校長室より

令和7年度1学期始業式校長式辞(4月8日)

皆さんおはようございます。

 あらためまして、このたび着任した校長の橋本岳範です。よろしくお願いします。

 いよいよ新たな年度、令和7年度が始まりました。1学期の始業式は、最も重要、今日考えたことは1年間心に刻んでおいてください。3年生は自らの進路実現に向けての大切な1年です。そして、多くの人は卒業までに成人年齢に達することになりますね。自らをあらためて見つめ直し、大人になることへの自覚も深めながら1年を過ごしてください。2年生は学校の中堅学年で、新入生を導きながら、勉強はもちろん、学校行事、部活動に精力的に励んでください。また地域と連携した活動など新しいことにも挑戦してほしいと思います。 

 ところで皆さん「今日元気ですか?」、本当はもっと気合を入れてこの問いかけを皆さんにしたいところですが、初めてで恥じらいがあります。すでにお亡くなりになった、かの有名なプロレスラーは「元気があれば何でもできる」と言い続けました。実は何を隠そう、私も子どものころからプロレスファンでして、だいたい私くらいの世代になると、プロレス好きが多く、話は盛り上がります。昔は笑って見ていたこの問いかけですが、今は「元気があれば大体のことはできる」を実感しているところです。元気とは、もちろん「体調がよいこと」を指しますが、それだけでなく「心が前向き、やる気に満ち溢れていること」この2つが一緒になって成り立ちます。いや、多少体調がよろしくなくても、気持ちの面で「どんな時も前を向く力」があれば、「元気」と言えると思います。

 しかし、世の中は、明るいニュースよりも暗いニュースの方が多く、正直元気をなくさせる状況でもあります。時代のキーワードとして、予測困難とか不確実性という言葉を、みなさんも聞いたことがあるでしょう。世界を見渡せば、ロシアのウクライナ侵攻が未だ終わらない、イスラエルのガザ地区への攻撃も終わらない、内戦状態のミャンマーでは大地震が起きた、そんな時にアメリカの大統領が同盟国にも容赦せず、全世界に向けて関税をかけた等、この先を心配することばかりの状況です。私たちはグローバルな世界に生きているので、少なからず余波がこの熊本の地にも来るでしょう。まさに「予測困難」な時代です。

 でも皆さん、見方を変えましょう。タイムマシーンで未来を見に行くことでもしなければ、もともと先は見えなかったのです。私はこの数日間考えました。こんな素晴らしい御船高校に校長として赴任できるなんて、5年前、10年前に想像できただろうか。そもそも校長になることすら想像していませんでした。この縁は、何か頑張ってきたご褒美かなと思ったりもします。人生の先が見えてゴールが決められていることの方が、つまらないものです。目標はあっても先は見えていないからこそ人は努力し、考え、前に進むことができるのです。もし先が見えたら、何も考えずに流されていくだけになるでしょう。

 皆さん、先が見えない時代だからこそ、仲間といろいろなアイディアを出して、実現に向け試行錯誤しながら一歩一歩前進し、行動に移していく、失敗しても恐れることなく、それを共有してくれる仲間がいれば乗り切れると思います。「どんな時も前を向く力」、これが大事です。4月1日の県立学校初のアイスクリームの自販機設置、大変明るいニュースでした。聞けば、生徒会の努力で実現したとのこと。御船高校だけでなく、ニュースを見た人たちを明るく元気にしてくれるものでした。心から感謝します。

 私は、みなさんと一緒に「ワクワクドキドキする御船高校」を作っていきたいと考えています。3年生の皆さん、2年生の皆さん、期待していますよ。君たちの「どんな時も前を向く力」で「予測困難」、「不確実性」なんて吹き飛ばしてください。

私たち教職員と一緒に、1年間「元気」に過ごしていきましょう。

以上、令和7年度最初の校長式辞とします。

式 辞  令和7年4月8日(火)入学式

 草木の優しい緑に暖かい陽光が降り注ぎ、校庭の桜は満開で、学校全体を晴れやかにしています。希望に満ちた春を迎えました。本日、ここに、御船町長 藤木 正幸 様、同窓会長 徳永 明彦 様 をはじめ、多くの御来賓の皆様の御臨席と保護者の皆様の御参列を賜り、令和七年度第七十九回熊本県立御船高等学校入学式が盛大かつ厳粛に挙行できますことに、深く感謝申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました普通科一一〇名、電子機械科七八名、総計一八八名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして、今日の佳き日を心待ちにしてこられた保護者の皆様に心からお祝いを申し上げます。本校教職員一同、新入生の皆さんを心から歓迎いたします。

