式辞

全日制

創立100周年記念文化祭 2日目【9月16日(土)】

文化祭2日目は、小説家橋爪 駿輝氏の講演で幕を開けました。各クラス・家政部のバザー、展示、有志団体によるステージ、生徒会企画、文化部・図書委員会の展示と茶道部によるお茶会、秀麗会バザー、同窓会・現役生合同芸術作品展示等、たくさんの方々に御来場いただき盛り上がりました。

 

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校長式辞

令和4年度人吉高校(全日制)3学期始業式(表彰式)令和5年1月10日(火)

 

 

令和4年度人吉高校(全日制)2学期終業式(表彰式)12月23日(金)

本日は、積雪のため日程変更しておこないました。

 

 

令和4年度人吉高校(全日制)1学期終業式(表彰式)7月20日(水)

悪天候により、表彰式及び終業式は日程を変更し行いました。また新型コロナ感染拡大中ですので、リモートによる配信を行いました。(パソコン室)

 

令和4年度人吉高校(全日制)入学式(4月8日(金)13:30~

 「第77回入学生」204名(男95名・女109名)

「入学許可」「校長式辞」

 「入学者代表宣誓」

 「保護者代表挨拶」

第77期生の皆さん!よろしくお願いします。

 

令和4年度人吉高校全日制新任式

12名の新任・転任の先生方が人吉高校へ赴任されました!

生徒会長の挨拶・所作または生徒たちの礼儀の良さに、新転任の先生方は感動と頑張る決意をしました!

令和4年度1学期始業式表彰式

〇「第44回ふれあい書道展」筆都大賞(2名)

〇「第33回熊本県高等学校一年生大会」女子団体3位技能優秀賞(4名)

〇「第33回熊本県高等学校一年生大会」男子個人3位(1名)

〇「第42回ホームソーイング作品コンクール」努力賞(1名)

令和4年度始業式

始業式後、担任発表が行われました。生徒はドキドキ一喜一憂?!

 

令和3年度 人吉高校全日制第74回卒業証書授与式 

 式辞

 厳しい冬の寒さも少しずつ和らぎ、ここ人吉球磨の地にも春の息吹を感じられるこの佳き日に、熊本県立人吉高等学校全日制第七十四回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員や在校生にとってもこのうえない喜びであります。しかし、今年度も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来賓の参加、在校生の出席が叶わなかったこと、式の内容を短縮せざるを得ないこと、どうぞ御理解を頂きたいと存じます。

 ただ今、卒業証書を授与した二百十一名の皆さん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様におかれましては、高校三年間で大きく成長したお子様の姿に、お喜びも一入かと存じます。ご卒業を心よりお慶び申し上げますとともに、これまでの本校の教育活動への御理解と御協力に深く感謝申し上げます。

卒業生の皆さんの脳裏には今、どのような思いが浮かんでいるでしょうか。人高での三年間を振り返るといろいろな印象深い思い出が甦ってくると思います。本当にいろいろなことがあった三年間ではなかったかと思います。特に、令和ニ年からは、過去に経験したことのないような試練の中での学校活動が続きました。新型コロナウイルス感染拡大による年度末から年度当初にかけての休校措置、そして、七月にこの地を襲った豪雨災害と皆さんの前にいくつもの壁が立ちはだかりました。しかし、そのような状況においても、皆さんは学校生活の中で、授業、部活動、そして、体育祭、文化祭、澪行などの学校行事において、限られた条件の中でも創意工夫し、前向きに明るく楽しく取り組んでくれました。その姿を私たち教職員一同、本当に逞しく、頼もしく思って見ていました。思うにならないこともあったでしょうが、その一つ一つが皆さんを成長させ、「経験」という確かな力として皆さんに備わっていることと思っています。そして、その「経験」は皆さんのこれからの人生を支えてくれる力になると私は思っています。

