校長室より

校長室より(令和5年度)

令和5年度がスタートしました

 こんにちは、黒石原支援学校長の前川美穂子と申します。本校2年目になりました。どうぞよろしくお願い致します。

 

 昨年度50周年記念式典を終え、本年度は、小学部4人、中学部8人、高等部8人の入学生を迎え、85人の児童生徒でスタートしました。本校は、病弱特別支援学校なので、新型コロナウイルス感染症対策については、これまでとあまり変わらない対応が続いています。始業式・就任式は各教室からオンラインで参加、入学式は午前に小中学部、午後に高等部を実施しました。対応に大きな変化はありませんから、子どもたちはオンラインの就任式等にはすっかり慣れていて、立派に歓迎の挨拶をしていました。さすがです。新年度になり、新たな教室に入り少しドキドキしながら過ごしていた児童生徒も、それぞれが友達や先生と過ごす毎日を送る中で、少しずつ慣れてきました。

 

  一方で、感染症対策をしながら、4年ぶりにPTA総会を対面で実施しました。また、小中学部Ⅲ課程や高等部の歓               迎会も一同が顔を合わせて実施。司会をしていた生徒が、「皆さん、休憩時間はあと〇分です。」などと自主的に声をかけるなど、この時を待っていましたと言わんばかりの生き生きとした表情で、周囲の友達とつながる時間を持つことができました。他の学校では、このような光景を少し前に経験されていて時代遅れな印象を持たれるかもしれません。しかし、本校では校訓である「自分らしく・・・ 輝く つながる ふみ出す」瞬間を、今強く感じています。

 

 このような学習を丁寧に積み重ねるとともに、本年度、以下の5点を目指す学校像とし、職員、保護者の皆様、関係機関等とともに学校づくりを行います。

〇児童生徒の命を守り、心に寄り添い、「愛と共感の教育」を実践する温かみのある学校

〇個別の教育支援計画及び個別の指導計画に基づき、多様な児童生徒の教育的ニーズに適切に対応し、持てる力を伸ばす学校

〇特別支援教育及び病弱教育についての高い専門性を有し、地域のセンター的機能を発揮する学校

〇職員が生き生きと働き、共に前進するチームワークの良い学校

〇児童生徒が「来て良かった」、保護者が「通わせて良かった」、地域が「地域にあって良かった」、職員が「勤務して良かった」と思える学校

 

引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

                  黒石原支援学校長 前川美穂子

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校長室より

校長室より(令和3年度)

ありがとうございました

3月25日の新聞において、令和4年度の教職員人事が発表されました。本校においても多くの職員が退職、異動となり、29日には退任式が行われる予定です。

今年度もコロナ禍を共に乗り越えて参りましたが、皆様のおかげをもちまして、卒業式、修了式を無事執り行うことができ、今年度を締めくくることができましたことに心から感謝申し上げます。

私自身も定年退職となり、次の校長先生にバトンタッチをいたします。3年間の任期中には、毎日子どもたちの尊い命の輝きやみずみずしい心に触れ、たくさんの発見がありました。保護者及び医療センターの皆様や本校職員とともに、その時々で知恵を出し合い、励まし合い、成長を喜び合った日々は、何物にも代えがたいかけがえのない宝となりました。行き届かない点も多々あったのでは…と思いますが、素敵な子どもたちと出会い、子ども思いの誠実な職員とともに日々精一杯力を尽くすことができたことを、感謝の気持ちで振り返っております。

校長室に遊びに来てくれた子どもたち、送迎時に声をかけてくださった保護者の皆様、そして様々な場面でご支援ご協力くださいました皆様、本当にありがとうございました。

4月1日から新体制でスタートします黒石原支援学校も、どうぞよろしくお願いします。

                                       校長  古林 理恵

みんなよくがんばりました!令和3年度修了式 

熊本県のまん延防止等重点措置が解除され、22日からのわずかな期間でしたが、全校が通常授業となり学年を締めくくることができました。

そして、校庭の桜が美しく咲き誇る本日、修了式を行い各学部・課程から代表の児童生徒一人一人に修了証を渡すことができました。

代表者はホールに集まり、他の人たちは各教室や家庭でモニター越しに参加する分散方式です。少し緊張した表情の代表児童生徒に修了証を渡しながら、新型コロナ感染症で不安や不自由も多かった中、1年間無事に過ごしそれぞれがよく頑張り成長を遂げたことを、しみじみ嬉しく感じました。そして同時に家庭や病院の皆様の支えに思いを馳せました。毎日送ってくださる保護者の皆さんや医療的ケアを担ってくださる看護師さんたちの献身のおかげで、児童生徒は安心して楽しい学校生活を送ることができたこと。職員も丁寧に児童生徒に寄り添い、本人のペースや思いを大切にと心掛けながら指導支援に当たってきたこと。たくさんの人の思いが重なって、子どもの育ちを支えることができたことに感謝します。

「春休みも元気でね、始業式には元気で登校してきてね…。」と子どもの乗っている車に手を振る職員や看護師さんを、満開の桜が微笑んで見守っています。

病気の治療のために家や病院で過ごしている子どもたちも、窓から見える春満開の桜の美しさや温かな春の風を味わっているかな?

みんなそれぞれ、本当に良くがんばった令和3年度でした。4月からの学校生活を楽しみに、ワクワクしながら春休みも一日一日を大切に過ごしてほしいと願っています。

小・中学部 卒業おめでとう!

