校長室より

R8Carグランプリ2025

R8Carグランプリ2025校長あいさつ

 

 皆さん、おはようございます。

 今日は、待ちに待った『御船高校R8Carグランプリ2025』。

 

 失礼ながら、私は工業科のある学校は初めての赴任で、このグランプリ内容が判然としなかった。ただ、なんだかワクワクドキドキするイベントだなと。

 電子機械科のホームページで、昨年度の動画を拝見した。みんなの歓声も一緒に入っていて、本当に楽しそうだった。

 で、『R8C』は何ぞやを自分で調べてみた。Rとは日本を代表する半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスのRだと。ルネサスが開発したからだと知った。

 世は半導体人材を渇望していると言っているが、私は普通科系の学校しか経験がなかったので、大変縁遠かった。が、船高に来てこんなにも身近に半導体の学びがあるのだなと感激した。

 今日は、ワクワクドキドキする学び体験。3年生の大会だが、後輩たちはこの大会を目指して頑張ってくる。これまでの準備の成果を、しっかり披露してほしい。

 皆さんが、ものづくり日本を支える人材になろうと頑張っていることを誇りに思う。

 頑張ってください。そして大いに盛り上がってください。

 

R7育友会総会 校長あいさつ

 この度の人事異動により熊本高校から赴任しました、校長の橋本 岳範です。どうかよろしくお願いします。

 104年目を迎える歴史と伝統ある御船高校に赴任できて、大変光栄に思っております。

 本校は、ご覧のとおり、正門から入って美しい木立の天神の森に迎えられ、左手に広いグラウンド、右手には玄関と生徒昇降口が隣り合わせにあります。生徒の様子がよく見え、いつも職員と生徒が一緒という雰囲気があります。

  また本校は、ご存じのとおり、普通科、普通科芸術コース、そして電子機械科と大変特色のある学科構成を有しています。近年、これからの人材育成にはSTEAM教育が有効だと言われています。この言葉は、アメリカのオバマ元大統領が演説で使って有名になりました。SはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ※リベラルアーツとは簡単に言うと教養)、Mathematics(数学)を意味していて、技術革新が進み人工知能の影響で世の中が大きく変化する中で、生き抜く力を育成する教育です。それができるのは、他でもない御船高校だと思っています。言うなれば、本校は時代を先取りした学校だったのです。私は、生徒、職員にはそういう学校で学んでいるのだと誇りを持ってほしいと思います。

 私は、御船高校には今まさに「風」が吹いていると思います。もちろん「追い風」です。昨年度からマスコミに取り上げてもらえることが増えていると思います。先週土曜日、車の運転中にたまたまTKUの若っとランドが始まったところ、御船高校生の密着取材でした。車を停めて妻と一緒に楽しみました。また日曜夜には若き匠という番組でも電子機械科の生徒が紹介されました。そもそも4月1日私の赴任初日は、アイスクリーム自販機の設置でテレビ・新聞から取材を受けました。反響が大きく、前任校の生徒や職員、そして保護者からも「御船高校、いい学校ですね。」と言われました。生徒会執行部が提案して事務長と協議し、様々な課題を克服しながら実現したアイスクリーム自販機設置については、熊本高校生徒会が見習っていきたいと言ってきたくらいでした。

 どれも生徒が主役となって、本校が県民に明るい話題を提供したことでした。ちなみに28日月曜朝の登校の様子をテレビが撮影に来るようです。休み明けの朝であっても、しっかりヘルメットをかぶって、明るく元気な挨拶の様子が映ることを期待しています。

 もう一つ生徒自慢をさせてもらっていいですか。昨日の朝は、月に1回ある「全校朝礼」でした。これは、生徒主体のものです。企画・進行は生徒が行います。それを私は企画書が起案されて回ってきた際に知りました。こんな素晴らしい取組をこの学校は行っているのかと感動して、企画書の目的のところに少し加筆をさせていただきました。この機会を「チーム船高」となる絶好の機会にしてほしい、だから目的を全校生徒にしっかり示してほしいと。そうすると生徒会は早速反応して、生徒会執行部が校長室まで足を運んでくれました。そうして全校生徒にこういうふうに伝えたいと話してくれました。本当にうれしかったです。当日は、船高スタンダードについて語ってくれました。自分たちで校則を守ろうとか、校内のマナーを守ろうとか、動画を作って説明してくれました。

