建設工学科ブログ
人吉城の石垣の清掃と発見
人吉球磨のシンボル、人吉城の清掃活動をしてきました。
そして、新たな発見もありました!
人吉球磨のシンボル人吉城は、鎌倉時代に相良氏が地頭として人吉に赴任して以来、
35代670年の長きに渡って在城した平山城です。
一つの氏が長期間治めていた城であるため、増築を繰り返しながら拡大していきました。
よって、石垣の積み方がその時代その時代で異なり、大変興味深いです。
人吉は人吉城を中心に発展してきた城下町。
建設工学で学ぶ範囲にも「都市計画」というものがあり、
城と都市形成について学ぶことはとても大切なことです。
今回、人吉市教育委員会の学芸員さんのご指導のもと、
午前中は、城内を歩きながら石垣の積み方や領主の生活の様子を学んだり、
最近発見された地下室のレクチャーを受けました。
そして午後は石垣にびっしりと生えた雑草と苔の除去作業を行いました。
史跡である人吉城の石垣の除草・除苔作業には、鎌のような鉄製のものは使うことができません。
そこで私たちは、竹や木片をアイスクリームのスプーンのような形に加工した道具を作成し、
石垣を傷つけないように、丁寧に作業を進めました。
すると、それまで確認されていなかった、割石のために打ち込まれた楔の跡が多数発見されました。
このことには、学芸員さんも大変喜ばれておりました。
数百年の時を超え、私たちが目にすることができた楔の後から、
当時の石工さんたちの思いが伝わってくるような気がしました。
みんなの力を合わせて、ずいぶんきれいな石垣になりました。
石垣も喜んでくれているようです。
人吉城においでの際は、どうか石垣に注目してみて下さい。
様々な積み方があることがすぐにお分かりになると思います。