皆さんは、今日本校を卒業し、新たな場所へと進んでいきます。今は、期待に胸を膨らませていることと思います。どうか、自分の興味のあるもの、自分が生かせると思えるものを見つけ、前向きに取り組んでいってください。これからの社会は、変化が著しく、予測困難なことも多いといわれています。まさに、ここ数年で私たちに起こった出来事もそうです。しかし、一方で、本校でも一人一台端末などのICT機器が整備され、オンラインを活用した授業、リモートによる講話などが行われるなど、多くの変化がこの短い期間に起こりました。世の中の変化のスピードは速い。であるからこそ、我々はその変化に対応するためにも常に学び続ける必要があります。確かな教養を身に付け、様々な変化をしっかりと読み解き、判断していくことが求められます。

教養について、実業家であり現在は立命館アジア太平洋大学の学長をされている出口治明さんは、「教養とは知識×考える力である。」と語っておられます。教養を身に付けるには「知識」が必要ですが、それだけでは不十分で、知識を教養まで引き上げるためには、「考える」ことが必要です。自分の頭で考えるとともに、いろいろな人との関わりや書物などを通して、自分にない考え方や発想の方法を知り、更に自分の頭で考え、それを積み重ねていく。そうすることによって、知識は一つ一つ教養へと深まっていくというわけです。これからイレギュラーな現象が我々の前に現れる度に、社会の技術進歩のスピードはますます加速していくことでしょう。時代を読み、その時々に何が起こったとしても自分の頭で考え、自分の言葉で語れる力、「考える力」を養って欲しいと、そして、確かな教養を身に付け、これからの時代を切り拓いてほしいと願っています。

 

最後に、ファッションブランドのシャネルの創業者ココ・シャネルが語ったこんな言葉を紹介します。

「私のような大学も出ていない年を取った無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つくらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ、人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい。」

とても素敵な言葉です。今日はどんな謎が解けるのかとワクワクしながら毎日を過ごし、彩り豊かな楽しい人生を送ったのではないかと想像できます。卒業生の皆さん、これからもよい学びを続け、本物の教養を身に付けることで、「Broaden Your Horizons」自分の世界を広げ、そして、豊かな人生を歩んでください。

本校は、令和五年に創立百周年を迎えます。本校は、教育綱領「礼節、勤労、進取」、そして、校舎の壁面に掲げてある教育スローガン「磨き鍛えん 青春の志高く」のもと、ここ人吉球磨から世界に羽ばたく有為な人材を育成すべく、これからも歩みを続けていきます。本日リモートで式典に参加している一、二年生は、卒業する先輩方の人高生としてあるべき姿勢を見てきた事と思います。是非、これからの高校生活を充実したものにするための指針としてください。人吉高校はこれからも卒業生の皆さんの心の拠り所となる誇るべき母校であり続けるよう精進し、進化していきます。卒業生の皆さんには、いつの日かまた、ここに立ち寄り、未来の人高生に皆さんが歩んできた豊かな人生を語りに来て欲しいと思っています。名残は尽きませんが皆さんの前途に幸多からんことを祈念して、式辞といたします。

 

   令和四年三月一日

              熊本県立人吉高等学校長   前田 浩志

 

 

 

 

 

令和3年度 全日制3学期始業式 校長式辞                                                                                         令和4年1月11日   熊本県立人吉高等学校長 前田 浩志

 

皆さん、明けましておめでとうございます。

今年度も最後の学期となりました。この3学期は、物理的にも気持ちの上でも本当に短くて、あっという間に過ぎてしまいますし、高校入試などで自宅学習も多い時期となります。皆さん一人ひとりがどのように主体的に過ごすかが試されます。ぜひ、一日一日を大切に過ごして欲しいと思います。