 どうですか、保護者の皆さま。お子様たちは、本校で立派に成長しています。

 だから、もっと本校のすばらしさを地域や広く県民に浸透させたいと心から願っています。ご存じのとおり、多くの地方の県立学校が定員割れに苦しんでいます。本校も同様です。少子化に加えて、高校無償化、そして県立高校の入試改革が迫っています。また県立高校のあり方検討会も議論が進んでおります。高校を取り巻く環境が劇的に変わる時に来ています。私もここ2,3年が勝負だと考えております。チャレンジングな策を練っているところです。

 ここで、保護者の皆様にお願いです。ぜひぜひ、本校の魅力を周囲の方に伝えていただけたらと思います。小中学生がおられる方々とかに。熊本市内の高校に行くより本校を選ぶメリットの一つに、やはり通学時間があります。先日、本校の校門前に数名の他校生が集まっていました。声をかけてみると、1年生で制服がそれぞれ違っていて4つの学校の生徒でした。どうも地元の中学の同級生で御船高校に入学した友達に会いに来たようでした。私が「御船高校に来ればよかったじゃない。」と言うと、皆口々に「今では後悔している。」と言っていました。やはり、実際熊本市内の高校に通ってみると、通学に時間と労力を取られてクタクタのようでした。部活動で進学したという生徒は、さらに学校から離れた練習場に行かねばならないらしく、とても疲れると。長距離通学は、今の季節ならまだしも、梅雨の時期や酷暑の日などは、それだけで体力と気力を消耗します。本校には、学び舎と体育系・文科系の部活動の練習場所が一緒にあります。その子たちが、私に言ってくれたのは「弟たちには御船高校に行くように言っておきます。」と。うれしかったですね。「近所の子たちにもそう言ってくれ。」と伝えました。

 どうか、保護者の皆様にも本校の良さを伝えていただきたいと思います。誇張しなくても結構です。思っておられる本校の良さを少しだけ「盛って」くださるくらいでお願いします。

 保護者の皆様が大事に育ててくださった子どもたちを、私たちは御船高校で責任をもって世の中で活躍できる人材として育て上げたいと考えております。我々船高教職員一同は、そういう使命感をみな持っています。

 最後に私は、生徒と教職員とで『ワクワクドキドキする御船高校』を作っていきたいと考えております。既存のものに一工夫入れれば劇的に楽しくなるということがあります。それを学びや学校行事などに実践していきたいと考えています。どうかご期待ください。生徒、先生たち、そして保護者の皆様とのチームワークが一番だと考えております。今後ともどうか、本校の教育活動にご理解とご支援をよろしくお願いします。

御船高校新入生オリエンテーション校長講話(4月9日)

「知ること」とは

校長 橋本 岳範

 1年生の皆さん、昨日の入学式いかがでしたか。新しい環境で、船高の担任の先生、そして各中学校から集まってきた同級生、今からの船高生活に期待しているところでしょう。今日は、新入生オリエンテーションということで、校長の私から少しお話させていただきます。この新入生オリエンテーションは、どこの学校でもだいたい行われているものです。校内で行う学校もあれば、どこか研修所で宿泊して行う学校もあります。

 さて今日は何を話そうかと考えましたが、やはり高校の一番の目標は、しっかり勉強して3年後にそれぞれの進路を実現することなので、『勉強』について話したいです。勉強かあと思う人もいるかもしれませんが、勉強の第一歩の『知ること』について話しますので、よく聞いておいてください。私は、これまで1年生を担当した時には、いつも言っていることがあります。それは、大学受験や就職試験のある3年生は、本当に大変な学年だけど、1年生が大事なのだよということで、『一番大変なのは3年生、でも一番大事なのは1年生』と。

 ここで、18年前に担任をしたGくんという生徒について紹介したいと思います。私は、Gくんを2年、3年と担任しましたが、教科は1年次から担当していましたので、Gくんの成長を3年間見守った形です。

