保護者の声

2021年1月の記事一覧

令和2年度 保護者の声05

 入学してすぐは手話も言葉も少なく、家でのコミュニケーションはジェスチャーと少しの手話でのやりとりがほとんどでした。伝えたいけど伝わらないことも多くお互いにイライラすることがあり、悩むこともありました。けれど、学校に入り、まずお友達の名前と先生の名前を覚え、それらをお風呂の時も寝る時も食事の時もずっと表現してくれました。私も一緒に「〇〇くんだね。」「〇〇先生だね。」と写真と一緒にやりとりして遊んでいました。

名前のやりとりから始まり、毎日学校に通うようになると、手話を身に付け言葉を覚え「今の手話は何?」と私も思うまでになりました。

 自分から伝えたいという気持ちも強くなり、手話を使って伝えてくれるようになりました。また、私が説明をすれば納得し理解してくれることも少しずつ増えてきて通じ合うことの喜びを実感できています。

 学校でさまざまなことを学び、経験することにより表現も増え、学校の外でもいろんなものに興味を持ち、目にしたものに対しても色や形、なにかに似ているなど話の幅が広がり、今、我が子が何を感じて思っているのかを知ることもできるようになりました。

 入学して数か月ですが、毎日の積み重ねや理解して生活できる環境にいることが本当に大切だと思いました。どんどん成長してくる子供に負けないように私も手話を頑張らなければと思う毎日です。     

令和2年12月  3歳児保護者

 

令和2年度 保護者の声04

 〇〇は保育園に通っている時、先生や周りの人たちから「賢いですね、すごいですよね。」と言われる事が多く、その言葉に安心していました。それは、周りをよく見て、真似をするのがすごく上手な子供だっただけでした。自分で考えて動くのではなく、少し遅れて周りのお友達の真似をする事しか出来なかったのに、それに気付く事も出来なかったなんて、今考えると、とても申し訳ない事をしていたな、と後悔しかありません。もっと早くに聾学校や手話と出会っていたら、〇〇はもっと沢山の発見や、喜びに出会えていたのに…
 聾学校に入学させて頂いて毎日過ごす中で、4月の頃に比べると、1番変わったのは〇〇の表情だと感じています。嬉しい時や、怒っている時、悲しい時、表情や全身を使って表現してくれるようになりました。
 ある時、家で朝ご飯を食べない時、〇〇に「ご飯が終わったら自転車で遊びに行くよ〜」と手話と言葉で伝えました。すると、表情が一気に変わり、「やった〜」とキラキラした笑顔になり、ご飯を食べ始めました。そしてさっさと食べ終わり、私が食器を洗っていると、腰に手を当て、顔を膨らませながら、足踏みをして近寄って来ました。私が「なに?どうしたの?」と尋ねると、「もう!(急いでの手話)」と言ってきたのです。私は怒っている○○の顔を見て、思わず吹き出してしまいました。
 今まではどこにいく、なにをすると言うのも十分に伝えられず、楽しみにするという感覚があまりなかったように思います。(ご飯食べたくないな〜、え、でも食べたら自転車乗れるの?よし、食べたぞ!遊べる!あれ?まだ行かないの?なんで?あ、ママまだなんかしている、もう!早くするように伝えなきゃ!)っていう副音声が聞こえた様に思えた場面でした。未来の楽しみを想像して、行動でき、また進まない時には原因を考え、対処する。この何気ない行動の中に〇〇の気持ちを思うと「伝わる事」の大切さを感じました。
 入学してから、「ママ、みて!」も、たくさん増えました。伝わる喜びに出会えさせてくれたのは担任の先生を始め、先生方のおかげです。ありがとうございます。そして、〇〇だけでなく、聾学校に入学して日常生活も濃くなりましたが(笑)聞こえない子どもをもつ親として、なにが必要なのか、どうしてあげることが良いのか、指針を示してくださり、私達親も毎日が楽しくなりました。本当に感謝しかありません。
 今後もたくさんの経験をして、どんどん成長する姿を楽しみにしています。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。                     

