本日7月7日は、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」です。
文字通り、いよいよ本格的な夏の暑さが始まる節目の日。
そして、誰もが夜空を見上げ、星に願いを託す「七夕(たなばた)」でもあります。
ここ最近は重たい梅雨空が立ち込め、しとしとと雨が降り続く日が続いていましたが、今日は朝から一転、突き抜けるような青空と、力強い夏の白い雲が広がりました。
待ち望んだ晴天ではありますが、一気に気温も湿度も上昇。
ふと足元を見れば、ひまわりの黄色い花が咲き誇り、蜜蜂が忙しそうに飛び回るなど、農場はすっかり夏の装いです。
この急激な暑さは、外で活動する生徒たちにとっては身体に堪える非常に厳しい試練の始まりでもあります。
■ 暑さに負けず、農場で流すひたむきな汗
そんな過酷な暑さの中でも、農業科の生徒たちは決して歩みを止めません。
本日、果樹専攻の生徒たちは、照りつける太陽のもとで果樹園の草刈り実習に奔走しました。
草むした地面を、集中力を切らさずに一台一台丁寧に刈り進めていく作業は、体力的にも本当にタフな実習です。
しかし、すべては育てている命に豊かな栄養を行き渡らせるため。
生徒たちが大汗をかきながら実習に励むその傍らでは、期待のメロン「肥後グリーン」がネットをくっきりと浮き立たせて丸々と大きく実り、柑橘の「不知火」も青々とした力強い果実を太らせています。
また、温室の中では次の季節を待つシクラメンの瑞々しい緑の葉が、一鉢一鉢丁寧に整えられていました。
生徒たちの流した汗は、確実に農場の植物たちの生命力へと変わっています。
■ 天の川に想いを馳せ、それぞれの夢の舞台へ
実習でしっかりと汗を流した放課後、校内では七夕の心温まる風景が広がっていました。
図書室前の黒板には、彦星と織姫、そして夜空に流れる天の川を描いた見事な黒板アートが施され、紀友則(きのとものり)の歌が美しく添えられています。
「あまの河 あさ瀬しら波 たどりつつ 渡りはてねば 明けぞしにける」
黒板に書かれたその言葉のように、高校生活の限られた時間は、夢中になって走っているとあっという間に過ぎ去ってしまうものです。
だからこそ、今という時間を大切に、自分の「将来の夢」や目標に向かって一歩一歩、実直に突き進んでほしいと願っています。
梅雨を耐え抜き、今日の強い光を浴びて一段と色濃くなった農場の緑のように、生徒たちがこの試練の夏を超えて、自らの手で大きな未来を切り拓いていくことを信じています。
星が輝く今夜、芦北高校の生徒たちのすべての願いや挑戦が天に届き、それぞれの夢が豊かな実りを結びますよう、農業科一同、これからも見守り、全力で応援しています。
「小暑」
「七夕」を迎えて 一転した夏空のもと、命のきらめきと、自らの夢に向かって汗を流す生徒たちのひたむきな姿に未来を重ねて。芦北高校より。
「学校とバイトのバランスはどう取っていますか?」
「ひとり暮らしって、やっぱり難しいですか?」
「進路を決めるときに、一番大事にしていたことは何ですか?」
質疑応答の時間に入った瞬間、学年を問わず、次々と手が上がりました。
生活費のリアルなお金の話から入試対策まで、生徒たちから溢れ出す等身大の質問の数々。
これほど多くの質問が飛び交ったのは、生徒たちがただ聞いていただけではなく、自分の未来を重ね合わせ、それだけ強い興味を持って先輩の話に耳を傾けていた証拠です。
本日6限目、現在教育実習生として来られている本校卒業生のK先生による、「卒業生講話」を開催しました。
【担任の粋な企画で、農業科が全員集結!】
この講話を企画したのは、K先生の高校在学時に担任だったM先生です。
先生の熱い呼びかけに応え、農業科の1〜3年生全員が視聴覚室に大集結。
【芦高から大学へ。先輩が歩んだリアルな軌跡】
講話のなかで、K先生は自身の経験をもとに、生徒たちの未来に直結するたくさんのお話をしてくださいました。
・芦高への入学のきっかけ
・在学時に熱中したこと(フラワーアレンジメントや農業鑑定競技への挑戦)
・進路決定までのプロセス(担任の先生からの声掛けや、試験に向けた取り組み)
・大学で専門的に学んでいること(造園や栽培について)
さらに、高校生が一番気になっている「大学生活のリアル」についても、ひとり暮らしの工夫やアルバイト、現在の就職活動の様子まで、包み隠さず語ってくださいました。
【「やりたいことがない」と悩む後輩たちへ】
進路に迷う後輩たちに向けて、K先生が送ってくれたアドバイスは、心に深く刺さるものでした。
「進路を選ぶために、まずは資格や経験をたくさん積んで選択肢を広げてほしい。そして、周囲への感謝を伝えることを忘れないでください」
また、「将来やりたいことがまだ見つからない」という生徒に対しては、
「『これならちょっとやれそうかな』ということから始めてみればいい。自分のペースで『自分なりにはだいぶ良い方だな』と思える選択をしていけば大丈夫」
という、優しく背中を押してくれる言葉をかけてもらい、生徒たちは真剣な表情で深くうなずいていました。
【濃密な時間への感謝】
年齢が近い「先輩」だからこそ、どの言葉も説得力があり、生徒たちにとっては進路パンフレットを読むよりも何倍も大きな刺激になったはずです。
どんな質問にも笑顔で、かつ丁寧に答えてくれたK先生の姿勢からは、後輩への温かいエールが溢れていました。
企画してくださったM先生、そして本音で語ってくれたK先生、本当にありがとうございました。
この講話を聞いた生徒たちが、これからどんな進路を選び、どんな風に挑戦していくのか、今からとても楽しみです。
農業科3年、草花の授業。
ふと見ると、生徒に混じって、見慣れない職員の姿。
6月29日から本校農業科に教育実習生としてやってきた、卒業生の「K先生」です。
【頼もしい実績を持つ卒業生】
K先生は高校在学時、課題研究で草花を選択し、土日も惜しまず技術を磨いてフラワーアレンジの全国大会に出場した経験を持っています。
