お知らせ

 水俣の地形と地質の概要

傾斜が急変する箇所で山地を区分する。


 肥薩火山区の火山活動は永尾ら(1999)によると、
  ステージ1(760万年~250万年前)、
  ステージ2(250万年~200万年前)、         ( 水俣における 肥薩火山区の 層序表へ )
  ステージ3(200万年~40万年前)に区分される。

 さらに安山岩類はK20の含有量により
  低カリ安山岩(K20=0.5~1.5%)と
  高カリ安山岩(K20=1.5~3.5%)とに分けられる。

 層序的にも同様に区分され、
  下位から低カリ安山岩質の凝灰角礫岩と熔岩(ステージ1)、
   高カリ安山岩質の熔岩(ステージ2)、
   そして低カリ安山岩質の熔岩と凝灰角礫岩(ステージ3)の活動へと移行する。

 ステージ2の高カリ安山岩熔岩は厚さが100m以上あり、溶岩台地をつくり、大量の熔岩が多数の火口から同時に噴出したと考えられ、このような火山活動に対して「洪水安山岩」という名称が永尾ら(1995)により提案されている。
 このように水俣の山地は背弧側の肥薩火山区に位置し、安山岩質熔岩や凝灰角礫岩からなるが、同じく安山岩質である霧島火山のような円錐形の火山地形とはならず、溶岩台地が広く分布している。

山地をつくる岩石は
   主に肥薩火山区の鮮新世~更新世の火山活動により形成された安山岩溶岩と凝灰角礫岩、
      及び基盤の四万十累層群の砂岩と頁岩からなる。
 
基盤は三宝山帯の石灰岩、砂岩、及び頁岩と四万十累層群の砂岩と頁岩で、
 前者は水俣市北西部の初野付近、
 後者は水俣川中流域や湯出川中流から上流域の鬼岳直下に分布している。