建設工学科ブログ

カテゴリ:授業

球磨工フェスタ販売品製作中

 建設工学科では、11月4日(日)に開催される球磨工フェスタで販売する製品を製作しており、まもなく完成します。1年生は工業技術基礎で「飾り棚」、3年生は実習で「DVDラック(多目的スタンド)」の製作にあたっています。球磨工フェスタでは、これらの製品を格安(まさかのワンコイン!)で販売する予定です。なお、当日は早い者勝ちとなっています。なお、建設工学科では、次のものを準備して皆さんをお待ちしています。

 1年生:「飾り棚」販売、モザイクアート製作展示
 2年生:「本格派キックボーリング」、「レッツゴルフ」
 3年生:「カップラーメン&ジュース」販売、「DVDラック」販売

販売品製作中1 販売品製作中2

販売品製作中3 販売品製作中4

販売品製作中5 販売品製作中6

販売品製作中7 販売品製作中8

販売品製作中9 販売品製作中10

販売品製作中11 販売品製作中12

販売品製作中13 販売品製作中14

銅山川の調査-1学期間を振り返って-

 この1学期間、銅山川について地図を作成したり水生生物の調査にあたってきました。また、銅山川周辺からとれる石には鉄や銅が含まれることが分かりました。今後、流量が減るのを待って水質の調査を行っていきます。また、2学期以降については、いかにして銅山川に魚を呼び戻すのかについて研究を進めていきたいと思います。
 なお、この1学期間を振り返り、調査に携わってきた生徒諸君の感想を紹介します。

T.I(人吉二中出身)
 銅山川は、私が知っている川とは少し違っていました。私が知っている川には、石をひっくり返すと大きなクロカワ虫やカワゲラが1つの石に2~3匹はいます。また、大きな魚(ハエ、コイなど)もたくさんいます。銅山川では、どこを探してもクロカワ虫やカワゲラは見つからず、石を3~4回ひっくり返しても、見たこともない水生生物が1匹見つかるか見つからないかぐらいでした。今回の研究を通して、同じ川でもこうも違うものかと思いました。二学期は、さらに深く調べ、その原因を探りたいと思います。
銅山川1

T.T(相良中出身)
 一学期の課題研究では、銅山川の地図作成や水生生物の調査を行いました。銅山川の水は透明ですが、水中の石には、緑色をしたカビみたいな苔が張り付いていました。見たことのない苔で、水生生物が全くいませんでした。
 私が知っている川は透明で、石も綺麗でひっくりかえすと水生生物が絶対2~3匹はいます。なぜ、銅山川には水生生物がいない場所があるのか未だにわからないことも多いので、今後さらに調査を進めて解明したいと思います。
銅山川2

T.T(相良中出身)
 私が今学期の研究を通して川について多くのことを学ぶことができました。川というと魚が多くいて、釣りができるというイメージしか持っていませんでした。しかし、銅山川の採掘坑の下流には魚が全くいませんでした。また、川で遊んでいると様々な生物を目にしますが、銅山川では見たことのない生物を発見しました。何がどうなっているのか分からなくなりました。
 夏休みから2学期には、魚がいない川にどのようにすれば魚を呼び戻すことができるのだろうかということをテーマに研究を進めていきたいと思います。
銅山川3

K.F(山江中出身)
 銅山川に最初に訪れたとき、川の中に生物が全くいなかったことに驚きました。私は、どんな汚い川でも生物は住んでいるものと思っていたので、何故いないのかを調べたくなりました。
 近くに住んでいる方に話を伺うと、「上流のほうに銅の採掘場所があり川に毒が流れてしまい、それが原因で生物がいない」とおっしゃっていました。銅の採掘場所を探し、その上流を調査すると、様々な生物を確認することができました。川が寸断されていても、魚や虫たちが生息していたので、少し感動しました。二学期には、こうした魚や生物がどのように移動してきたかをさらに深く調査したいと思います。
銅山川4

R.Y(相良中出身)
 私は、今学期、銅山川について調べました。球磨川など普通の川には上流から下流まで生物がいるのに、銅山川には上流と下流には生物がいますが、中流には水生生物が全くいません。生物がいなかった場所の周辺を調べてみたところ、鉄や銅が石に含まれていることが分かり、このような石を初めて見ました。また、銅の採掘が盛んに行われていた頃の石垣なども残っており、私たちが普段見られない景色も多く驚くことばかりでした。まだ、わからないこともたくさんあるので、二学期の調査で新たな発見をしたいと思います。
銅山川5

銅山川の調査6 H24.7.10(火),12(木)

 以前、報告したように銅山川には砂防ダムを境として水生生物や魚がいない。そこで10日は、どのあたりまで水生生物がいないのかを確かめるために川を下った。
 まずは、近年整備された「あさぎり山荘」周辺。このあたりの石は、鉄分を含む赤い石が散乱している。石をはぐと、ごくまれに1mm程度の見たこともない水生生物を発見したが数は少ない。また、川底の石はヌルヌルとしていて、とても滑りやすい。なお、「あさぎり山荘」の横から銅山川に流れ込む小川があり、そこには沢ガニやアブラメの姿を確認することができた。また、川底の石はヌルヌルしていなかった。