素人の私が「これは何の葉っぱですか?」と聞くと、迷うことなく「レザーファンです」と即答。
流石の一言です。
その知識と技術は、卒業してからも全く衰えていません。
実習中、手こずっている生徒を見つけると、サッと隣に寄り添って優しくアドバイスをされていました。
すでに先生らしい温かい眼差しで指導する姿に、生徒たちも真剣な表情で耳を傾けていました。
【授業だけじゃない、教員のリアルを学ぶ2週間】
実習の舞台は実習室だけではありません。
職員室では、指導教師の先生と2週間のびっしり詰まったスケジュールを確認していました。
授業見学や教材研究はもちろん、教務の仕事や生徒指導のあり方など、学ぶべき内容は多岐にわたります。
教科書を開くだけでは分からない、学校現場の「リアル」を肌で感じる、非常に濃い2週間になりそうです。
【充実した実習になりますように!】
3日には最初の授業実施、そして来週には実習の集大成となる「食品製造」の研究授業も控えています。
教える側として母校の教壇に立つ緊張と喜び。
K先生にとっても、農業科の生徒たちにとっても、これ以上ないほど充実した時間になりますように!
チーム農業科、全力で応援しています!
【今日の一枚】
先輩の技を、まさかの方法で吸収!?
K先生の熱心な指導が続く、3年生の草花実習。
カメラを向けるとポーズを取ってくれました。
K先生、個性が爆発する楽しい後輩たちですが、2週間どうぞよろしくお願いします!
Global Series Vol. 6:Ashikita Senses
[JP]
芦北高校農業科の活動を世界へ届けるシリーズ。
私たちが大切にしている活動の記録を厳選し、月に一度、英語版としてお届けします。
第6回は、6月4日の「2年生・果樹総合実習(不知火のブラインド・テイスティング)」の記録です。
[Global Series Vol. 5:The Chemistry of Baking and Respect for Professionals はこちら]
[EN]
Sharing the passion of Ashikita Agricultural High School with the world. Once a month, we present an English edition of our specially selected stories. Vol. 6: Sophomore Fruit Tree Practice — Shiranui Blind Tasting (Jun 4th).
[Click here for Global Series Vol. 5:The Chemistry of Baking and Respect for Professionals]
— Sophomore Fruit Tree Practice: Unlocking the Secrets of Shiranui Through a Blind Tasting —
"It’s totally different! This one is so sour!"
"Don't you think this one has a richer flavor?"
"I think I prefer Option A!"
Today, the classroom for our second-year Agricultural Department students was buzzing. Arranged on the desks were two types of "Shiranui" citrus that looked absolutely identical. However, the moment the students tasted them, their expressions changed completely. The room filled with the raw, sensory exclamations of mixed confusion and excitement.
This lesson featured a "blind tasting" designed to help students understand the unique characteristics of different citrus varieties and strains. As students of Ashikita Agricultural High School, we want them to do more than just eat and say "delicious"—we want them to become experts who can discern the most subtle differences. This marked the beginning of a slightly challenging yet highly exciting practical lesson born from that very wish.
■ The Four-Stage Judgment: No Easy Way Out
The "Variety Tasting Worksheet" provided two clues: "Hinoyutaka," born in Kumamoto, known for its quick reduction in acidity and a mellow flavor; and "M16A," a classic strain that develops a deep richness and a punchy acidity through careful storage.