  新年というと、一年の抱負という話がよくあります。私も抱負というほどではありませんが、今年は「運動」を頑張ってみようかな、と思っています。

 この冬休み、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏が書かれた「スマホ脳」という本を読みました。私の日常生活もスマホに大きな影響を受けていることは自覚していますので、この本を通して、脳科学の見地からいろいろな事を学ぶことが出来ました。スマホ依存の負の影響についても実験結果や他の専門家の研究なども参考に書かれてあったのですが、自身の生活で思い当たる節もあって、多少の恐怖を感じました。しかし、現状、スマホを手放して生活することは難しいので、どうしたらよいのかも気になるところです。ハンセン氏によると、その対抗策は「運動」だという事でした。運動が脳の機能も整えてくれる。以前から時々ウォーキングをしているのですが、この本を読んで、今年は人吉の街をこれまで以上に歩いてみたいと思っています。ぜひ、皆さんも今年の目標を立てて、人高での生活をより充実したものにしてください。

  さて、年が明けて、新型コロナウイルス感染症が全国的に再び猛威を振るい始めました。人吉球磨でもこれまでにないほどの勢いで感染が広がっています。オミクロン株という新たな種の流行もその原因の一つなのかもしれませんが、私たちにできること、私たちがやるべき事は、これまでと変わりません。マスク、手洗い、教室の換気、黙食、密にならないなど、私たちにできる事を冷静に着実に行っていくだけです。また、体調に不安がある場合には、登校を控えるなど、決して無理をしないでください。学校という大きな集団での生活では、皆さん一人ひとりの協力が不可欠です。よろしくお願いします。

2年生の皆さん、こういう状況となり、修学旅行を目前で中止せざるを得なくなってしまいました。皆さんには大変悔しい、残念な思いをさせてしまいました。学校としても本当に苦渋の決断でした。

3年生は多くの人が今週末に大学入学共通テストを受験するかと思います。本番に向けて体調を整えて、自分の力を出し切れるように頑張ってください。

1年生の皆さんも、去年の今頃、人高を目指して頑張っていた時の気持ちを思い出して初心に帰って、この1年の総仕上げの時期を大切に過ごしてください。

 なかなか思い通りにいかない状況ですが、こんな時こそ、地に足をつけて、しっかり力を蓄えるときなのだと思います。「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。」という言葉もあります。3学期も皆さんの高校生活が充実したものとなるよう祈っています。

 

 

 

 

令和3年度 全日制2学期終業式 校長式辞                                                                                   令和3年12月24日   熊本県立人吉高等学校長 前田 浩志

皆さん、おはようございます。

2学期も今日で終わりです。本当にあっという間の2学期だったというのが私の率直な感想です。

この2学期も学業、部活動、学校行事など皆さんにとってもいろいろな経験があったと思います。新型コロナウイルスによる影響が続く中で行われた文化祭では、人高生の底力を感じました。体育館での実施が難しい状況下にあっても創意工夫し、各クラスや有志の出し物も本当によく出来ていました。また、文化祭の翌週からの昼休みを使って皆さんの作品を校内で配信しました。これまでとはひと味違う新たな形での文化の祭典となったのではないでしょうか。

11月には本校の三大行事の一つである澪行が天気にも恵まれて無事に開催されました。26キロという長い距離を歩くことはなかなか無いことだと思うのですが、仲間と一緒に時間を共有し、人吉球磨の歴史にふれながら歩くこの行事は、将来、皆さんの心に大きな思い出として残るのではないかと思います。

部活動もそれぞれによくがんばりました。ここでも新型コロナウイルス感染症の影響で夏休み後半から9月末まで活動が出来ない状況でしたが、今学期も多くの生徒諸君の表彰を行うことができました。表彰を受けた皆さん、本当におめでとう。それぞれが日々の努力を積み重ねてきた成果が形となったわけです。また次の大会に向けて、これからも少しずつ成長していってほしいと思っています。また、その他の部活動の皆さんもそれぞれに自分と向き合い、自分を少しでも成長させることができたのであればそれでよい。その努力はきっと次に繋がります。わたしの好きな言葉に「念ずれば花開く」というのがあります。これは、熊本県出身の詩人坂村真民さんの言葉です。「念ずる」はなんとなく神頼み的な「他力本願」のような印象の言葉かもしれませんが、それはもちろん、花開くことを信じてこつこつと努力を続けるという意味の「念ずる」です。これからも自分の可能性を信じて取り組んで行って欲しいと思います。

