材料技術科
機能性材料製造実習(サーミスタ作製)【工業技術基礎-材料技術科1年】
サーミスタ作製
サーミスタ(Thermistor)とは,温度変化に対して電気抵抗の変化の大きいセラミックスの抵抗体(温度感知素子)のことです。この現象を利用し,温度を測定するセンサとして利用されています。
材料技術科では,3種類の原料から機能性材料の1つである"サーミスタ"を作製する実習を行っています。サーミスタはセラミックスなので,作製するには精密な温度制御ができる高温電気炉が必要です。
3年次には,自作サーミスタとマイコンボードARDUINOを使って『簡易電子体温計』をつくり,実際に温度を計り,どれくらいの誤差があるか調べます。
材料技術科は,溶接や旋盤を使ったものづくりのほか,
・機能性材料をつくる
・人工ルビーをつくる
・バイオマス固体燃料をつくる
という材料技術科ならではのものづくりもできます。
【作製手順】
何の変哲もない黒いペレット |
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各データは解析した曲線上に乗っています 成功です!! |
令和4年度第6回熊本県高校生溶接技術競技会
令和4年7月2日土曜日,熊本県産業技術センターで『令和4年度第6回熊本県高校生溶接技術競技会』が開催され,材料技術科から2チーム6名が出場しました。材料技術科は昨年度優勝しており,本年度は2連覇を目指して練習してきました。
出場校は本校の他,天草工業高校(2チーム6名),八代工業高校(2チーム6名),小川工業高校(1チーム3名と個人の部2名)でした。
開会式,競技上の注意・説明の後,3班に分かれて競技が開始されました。材料技術科Aチームは第2班,材料技術科Bチームは第3班に出場。結果は今月末にわかります。
【開会式・競技上の注意・説明】
【競技前準備】
ゼッケンを受け取り,溶接棒,工具等揃っているか最終チェック
【審査委員による工具・溶接棒確認】
申請した溶接棒を使用しなければなりません。
【競技開始・開先加工】
溶接前の重要な鋼材の前処理です。念入りに行います。
【溶接】
競技場内には,選手,審査委員,溶接協会関係者しか入れません。
下の写真は,アーク溶接を行っている際のアークによる光の様子です。
【溶接終了・作品提出】
外観検査,表曲げ,裏曲げ等いくつかの項目ごとに採点されます。
【優勝杯】
下の写真は,本競技会の優勝杯です。結果は,今月下旬に出ます。優勝杯を手にするのはどこの学校でしょうか。
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)見学
去る5月24日火曜日,材料技術科3年生40名は,熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)を訪問・見学しました。
ここはその名のとおり,先進的マグネシウムの国際的な開発拠点であり,大学間連携での研究だけでなく,米ボーイング社をはじめ,国内外の企業との共同研究開発にも取り組まれています。
センター長で教授の河村能人先生が開発された『KUMADAI マグネシウム合金』は,従来のマグネシウムの「燃えやすい」,「強度が低い」,「耐食性が悪い」といった欠点を克服した新材料で,これまでに
・KUMADAI 耐熱マグネシウム合金
・KUMADAI 不燃マグネシウム合金
・KUMADAI 高熱伝導マグネシウム合金
・KUMADAI インプラントマグネシウム合金
の4種類を開発されています。
副センター長で教授の安藤新二先生から,KUMADAI マグネシウム合金や研究センターの概要を説明していただき,その後,3班に分かれてセンター内の施設・設備を見学させていただきました。
研究施設・設備だけでなく,実用大の合金を製造できる装置と工場を併設している大学はあまりなく,他大学の先生方もこのセンターの装置・設備を借りて研究をされているそうです。
説明の中で,「新材料を最初に発見するのは,学生です」という言葉が印象的でした。見学後にアンケートを取ったところ,「内容は高度で難しかったが,興味深かった:100%」,「材料研究に関心がある:94%」,「研究をするチャンスがあればやってみたい:85%」という回答でした。
御多用中にも関わらず,長時間にわたり御案内・御説明いただき,本当にありがとうございました。
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)外観
副センター長 安藤先生からの概要説明
Mgの軽さを実感。鉄,チタン,アルミニウムと比較。質量は鉄の1/4という軽さです。Mgのアレーなら筋トレも楽々。
材料を評価する設備・装置を見学
熱処理室 と 化学分析室。材料研究の基本です。
走査型電子顕微鏡(SEM)。本科のSEMより遥かに高機能・高価!
透過型電子顕微鏡(TEM)。新材料の原子配列などを調べます。TEMによりLPSO構造が発見されました。高校には無い装置です。
X線回折装置。安全管理上,許可された人しか入れません。
クリープ試験。高温状態で試験片に一定の荷重を長時間加え,その材料の変形量や破断までの時間を測定します。
引張試験。高温環境での引張強度測定もできます。引張試験機は本科にもありますが,常温での試験しかできません。
熱分析。温度変化による材料の物性評価をします。どのような物性を調べるかによって技法が異なり,装置も異なります。
共焦点顕微鏡。光学顕微鏡ですが,高低差のある試料の全ての部分で焦点が合った画像が得られます。光学顕微鏡の焦点深度が浅いという弱点を克服した顕微鏡です。
Mg合金溶解装置のひとつ。KUMADAI マグネシウム合金は燃えないため,溶解時に防燃ガスを使用する必要がありません。地球温暖化防止にも貢献しています。
押出加工機。研究設備だけでなく,実用大の材料を製造できる設備および工場も併設されています。このような大学は他にはあまりないそうです。
実際のサンプルの説明。
お礼。御多用中にも関わらず,長時間にわたり御案内・御説明いただきました。ありがとうございました。
材料技術科【新実習設備導入】
メカニカルシャー[AIZAWA AST-620型]が導入されました.
材料技術科 進路体験座談会
2月10日(木)進路体験座談会 を開催しました。
これは,3年生が,進路選択・勉強法・面接のノウハウなど,自身の体験を座談会形式で2年生に話す(伝える)会です.座談会形式なので,2年生もかしこまり過ぎることなく質問を3年生にぶつけ,3年生はよく答えて(応えて)くれました.
コロナ禍の中,新実習棟の各実習室に分散して実施しました.