 当時、私は学習指導や進路指導をする中で、よく古代ギリシアの哲学者であるソクラテスの言葉「無知の知」や古代中国の思想家である孔子の言葉「学習」を使って、学ぶことの意義や方策を説いていました。二人とも紀元前の人です。今振り返ると、30代の私は本当に「熱い」教師だったなと少し恥ずかしさを覚えます。生徒にとっては、「暑苦しく」感じていたことでしょう。ところで「無知の知」とは、「無知であることを自覚する」ことですが、ソクラテスは、自覚するだけでなく「知識を身につけるなど、自分自身を高めなさい」の意味も付け加えた「汝自身を知れ」の言葉も残しています。孔子も似たようなことを弟子に対して述べています。『子曰(いわ)く、由(ゆう)、汝(なんじ)に之(これ)を知るを誨(おし)えんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是(こ)れ知るなり。』(先生がおっしゃった、「由(ゆう)(弟子の子(し)路(ろ)に親しみを込めて)に物事を知るということを教えようか。自分が知っていることを知っているとして、知らないことはまだ知らないと率直になることが、知るということだ。」と。)古代の西洋と東洋で似たようなことが述べられており、「知ること」に関して普遍性を表すものだと私は「熱く」語っていました。

 Gくんの話に戻ります。彼は決して成績がいい方ではありませんでした。むしろ下降続きで、学習意欲も低くなんとなく高校生活を送っているという感じに見えました。部活動もせずにいるので、私が顧問をしている山岳部に入れて心身ともに鍛え直そうと誘ったこともありましたが、全く乗ってきませんでした。しかし、医師にはなりたいという言葉は時々述べるので、普段の生活と夢?に大きな隔たりがありました。それからGくんは3年に上がっても成績は伸びず、授業の様子を見ていても苦悩の表情(わからない…だからおもしろくない…というような)を見せることがしばしばありました。3年夏休みの三者面談では、模試の成績と夢?との乖離に重苦しい雰囲気になったのを覚えています。それから夏が終わり、秋の模擬試験が週末ごとに続き、クラスの生徒も疲れが溜まり始めた頃でした。にわかに信じがたい成績をあげる生徒が現れたのです。何を隠そうGくんでした。最初は、まぐれ?たまたまこの回だけのことか?と思いましたが、それから連続して結果を残しました。具体的に言うと、9月の模試から11月後半の模試までに偏差値を25程上げたことになります。1月のセンター試験(現共通テスト)は、本人の自己ベストでした。しかしながら医学部には遠く及ばず、国立、私立ともに不合格でGくんは浪人となりました。センター試験後に、本人とじっくり話す機会があったので、「お前のこの成績の伸びはどういうこと?何が起きたの?」と聴いてみました。するとGくんは、こう答えました。「無知の知ですよ。」と。呆気にとられた私に、彼は続けて説明してくれました。先生から高2の時、無知の知を言われて、一体自分は勉強がどこまで分かっていないのかを突き詰めてみたら、小学校4年生の教科書までたどり着いたと。そこからずっと小中学校の教科書の学び直しを1人でやっていたら1年半もかかってしまったということだそうです。その成果が3年11月後半から本番にかけて現れた「驚異的な伸び」だったのです。基礎基本からやり直して、その後様々な知識や考え方が有機的に繋がってきたのでしょう。「やっぱり基本が大事」ですねとも述べていました。

 浪人後の彼は、私大でしたが医学部に合格し、医師国家試験を経て医師となりました。しかしながら「学習」への探究心(どうすれば効果的に学べるか、覚えられるか、継続できるか等への興味・関心)が旺盛で、その後なんと東京大学の大学院に進学しました。

 いかがでしょうか。皆さん、勉強の取り組み方の参考になりましたか。無知で恥じること無かれです。むしろ「無知の知」が、その先にある「夢」を実現させる近道です。知ったかぶりが一番いけません。私自身もそれを言い聞かせています。

 わからないことは、わからないと自覚して、先生に聞いたり、友達に聞いたりしてください。決してそのままにしないこと。「無知の知」が学習の第一歩だと心に刻んでおいてください。

 船高生諸君、“知らないことの自覚”から学び始めて、夢までたどり着こうよ!その道のりは遠くても、夢の途上では、私たち船高職員がしっかり伴走していきますから。

令和7年度1学期始業式校長式辞(4月8日)

