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天草炭田


 熊本県宇土半島西部から天草諸島一帯にあり、中心は下島。
 石炭は享和(1801~03)年間に発見され、明治以前から発掘された。最盛期の1950年代には志岐、坂瀬川、和久登・涼松、旭・今富、魚貫・権現山・南天の各地区で約20カ所の炭鉱が稼行していた。しかしこれらは1975年までにすべて閉山した。
 平均7280kcal/kgのキラ炭、瓦ケ炭と称する半無煙炭・無煙炭を産す。
 炭層は白岳・砥石両層にあり、主炭層は砥石層の八寸・二尺・四尺の3層。
 この地域の埋蔵炭量は約1066万トンであり、1956年度以降に採掘された炭量は450万トン、未採掘炭量は約450万トン、未採掘炭量は約600万トンである。



古第三紀層は長崎変成岩や姫浦層群に不整合で接する。
砥石層上部に厚さ0.3m~1mの石炭層を2層挟む。

(高井保明・須藤定久1998日本炭田図XIV,天草炭田地質図地質ニュース,521号,p.31-32)
 
石炭の発熱量は6500~7700kcal/kgで「天草無煙炭」の名で知られる。
貫入した岩脈の熱変成作用を受けてコークス状になっているものは「瓦ケ炭」(天草下島北部のみ)と呼ばれる。熱変成を受けてない石炭は地元では「キラ炭」と呼ばれている。

 志岐炭坑跡  魚貫炭坑跡 下須島炭坑跡