校長室便り

一期一会

未来を生きる力

 未来を生きる力
            

この度の西日本豪雨により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。併せて、連日の猛暑の中、避難されている皆様や復旧作業に従事されている皆様の安全と、一日も早い復旧を重ねてお祈り申し上げます。

さて、4~6月の全校集会では、「私たちの体は、食事をとることによって、ありとあらゆる部位に食べた物の要素が取り込まれている。つまり私たちは、知らぬ間に毎日生まれ変わり、常に新しい自分になっている。」と話しました。私たちが毎日「分かった・できた」を増やせたり、反対に物事を忘れたりするのは、新しい自分になっているせいかもしれません。だから、バランスのとれた体をつくるために好き嫌いをなくすことや、忘れないように思い返したり記録したりすることが大事です。幼児児童生徒の皆さんには、いつも「学ぶことは楽しい」と感じていてほしいと思いますし、「不思議だな、どうしてだろう」と感じることのできる感性を大切にして、日々学習に取り組んでほしいと願っています。

また、皆さんの中には、これまで治療を受けるため長く学校を休んでいた人もいます。未習の内容があって、どこから始めるとよいのか分からないかもしれません。でも、心配しないでください。そんな時は気楽に、「落下傘方式でよい」と考えましょう。落下傘のように、風任せにエイッと、空から降りた地点から始めるのです。(どこから始めても構わないということです。)そして、その付近を少しずつ学んで開拓するのです。一通り学習できたら、それからまた落下傘で降りて、新たに降りた地点付近を学んでエリアを広げてみましょう。これを繰り返すうちに、学んだ内容は必ずつながります。つながる、そしてひらめく…それは大きな楽しみでもありますし、皆さんの未来を築く基礎になりますよ。「未来を生きる力」を、今を大切に生きることで養うのです。

7月には、夏野菜の収穫に調理等の学習、プール学習、不知火美術館での三校合同作品展の見学や宇土シティ等での校外学習、アスパプールの招待行事等があり、それぞれ経験の幅を広げることができました。当たり前のことが当たり前にできたことを感謝せずにはおれません。保護者をはじめ関係の皆様のご理解とご協力の賜と、この場をお借りしてお礼申し上げます。それでは皆さん、夏休みを元気で計画的に過ごし、2学期に笑顔で会いましょう。

  
平成30年7月19日            県立松橋東支援学校長 松田 満

 

 

 

 

 

 

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笑顔輝く子どもたち

笑顔輝く子どもたち

季節は進み、時候の挨拶も「惜春」から「入梅」に変わりました。今年度も熊本県こども療育センターのスタッフの皆様の濃やかで適切な日々の支えにより、子どもたちは、転入職員ともすっかり心通わせながら毎日授業の中で持てる力を伸ばし、できることを少しずつ増やしています。全校集会(ゴーゴータイム)では、子どもたちに、常に新しい自分に変わっていること、可能性が膨らんでいることや、繰り返し学習を積む大切さなどを伝えているところですが、保護者や周りの人に認められたい、人の役に立ちたいなど子どもたちの欲求が、学びへのモチベーションを高めており、教室での授業とともに、行事等を経験する意義の大きさを実感しています。

5月26日(土)に希望の里サン・アビリティーズ体育館で松東レクリエーションを開催しました。本校の体育館より一回り大きな会場で、来賓や保護者の皆様、センターの皆様、地域やボランティアの皆様方約100人超をお迎えした晴れの舞台で、子どもたちは練習の成果を遺憾なく発揮し、立派に発表することができました。

特に、子どもたちは、大好きな保護者の前で活動できる喜びに、笑顔を輝かせました。また、宇土高校和太鼓部をはじめ多くの方々と和やかに交流することができて、互いの気持ちを伝え合うことができたように思います。障がいのある人とない人が共に支えあう社会づくりに向け、意識を共有するよい機会となりました。

当日は生活棟や医療棟から会場への移動等をはじめ、保護者及びセンターの皆様にはいろいろな面で御負担をおかけしましたことにお詫び申し上げますとともに、今後とも本校の教育活動への御理解と御協力を賜りますよう、併せてお願いします。

  平成30年5月30日 
                 熊本県立松橋東支援学校長  松田 満


 

 

 

 

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特別な記念日

特別な記念日

初夏を思わせるような陽気に誘われて中庭のツツジも咲きはじめ、まるで花壇の花々とともに新しい年度の始まりを祝福してくれているようです。

平成30年度は、5名の先生方が転出されましたが、その後に新転任の先生方10名をお迎えして、松東はさらにパワーアップしました。幼児児童生徒は、4月10日に小学部1名と中学部1名、計2名の新入生を迎えるとともに、御船町にある希望ヶ丘病院教室の児童生徒を加え、在籍数20名でスタートしています。

入学式の式辞でもお話ししましたが、入学生だけでなく、幼児児童生徒の皆さんには、「美しいものを美しいと素直に感じる心」を大切にして豊かな学校生活を過ごしたり、「不思議だな、どうしてだろう」と思う感性を大事にして真理を追求する喜びを味わったりしてほしいと思います。