3月11日、15日に小・中学部の卒業式を無事行うことができました。

感染拡大防止策として人数を減らした開催でしたが、春らしい温かさの中で保護者・関係職員で新たなスタートを祝うことができたことに感謝しています。病院関係の皆様にも御協力をいただきありがとうございました。

保護者の皆様の御心配や本人の大変さなど様々なことを乗り越えて卒業証書を手にする一人一人の姿は本当に凛々しく、世の希望そのものであると感じられました。パンデミックや災害そして戦争等、社会が脅かされる難問ばかりで胸が苦しくなるこの頃ですが、力強く成長を遂げていく子どもたちを見ていると、大人も勇気づけられ、いつのまにか幸せな気持ちをもらっています。

4月からはそれぞれの場所で学校生活が始まります。他校に進学する人、本校に進学する人、学びの場はそれぞれに違いますが、同じ空の下、伸び伸びとその子らしさを発揮しながら、学ぶ楽しさや成長する喜びを味わってほしいと願っています。

高等部卒業生に幸あれ!!

春の風が少し温かく感じられるようになってきました。

本日、高等部生徒18人の卒業式を執り行いました。コロナ禍でまん延防止等重点措置の中ではありましたが、保護者の皆さんをお招きしての卒業式を無事行うことができ、少しホッとしています。

私の赴任と時を同じくして入学してきたこの学年は、何だか一緒に成長してきた仲間のような親しみを覚えます。

1年次、2年次、3年次と様々な経験を積み重ねる中で、着実に大人への階段を上っていき、自己理解が深まり落着きを身に着け、自分なりの方法で思いを相手に伝えたり、他者への思いやりを表したりできるようになりました。3年間の姿をコマ送りで思い出し、ふと「みんな本当によく成長したなあ…」としみじみ。いろいろなことを乗り越えてきた皆さんの姿を見ると、人間が持っている「成長する力」の素晴らしさを感じ、そのような場面に立ち会うことができた幸せを感謝とともに味わっています。

思春期の生徒が自分自身と向き合う中で、悩みもがいている姿の傍には、温かく寄り添う担任の教師や養護教諭がいました。また障がいによって自分の思いを表出することが困難な生徒の傍には、コミュニケーションの方法を様々に工夫して試行錯誤を重ねる教師がいました。看護師さんやサポーターの職員も様々な形で支援していました。卒業生にかかわった職員たちは等しく別れの寂しさとともに、生徒との出会いによって得られた多くの学びに感謝しつつ見送ったことでしょう。

卒業生の皆さんが次に出会う人たちと、また素敵な縁を結んでほしいと願い、個別の移行支援計画をもとに、進路先に引継ぎを行っているところです。

堂々と退場していく横顔をまぶしく感じながら、「幸あれ!」と祈りを込めて拍手で見送りました。

分散登校の学年末

蔓延防止等重点措置に伴い、本校でも1月24日から3月4日までの予定で分散登校を行っています。各御家庭、医療機関、放課後等デイサービス等関係各所の皆様にも御協力をいただきながら、感染防止対策を講じた学校生活を送ることができていることに、心から感謝します。

2年前の今頃から、始まったコロナ禍…それまでの当たり前が懐かしく思えます。

学校は、期末テストの真っ最中。高等部では卒業後の進路に向けた準備や移行支援の確認が行われています。また、間もなく高等部入試も行われます。卒業学年の子どもたちにとっては旅立ちへの最終準備段階です。貴重な学校生活の最終章、一日一日を笑顔で楽しく過ごしているようです。

職員は子どもたちの学習のまとめを行いながら、今年度の取組の振り返りを行い、次年度に向けた具体的イメージを描いています。下期の面談を職員一人一人とする中で、子どもたちの成長の様子が生き生きと語られるたびに、教職員としての幸せを共に味わっています。

様々な病状や背景がありながらも、それぞれの子どもたちが精一杯成長している…そのことで十分花丸です!横並びで比較するのでなく、その子自身の1年の成長をしっかりと認め、共に喜んでいくことが大切だと思います。かけがえのない一人一人の子どもの存在そのものを、尊いものとして学校が丸ごと受け止め、その結果として学校がその子の居場所になることができたとしたら、こんなに嬉しいことはありません。子どものエネルギーが少しずつ溜まっていく延長線上に様々な成長の姿があります。教師や友達と一緒に何かを楽しむことができるようになった、今まではあきらめていたことにチャレンジしてみようと思えるようになった、そんな一つ一つのことが「凄い!」ことなのです。そんな成長の可能性を秘めた子どもたちは、学校の宝です。そして、そこにいて子どものペースに合わせながら、つかず離れず伴走している心優しい教師一人一人もまた学校にとって大事な存在です。

こんなに長く続くとは思っていなかったコロナ禍…来年度の様相は今とは少し違っていると思いますが、感染症への注意を払いながら過ごす生活は続くのでしょう。withコロナには慣れるしかないのでしょうが、前向きな気持ちで子どもたちの幸せを目指し工夫していきたいものです。

今日も子どもたちが無事だったと笑顔で見送り、胸をなでおろす一日の終わり。

このような状況の中ですが、保護者の皆様をお招きしてささやかな卒業式を開催することができそうです。職員一同で精一杯お祝いをしたいと思います。