校長室より
R7育友会総会 校長あいさつ
この度の人事異動により熊本高校から赴任しました、校長の橋本 岳範です。どうかよろしくお願いします。
104年目を迎える歴史と伝統ある御船高校に赴任できて、大変光栄に思っております。
本校は、ご覧のとおり、正門から入って美しい木立の天神の森に迎えられ、左手に広いグラウンド、右手には玄関と生徒昇降口が隣り合わせにあります。生徒の様子がよく見え、いつも職員と生徒が一緒という雰囲気があります。
また本校は、ご存じのとおり、普通科、普通科芸術コース、そして電子機械科と大変特色のある学科構成を有しています。近年、これからの人材育成にはSTEAM教育が有効だと言われています。この言葉は、アメリカのオバマ元大統領が演説で使って有名になりました。SはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ※リベラルアーツとは簡単に言うと教養)、Mathematics(数学)を意味していて、技術革新が進み人工知能の影響で世の中が大きく変化する中で、生き抜く力を育成する教育です。それができるのは、他でもない御船高校だと思っています。言うなれば、本校は時代を先取りした学校だったのです。私は、生徒、職員にはそういう学校で学んでいるのだと誇りを持ってほしいと思います。
私は、御船高校には今まさに「風」が吹いていると思います。もちろん「追い風」です。昨年度からマスコミに取り上げてもらえることが増えていると思います。先週土曜日、車の運転中にたまたまTKUの若っとランドが始まったところ、御船高校生の密着取材でした。車を停めて妻と一緒に楽しみました。また日曜夜には若き匠という番組でも電子機械科の生徒が紹介されました。そもそも4月1日私の赴任初日は、アイスクリーム自販機の設置でテレビ・新聞から取材を受けました。反響が大きく、前任校の生徒や職員、そして保護者からも「御船高校、いい学校ですね。」と言われました。生徒会執行部が提案して事務長と協議し、様々な課題を克服しながら実現したアイスクリーム自販機設置については、熊本高校生徒会が見習っていきたいと言ってきたくらいでした。
どれも生徒が主役となって、本校が県民に明るい話題を提供したことでした。ちなみに28日月曜朝の登校の様子をテレビが撮影に来るようです。休み明けの朝であっても、しっかりヘルメットをかぶって、明るく元気な挨拶の様子が映ることを期待しています。
もう一つ生徒自慢をさせてもらっていいですか。昨日の朝は、月に1回ある「全校朝礼」でした。これは、生徒主体のものです。企画・進行は生徒が行います。それを私は企画書が起案されて回ってきた際に知りました。こんな素晴らしい取組をこの学校は行っているのかと感動して、企画書の目的のところに少し加筆をさせていただきました。この機会を「チーム船高」となる絶好の機会にしてほしい、だから目的を全校生徒にしっかり示してほしいと。そうすると生徒会は早速反応して、生徒会執行部が校長室まで足を運んでくれました。そうして全校生徒にこういうふうに伝えたいと話してくれました。本当にうれしかったです。当日は、船高スタンダードについて語ってくれました。自分たちで校則を守ろうとか、校内のマナーを守ろうとか、動画を作って説明してくれました。
どうですか、保護者の皆さま。お子様たちは、本校で立派に成長しています。
だから、もっと本校のすばらしさを地域や広く県民に浸透させたいと心から願っています。ご存じのとおり、多くの地方の県立学校が定員割れに苦しんでいます。本校も同様です。少子化に加えて、高校無償化、そして県立高校の入試改革が迫っています。また県立高校のあり方検討会も議論が進んでおります。高校を取り巻く環境が劇的に変わる時に来ています。私もここ2,3年が勝負だと考えております。チャレンジングな策を練っているところです。
ここで、保護者の皆様にお願いです。ぜひぜひ、本校の魅力を周囲の方に伝えていただけたらと思います。小中学生がおられる方々とかに。熊本市内の高校に行くより本校を選ぶメリットの一つに、やはり通学時間があります。先日、本校の校門前に数名の他校生が集まっていました。声をかけてみると、1年生で制服がそれぞれ違っていて4つの学校の生徒でした。どうも地元の中学の同級生で御船高校に入学した友達に会いに来たようでした。私が「御船高校に来ればよかったじゃない。」と言うと、皆口々に「今では後悔している。」と言っていました。やはり、実際熊本市内の高校に通ってみると、通学に時間と労力を取られてクタクタのようでした。部活動で進学したという生徒は、さらに学校から離れた練習場に行かねばならないらしく、とても疲れると。長距離通学は、今の季節ならまだしも、梅雨の時期や酷暑の日などは、それだけで体力と気力を消耗します。本校には、学び舎と体育系・文科系の部活動の練習場所が一緒にあります。その子たちが、私に言ってくれたのは「弟たちには御船高校に行くように言っておきます。」と。うれしかったですね。「近所の子たちにもそう言ってくれ。」と伝えました。
どうか、保護者の皆様にも本校の良さを伝えていただきたいと思います。誇張しなくても結構です。思っておられる本校の良さを少しだけ「盛って」くださるくらいでお願いします。
保護者の皆様が大事に育ててくださった子どもたちを、私たちは御船高校で責任をもって世の中で活躍できる人材として育て上げたいと考えております。我々船高教職員一同は、そういう使命感をみな持っています。
最後に私は、生徒と教職員とで『ワクワクドキドキする御船高校』を作っていきたいと考えております。既存のものに一工夫入れれば劇的に楽しくなるということがあります。それを学びや学校行事などに実践していきたいと考えています。どうかご期待ください。生徒、先生たち、そして保護者の皆様とのチームワークが一番だと考えております。今後ともどうか、本校の教育活動にご理解とご支援をよろしくお願いします。