先日、ある企業の経営者の方から「夢は必ず実現する」というテーマでお話を聞く機会がありました。「人間には潜在能力があり、普通の人はその能力の5%くらいしか使っていない。残りは潜在化、つまりその能力に気付かずに使われないままで終わっている。その能力を5%から10%、20%にするだけでも夢は叶う。」という事でした。そして、夢実現に向けて必要な事を順に話されました。

まず「『人はみな潜在能力を持っている事』を信じることだ。」というお話をされました。成功した人は特別な能力があった、他の人と違って優秀だった、というわけではない。その潜在能力を引き出す事ができたかどうか、という事でしょうか。

夢は胸に秘めているだけでは実現しません。「その夢を語ることが次に大切な事だ。」とそのお話は続きました。人に語ることによって、賛同してくれる人、協力してくれる人が現れる。時には、人に叱られることもある。でも、それも夢を語ったから得られる事で、夢の実現には大切な事です。

夢を文字にする、絵にする、数字にすることが次のステップだという事でした。文字にするためには、必要な情報を得たり、人に話を聞いたりするでしょう。その事を通して、夢の実現が論理的、客観的になり、整合性がとれてくる。また、絵にすることでモチベーションが上がり、前向きになる。そして、数字にすることでそれまでぼんやりしていた「夢」が「目標」に変わる。目標があると、辛いことも目標実現に必要なハードルと捉えて喜びにすらなる。こんなお話でした。

これは、会社の経営という視点での話だったのですが、それは、勉強でも、部活動でも同じ事だと思います。改めて確認ですが、夢は必ず実現する。その第一歩は「『人はみな、自分も気付いていない能力を持っている』ことを信じる」ことです。そして、その潜在能力を引き出すために、夢に向かって努力をすることです。努力を続けることで、うまくいくこともうまくいかないこともあります。でも、うまくいかないときこそ自分の秘めたる別の力を見つけ出す、引き出すチャンスと捉えて、自分を信じて夢に向かって「念じて」欲しい。その先にはきっと「花開く」と私は思っています。

今日は今年度初めて、こうして一同に会することができました。来年も皆さんにとって、よい1年となりますように。よい年をお迎えください。

 

 

 

令和3年度 全日制2学期始業式 校長式辞

                       令和3年9月1日   熊本県立人吉高等学校長 前田 浩志  

 皆さん、おはようございます。

2学期が始まりました。この夏の生活を振り返ってどうでしたか。

今年の夏、前半は東京でのオリンピック、後半は異例の長雨、そして、現在は東京パラリンピックと、今年もまた、例年にはない特別な夏であったと思います。

始業式に先立って、表彰式を行いました。この夏休み期間で受賞したものということですが、表彰を受けた人だけでなく、他の多くの皆さんもこの期間にそれぞれがんばっていたことと思います。

さて、2学期というのは一番期間も長く、過ごしやすい時期でもありますので、皆さんにとっては学業や部活動などにじっくりと取り組める時期だと思います。2学期の始まりにあたり、今日は2点お話しをしたいと思います。

まず、1点目は新型コロナウイルス感染症についてです。

今、全国で感染拡大が止まらない状況です。熊本県でもこれまでにない感染者数が出ており、地域によっては分散登校などの対応をしていますし、県全体で部活動が原則停止となっています。この人吉球磨地域では現在の感染状況を考慮して、授業は通常登校となりましたが、いつ、状況が変化するかはわかりません。感染を防ぐためには、皆さん一人ひとりの心がけと感染防止対策が重要となってきます。コンビニやお店に行くと、以前は皆さんが必ず手指消毒をしていたのですが、最近はコロナ自粛疲れからか、慣れからなのか、やや疎かになっているな、と感じることもあります。学校生活での細かな注意点は、後ほど担任の先生から話があると思います。どうか、今一度、我々一人ひとりが気持ちを引き締めて、出来ることをしっかりやっていきましょう。

