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令和2年度 保護者の声04
〇〇は保育園に通っている時、先生や周りの人たちから「賢いですね、すごいですよね。」と言われる事が多く、その言葉に安心していました。それは、周りをよく見て、真似をするのがすごく上手な子供だっただけでした。自分で考えて動くのではなく、少し遅れて周りのお友達の真似をする事しか出来なかったのに、それに気付く事も出来なかったなんて、今考えると、とても申し訳ない事をしていたな、と後悔しかありません。もっと早くに聾学校や手話と出会っていたら、〇〇はもっと沢山の発見や、喜びに出会えていたのに…
聾学校に入学させて頂いて毎日過ごす中で、4月の頃に比べると、1番変わったのは〇〇の表情だと感じています。嬉しい時や、怒っている時、悲しい時、表情や全身を使って表現してくれるようになりました。
ある時、家で朝ご飯を食べない時、〇〇に「ご飯が終わったら自転車で遊びに行くよ〜」と手話と言葉で伝えました。すると、表情が一気に変わり、「やった〜」とキラキラした笑顔になり、ご飯を食べ始めました。そしてさっさと食べ終わり、私が食器を洗っていると、腰に手を当て、顔を膨らませながら、足踏みをして近寄って来ました。私が「なに?どうしたの?」と尋ねると、「もう!(急いでの手話)」と言ってきたのです。私は怒っている○○の顔を見て、思わず吹き出してしまいました。
今まではどこにいく、なにをすると言うのも十分に伝えられず、楽しみにするという感覚があまりなかったように思います。(ご飯食べたくないな〜、え、でも食べたら自転車乗れるの?よし、食べたぞ!遊べる!あれ?まだ行かないの?なんで?あ、ママまだなんかしている、もう!早くするように伝えなきゃ!)っていう副音声が聞こえた様に思えた場面でした。未来の楽しみを想像して、行動でき、また進まない時には原因を考え、対処する。この何気ない行動の中に〇〇の気持ちを思うと「伝わる事」の大切さを感じました。
入学してから、「ママ、みて!」も、たくさん増えました。伝わる喜びに出会えさせてくれたのは担任の先生を始め、先生方のおかげです。ありがとうございます。そして、〇〇だけでなく、聾学校に入学して日常生活も濃くなりましたが(笑)聞こえない子どもをもつ親として、なにが必要なのか、どうしてあげることが良いのか、指針を示してくださり、私達親も毎日が楽しくなりました。本当に感謝しかありません。
今後もたくさんの経験をして、どんどん成長する姿を楽しみにしています。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
令和2年10月 3歳児保護者
管理責任者 校長 市原留美子