2020年3月の記事一覧
桜と共に見送る ~ 転退任式
春は別れの季節です。令和2年度の人事異動に伴い、御船高校では3月27日(金)午前に転退任式を会議室で実施しました。例年であれば、体育館に生徒を集めて大々的に行うところですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、職員のみの内輪の式となりました。
このたびの人事異動により、木村事務長をはじめ18人の教職員の方が転勤、または退職となります。長い人では12年、短い人は5か月余りと勤務期間の長短はありますが、皆さんかけがえのない同僚であり、それぞれの責務を全うし学校を支えていただきました。一人ひとりに挨拶をいただきましたが、感極まり涙声となる方もおられました。皆さんの御船高校への深い思いが伝わってくる大切な時間となりました。できることなら、生徒たちに直接聴いてほしい最後のメッセージでした。新型コロナウイルス感染症は、学校を長期の臨時休校にしただけでなく、生徒たちから多くの学びの機会を奪っていると思います。やりばのない憤りを感じます。
春は出会いの季節でもあります。転退任の皆さんたちはこれから新しい多くの出会いが待っていることでしょう。扉を押し、新しい舞台に進んでください。そして、留任の私達にも新しい同僚や新入生との出会いがあります。
人事異動は私たち県立学校に勤める者にとって定めです。この時期は惜別の思いに包まれ、学校は感傷的な雰囲気となります。しかし、人事異動によって、県内広く人的なネットワークが形成されます。そして、転出者も留任者もお互い、初心に戻るかのような謙虚な気持ちになり、4月1日からの新年度に臨むことができるのです。経験を重ねてきたベテランの職員であっても、新しい職場に赴くことは不安です。人間関係を一から築き始めることになります。けれども、人事異動によって県内の学校に新しい風が流れるという大きな効果が生まれることを私達教職員は知っています。
御船高校正門脇にソメイヨシノが一本立っています。少し遅れていましたが、今6分咲き頃でしょうか。学校周囲の道路には街路樹として「陽光」という品種の桜が満開です。週末、御船町の城山公園(旧御船城)を訪ねてみました。町の中心を一望できる高台には桜が咲き誇っていました。
この時期になると有名な漢詩の一節を決まって思い出します。
「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」
(ねんねんさいさいはなあいにたり さいさいねんねんひとおなじからず)
花は毎年変わらずに咲きますが、それを観る人は移り変わります。
城山公園(旧御船城)の桜