2点目です。「学び」について、少しだけお話しします。

「不易と流行」という言葉を聞いたことがあるかと思います。これは、松尾芭蕉の考えから生まれたもので、本来は俳句にまつわる言葉だそうですが、今では、俳句の世界以外でも使われている言葉です。「不易」~時代を通じて変わらないもの~と、「流行」~時代や社会の変化とともに変えていく必要があるもの~という事になるかと思います。

皆さんの学校での「学び」の中で「不易」の部分は、例えば、各教科の中で基本的な知識などを学ぶ事などがそれにあたると思います。その部分はしっかりと取り組んで、足腰を鍛えていくことは大切な事です。しかし、その上で、これからの変化の激しい社会を生きていくために必要な「学び」、すなわち「流行」にも敏感でなければならないと思います。答えのない問題にどう対処し、どう自分なりに向きあっていくか。これには知識だけはなく、それとは異なる力も身につけておく必要があります。

各教科の中でも、自分がどう考えるのか等について問われたり、それをクラスの仲間と意見をかわして共に考えたりするなどの活動は、我々が高校生の頃よりずいぶんと増えています。加えて、総合的な探究の時間で、本校ではBYHプログラムを行っています。この時間の取組は、1年生の論理コミュニケーション、2年生の探究活動が中心となっています。探究活動、あるいは論コミの中で取り組んでいることは、明確な答えがあってそれを求めていくようなものではありません。2年生の探究活動は皆さんが気になるテーマについて、情報を集め、考察し、自分なりの結論を組み立てる。そして、探究した内容を論文やポスターにまとめて、他の人に対してプレゼンテーションする、いわゆるアウトプットの活動までつながっています。そして、1年生の論コミは探究活動の基礎となる、考える頭と心を養っているわけです。

また、基本的な知識を増やすことでBYHでの考察、探究はより深いものになっていきます。深い考察、探究ができるようになれば、さらにいろいろなことが知りたくなる、つまり知識を増やしたくなるはずです。各教科の学びとBYHでの学びがともに結びつくことで皆さんは大きく成長できる、将来、皆さんにとって大きな力になると私は思っています。ともに楽しんで、充実したものになることを目指して欲しい。

さて、3年生の皆さん。この2学期は皆さんの進路希望を実現するための貴重な日々となります。一日一日を大切に過ごしてください。しっかり取り組めば取り組むほど、迷いや悩みが生まれると思います。うまく行かないときもあります。でも、皆さんには周りの仲間や先生方が側にいます。悩んだり、困ったときはぜひ相談してください。

この2学期、文化祭、澪行と学校内外での行事があったり、部活動も新人戦が行われたりと、例年であれば充実した学期ですが、コロナ禍で予定通りにいかないこともあるかと思います。既に、文化祭では、皆さんの準備に影響が出ていると聞いています。本当に心苦しく思っていますが、今できることを前向きに精一杯やって欲しいと思います

今学期も皆さんの元気な姿が見られることを楽しみにしています。

 

 

 

令和3年度 全日制1学期終業式 式辞

                       令和3年7月20日   熊本県立人吉高等学校長 前田 浩志   

 皆さん、こんにちは。

今年度の1学期終業式は、各教室で話を聞いてもらう形にしました。これには二つの理由があります。一つは、7月も下旬になり、梅雨も明けましたので、熱中症への対策をしたいと考えた事、もちろん、これはコロナウイルスへの対策にもなりますので。もう一つは、本校がICTの先行実践校として、各教室にプロジェクタやWifiなどの通信環境が備わった事、この二つです。こういう形で皆さんの顔が見えないのは、ちょっとさみしい面もありますが、新しい生活様式に慣れていくことも必要なのかな、とも考えています。

