日誌

高等部より

文化祭 高等部の取組と様子

理療科の取組

 文化祭の開会式後、理療科では、以下のような4つの特別講座を実施しました。

 受講形式は、各クラスでのリモート視聴でした。

 

講座1

テーマ:卒後につながる! 「あいEYEワークセンター(平島鍼灸院)の活動について」

講師:髙瀬 京子 先生 就労支援事業所「あいEYEワークセンター」 サービス管理責任者

内容:視覚障碍者を対象とする就労支援B型事業所である「あいEYEワークセンター」の概要や支援内容、利用者の皆さんの活動の様子などについてご紹介いただきました。

 

講座2

テーマ:社会とつながる! 「歩行訓練やその他の生活訓練について」

講師:東 和孝 先生 県視覚障害者福祉協会歩行訓練士

内容:自立に向けて大切になる「移動」についてのいろいろな知識や技術、その他視覚障害者の生活を支えるための様々な知識についてご説明いただきました。

 

講座3

テーマ:歴史とつながる! 「歴史から学ぶ視覚障害者の活躍」

講師:本校職員 天川 浩彦  教諭

内容:視覚障害あはき師の原点とも言える江戸時代の杉山和一先生をはじめとして、多くの視覚障害者の今日の社会的自立を作り上げた歴史上の人物について学びました。

 

講座4

テーマ:世界とつながる! 「東京2020オリパラ報告」

講師:東京2020パラリンピック大会視覚障害柔道日本代表 本校職員 平井 孝明 教諭

内容:東京2020パラリンピックでの選手村の生活の様子や平井先生の試合にいたるまでのけがとの戦い、コロナによる1年延長のあいだの思いなどについて講話がありました。

 

普通科の取組と様子

 高等部一般学級「未来への一歩~理療科の学習を通して~」

総合的な探究の時間で理療科の先生方から座学や実技により学んだことや、理療科の学習を通しての学びを、自分の進路(未来)と結びつけながら考えたことを劇にアレンジして発表しました。繰り返し練習を重ねていき、難しかった立ち位置や長いセリフも当日は完璧に演技することができました。また、最後に一人ひとりが感想を述べる場面も堂々と力強く発表することができ、会場の方々からも大きな拍手をいただきました。

 

 高等部A組発表

音楽の授業で歌えるようになったイタリア歌曲の独唱やピアノの弾き語り、ウインドチャイム独奏、コーラスの発表をしました。様々なジャンルに取り組み、一人一人が輝く素敵なコンサートになりました。また、それぞれが司会をしましたが、A1組は、日頃学習している英語を使うことにチャレンジし、英語で友達紹介をすることができました。

 

 普通科バンド演奏

ステージの最後は高等部普通科生徒職員全員によるバンド演奏でした。曲目は「Yes!!」(北方寛丈作詞・作曲:教育芸術社)という楽曲で、ボーカル、ピアノ、アコースティックギター、ベース、ドラムセット、タンバリンという編成でバンドが組まれ、生徒と職員が一体となって躍動感のある楽しいステージが披露されました。歌詞の途中に「Yes!!」という決め言葉がありますが、この部分を高3生徒が担当し、ステージを大いに盛り上げてくれました。

東京パラリンピックに出場して(3)

「試合に向けた調整」

 8月22日から選手村での生活が始まり、柔道チームとして試合に向けた調整が行われました。

調整場所はナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われました。ここでの調整は日本だけが行い、その他の国の選手は講道館で行いました。講道館では時間の制約がありますが、NTCでは制約無しで利用できました。選手村からバスに乗り、NTCまで行き、そこで練習パートナーと合流して調整が行われました。

練習パートナーは日本体育大学の学生にお世話になりました。私は、学生に加えて木原先生にも帯同してもらいました。同じくらいの階級の学生数名と木原先生と一緒に、試合に向けての技の確認や戦略の確認を試合前日まで行いました。

 木原先生とは昨年の4月から練習・トレーニングを一緒にしてもらっています。高校・大学への出稽古も一緒に帯同してもらい、練習の様子を見てアドバイスをしてもらっていました。出稽古に行けないときには盲学校の道場で2人で練習をしました。先生は柔道に詳しく、たくさん技を教えてもらいました。寝技は得意ですが、立ち技に課題があった私は、木原先生と練習できた事で格段にレベルアップしました。技はたくさん投げる事で身についていきます。木原先生にはたくさん私の技を受けてもらいました。

 

 

 

 