銅山川1

銅山川2

銅山川3 銅山川4

 「あさぎり山荘」から約200m下流に堰を発見し調査を行った。堰には、魚道もなく、魚は遡上できないと思われた。水生生物はヒルとカエルでここも数が少ない。川はきれいだった。さらに川を下り、八幡宮横の銅山川を調査。その途中で一本の支流と合流している。川底の石はヌルヌルとはしていないが、水生生物はヒルぐらいで、相変わらず数は少なかった。フルーティーロードを横切り、500mほど下ったところを調査したところでやっと魚の姿を確認することができた。その途中にはもう一本支流と合流しているようだ。川に降りることはできなかったため水生生物の確認はできなかったが、2本の支流との合流により、水質が変化したのではないかと考えられる。

銅山川5

銅山川6

銅山川7

銅山川8

銅山川9

 12日には、これまでの調査結果を地図上に記録したり、文献を整理するなどして成果をまとめた。この夏休みを利用して、水質の調査を行っていきたいと思う。

銅山川の調査5 H24.6.14(木),20(水)

 建設工学科では、2年生で土粒子の密度試験を実施している。密度試験には、ピクノメーター、シャーレ、蒸留水、温度計、直視天秤、ガスコンロ、鍋といった機械器具を使用する。銅山川周辺で採取してきた岩石を細かく砕き、土粒子の密度を測定する要領で粒子の密度試験を行った。密度測定の結果は次のようになった。

銅山川1
ρ=3.510g/cm3(画像左)、ρ=2.823g/cm3(画像中)、ρ=4.195g/cm3(画像右)


 一般的な土に含まれる土粒子の密度はρs=2.65~2.70g/cm3であり、人吉球磨地域に多く見られるシラスでもρs=2.38g/cm3である。これらと比較しても銅山川周辺で採取してきた岩石を構成する粒子の密度は明らかに大きいことが分かる。

 そこで、岩石に含まれる成分を色などから鉄や銅であると推定し、化学の先生の協力を得て岩石に含まれる成分を調べた。その結果、すべての岩石に鉄が含まれていることが判明した。さらに、せん断破壊する岩石は石灰岩であることもわかった(塩酸につけると二酸化炭素を発生)。なお、今回密度試験を行わなかったが、緑青ではないかと推定していた岩石について調べてみたところ、鉄と銅の両方が含まれていることも分かった。このことからも、銅の採掘、精錬の過程で大量に発生したカス(鉄を含む)が銅山川の採掘坑周辺(溶鉱炉があった周辺)に多く取り残され堆積しているということがわかった。

 密度測定の様子
銅山川2

銅山川3

銅山川4

銅山川5

 化学分析の結果
銅山川6
 一番上の写真にある3つの石すべてを塩酸で処理し、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを加えたところ、青色に変化したので鉄(III)イオンが確認された。密度2.823g/cm3の白っぽい石に含まれる鉄は微量であり、塩酸処理の際、二酸化炭素が発生したことから石灰岩(密度2.5~2.7g/cm3)と考えられる。
 黄銅鉱(CuFeS2)を、コークス、石灰石、ケイ砂と共に溶鉱炉に入れて強熱すると次の反応が起こる。
  4CuFeS2 + 9O2 → 2Cu2S + 2Fe2O3 + 6SO2
  2Fe2O3 + C + 4SiO2 → 4FeSiO3 + CO2
  SiO2 + CaCO3 → CaSiO3 + CO2
 さらに、転炉内で次の反応が起こり、不純物を1%ほど含む粗銅ができる。
  2Cu2S + 3O2 → 2Cu2O + 2SO2
  2Cu2O → 4Cu + O2
 今回分析した密度の大きい石2種類は、鉄を多く含んでいることなどから、銅の製錬の際に生成する銅スラグ(密度3.6g/cm3以上)と考えられる。

銅山川の調査4 H24.6.7(木)

 今日は、銅山川周辺で見られる岩石の調査のために現地を訪れた。採掘坑の周辺から下流に向かって様々な岩石を割ってみてその様子を観察した。その結果、ほとんどの岩石が層をなした構造をしており、ハンマーでたたくと裂くように割れた。また、鉄分を含んでいるのか錆の臭いのする赤黒く硬い岩石、銅を含むのか割面で緑青のような色が見られる岩石、指でぽろぽろ崩すことができる赤茶色の岩石なども発見した。そこで、我々は、こうした岩石を本校に持ち帰り、細かく粉砕し分析の準備を行った。
 まもなく梅雨入りである。天候に恵まれた日は現地で調査を行うが、雨天時にはこうした土の分析を行い、内部に含まれるものが何か追求していきたいと思う。

生徒の感想 T.T(山江中出身)
 今日は、銅山川に特徴のある石を採取しに行きました。様々な石がありました。見た目より重い石は見たことも触ったこともなかったので、とても驚きました。学校に持ち帰って詳しく調べたいと思います。

銅山川1

銅山川2

銅山川3

銅山川4

銅山川5

銅山川6

銅山川7

銅山川8