今日は、リモートですのでマスクを外して話をしています。マスクをして生活したり、人と会話したりというのは、これまでの常識では「相手に失礼にあたる」のではないかと感じていましたが、今や、マスクをしないで相手と向き合うことの方が「失礼」だと感じるわけで、このわずかな期間にこれまでの常識や固定観念が大きく変わってきている。昨今の世の中の変化のスピードは私の想像を遙かに超えています。それは難しくもあり、発想を変えて新しいことができないかと考えると、面白くもありますね。

さて、先ほど表彰式を行いましたが、この1学期だけでもたくさんの人高生の活躍がありました。今、表彰を受けた人も含めて、テレビや新聞で取り上げられた生徒も多く居ます。その他にも、いろいろなボランティア活動でがんばってくれた人、7月4日の復興イベントを陰で支えてくれた人などの姿がありました。また、5月の体育祭は、ウィズコロナの視点で、競技や応援合戦も工夫を凝らしてくれました。保護者へのYouTube配信も好評でした。また、6月には、大雨で図書館が雨漏りするという事もありました。そのときも、騒ぎに気付いた人が多く駆けつけてくれ、図書館の復旧に力を貸してくれました。人吉高校に赴任してから数ヶ月経ちますが、人高生はとても素直で、物事に真摯に、そして自分のためでなく、誰かの為に汗をかくことができる、そんな生徒が多いなと思っています。皆さん自身はそんなつもりはない、当たり前の事だと思っているのかもしれませんが、それは皆さんの持つ一つの素晴らしい面です。そんな皆さんの姿勢を見て、感じてもらっているからだと思いますが、人高は本当に地域の方々から大切にしてもらっているとも感じています。それは、人高生の皆さん一人ひとりの行動を認めてもらっているのでしょうし、また、多くの卒業生、つまりは君たちの先輩の皆さんがこれまで積み上げてきたものだとも思います。創立98年の間、先輩方が繋いできた伝統のバトンを、今、君たちも受け取って歩んでいるという事です。

 先日、君たちの先輩から本をいただきましたので紹介します。高校22期生ですから昭和45年に本校を卒業された黒木安馬(くろきやすま)さんが書かれた本です。黒木さんは日本航空(JAL)に勤務され、国際線のチーフパーサーとして、世界のVIPに機内でのサービスをしておられたそうで、そのときに出会った各界の著名な方々からお聞きになった話や飛行機内でのエピソードなどが書かれている本です。とても読みやすい、なかなか面白い本です。どの話も面白かったのですが、私は中でも水族館プロデューサーの中村元(なかむらはじめ)さんの話が印象に残っています。この本は図書館に置いてもらいますので、是非皆さんも読んでみてください。

黒木さんからのお手紙も入っており、「球磨川氾濫から一年、復旧にはほど遠いと聞いて心配しております。遠方にいて(今、東京におられます)何もお手伝いできないことが心苦しいこころですが、少しでも若い後輩たちが希望と夢を抱いて、未来に羽ばたくことが出来ればと願い、最近の著書をお送りさせて頂きます」と書いてありました。

 君たちの先輩のお話をもう一つ。本田節(ほんだせつ)さんという方がおられます。この方は、地元人吉で、「地域づくり」の活動をずっと続けてこられて、ひまわり亭というレストランを経営しておられるので、知っている人もいるかもしれません。先日、本田さんのお話を聞く機会がありました。昨年の豪雨災害で球磨川沿いにあるひまわり亭は大きな被害を受けたそうです。本田さんは、水害後すぐに、被災地支援に動き出されたそうです。これまで、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの災害時にボランティアの炊き出しをしてきた自分が、自らが被災しているからといって動かないのでは一生後悔する、と思われたそうで、4日後にはキッチンカーで炊き出しを始められ、多くの人を元気づけておられます。

また、ひまわり亭に飾ってあった長さ4.5メートル、重さ800キロもある大きなきじ馬が八代海まで流れていき、見つかったという話は聞いたことがある人もいると思いますが、本田さんは、「きじ馬は流されたのではなく、またいつかふるさとに帰るために泳いでいったんだと思っている」と話しておられたのが印象に残りました。瀬戸内寂聴さんが「人間は何のために生まれてきたのか」という問いに答えられた「人間は人の役に立ち、人に尽くすために生まれてきた」という言葉を使って、自分の生き方を話してくださいました。