皆さんおはようございます。

 あらためまして、このたび着任した校長の橋本岳範です。よろしくお願いします。

 いよいよ新たな年度、令和7年度が始まりました。1学期の始業式は、最も重要、今日考えたことは1年間心に刻んでおいてください。3年生は自らの進路実現に向けての大切な1年です。そして、多くの人は卒業までに成人年齢に達することになりますね。自らをあらためて見つめ直し、大人になることへの自覚も深めながら1年を過ごしてください。2年生は学校の中堅学年で、新入生を導きながら、勉強はもちろん、学校行事、部活動に精力的に励んでください。また地域と連携した活動など新しいことにも挑戦してほしいと思います。 

 ところで皆さん「今日元気ですか?」、本当はもっと気合を入れてこの問いかけを皆さんにしたいところですが、初めてで恥じらいがあります。すでにお亡くなりになった、かの有名なプロレスラーは「元気があれば何でもできる」と言い続けました。実は何を隠そう、私も子どものころからプロレスファンでして、だいたい私くらいの世代になると、プロレス好きが多く、話は盛り上がります。昔は笑って見ていたこの問いかけですが、今は「元気があれば大体のことはできる」を実感しているところです。元気とは、もちろん「体調がよいこと」を指しますが、それだけでなく「心が前向き、やる気に満ち溢れていること」この2つが一緒になって成り立ちます。いや、多少体調がよろしくなくても、気持ちの面で「どんな時も前を向く力」があれば、「元気」と言えると思います。

 しかし、世の中は、明るいニュースよりも暗いニュースの方が多く、正直元気をなくさせる状況でもあります。時代のキーワードとして、予測困難とか不確実性という言葉を、みなさんも聞いたことがあるでしょう。世界を見渡せば、ロシアのウクライナ侵攻が未だ終わらない、イスラエルのガザ地区への攻撃も終わらない、内戦状態のミャンマーでは大地震が起きた、そんな時にアメリカの大統領が同盟国にも容赦せず、全世界に向けて関税をかけた等、この先を心配することばかりの状況です。私たちはグローバルな世界に生きているので、少なからず余波がこの熊本の地にも来るでしょう。まさに「予測困難」な時代です。

 でも皆さん、見方を変えましょう。タイムマシーンで未来を見に行くことでもしなければ、もともと先は見えなかったのです。私はこの数日間考えました。こんな素晴らしい御船高校に校長として赴任できるなんて、5年前、10年前に想像できただろうか。そもそも校長になることすら想像していませんでした。この縁は、何か頑張ってきたご褒美かなと思ったりもします。人生の先が見えてゴールが決められていることの方が、つまらないものです。目標はあっても先は見えていないからこそ人は努力し、考え、前に進むことができるのです。もし先が見えたら、何も考えずに流されていくだけになるでしょう。

 皆さん、先が見えない時代だからこそ、仲間といろいろなアイディアを出して、実現に向け試行錯誤しながら一歩一歩前進し、行動に移していく、失敗しても恐れることなく、それを共有してくれる仲間がいれば乗り切れると思います。「どんな時も前を向く力」、これが大事です。4月1日の県立学校初のアイスクリームの自販機設置、大変明るいニュースでした。聞けば、生徒会の努力で実現したとのこと。御船高校だけでなく、ニュースを見た人たちを明るく元気にしてくれるものでした。心から感謝します。

 私は、みなさんと一緒に「ワクワクドキドキする御船高校」を作っていきたいと考えています。3年生の皆さん、2年生の皆さん、期待していますよ。君たちの「どんな時も前を向く力」で「予測困難」、「不確実性」なんて吹き飛ばしてください。

私たち教職員と一緒に、1年間「元気」に過ごしていきましょう。

以上、令和7年度最初の校長式辞とします。

式 辞  令和7年4月8日(火)入学式

 草木の優しい緑に暖かい陽光が降り注ぎ、校庭の桜は満開で、学校全体を晴れやかにしています。希望に満ちた春を迎えました。本日、ここに、御船町長 藤木 正幸 様、同窓会長 徳永 明彦 様 をはじめ、多くの御来賓の皆様の御臨席と保護者の皆様の御参列を賜り、令和七年度第七十九回熊本県立御船高等学校入学式が盛大かつ厳粛に挙行できますことに、深く感謝申し上げます。

 ただ今、入学を許可しました普通科一一〇名、電子機械科七八名、総計一八八名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして、今日の佳き日を心待ちにしてこられた保護者の皆様に心からお祝いを申し上げます。本校教職員一同、新入生の皆さんを心から歓迎いたします。