皆さんは日々成長しています。それは、単に身体が大きくなっているのではなく、食べたものの成分が、骨や筋肉、器官など身体をつくっているものの一部と常に置き換わっていると、ゴーゴータイムで話しましたね。だから、好き嫌いなどせずに、毎日バランスよく食べるようにしましょうと。ある意味、皆さんは毎日生まれ変わっているのです。だからきっと、昨日分からなかったことが今日分かるようになったり、さっきまでできなかったことが、今はできるようになったりするのですね。

今年度も、「分かった」「できた」を一つずつ増やしていきましょう。それは、皆さんが確かに成長していることを示す証(あかし)なのです。皆さんにとって「分かった」「できた」を増やせる毎日が「特別な記念日」となりますよう、皆さんのすぐそばにいて、心から願っています。

  平成30年4月27日      熊本県立松橋東支援学校長 松田 満


 

 

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見えないことを大切にする考えの先

  見えないことを大切にする考えの先

今年は冬が長く厳しかったせいか、3月に一気に暖かくなり、桜も例年より早く開花しました。希望の里の桜も散り急ぎ、葉桜になっています。これはこれでピンクと緑色のコントラストが綺麗ですね。

 さて、3月16日に卒業証書授与式を行いました。今年度は、幼稚部1名、小学部1名の計2名が卒業しました。二人とも標準服に身を包み、凛と引き締まった表情が少し大人びた感じでしたね。4月にはそれぞれ、小学部、中学部で新たな先生や学習と出会い、5月には学校外のお友だちとの交流もあります。大いに楽しんで、頑張ってほしいと思います。

式辞では(はなむけ)二つの言葉を贈りました。

一つ目は、「何事にもひたむきに頑張り続ける」ということ。夢中になって取り組めば、きっと、頑張ったという思いは感動とともにいつまでも長く心に止まるはずです。仮に成果がなかなか現れなくても、必ずや成長の糧になります。

二つ目は、「見えないことをもっと大事にする」ということ。それは、形のない思いやりの気持ちや、愛情、信頼、勇気、希望などのことです。フランスの作家サン=テグジュペリは、著書「星の王子さま」の中で、「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ…」と王子に語らせています。この言葉によって主人公は、人であれものであれ、見えないところに大事なものが隠れていることに気付きます。見えないところに大事なものを見い出そうとするその考えの先に、人の豊かさとか、人生の豊かさがあるとは思いませんか。また、私たちがこれからの人生を生き抜く上では、「まことに辛いこと」が多くあると思います。しかし、私たちはまた、それを乗り越える力も持っていることを自覚したいと思います。時には、愛する人との別れもあるでしょう。それはきっと、人生の中でも最も辛く悲しいことでしょう。愛情が深ければ深いほど別れは辛く、悲しいものです。でも、その辛さ、悲しみは、「あなたの愛がそれほど深く、強かった」ことを教えているのではないでしょうか。その愛情が、悲しみを乗り越える力となり、新たな人生を歩き始める原動力になると信じています。

学校では、今後も子どもたちの夢の扉を開く教育活動を展開して参ります。保護者の皆様、センターのスタッフの皆様、地域の皆様方、引き続き、御支援・御協力をお願いいたします。

      
       平成30年3月20日   熊本県立松橋東支援学校長 松田 満

 

 

 

 

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やる気スイッチを探そう

 やる気スイッチを探そう                   松田 満

○新年明けましておめでとうございます。幼児児童生徒の皆さんとご家族の皆様のご多幸を心からお祈りします。笑顔に満ちあふれる素敵な年にしましょう。本日は3学期の始業式でした。式でお話しましたように、3学期は今の学年の総仕上げの学期です。一日一日をていねいに過ごしてほしいものです。

○さて、年末から報道されていましたが、将棋の羽生善治さん(47歳)が永世七冠(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖)、囲碁の井山裕太さん(28歳)が二度目の全七冠(棋聖、名人、本因坊、天元、碁聖、十段、王座)の偉業をそれぞれ達成されたことを讃えて、この度、お二人に国民栄誉賞が贈られることとなりました。

○本当に素晴らしいですね。プロ同士の対戦は微差ぎりぎりの所での攻防でしょうから、羽生さんは「変わらないと停滞する。だから常にちょっとずつ何かに挑戦する」と言われ、井山さんは「まだ完成しているとは思っていない。善悪だけではない自分らしさを追求したい」と言われます。

○将棋や囲碁で、その道を究めることは大変なことです。スキルだけではなく、それに裏打ちされた大局観を有することも不可欠でしょう。お二人のように飽くなき探求心によって偉業が達成できたのは言うまでもありませんが、根底にあるのは、将棋や囲碁が好きだという気持ちなのでしょうね。

○先に、一日一日をていねいに過ごすようにと述べました。皆さんも、学校での遊びや自立活動、教科学習等において、日々、意欲を持って取り組んでください。時間いっぱい集中して遊びましょう。自立活動の取組を継続しましょう。教科の学習は、進学や就職、或いは資格を取るためにも大切ですね。でも、それだけではもったいない。基本的に、学習は楽しく面白いものであることを実感してほしいですね。「好きこそものの上手なれ」です。

○学習が上達する方法・・・。まずは、好きになることです。国語や算数・数学、理科でも社会でも、考え方のよさや、実生活にどれだけ活用されているか調べると、まさに目からウロコです。きっと、自分の中の「やる気スイッチ」を探すカギがそこにあるはずです。

 

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