東京パラリンピックに出場して(2) 平井孝明

「選手村」

    8月22日選手村近くのホテルに柔道チームが集合し、日本選手団のジャージに着替え選手村に入村しました。ホテルから歩いて5分ほどで選手村に着き、ここで本人確認、荷物検査が行われました。選手にはアクレディテーションが渡され、これが選手の身分証明書がわりになります。顔認証、検温が行われ、その後荷物検査が行われました。荷物検査は空港での検査と同じ事が行われました。このアクレディテーションの確認、顔認証、検温、荷物検査は毎回選手村に入るたびに行われました。

 選手村の中の様子について書きます。選手村には住宅棟、食堂(ダイニング)、トレーニングジム。トレーナールーム、ゲームセンター、ランドリーサービスが行われている施設などがありました。

 

 住宅棟は10階から15階建てのマンションです。このマンションがたくさんありました。国ごとに生活する棟が決まっていて、私は11号棟の9階で生活をしました。部屋の間取りはいくつかタイプがあるそうですが、私は4Lの間取りでした。4つの部屋があり、それぞれ1人ずつの寝室になります。リビング、風呂、トイレは4人共同で使用します。私の部屋からは海が見え、とても良い眺めでした。

 

 食堂(ダイニング)はメインダイニングとカジュアルダイニングの2つがありました。メインダイニングは24時間いつでも利用でき、料理も和食、洋食、中華、グルテンフリーの料理などたくさんの種類があり、そのほか、フルーツ、サラダ、ケーキ、アイスなどもありました。カジュアルダイニングは利用できる時間が決まっていましたが、日本食専用の食堂でした。おにぎり、うどん、天ぷら、焼き鳥などそのメニューは毎日少しずつ変わっていましたが、日本食が提供されていました。

 トレーナールームには大変、お世話になりました。私は今年4月に膝の前十字靱帯を断裂しました。それが原因で柔道の練習後は膝の痛み、下腿部の筋肉の緊張、アキレス腱の痛みがありました。毎日、トレーナールームに通いマッサージと運動療法を受けていました。そのおかげで翌朝には何の支障もなく柔道ができました。

 公園も選手村の中にはありました。試合が近づくと不安な気持ちになり、そんな時は公園を散歩しました。選手村は海の近くにあります。散歩しながら海の匂いをかぎ、船の音をきくと心が落ち着きました。

 1週間選手村で生活をおくりましたが、とても快適にすごしました。

東京パラリンピックに出場して(1) 平井孝明

「大会報告」

   東京パラリンピックが8月24日から9月5日まで行われ、私は柔道60キロ以下級に出場しました。大会出場にあたり、たくさんの方々から応援していただき、本当にありがとうございました。

【結果】

出場競技・種目:柔道60キロ以下級

出場人数:12名

順位:7位

【内容】

試合は、12名の選手で4つのブロックに分かれてのトーナメント形式で行われました。午前10時が予選(準決勝と敗者復活戦)、午後4時から3位決定戦と決勝戦が行われました。

私は1勝2負で7位でした。

 

1回戦 ブラジル選手との対戦

 柔道競技のオープニングゲームでした。とても緊張しました。この選手とは過去2度試合をしています。対戦成績は1勝1負でした。序盤、相手に払い腰でポイントを先に取られてしまいました。中盤、足技を多く出すように戦術を変え、足技からの巴投げでポイントを取り返し、そのまま寝技で抑え込み、一本勝ちしました。

 

準々決勝 ルーマニア選手との対戦

 この選手とも過去2度試合をしています。対戦成績は 2負でした。全盲の選手で寝技、特に関節技が得意です。序盤から相手ペースで試合が進んでいきました。相手は巴投げから寝技への移行をねらい、先に先に巴投げをかけてきました。私は後手に回ってしまい、最後は関節技で一本負けしました。

 

敗者復活戦 トルコ選手との対戦

 準決勝に進んだ選手に負けた選手で敗者復活戦が行われます。

 トルコ選手とは過去1度対戦しています。その時は大内刈りで一本負けをしました。

 私の戦略は、先に技をかけ相手を四つん這い(いわゆるカメの状態)にさせ、そこから引き込み返しという 技をかけて抑え込みにつなげていく、というものでした。試合は、開始早々からお互い技を掛け合う展開でした。私は小内刈り、巴投げ、引き込み返し、相手は大外刈り、巴投げ、寝技で攻め合いました。何度も相手がカメの状態になり、引き込み返しをかけていきましたが、抑え込みまでもう一歩というところで防がれました。中盤、一瞬「抑え込み」の宣告を受けましたが相手に逃げられてしまいました。終盤、寝技の攻防になり、一瞬のすきをつかれ逆に相手に抑え込まれてしまいました。私にはそれをひっくり返す力は残っていませんでした。抑え込まれて一本負けでした。しばらくは立ち上がる事ができませんでした。相手も同じでお互い少しの間、畳に寝転んでいました。