令和2年10月  3歳児保護者

令和2年度 保護者の声03

 聾学校に入学して半年間で〇〇の成長にビックリすることばかりです。
知っている言葉が増え手話を知り、分かることの楽しさや伝えることの楽しさを知って伝えたい気持ちが育まれたんだなあと思いました。今ではうるさいくらいのおしゃべりさん。
 聾学校に入学する前は、いいなあと思っても友達の中に入っていけずに、見ているタイプでなかなか輪の中に飛び込んでいけない印象で、心配していましたが、あれ?全然そんなことなかったと安心しました。
 入学してすぐ表情が変わっていく様子に1番びっくりしました!こんなに表情が変わるのだと主人とビックリしたのを覚えています。お友達との関わり方、楽しんでいる様子、〇〇の表情を見て分かる環境で生活することの大切さを実感した瞬間でした。
 これからの生活でもっと相手のことを思いやる気持ち、難しいこと、苦手なことも諦めずに最後まで一生懸命頑張る気持ちが育っていきますように。(母)

 ろう学校に入学して圧倒的に〇〇の表情と行動の変化に驚きました。以前の幼稚園では1人遊びと先生と話す事が多いイメージだったが、今は友達との遊びややりとりが楽しそうで本人が嬉しいと思います。1年前に「聾学校に入学すると心を育てる事ができる」と言われた事が今は実感できます❗本当にありがとうございます。感謝。(父)

令和2年10月  3歳児保護者

令和2年度 保護者の声02

 〇〇は0歳から地域の保育園に通い、子供達とよく遊び、先生や子供たちとのコミュニケーションは口話だけの会話で、キャッチボールのように言いたい事をうまく伝えずに諦めることも多かったです。保育園の先生から「〇〇君は喋るのが上手、生活の面では、特に困った事はないので、そのまま保育園を続けても大丈夫と思うけど、、。」と言われて、このような状態で続けていいのか迷い、乳幼児教育相談の先生に相談し、将来、困らない様に〇〇をしっかり育てたい気持ちが強く、園を辞めてろう学校の幼稚部に入学する事に決心しました。

今年4月から幼稚部に通い始めて、今までにない環境の中で多少の戸惑いがあったと思います。先生や友達が手話を使っているので、自分もだんだん手話で話せる様になったのではと思います。それと、指文字カードや絵カードや日常の絵日記のおかげで、〇〇の考えや言いたい事を自分から言えるようになりました。これからは○○らしく自分らしく生きていけたらと思います。今度ともご指導のほど、よろしくお願いします。

令和2年10月  3歳児保護者

令和2年度 保護者の声01

 聾学校に通う前は集中して見ることができない、じっと座ることが難しい子でした(北九州では特にそういう場が母と通園だったからかもしれません)。手話も覚えるのは興味のあるものだけで、こちらから問いかけても手話が返ってくることは無い事が殆どでした。言葉がない分コミュニケーションの面で状況を説明したり、どうしてダメなのか、何故行かないといけないのかなど伝わらなかったり、とても困ることもありました。
 幼稚部に通いはじめて色々学んだ中でびっくりしたのはやはり自分の気持ちを伝える力です。言いたい、伝えたい、聞いて欲しいという気持ちが芽生え本人から沢山話しかけてくれることが増えました。そして説明の方法も少しずつわかりやすく変わってきています。指文字も増え、覚えたいという気持ちも増えている気がします(家で自ら指文字カルタを持ってくることがあります)。先日の散歩を通して、〇〇君の指文字はすごく早く表すようになりました!
 普通の幼稚園の場合、きっとこんな心は育たなかったと思います。自分が伝えたことが相手にわかるだろうか、みんなの言っていることがわかるだろうか、伝わらない、わからないのは仕方がないことだ、と思っていたでしょう。難聴児である以上、聴者が多い世界で生きていく中で聞こえる私たちにはわからないような苦しい事も経験すると思いますが、それを小さい頃から可愛い可愛いで育っていける今から経験させる必要がないと思っています。今だからこそ、わかる環境の中で育てたいと思っています。
 引っ越す前は、我が子ほどの重度の難聴の子供はいないだろうなー、聾学校でも誰よりも情報が届かないんだろうなーと思っていたところがありました。が、今は良い意味で裏切られています。
 幼稚部の中で友達ができて、お兄ちゃんお姉ちゃんがいて、一緒に過ごす楽しさや伝わる嬉しさあるからこそ本人がイキイキと毎日通えていると思うと、熊聾で過ごせて心から良かったと思っています。これからもよろしくお願いします。

令和2年10月  3歳児保護者