日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その298)

 「大阪経済大学第21回高校生フォーラム」から『17歳からのメッセージ』募集があり、本校から高等部4人の生徒が応募していました。4人の生徒たちの作文はどれも自分の内面を見つめ、将来に向けて自信と誇りをもって生きていこうとする気持ちが表れているものでした。

 つい先日、審査の結果が学校に届き、高等部2年の山口果恋さんの作品が全国3万1千通余りの応募の中から、見事『銀賞』を獲得しました。

 以下は、山口さんの作品です。


 秘せられた思い

熊本聾学校高等部2年 山口果恋 

 肩にかからない程度の耳がかくれるボブ。中学までの私のヘアスタイルだ。補聴器を見せて関心をひきたくなかった。別につらいとか不幸だと思ったわけではない。でも、「耳が聞こえないから」と三年間前の席だったり、リスニングがある教科や、苦手な教科は別教室で学んだりの手厚い「特別」は、先生には悪いけど時々うざいと感じた。別教室の授業支援は孤独感や疎外感であまり楽しい思い出はない。そんな日々で中学校生活を終えた。

 高校は親元を離れ、耳の聞こえない子どもたちが集う学校へ入学した。ろう学校は普段手話で会話をしているらしくて、見学してみて興味がわき、入学を決心した。生徒たちは皆とても優しくて、気にもかけてくれた。それから積極的に行動し、いつの間にか手話もだんだんできるようになってきた。今は同級生の皆と一緒に勉強する機会が増えている。皆と学べるのが楽しくてうれしくて気づけば授業が終わる時間が早く感じる。

 私は皆のように自分を変えたくて思い切って髪を伸ばしポニーテールにした。補聴器もしっかり見えるように結んでいる。少しの変化だが、他人の視線を恐れずありのままの自分をさらけ出すことができたと思うと、なんだかモヤモヤが少しスッキリして、いい気分になった。いつか、こんな自分にもっと自信がついてもっといろんなことに挑戦できるといいなあと考えている。ああ、上手く自分を変え、私らしく生きるってこんなにも楽しいのだ!


     令和3年9月22日        
       熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その297)

 高等部では弁論大会に向けて、生徒たちが準備を進めています。生徒たちの心の内や成長を感じることのできる弁論大会を毎年楽しみにしているところですが、コロナ禍ということもあり、会議室には集まらず、リモート形式での開催を予定しています。

 
令和3年9月21日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その296)

 これまでのぐずついた天気が一転、昨日は好天に恵まれ、運動会予行練習を行うことが出来ました。コロナ対策に気を払いながら、動きや位置などの要所を確認しながらの予行となりました。また、一方では熱中症対策として、適宜の休息や水分補給も欠かさないよう努めました。

 最近は一日の中でも寒暖差が大きくなってきています。子供たちには「来週の本番に備え、体調をしっかり整えて臨んでほしい。」と私から伝えました。

 
令和3年9月17日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その295)

 台風14号の影響を受け、今週は天候不順が続いています。来週の運動会に向けた全体練習がまだできていませんし、明日の予行練習もグラウンドで実施できるかどうか心配しています。

 天気ばかりは神頼みするしかありませんが、運動会当日に向けて気持ちを高め、練習を重ねていくことは可能です。本番に強い子供たちを信じて、今出来ることに一生懸命取り組んでいきましょう。

 
令和3年9月16日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その294)

 全国高校生手話パフォーマンス甲子園の本選審査に向け、本校チームの練習もいよいよ大詰めです。今年も前回に引き継ぐリモートでの開催となり、審査用演技動画撮影の本番を迎え、9月9日に撮影を終えました。

 動画撮りの本番では、汗はかけども弱音は吐かず、生徒・教師共にゲラゲラ笑いながらの映像撮影でした。

 撮影の後は字幕を付ける作業が待っています。生徒の手話表現を文字(日本語)に上手く置き換えるのは、なかなか大変な作業です。生徒の表現力や面白さを損なわないようにするのは、先生のセンス・力量にかかっています。先生方どうか頑張ってください。

 大会本番・審査当日(10月3日)の放映時間については、あらためてお知らせします。

 


令和3年9月15日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その293)

 昨日に続き幼稚部の話題になります。

 子供たちが休みの間、幼稚部の先生達と事務室の古閑先生が南庭のアプローチ部分を高圧洗浄機で清掃してくださいました。

 日頃は余り気付かなかった苔が見事に剥がれ落ち、新品同様に蘇り、美しい緑色が顔を出しました。

 これからの活動は、密にならない工夫として庭での活動を増やすことも十分考えられます。幼稚部さん…綺麗になった南庭で思いっきり遊んでくださいね。

 
令和3年9月14日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

 

今、熊聾では・・・(その292)

 今週から幼稚部の子供たちの登校が始まります。しかしながら、まだ分散登校という形ですので、段階的な緩和の状態です。少しでも早く日常の活動を取り戻し、対面での教育活動ができる日を待ち望んでいます。

 先週までは、幼稚部では一日の生活リズムを整える意味で、リモートによる朝の会を実施しました。小さい子供たちですので、保護者の御協力がなければ成立しませんし、長い時間モニター越しでの会話はなかなか困難です。それでも、手探りではありますが、チャレンジできたことは何等か今後に繋がっていくことでしょう。

 
令和3年9月13日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その291)

 9月7日(火)13:30から不審者対応寄宿舎合同職員研修を実施しました。盲学校の寄宿舎指導員との合同の訓練です。いくつかの想定される状況を設定して、実際に不審者役を付け、動きや児童生徒への指示、連絡体制の確認を行いました。不審者対応マニュアルはありますが、実際に不審者が来た場合は想定外のことが起こり、臨機応変な対応が必要になることもあります。

 訓練終了後、オンラインでの合同の研修会の中で課題を出し合い、協議し、対策を共有するなど、意義ある研修となりました。児童生徒の安全、安心な寄宿舎生活のために、熊本聾学校、盲学校がしっかり連携して、これからも取り組んでいきましょう。

 
令和3年9月10日          
熊本聾学校 副校長 西山 拓洋  

今、熊聾では・・・(その290)

 国が進める「GIGAスクール構想」のもと、本校小中学部の子供たち一人一人に情報端末(PC・タブレット)が既に行きわたっています。
 小学部でも、「オンライン授業」等を想定してのPC・タブレットの操作方法について、2学期開始早々に学びを始めました。写真は小学部1、5、6年生クラスでの学びの様子です。

     令和3年9月9日         
       熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(289)

 管理棟各階のトイレ改修が8月から始まり、現在旧トイレの解体中です。子供たちの学習の妨げにならないよう、大きな音の出る工事は夏休み期間中に終えています。

 今回の工事では、1,2階の職員トイレ改修に加え、3階の暗室があった場所にトイレを新設します。

 遅くとも、今年12月までには工事が終了する見込みです。

  
令和3年9月8日         
熊本聾学校 校長 五瀬 浩