【試合を終えて】

 目標は金メダルでした。悔しい結果でしたが持っている力は全て出し尽くしたと思います。トルコ戦は私の得意の引き込み返しを何度もかけるチャンスがあり、それでも勝てませんでした。もっともっと強くならないとこの上に勝ち上がっていく事はできません。

 特にこの1年半はコロナの影響で通常の柔道の練習ができず、苦しい思いをした時期もありました。4月には膝のケガもあり、もう無理だと思った時もありましたが、そのたびに周りの方々から支えられ柔道を続ける事ができました。憧れだった日本武道館で3試合でき、私の得意技をたくさんかける事ができました。たくさんの方々に私の試合を見ていただきました。とても幸せでした。応援ありがとうございました。

 

平井孝明教諭 2020東京パラリンピック壮行会

    7月20日(火)午後、校内オンライン中継も交えて平井教諭の壮行会が開かれました。

学校長、生徒会長、柔道部長の激励の言葉のあとに、幼児・児童・生徒・職員の寄せ書きの国旗の進呈があり、会場は声援につつまれました。

 平井教諭は今週末より強化合宿に入り、8月22日(日)に選手村入り、8月27日(金)に本番をむかえます。「得意な寝技で力を尽くしたい!」とのことでした。

   みなさま、応援をよろしくお願いいたします。

高等部重複障がい学級 校内実習の取組の様子

    6月上旬に予定していたインターンシップが中止となり、その代わりとして、6月9日~10日の2日間、校内実習に取り組みました。内容は、フルーツキャップ折り、はしの袋入れ、ビーズの袋詰め、もぐさづくりをしました。今年は、理療科の灸の授業内容でも取り扱っているお灸の材料であるもぐさづくり(乾燥させたヨモギの葉の繊毛を精製したもの)を新たに加えました。もぐさづくりでは、理療科職員の監修のもと「質の高いもぐさ」を目指し、ミキサーやビニールを使い、それぞれの得意な方法で取り組みました。

    実習期間は、それぞれの目標を確認し、その達成に向けて意欲的に取り組む姿がみられました。

全校 火災避難訓練

 6月24日に、火災避難訓練を行いました。

 緊急放送が流れると、生徒たちは、指示に従って速やかに校庭へ避難しました。お互いに助け合い、スムーズに避難を行うことができたので、避難に要した時間は昨年度よりも短くなりました。

 避難訓練の後に、消火活動についての講話がありました。生徒たちは、消火器の仕組みや使い方について話しを聞いた後、実際に消火器を使う体験を行いました。今回は、新型コロナウイルスの感染症対策として、各学部で分かれて行いました。実際に消火器に触れて、使用したことは、生徒たちにとって、実際に火事が起こった時のためのよい経験になったと思います。

 あってはなりませんが、いつ、どこで起こるか分からない火災に備えて、今回の訓練は、生徒たちの貴重な経験となりました。

 

  避難の様子                理療科の消火器体験

避難の様子

高等部前期人権教育学習会

 

 6月11日(金)、高等部全生徒対象に「差別や人権問題の背景にある心理」について学習しました。

 今回は新型コロナ対策として普通科と専攻科に分かれ、初めてのZoomによる授業となりました。

 普通科の生徒の積極的な発言や、しっかり話しを聞く態度、鋭い意見などがあり、準備した職員もいい刺激になりました。専攻科の生徒からも、自分のこととして真剣に考えたからこそ言える貴重な意見がありました。

 今回の学習内容や意見、生徒の様子を、日々の授業や後期の人権学習会に活かしていきたいと思います。

      メイン会場               普通科会場

メイン会場

総合的な探究の時間における取組の紹介①

 今年度の新たな取り組みの1つである本科普通科一般学級の総合的な探究の時間における取組を紹介します。今年度のテーマを『職業や自己の進路に関する課題』、「職業の選択と社会貢献及び自己実現」と設定して、本校の専攻科理療科について学んだり、調べたり、体験したりするなどの探究活動に取り組んでいます。今回は、講義『解剖学』と実技『あん摩実技』における授業の様子を掲載します。今後は、自分で設定したテーマをもとに座学グループと実技グループに分かれ、探究活動を進めていきます。10月の中間発表、2月の最終発表に向けて、今後の取組の様子を紹介していきます。乞う御期待!

 

解剖学:骨格標本の触察            あん摩実技:アロママッサージ

骨格標本の観察アロママッサージ