お知らせ

     

校長挨拶

         「農に学び、拓く」

                       熊本県立菊池農業高等学校

                                 校長  嶋田 泰介

  本日は菊池農業高校のホームページにアクセスしていただき、ありがとうございます。

長い歴史と伝統を持つ本校は、本県農業を担う人材の育成を目的として、明治36年に創立されました。幾多の変遷を経て、昭和39年にここ花房台地に移転し、一昨年、創立120周年を迎えたところです。全国屈指の農業単独校である本校は、文部科学省が指定した農業経営者育成高等学校24校のうちの1校でもあります(九州では高鍋農高、鹿屋農高、市来農芸高、本校)。

 さて、半導体受託生産の最大手である台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場(菊陽町)では、昨年、本格稼働を始めた第1工場に隣接する敷地で、第2工場建設に向けた造成工事が着々と進められています。TSMCのお膝元である菊陽町から大津町では人口が増え、至る所でホテルやマンション、分譲地の工事も進められています。半導体以外の企業による進出も相次いでおり経済効果が期待されています。一方、TSMC進出による農地減少問題も注目されるところです。対策として、行政がまとまった代替農地を整備する方針を示していますが、今後の動向を注視する必要があります。

本校はTSMC熊本工場から最も近距離にある農業単独校です。生徒たちは農業や食料、自然、環境、文化や生活など、人が生きていくために最も大切なことについて、命に触れながら、学びを深めています。この学びをもとに、加工食品の開発や地域環境保全への提言、食農教育等、地域そして熊本県の農業振興のために果たせる役割があるはずです。菊農プライドを持って、今後も日々の教育活動に邁進していきます。

本校の教育スローガンは『農に学び、拓く』です。高校3年間での経験は、何ものにも代えがたい唯一無二の財産であります。本校での学びで身に付けた力をもとに、それぞれの人生を切り拓いて貰いたいと願っています。

西武ライオンズに在籍していた松坂大輔氏は、ボストンレッドソックスに入団した際、米メディア記者に「夢が実現した感想は?」と質問され、次のように答えました。「叶わないのが夢。僕はずっと、ここで投げられることを信じて、それを目標にやってきた。だから今、ここにいるのだと思います。」

松坂氏は夢ではなく、たどり着いた場所が大リーグであると強調しました。夢を夢で終わらせるのではなく、夢を目標に変え、目標を実現できるよう菊農での一日一日を大事にして貰いたいと思います。これからも菊池農高らしく、学校行事を大切にしながら地域イベント等にも積極的に参加し、地域と共に、地域に根差し、地域に必要とされる学校であり続けます。保護者の皆様、地域の皆様には今後も本校の教育活動に、より一層のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。         

    令和7年5月