 本校は、大正一〇年(一九二一年)に旧制御船中学校として創立され、建学の精神である「誠実以て人に接す」「自ら進んで学を修む」「自律以て己を処す」の三綱領を教育理念として掲げて歩んできた、百年以上の歴史ある伝統校です。卒業生は二万四千人を超え、県内はもとより、全国各地、海外においても優れた才能を発揮し、多方面にわたって活躍しています。

 また、普通科、普通科芸術コース、そして電子機械科という他にない学科構成を有しており、新時代を担う人材を養成するのに相応しい多彩な学びを展開している学校です。

  新入生の皆さんは、数ある高校から、この歴史と伝統ある御船高校を選び、船高生として第一歩を歩み始めました。どうか、一日も早く本校に慣れ、船高生としての自覚と誇りを持って、これからの高校三年間、自分の可能性を精一杯拡げて、充実した学校生活を送ってください。

 本校に築かれた伝統と校風は、皆さんの先輩方がそうであったように、精一杯勉学に励んだり、多彩な経験を重ねたりすれば、皆さんを人間的に大きく成長させてくれることでしょう。

  そこで本日の入学式に当たり、新入生の皆さんに、三つのことをお願いします。

  一つ目は「人への思いやりと感謝の心を持つこと」です。皆さんはもともとこういう心を持っている人たちだと思っています。でも、高校生になって今まで以上に独り立ちした生活をしていくと、自分は一人で生きていると勘違いしてしまうかもしれません。保護者の方々をはじめ、多くの人たちに支えられ、応援されて生きているのです。また周囲には見えない支援者もいます。御船町の方々や同窓会の方々です。感謝の気持ちを忘れず、また今度は誰かを応援したり、支えたりする思いやりを持ち続けてください。一言でいうと「誠実」です。三綱領の一つにあります。「誠実以て人に接す」、これを心に刻み、ここにいる皆さんが、生涯の仲間となることを期待します。

  二つ目は「挑戦する心とどんな時も前を向く力」を持つことです。皆さんに問います。高校生になって新しい何かに挑戦したいと思ってここに来ましたか。勉強で一番を取ってやろうとか、中学までと違う部活動に挑戦してみようとか、思い切って生徒会に入って学校行事を盛り上げてみようとか、また探究活動で街の活性化を提案してみようとか、はたまた世の中の役に立つアプリを開発してみようとか、何か今までにない発想で新しいことに挑戦してみてください。でも挑戦すれば、困難にぶつかったり、失敗したりします。挑戦にはつきものです。でもそこからまた先に進むのです。「どんな時も前を向く力」を高校時代に養ってください。挑戦して失敗して、また挑戦しての繰り返しでたくさん学びを得るのです。学びは挑戦しなければ得られません。三綱領の一つ「自ら進んで学を修む」を実践し、人間的に大きく成長していくことを期待します。

  三つ目は「自分の行動に責任を持ち、自分自身を律する」ということです。自分の言動については、そのことが及ぼす影響について想像力を働かせて、善悪の判断をしてください。これから高校生となる皆さんには、自分の言葉や行動に責任を持つことが求められます。感情に任せて、過ちを犯せる年齢ではありません。それが許される年齢ではありません。大人になる第一歩として、自分自身を律することが求められます。三綱領の一つ「自律以て己を処す」を常に意識して、ルールを守り、規範意識を持つとともに、責任感を持って行動できる自律した人間に成長することを期待します。

 希望を抱いて入学された皆さんは、今日の思いを忘れることなく、主体的に学んで、御船高校で過ごす一千有余日を、充実した日々にしてください。

  保護者の皆様、これから学校とご家庭としっかり連携し、信頼関係の元で、お子様の教育に当たりたいと考えております。新入生の皆さんの夢実現に向けて御船高校教職員一同、全力で教育活動に取り組んで参ります。

 保護者の皆様におかれましては、本校教育に対する御理解と御協力をどうかお願い申し上げます。

  結びに、本日入学された皆さんが、自分の可能性を拡げ、様々な挑戦を通して大きく成長していくことを祈念し、式辞とします。

 

令和七年四月八日

熊本県立御船高等学校

校長 橋本 岳範