 本校は、大正一〇年(一九二一年)に旧制御船中学校として創立され、建学の精神である「誠実以て人に接す」「自ら進んで学を修む」「自律以て己を処す」の三綱領を教育理念として掲げて歩んできた、百年以上の歴史ある伝統校です。卒業生は二万四千人を超え、県内はもとより、全国各地、海外においても優れた才能を発揮し、多方面にわたって活躍しています。

 また、普通科、普通科芸術コース、そして電子機械科という他にない学科構成を有しており、新時代を担う人材を養成するのに相応しい多彩な学びを展開している学校です。

  新入生の皆さんは、数ある高校から、この歴史と伝統ある御船高校を選び、船高生として第一歩を歩み始めました。どうか、一日も早く本校に慣れ、船高生としての自覚と誇りを持って、これからの高校三年間、自分の可能性を精一杯拡げて、充実した学校生活を送ってください。

 本校に築かれた伝統と校風は、皆さんの先輩方がそうであったように、精一杯勉学に励んだり、多彩な経験を重ねたりすれば、皆さんを人間的に大きく成長させてくれることでしょう。

  そこで本日の入学式に当たり、新入生の皆さんに、三つのことをお願いします。

  一つ目は「人への思いやりと感謝の心を持つこと」です。皆さんはもともとこういう心を持っている人たちだと思っています。でも、高校生になって今まで以上に独り立ちした生活をしていくと、自分は一人で生きていると勘違いしてしまうかもしれません。保護者の方々をはじめ、多くの人たちに支えられ、応援されて生きているのです。また周囲には見えない支援者もいます。御船町の方々や同窓会の方々です。感謝の気持ちを忘れず、また今度は誰かを応援したり、支えたりする思いやりを持ち続けてください。一言でいうと「誠実」です。三綱領の一つにあります。「誠実以て人に接す」、これを心に刻み、ここにいる皆さんが、生涯の仲間となることを期待します。

  二つ目は「挑戦する心とどんな時も前を向く力」を持つことです。皆さんに問います。高校生になって新しい何かに挑戦したいと思ってここに来ましたか。勉強で一番を取ってやろうとか、中学までと違う部活動に挑戦してみようとか、思い切って生徒会に入って学校行事を盛り上げてみようとか、また探究活動で街の活性化を提案してみようとか、はたまた世の中の役に立つアプリを開発してみようとか、何か今までにない発想で新しいことに挑戦してみてください。でも挑戦すれば、困難にぶつかったり、失敗したりします。挑戦にはつきものです。でもそこからまた先に進むのです。「どんな時も前を向く力」を高校時代に養ってください。挑戦して失敗して、また挑戦しての繰り返しでたくさん学びを得るのです。学びは挑戦しなければ得られません。三綱領の一つ「自ら進んで学を修む」を実践し、人間的に大きく成長していくことを期待します。

  三つ目は「自分の行動に責任を持ち、自分自身を律する」ということです。自分の言動については、そのことが及ぼす影響について想像力を働かせて、善悪の判断をしてください。これから高校生となる皆さんには、自分の言葉や行動に責任を持つことが求められます。感情に任せて、過ちを犯せる年齢ではありません。それが許される年齢ではありません。大人になる第一歩として、自分自身を律することが求められます。三綱領の一つ「自律以て己を処す」を常に意識して、ルールを守り、規範意識を持つとともに、責任感を持って行動できる自律した人間に成長することを期待します。

 希望を抱いて入学された皆さんは、今日の思いを忘れることなく、主体的に学んで、御船高校で過ごす一千有余日を、充実した日々にしてください。

  保護者の皆様、これから学校とご家庭としっかり連携し、信頼関係の元で、お子様の教育に当たりたいと考えております。新入生の皆さんの夢実現に向けて御船高校教職員一同、全力で教育活動に取り組んで参ります。

 保護者の皆様におかれましては、本校教育に対する御理解と御協力をどうかお願い申し上げます。

  結びに、本日入学された皆さんが、自分の可能性を拡げ、様々な挑戦を通して大きく成長していくことを祈念し、式辞とします。

 

令和七年四月八日

熊本県立御船高等学校

校長 橋本 岳範