The worksheet listed specific evaluation items, such as the color of the pulp, the thinness of the inner skin, and the mildness of the acidity. Crucially, there was no option for "average" or "neutral." The teacher's voice echoed through the room: "Try to make your evaluations definitive. There is no single right answer, so trust your own senses."
Munch, munch... Gulp.
The students focused all their energy on their taste buds. If this were just an ordinary snack time, it would have ended with simple smiles. However, the profiles of these students—showing the burgeoning pride of future growers—were intensely serious.
■ Lost in a Maze of Senses "They Look the Same, But Taste Completely Different!"
After the initial tasting, a quiet passion enveloped the classroom. The students grew quiet, staring intently at their worksheets, sinking into deep reflection as they translated their sensations into words and numbers.
Carefully recalling the flavors lingering in their mouths, they pieced the clues together one by one. "Was that aftertaste the mellowness of Hinoyutaka, or the richness of M16A?" Comparing their memories with the hints before them, they trusted their intuition to guide them to their own answers. This is precisely what makes working with living agricultural products so fascinating and profound. Seeing the students hesitate, the teacher offered some guidance:
"The correct answer doesn't matter. It’s not about guessing right. What matters is knowing that a clear 'difference' exists in things that look identical, and discovering which one you prefer. Catching that feeling is the real goal."
The feedback from the students proved that they had turned a real page of agricultural science through their own physical experiences:
"They were different, but both were so delicious that I want to eat a lot more next time."
"The flavors were completely different, but I could barely see any difference in the color or the appearance of the pulp."
"The difference was clear and easy to understand. I want to utilize this knowledge when selling them."
■ A Single Bite Nurtures the "Eyes of a Professional" for Tomorrow
Cheers of excitement and groans of frustration erupted the moment the correct answers were revealed, followed by the teacher's commentary. As time passes on the tree or in the storage facility, the acidity of the Shiranui citrus decreases, causing its flavor to evolve period by period. Because the speed of this change and the sharpness of the flavor vary by strain, citrus cultivation is incredibly deep and interesting. The students listened quietly, discovering how much intricate natural drama is packed into every single Shiranui fruit they normally handle without a second thought in the orchard.
This opportunity to learn the differences between strains through physical experience is a precious moment limited only to this fruiting season. A single tasting session will not instantly turn them into all-knowing professionals. However, the seed of inquiry planted in their hearts today—"Why do they taste so different?"—will undoubtedly transform the way they look at things during future harvest and storage management practices.
Being moved by the complexity of nature beyond just "tasty," and by the incredible human skill required to master it—this is how Ashikita Agricultural High School "creates" dependable wisdom for the future of agriculture through real learning that engages all five senses. As the lesson concluded and the room was cleared, a faint, sweet-and-sour aroma of Shiranui lingered in the air. Having taken their first step toward becoming "growers who know the difference," we are already looking forward to the next harvest these sophomores will raise.
「わあ!」
「冷たーーい!」
本日5、6限目、1年生の「農業と環境」の授業で、待ちに待った田植え実習を行いました。
裸足になって、おそるおそる水田へと足を踏み入れる生徒たち。
一歩進むたびに、足の指の間をニュルッと抜けていく泥のなんとも言えない不思議な感触に、あちこちから大きな歓声(と悲鳴!?)が湧き上がりました。
最初は恐る恐るだった手つきも、次第に泥の感触を楽しみながら、一株一株、丁寧に苗を植え付けていきました。
【梅雨の合間の青空と、きらめく汗】
ここ数日は雨の日が続いていましたが、今日は見事な「梅雨の合間の青空」が広がりました。
じりじりと照りつける太陽のもと、額の汗を何度も拭いながら、一列に並んで泥にまみれる生徒たち。
泥だらけになった手足は、一生懸命に命と向き合った証です。
爽やかな風が吹き抜けるなか、みんなで声を掛け合いながら流した汗はどこか清々しく、クラスの絆もぐっと深まったように感じます。
【目指すは11月!全校生徒で食べる特製カレー】
今回植えたお米の品種は、ふっくらとした食感と甘みが特徴の「ヒノヒカリ」です。
陽の光を浴びて黄金色に輝く美味しいお米に育ってほしいのには、実は大きな理由があります。
なんと、秋の11月に開催される「収穫感謝祭」では、この自分たちが育てた新米を使い、全校生徒で一からカレーを調理して、みんなで美味しく食べる予定なのです!
「自分たちが植えた苗が、秋には全校のみんなを笑顔にするカレーになる」 そう考えると、これからの毎日の管理や、夏の暑い日の水やりにも自然と力が入ります。
お米作りの大変さと、それ以上の喜びを肌で感じる、農業科としての最高のスタートラインに立った1年生。
みんなの想いを乗せて、「ヒノヒカリ」よ、大きく元気に育て!
〒869‐5431
熊本県葦北郡
芦北町乙千屋20-2
熊本県立芦北高等学校
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