2024年12月の記事一覧

令和6年度 熊本西高等学校 2学期終業式「講話」

 生徒の皆さん、改めまして、おはようございます。
 季節は巡り、長い厳しい暑さの夏から、束の間の秋を経て、今は底冷えのする冬となっています。早いもので、今日は、2学期の終業式を迎えました。

 まず、2学期を振り返りますと、9月2日に始業式を行い2学期が始まりました。
 授業については、猛暑の日が続く中で始まり、最も授業日が多い学期として昨日まで展開しました。皆さん一人一人、主体的に深い学びができたことを期待します。
 学校行事としては、創立50周年記念の式典や講演会、そして創立記念祭等、学校の歴史と伝統の中で大きな節目となる行事が開催されました。また、11月のチャレンジウォーク、12月の修学旅行等の学校行事も次から次へと実施されました。行事によっては、生徒会役員や各種委員会の皆さんが、企画、準備、そして行事開催に仲間と協力しながら力を注いでくれました。
 さらに、部活動については、2学期に新人大会をはじめ各種大会が開催されました。本校から各部の皆さんが大会に臨み、健闘し優秀な成績を収めてくれました。先程の表彰式からも分かりますが、学校行事や部活動等、2学期において、西高生の多くの活躍が見られましたことを大変嬉しく思っています。
 さて、皆さん一人一人は、1年生として、2年生として、そして3年生として、自分自身で2学期を振り返ってみていかがですか。1年生、中学生という殻から抜け出して、名実ともに高校生となり、学校生活を充実させてきたことと思います。今後、責任ある行動をとりながら、西高生として、さらに励んで力を伸ばしてください。2年生、西高で学校全体を起動させていくエンジン的な存在としての自覚を持ち、努力してきたことと思います。今後、学校の中核としてのけん引役を担いながら、さらにそれぞれの力を発揮してください。3年生、進路実現に向けて全力を尽くしてきた学期であったことと思います。既に、「進路先が決定した人」や「自分の方向が決まりつつある人」は、今後をしっかりと見据えて必要な準備を計画的に進めてください。まだ、「進路先が決定していない人」、これから「大学入学共通テスト・一般入試等にチャレンジする人」は、この冬休みを最大限に活用して、目標達成に向けて全力を尽くしましょう。

 次に、「今後に向けて参考としてほしいこと」についてです。
 2学期が終わり、いよいよ冬休みが始まります。冬休みを迎えるにあたり、2つのことを参考にしてほしいと思います。
 1点目としては、「台湾の人々に関する事」についてです。東日本大震災が発生して13年余の月日が経ちました。当時震災発生後、世界中の国々から被災に伴う義援金が送られてきました。その中で最も多くの義援金を施した国の一つが台湾の国でした。台湾の人々には、日本人として心からお礼を伝えたいですね。さらに、その年の年末、台湾の国で、国民対象のアンケートが行われています。その中の質問の一つに「今年1年で一番幸せだったことは何ですか?」という質問がありました。この質問の回答で最も多かったのが、「日本で発生した東日本大震災の義援金で、世界のどの国よりも、台湾の国が最も多くの義援金を、被災した日本人の人々に送った国の一つであったということが、今年一年で一番幸せだったことです。」との回答でした。このことを聞いて皆さん、どう感じましたか。私は台湾の人々の「困った人を助ける」という面で、国民性の高さと品格に、心から尊敬の念を持ちました。
 2点目は、「人間の遺伝子のメカニズムに関する事」についてです。人間の遺伝子は多くの機能を備えており、いまだ解明できていない機能さえあると言われています。人間の遺伝子に関する研究で実績を残された方で、今は亡き筑波大学名誉教授の村上和雄先生によると、人間が高度な喜びを感じるのは、自分自身のためになることを実現した時よりも、自分が他の人のためになることを実現できた時であるとのこと。そして、崇高な喜びを認識するように、長い年月の中で発達してきたところがあると指摘されています。人のため、世の中のために、少しでも貢献できる行動をとれる人となるように、そして、高度な喜びを味わうことにつながる、在り方・生き方を心掛けていきましょう。
 以上、「台湾の人々に関する事」と「人間の遺伝子のメカニズムに関する事」について、2学期の終業式でお話をしておきます。

 最後に、くれぐれも、心と体の健康と交通事故をはじめとする事故防止に十分留意しながら冬休みを過ごしてください。今年、令和6年も、残すところ、あと7日となりました。光陰矢の如しとはよく言ったものですね。皆さん一人一人、残りわずかとなった年末の日々において、令和6年(2024年)のよい締めくくりを行い、来年掲げる新たな抱負の準備をしてください。
 皆さん一人一人、新年(令和7年、2025年)、どうか良いお年を迎えてください。そして、1月8日の3学期始業式には、元気な姿で再会できることを期待して「講話」を終わります。