 黒木さん、本田さん以外にも、人高で学んだ多くの素晴らしい先輩方はいろいろなところで、活躍しておられます。そして、遠くから、近くから君たち人高生を応援してくれていることを覚えていてください。一生に一度しかない高校生活、いろいろなことを経験してほしいと思います。チャレンジには失敗もつきもの。でもそれも含めて経験です。後悔のない高校生活を送ってほしい。その中で、今日の自分より明日の自分。少しでも成長したいと思ってチャレンジしてほしい。そんな2021年の夏にしてほしいと願っています。

 

 

令和3年度 全日制入学式 式辞

あたたかな春の日差しの中で、木々も新たな命を芽吹かせ、新しい季節の訪れを確かに感じる今日のよき日に、令和三年度熊本県立人吉高等学校全日制第七十六回入学式を挙行できますことは、本校の教職員並びに在校生にとってこの上ない喜びであります。しかしながら、昨年来、全世界で大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年度も来賓の御臨席もかなわず、式の内容も一部縮小して実施せざるを得ないことについて、新入生の皆さんと保護者の皆様におかれましては御理解いただきたいと存じます。

 

さて、只今入学を許可いたしました二百十六名の新入生の皆さん、本当におめでとうございます。また、保護者の皆様のお喜びもひとしおと存じます。

 

本校は熊本県立人吉中学校と球磨郡立実科女学校、のちの熊本県立人吉高等女学校との統合により、熊本県立人吉高等学校となり、今年度で創立九十八年目を迎える歴史と伝統のある高校です。この人吉球磨地域の教育と文化の中心的な役割を担いながら、創立四十周年の折に定められた教育綱領「礼節・勤労・進取」やその精神理念を表したものとして平成十三年に掲げられた教育スローガン「磨き鍛えん 青春の志高く」のもと、本校は歩みを進めてきました。

歴代校長や教職員の情熱とその時々の生徒達の真摯な努力、同窓会や本校では秀麗会と呼んでおります保護者会、また、地域の皆様の御協力と御支援も相まって、本校は着実に飛躍を遂げ、卒業生はこれまでに全日制で三万八千人を超え、この人吉球磨はもとより、県内外、あるいは世界で活躍する人材を輩出してきました。そして、令和五年、すなわち新入生の皆さんが高校三年生の年に創立百周年の大きな節目を迎えることになります。新入生の皆さんには、この教育綱領の精神を体現できるよう、自らを磨き、鍛え、高い志をもって本校生活を有意義に過ごし、これからの「未来の創り手」として活躍できる力を身につけてほしいと願っております。

 

 皆さんは、昨年の新型コロナウイルス感染症により、数か月の間、臨時休校となる中で中学校最後の一年を送って来られました。また、昨年七月には豪雨災害もあり、それらの様々な難しい状況を乗り越えて努力を重ね、本校への入学を実現されました。私は皆さんの可能性を強く感じていますし、高校三年間を通して更に大きく成長してくれるであろうと大いに期待しています。ここで、私から皆さんに高校生活を送るにあたって、意識して欲しいことを一つだけお話しします。

 

 それは、「しゅん」を大切にして欲しいという事です。「しゅん」というと、皆さんはどのような漢字を思い浮かべますか。食べ物の「旬」を頭に思い浮かべた方も多いと思います。もちろん、その旬もそうです。ただし、食べ物の事ではなく、その時期に自分のなすべき事にしっかりと取り組んで欲しいということです。これからの三年間は、皆さんが心も身体も大きく成長する時期です。その時期にしかできない事を大切にして欲しいのです。瞬間の「瞬」もあります。これもまた大切にして欲しい。俊敏の「俊」もそうです。これからの新しい生活の中で、自分の生き方を決めるきっかけとなるような人との出会いがあるかもしれません。それは書物かもしれない。学校での授業で新たな事を学んだ時、部活動、学校行事など、どの場面で皆さんの前に訪れるかわかりません。だからこそ、その一瞬に何かを感じたら、思い切って素早く行動してみてください。今お話しした、時期を捉えた「旬」、その瞬間を逃さずにして欲しいという「瞬」、思い立ったらすぐに取り組むという「俊」、この三つの「しゅん」を大切にして欲しいと思います。きっと、皆さんのもとに、素敵な何かがもたらされると私は信じています。

