2019年3月の記事一覧
生物部 牡丹を植樹しました!
先日、ボタン(牡丹)が4株届き、玄関前の芝生に3株、生物室前の花壇に1株を植えました。春の暖かさで蕾は直径5cm程に大きく膨らみ、もうすぐ開花しそうです。
第二高校に以前勤務された生物の先生が生物室前にボタンを植えられ、きれいな花をしばらく咲かせていたそうです。しかし、現在、生物室前にはボタンの姿はなく、いつからかその姿は確認されていませんでした。
大きなピンクの蕾をつけたボタン
管理棟玄関前に植えられたボタン
大きな蕾(もうすぐきれいな花が咲きそうです)
ボタンは、ボタン科(Paeoniaceae)ボタン属(Paeonia)の落葉小低木で、学名はPaeonia suffruticosaです。中国西北部が原産で、本来は薬用として利用されていましたが、牡丹の花が「花の王」として愛好されるようになり、観賞用として普及したようです。現在では多くの園芸品種があり、花の大きさや美しさは、まさに「花の王」のようです。薬用として利用されていましたが、薬用成分はペオノールといい、抗炎症、鎮痛などの効能があるようです。また、根の樹皮部分は「牡丹皮(ぼたんぴ)」として、漢方薬の原料にもなっています。
生物室前の花壇に植えたボタン
生物部 アセビの花満開
第二高校バス停の横にアセビの花が満開です。枝先に10cm程度の花序を垂らし、多くの白いつぼ状の花を咲かせています。一見地味ですが、一つ一つの花を観察すると10本のおしべなどを確認することができます。
バス停から見えるアセビ
アセビはツツジ科アセビ属の常緑の低木で、一般に樹高は2~4mほど、日本全国に自生しています。学名は、Pieris japonica subsp.japonicaで、Pierisは「アセビ属」、 japonicaは「日本の」を意味しています。ちなみに、Pierisはギリシャ神話の詩の女神「Pieris」の名前に由来しています。
アセビは漢字で「馬酔木」と書きます。明治36年に長塚節・島木赤彦・斎藤茂吉らによって寄稿、創刊された「馬酔木(あしび)」という短歌雑誌があります。学名Pierisの由来である詩にちなんだものです。
「池水に影さへ見えて 咲きにほう あしびの花を 袖に扱入れな」万葉集にある大伴家持の歌です。その他にも万葉集には「馬酔木(あしび)」が登場する歌があります。どこかでギリシャ神話とつながっているようです。
アセビは、「馬酔木」と表記されるように、有毒植物で枝葉にアセボチンという有毒成分を含んでいます。葉を煎じて殺虫剤に利用されます。そのため草食性の哺乳類は、アセビの摂食を避けます。例えば、奈良公園にはアセビが比較的目立ちますが、これはシカがアセビを食べるのを避けているからだと思われます。
このようにアセビは毒性があり、厄介者という感じですが、課題研究の材料としては面白い一面もあるかもしれません。
生物部 合格発表 シロバナタンポポ
3月13日は高校入試の合格発表でした。9時の発表に多くの受験生が第二高校に訪れていました。
朝は少し肌寒い感じでしたが、日中は日差しがあり、春らしい天気となりました。校庭の片隅にシロバナタンポポを見つけました。
シロバナタンポポの学名は、Taraxacum albidumで、キク科タンポポ属の多年生植物です。関東以西に多く分布していますが、北海道でも確認されています。2月から5月にかけて白い花を咲かせ、この暖かさで一気に開花したようです。普段よく見かけるタンポポは、黄色の花を咲かせるセイヨウタンポポです。これは外来植物であり、シロバナタンポポは日本の在来種なのです。シロバナタンポポの起源は、黄色花のカンサイタンポポと白色花のケイリンシロタンポポの雑種であることが確認されています。シロバナタンポポは、他の在来種と異なり、結実する種子も比較的少なく、染色体が5倍体で単為生殖が可能です。
校舎南側に咲いたシロバナタンポポ(校内に2株確認しました)