な悩みや困りごとが出てきます。ですが、息子には息子と同じ聞こえない聞こえにくい友だちがいます。その友だちと悩みを共感・共有し合い、悩みや困り感を和らげる事ができると思います。それは、息子だけではなく私自身にも言える事であり、息子を通して知り合えた聞こえない聞こえにくい子どもをもつ親同士、共感しながら息子をサポートしていく事が出来ると感じています。それが、なにより心強いです。

 先生方、うさぎルームの時から、私達親子に寄り添って支えてくださり、ありがとうございました。

 

令和4年度(2022年度)幼稚部卒業生 保護者の声05

コロナで最初の頃は通えない日々でした。

 軽・中等度難聴の娘だから、話は通じてしまい、さら~っと1日を過ごしていました。でも、親は特段困ることもなく、なんとなく続けていた絵日記をとりあえずするといった毎日でした。熊本聾学校に通うようになり、本格的に絵日記が始まると「あれ?」と思うことが、多々。健聴児とは違う風に聞こえているのがとても明らかになりました。それを一つ一つ確認し、本人の中で修正していく毎日が始まりました。本人は正しいと思っているので、(そう聞こえているのだから、そうなのですが)真正面から否定すると、もちろん聞き入れてもらえません。そんな時、参観などを通じて、先生の子どもへの接し方、言葉の選び方、本人に気づかせる誘導の仕方を学ばせていただきました。子どもが入学して、学び育っていくと共に、親も一緒に入学し、学んでいけました。

 同級生との関わりも3年間を通して随分変わりました。年少児の時は、子ども対先生の関係でしたが、徐々に手話も覚えていき、年長児になると子ども同士で会話が成り立ち、互いに意見を言い合い、共に笑う関係が作られていきました。支援されるだけの子どもではなく、本当に同じ立場で関係性が作られていることが当たり前のことなのにすごいと思いました。