 

最後になりましたが、保護者の皆様に、一言お祝い申し上げます。改めまして、お子様の御入学、誠におめでとうございます。新型コロナウイルス感染症と豪雨災害の影響で、思うようにならない状況もありますが、私ども教職員一同はお子様の本校での生活がより充実したものとなるよう精一杯の指導、支援を行って参ります。どうぞ、本校の教育活動に対する御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

 夢と希望にあふれた新入生の皆さんが本校での生活の中で多くの事を学び、社会に貢献できる人材として成長してくれることを期待し、式辞といたします。

 

 令和三年四月八日

   熊本県立人吉高等学校長 前田 浩志

 

 

 

 

令和3年度 全日制始業式あいさつ   

 皆さん、改めましておはようございます。始業式にあたり、私から少しだけ話をさせていただきます。

 昨年は、いろいろなことがありました。新型コロナウイルスへの対応で、3月から5月までの間は臨時休校となりました。また、7月の豪雨災害では甚大な被害が発生し、皆さんの生活が大きく変わってしまったと思います。思うようにならない状況が続きますが、今の状況を受け止めて、できることを工夫しながら学校生活を充実させていかねばならないと思います。

 さて、4月4日、水泳の日本選手権で池江璃花子選手が100メートルバタフライで優勝し、見事に東京オリンピックの代表に内定しました。皆さんもこのニュースは御存じでしょう。

 池江さんは、中学時代から将来有望な選手として活躍し、今も多くの日本記録を持っています。しかし、一昨年の2月、18歳の時に自ら白血病を患っていることを公表し、10か月間の長期療養を行っていました。辛く苦しい闘病生活の中で、体重は以前より18kgも痩せてしまったそうです。

 周囲には、「東京の次のオリンピックを目指していく」と語り、今も病気と向き合いながら少しずつ少しずつ、でも着実に練習に取り組む姿は、テレビなどでも時折報じられていましたが、まさか、このタイミングで優勝を勝ち取るとは、正直私は思っていませんでした。

 病気から復帰して練習を再開した当初、他の選手より前を泳いでいた自分が、これまでと逆に、周囲についていけない自分となっている、そのギャップを受け入れることがなかなか出来なかったそうです。そのような葛藤の日々を過ごす中で、前の自分と今の自分を比べてはだめだ、と思うようになったそうです。

昔の自分と比べるのではなく、今の自分にチャレンジしていく。今できることをがんばる、という姿勢で日々の努力を積み重ねていたのではないでしょうか。優勝インタビューで涙ながらに「努力は必ず報われる」と話していた池江さん。予選、準決勝、決勝と記録を伸ばし、つまり、3回も今の自分に勝って、結果として再び日本一の栄冠に輝き、一度は諦めていた東京オリンピックの切符を掴んだわけです。本当に感動しました。

今日の自分を超えるために、自分のなすべきことに日々取り組む。そんな毎日を積み重ねていくことで、いつか自分の求めているものを手にすることができるのだと改めて学びました。

 

今日から新しい学年の始まりです。

2年生、今日の午後には後輩が入ってきます。人高のミドルリーダーとしての役割を求められますね。3年生は人高のトップリーダーとして、そして自分の目標に向かっての総仕上げの年のスタートです。

 是非、自分と向き合って、自分にチャレンジする一年にしてみてください。皆さんが日々成長していく姿を楽しみに見守っていきたいと思います。今年一年、よろしくお願いします。