令和6年6月実施
ASクラス1~5期生(令和2~6年3月卒業生)の追跡調査
①天草高校ASクラスでよかったと思うことは何ですか。
・研究を2年間みっちりできること。海外研修の機会もあり、多くの貴重な経験ができたこと。
・ASの講義を受けたり研究したりすることで、「大学生」の実習ができることです。身近に大学生がいないとなかなか進学のイメージ、大学生のイメージはつかみ辛いと思います。
・大学の先生との交流が図れたこと。
・2年間同じクラスになることで他には無いような絆ができる。 1つのテーマに対して多様な考えを持つことができ、色々な知識を深めることが出来た。
・班の中で協力して、答えが分からない課題の解決に向けて研究を行えたこと。
・研究の進め方を知っていることや、多くの研究発表会に参加したためそのような場であまり緊張しないこと。
・最高の高校生活だった!
②ASや科学部の活動で学んだことの中から、現在の進学・就職先で役立っていることは何ですか。
・大学から知らないことだらけで目が回るが、学ぶこと·研究することは楽しいと思えること。
・大学でスライド発表をする機会が多いので、高校で学んだスライドの作り方や発表の仕方が役立っている。
・論文を書いた経験から、レポートでの文章のまとめ方・意見の伝え方に困らなかった。また学外の高校生と研究発表にて交流した経験から、同級生・先輩関わらず、話し合いなどで意見や質問を言えるようになった。
・協力することや、やり遂げようとすること、人前に出ての発表のために準備をすること。
・研究内容に関する講義への取り組み意欲が特にあり、自主的に深い内容まで学べていること。
・実験を含めた手順(仮説、実験のデザイン、結果、考察など)の流れを学んでいたこと。
・授業のレポートなどを書く時に感想などがすらすら出てくるし、他の人とは違う視点から書くことが出来ている。
・ASクラスや科学部で学んだことで、大学の卒業研究は苦労せず乗り越えられました!
③出身校がSSH以外の学生と比較して、優位だと思うことがあれば教えてください。
・地域の課題に通じるかという視点を持つことができたことは出身校がSSHでない人だけでなく他のSSH出身の人たちとも違うと感じています。
・他者が気にしないところに疑問を持つことができること。
・スライドをすぐに作成することができ、時間が無い中でも同期と協力することができる。
・実験を行うために必要な、仮説や方法などの立て方が分かっていること。
・固定観念に囚われないこと。
・情報処理能力の高さや課題解決のプロセスを理解・把握して、物事に取り組むことができる。また、海に関連した研究を行っている班が多かったため、海に関する知識が豊富である。
・プレゼンテーション講演会などのおかげで、スライドが綺麗と褒められることがある。
・課題解決に向けて色んな機械を使って色んな実験をするので数値の計算だったり思考力の向上が優位だと思う。
・研究を授業の中で行うのはSSHの高校ならではだから、研究の進め方や考察の考え方がすでに身についている点。
・他のSSHの高校出身の学生と共通の話題を持つことができ、学部内での人間関係の構築に役立った。
④進学・就職先の経験から、高校時代に学んでおいた方がよいと思うことがあれば教えてください。
・探究心、向上意欲は身につけて置いた方が絶対いい! その方が、色々な仕事を任せてもらえて色々なことが出来るようになる。
・英語を使った発表、日常的に英語に触れること:マレーシア研修で英語を使って発表した経験は大学院進学や就職活動にとても役に立ち、自分も経験できてよかったと思います。
・自分の興味のあることが何かを知るために、分野を絞らずいろいろなことを経験すること。
・数学や理科などの基礎的な原理などを確実に理解すべきだと思う。
・プレゼン資料作成や自分の研究について簡潔にまとめて話す能力を身につけるべき。
・試行錯誤する経験。時間がないなかで、どれだけのことができるのか、やりたいのかを計画立ててやっておくこと。
・生物(私は物理選択だったため生物系の授業を大変に感じてしまったので、興味のある分野ならば授業で習わずとも積極的に学ぶべきだと思います。)
・修士、博士に進学する時にどんな奨学支援制度があるのか軽く調べておくと良い。
番外:崇城大学プログレス選抜にて、令和5年4月に入学した卒業生追跡調査【KSH事務局からの提供資料】
質問:高校時代に経験したSSHの取組が、大学生活全般でどう活かされているか
・海外で色々な方々と研究について話すというのは、SSHでないとできないことである。自分はコロナの影響で海外研修が実施されておらず、大学に入って海外での交流を経験した。その経験が実際にコミュニケーション能力だったりプレゼン能力につながっている。海外研修に今はいけると思うので、積極的に参加して欲しい。
・仮説を立てて物事を探究していくこと、データに基づいて研究をやっていかなければならないことを、高校の時から大事だと先生方から言われて意識していた。実際に、SSHの活動の中で実験を行う基礎が作られていたと思う。現在の研究室での研究活動の中で、仮説・検証・データの収集など高校時代に意識していたことが活かされている。
令和3年6月実施
ASクラス1、2期生(令和2、3年3月卒業生)の追跡調査
Q1:SSHの活動での経験や身に付けた力が、卒業後に役立ったことはありますか?
