熊本県高等学校教育研究会地学部会
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砂千里
場所:火口駐車場手前から、中岳登山道を進む。
火口駐車場の手前で車を降り、中岳登山道を行くと、火山灰質砂と噴石からなつ砂漠を思わせる地帯にはいります。かつての火口の壁をつくる溶岩や火山灰の重なりが、火山噴火のすさまじさを思わせることでしょう。
足元の噴石に目をやってください。これらは発泡した安山岩塊です。噴火で飛び出した大きい熱い噴石が、着地したショックでガスを噴き出し、破片状になったと思われるものもあります。
砂漠で見られる三稜石と同じものがここで見つかっていますので、探してみてください。
丸い平べったい形をした皿石もあります。この皿石のでき方については、一種の火山弾と考えられていましたが、火口から噴出された膠状珪酸のような硫気変質物が地上の岩片に付着して特異な外形になったと説明されてます。
二番目に古い火口壁には砂の層が見られます。この砂の層をよく見るとクロスラミナ、流れる方向とは逆方向に巻き上がったアンティ・デューン構造、及び水蒸気の抜けた後に生じたたくさんの穴があり、これらは中岳の水蒸気爆発によって生じた激しい横方向のテフラの噴出によるベースサージ堆積物とよばれるものです。
ベースサージによるクロスラミナ
二番目に古い火口壁をなすベースサージ堆積物