郷土愛とグローバルな視野をもったリーダーの育成

     ~自らで考え、行動できる人材の育成を目指して~

                         熊本県立人吉高等学校長 髙田 拓

  

人吉高校のホームページを御覧いただき、ありがとうございます。

 令和6年4月に赴任して参りました校長の髙田 拓です。個人的なお話になりますが、平成4年から6年までの3年間、教員として初めて務めさせていただいたのが本校です。その後、2度目が平成30年から令和2年までの3年間、そしてこの度3度目となる人吉高校での勤務となり、驚きとともにこの上ない喜びを感じています。どうぞよろしくお願いします。

 創立101年目の本校は、全日制課程、定時制課程、五木分校の2課程と1分校を有しており、「礼節・勤労・進取」の三綱領の精神と教育スローガン「磨き 鍛えん 青春の志高く」のもとで、それぞれの特色を生かしながら、地域の進学希望の生徒を支える高校として歩んできました。卒業生は39,415人(令和6年3月)となり、地元はもとより、全国各地や海外でも活躍しています。

この人吉・球磨は「相良700年が生んだ保守と進取の文化の地」として、文化庁の日本遺産にも認定されています。司馬遼太郎がその著書の中で「日本でもっとも豊かな隠れ里」と表したこの地は、古来から地域の文化を守りつつ、先進的な外の文化も吸収して歩んできました。

私たち人吉高校も、世紀を超えた歴史の中で培ってきた伝統を大切にしながら、これからの時代を見据えて、日本だけでなく世界とも繋がることのできるリーダーを育成するため、様々な教育活動を行っています。

令和2年度からは、新しい時代を生きていく生徒に対して、主体的な学びを意識した授業や自らが研究課題を設定して取り組んでいく探究型の学習などを取り入れ、「1人1台端末整備事業」の先進実践校の指定を受け、生徒1人1台のタブレット端末を積極的に活用しながら教育活動を実践しています。また、令和4年度から文部科学省より「新時代に対応した高等学校改革推進事業(創造的教育方法実践プログラム)」の研究指定を受け、これを人吉球磨ライジング構想と名付け、令和2年の豪雨災害からの創造的復興を担う人材の育成を目指し、新時代を切り拓き、地域の復興を叶える創造的な学びの構築を進めています。さらに、校内では令和4年度からは朝の課外を廃止し、正課の授業を第一に考え、これまで以上に授業を中心とした学習を行うことで、更なる学力の向上、生徒一人ひとりの進路実現に取り組んでいます。

また、グローバルな人材育成にも力を入れており、オーストラリアでの語学研修や校内での海外からの留学生との語学研修なども行っています。(コロナ禍で縮小したり、変更したりした事業あり)

学校行事や部活動も本校の魅力の一つです。春の体育祭、秋の文化祭、伝統の鍛錬遠足「澪行」などもあり、それぞれの場面で生徒の活躍の場があります。部活動も体育系、文化系ともにたくさんの部が活動しており、全国大会や九州大会へ出場する部や県大会で上位に入っている部も複数あります。(各部の活躍については、ホームページの部活動のコーナーを御覧ください。)

創立101年目を迎えた本校は、創立100周年記念式典で掲げられた「新たな挑戦! ~人高100年の伝統と誇りを礎に~」の精神で、次の100年へ向け前進を続けます。学業と部活動のバランスのとれた両立、まさに文武両道を目指して「楽しく学び、笑顔のあふれる学校」を目指します。生徒の皆さんが“行ってよかった”、保護者の皆様が“行かせてよかった”と思ってもらえる学校となるよう、生徒・教職員・保護者・地域社会が一体となり、これからも挑戦していきます。

今後とも引き続き、皆様方の温かい御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。