お知らせ

貨幣石(ヌンムリテス)
場所:天草下島 河浦町 上平

Nummulitidaeに属する大型有孔虫。
 原生動物で内部を内質とよぶ原形質でみたされ、外側をうすく外質とよぶ原形質でおおわれる殻をもち、外質から糸状の仮足を出してはったり、珪藻・バクテリアなどの微生物や有機物を捕食する。消化は外で行われる。
 天草産の貨幣石は1cm以下であるが、10cmにおよぶ種もある。
 フランスでは、古第三紀を「貨幣石紀」とよぶくらい、世界各地の同紀の暖海堆積物にのみ限り、かつ多産する。

100円硬貨の周囲に貨幣石の断面を数多く見ることができる。

 

貨幣石(Nummulites amakusaensis )の顕微鏡スケッチ

天草地方の貨幣石は、1923年に長尾巧博士により河浦町宮野河内と獅子島のクダイ崎から発見され、それまで白亜系とされていた天草の古第三系が確認されるに至る引き金を演じた。
 この地点より10m程西方の民家裏井戸端にその貨幣石を含んだ石灰石質砂岩が、黒色頁岩中にレンズ状にはさまれている。

日本ではじめて発見された貨幣石の天然記念物標注
(河浦町 宮野河内 越路)。
周囲から採集することはできない。


天草下島 宮野河内の地質