はい:18人(69.2%) いいえ:8人(30.8%)
Q2:どのような経験や力が役立ちましたか?(Q1で「はい」と答えた18人の意見抜粋)
①実験の目的を踏まえた実験方法の設定、実験器具の使用、データ処理、プレゼンテーション
②パワーポイントを用いた資料作成や、プレゼン能力、ワードで文書を作成する力、英語力
③スライドで発表し、伝える力。 問題をたくさんの面から捉える力。
④人の話を聞きながら整理して質問を考えられること
⑤私たちが行った研究は条件設定がとても重要になる研究だった。どのような条件の変え方が結論を裏付ける方法となりうるのかを班員と試行錯誤しながら協働し、自分たちの考えに説得力を持たせることができるのかを考えながら研究を進めていくことができた。この経験から結論を裏付けるための実験においての条件の変え方やトライアンドエラーを繰り返すこと、そして他者と協働することが大学で役立っている。
⑥サイエンスアカデミーにおいて、私はプログラミング講座を担当したが、学習指導案を作成してみたり、板書の構図を考えてみたり、1時間分の講座を立案してみたりなどと教員の擬似的体験をすることができた。この経験から板書を見やすくするためにはどのような構図にしたら良いのか、目標を確実に達成するためにはどのような方法を用いて子どもたちの興味・関心を高め、主体的に学習に取り組ませることができるのかなどのようなことを考える力が役立っている。
⑦大学の講義で扱う内容があった。(プログラミング教育について)
⑧論文を書いた経験
Q3:どのように役立ったか具体的に教えてください。(Q1で「はい」と答えた18人の意見抜粋)
①授業の実験、実験前後でのレポート作成、英語等の授業でのプレゼンテーション
②大学の授業で素早く、わかりやすい資料作成ができ、大学の先生にに好評だった。
③レポート作成の際に、主張がはっきりしたまとまりのある文を作れた。
④スライドに「?」を入れたりすることで、聞き手の注意を引いたりするのは大学でも活用できた。
⑤大学の授業でグループで課題解決をし、ポスターを作る事があり、慣れていた事だったのでポスターを作ることもスムーズに進んだし、グループワークも順調に進んだ。発表も質疑応答も、高校時代の経験からあまり戸惑わずに行う事ができた。
⑥実際に行ったり見ていたりした実験が講義に出てきた時、とてもイメージがしやすかった。
⑦高校の時の研究のおかげで教授と話がとても盛り上がった。
⑧研究内容が授業中に履修項目としてあり、就職後にも役立ちそうです。また、発表やレポート作成、資料探しなどで、他の生徒と比べ効率よく行えているように感じます。サイエンスアカデミー、発表会の取り組みは、対人関係職に着く人にとって説明の仕方や初対面の時の行動などが参考になっています。 私にとって1番役立っていることは、長時間パソコン操作などを行い、機械に慣れたことです。今は電子データが基本となっているので、大いに役立っています!
⑨大学のゼミの中でのプレゼン発表の時に、準備から発表まで、スムーズにかついいものを作り上げ、1位の評価を貰った。
⑩まず、ASの研究については、大学で「プログラミング教育とICTの活用」という講義があり、その講義で実際にscratchやプログル、micro:bitを用いて簡易的にではあるが、プログラムすることを体験した。講義では個人もしくはグループで提示された課題をクリアしていくものであったが、個人のときやグループのときでも、どうしたら例どおりのプログラムを作成することができるのか、トライアンドエラーを繰り返しながら原因を追求することができた。また、グループで行うときは班員同士でお互いの考えを取り入れながら実験を繰り返し行い、グループとしての結論を導くことができたと思う(ちなみに課題の内容は、小学校体育の授業の一環として、いちばん速く走るために、スタンディングスタートはどのような体勢にするとよいのかをプログラミングを通して図と言葉で説明するというものです。腰や膝の曲げる角度や腕の位置、目線などのようなものを条件として考えていきました)。そして、自分だけの考えを押し付けることなく、協働して結論を裏付ける説明をすることができた。 次に、サイエンスアカデミーについては、大学で実際に1つの単元分の学習指導案を作成し、さらに自分で作成した学習指導案をもとにして模擬授業を行うということがあった。中には条件としてプログラミング思考が身につけられるようにというようなこともあった。しかし、このことは実際にプログラミング講座を体験している身からすると、とても考えやすかった。実際に子どもたちや保護者の生の声を聞くことができており、それをもとにしてどのような活動を取り入れたらよいのか、どのような発問をしたら子どもたちがより考えやすくなるのかといったことをスムーズに考えることができた。また、板書においても実際に模擬授業(国語、社会、理科、家庭科、外国語)でやってみることがあったが、とても見やすくて何を学習しているのかが分かりやすいという講評をいただくこともできた。 以上のようなことが大学の講義において、とても役立っていると言えることである。これらのことを大学の講義だけでなく、教育実習や教員になってから実際に活用できる能力であり、高校のうちから身につけていくことができたと考える。