保護者の声

令和5年度(2023年度)幼稚部卒業生_ 保護者の声01

 私は、娘を聾学校に入学できて本当によかったと思っています。その理由は、娘がこの3年間で大きく成長したことを実感しているからです。

  娘は、低体重出生児で脳にも異常が見つかりました。産後は、さまざまな不安で本当に押し潰されそうでした。 生まれて数日後の検査で、娘の左耳が聞こえないと分かり、私はすぐに、産院の病室で聾学校の幼稚部について調べました。 その時、目印が見つかったような感じがして、気持ちが少し前向きになりました。

 今でも、その光景が頭から離れません。 そして、娘が満3歳になったら聾学校の幼稚部に入学させる方法もあるなと思いました。 

 0歳から3歳を迎えるまでは、保育園や日中利用ができる療育などに通いました。2歳ごろには右耳も聴力が下がり始め、聾学校への意識も強くなりました。 

 実際に熊本聾学校の幼稚部に通い出すと、娘は少しずつ手話を覚え、様々な表現ができるようになっていきました。 私も少しずつ手話を覚え、親子の会話がスムーズ・豊かになっていきました。今では、毎日手話で親子喧嘩をしています(笑)

 また、娘は発達障害と軽度知的障害を合併しており、理解するまでに時間がかかったり、パニックや癇癪を起こしやすかったりするのですが、最近では、手話で話し合うことで気持ちを切り替えられる場面が、少しずつ増えてきています。 

 手話は娘にとって第一言語であり、私たち親子にとっても大切なコミュニケーション手段であることを改めて実感するようになりました。 就学前の大事な時期を熊本聾学校の幼稚部で過ごしたことは、本当に貴重な経験だと思います。 

 先生方や保護者の方々と、子育ての悩みや喜びを共有できたことも良かったです。「自分だけじゃないんだ」と思えたことで救われたときが幾つもありました。 

 4月から、娘は他の学校に入学しますが、聾学校の幼稚部で身に付けたことを糧に、娘らしく小学校生活を楽しんでほしいです。 先生方には、家庭のことや進路のことなど様々な課題に寄り添いサポートしていただき、本当にありがとうございました。

 令和6年(2024年)3月 5歳児保護者