保護者の声

令和5年度(2023年度)幼稚部卒業生_ 保護者の声02

 次男として生まれて一歳になる前くらいから家族の中で漠然と「お兄ちゃんはこの頃、もっとお話してたよな~」という不安。1歳半検診で言葉の遅れを指摘され病院に。新生児スクリーニングがパスしていたこともあり、耳鼻科では「言ってる事にも反応してるし、様子をみましょう」との事で地域の保育園に通っていました。幼いからと理由もあるかもしれませんが、お友達との喧嘩や手を出す事も多かったのですが、お友達との活動も楽しそうにしていたので言葉の遅れ以外は大きな心配はしていませんでした。

 2歳過ぎた時に担任の先生から、「やはり耳が聞こえていないのでは?」と聴覚支援センターを初めて紹介して頂きました。そこで、検査と大学病院の再検査を重ねた結果、両後迷路性難聴と診断を受けました。新生児スクリーニングで発覚することはなく、音に反応するが、言葉として認識しないという珍しい難聴のようで、言葉の習得は今後も厳しいと医師に伝えられました。正直、「2年以上話さなかった理由がはっきり分かって安心した。」が、家族にとっての感想でした。

 そこからは進むだけという気持ちで、聾学校に通う為に整備していきました(補聴器の嫌がり、フレキシブル勤務が出来る部署に異動、保育園との連携など)。出発が少し遅れた分、うさぎルームや手話など必要な情報が揃っていないままの入学でしたが、定期的に学校や保護者同士の手話学習会を通じて子供にとって必要なことは、インターネットなどよりもリアルに学ぶ事ができました。

  地域の保育園時代の喧嘩も今なら子供の気持ちも理解できます。後ろから声をかけられたり、「貸して」言われたことに気付かずに「玩具を勝手に取った」と思ったり…先生から聞くケンカの原因など、「難聴だから」の理由が大半だったなと。熊本聾学校に行くまでは、保育園のみんなで、言葉じゃなく絵カードや写真などを使ってなど、とても手厚くサポート頂いて感謝してます。

 しかし、熊本聾学校に入園させた事で次男も自分の気持ちを伝えることや、手話での友達や先生との関わりで自分をしっかり持てるまで成長したことは、地域の保育園ではなく熊本聾学校で学べたからこそだと思います。3年間で培った土台を、小学生以降、大きな幹になって次男らしく明るく前向きに学校生活を友達と楽しんでほしいと思います。

 子供の成長と親の成長を促していただいた先生方に感謝です。家族一同大変お世話になりました。

令和6年(2024年)3月 5歳児保護者