日誌

2020年7月の記事一覧

今、熊聾では・・・(その56)

 コロナ禍ということもあり、校内の教職員が理容科の実習モデルとなって、シャンプーやマッサージの授業に入っています。
 高等部本科理容科の3年生は実習経験を積んだだけあって、技術が伸びてきていることを肌で感じます。1,2年生も負けじと一生懸命実習に励んでおり、吸収欲が旺盛な様子が伝わってきます。
 普段、理容店に行くときには気持ちよくなってうたた寝することもありますが、授業中ですのでそういう訳にはいきません。授業の最後には、生徒に評価(感想)を伝えねばなりませんので、生徒たちの動きの一挙手一投足に注目したり、力加減を確かめたり、接客態度を見たりしながらモデルを務めています。

 
令和2年7月8日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その55)

 本校が位置する東町周辺は県立学校4校(本校、盲学校、熊本はばたき高等支援学校、第二高校)、市立学校3校(東町小学校、東町中学校、健軍東小学校)や警察署、消防署、自衛隊、税務署等々が建ち並ぶ文教地区です。
 このような地の利を生かして、本校では以前から各学部等で「交流及び共同学習」を進めてきています。
 本年度に限っては新型コロナウイルス感染症対策のため、年度当初から例年通りに進めることが難しい状況ですが、交流及び共同学習についても段階的に再開していければ…との思いでいます。
 皮切りとして、先週2日間にわたり延べ12人の第二高校バドミントン部の生徒さんと本校体育館で練習(試合)を行いました。本校の生徒たちにとって他校生徒との練習試合は貴重な経験であり、有難い機会となります。試合経験を多く積むことで度胸をつけ、試合慣れし、本番で自分の力を出し切ることに繋がっていきます。
 部活動顧問からは今後他校にも練習試合の声掛けをしていきたいと聞いています。お互いにとって意義のある部活動交流が広がっていくことを大いに期待し、応援(支援)していきます。

 
令和2年7月7日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(特別号)

 7月4日(土)未明から県南地域を襲った豪雨は甚大な被害をもたらしました。テレビや新聞で報じられる映像や写真等を目にして、言葉が出ないほどの衝撃を受け、心を痛めております。
 本校幼児児童生徒のうち人吉・芦北・水俣・八代方面から通っている子供たちは寄宿舎生と施設利用者を含めて18人います。4日のうちには全員の無事が確認されましたが、自宅や親戚の家屋が浸水したり、周辺道路が遮断されたりと登校できる状況にはない御家庭もあります。
 今後しばらくは大雨が続くとの予報が出ていますので、土砂災害等の二次災害が起きないことを願うばかりです。当該地域に関わらず、災害時には先ずは身(命)を守る行動をとることが大切です。言うまでもありませんが、いつでもすぐに避難できるよう情報収集を心がけ、避難場所や持出し品等の確認と準備をしておきましょう。
 さて、このような中、早速全国聾学校長会会長の村野一臣校長先生(東京都立立川ろう学校長)、九州地区聾学校長会会長の中野康子校長先生(福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校長)からお見舞いと励ましの御連絡をいただきました。あらためて御礼申し上げます。
 振り返ると4年前の熊本地震の時にも、県内外の皆様からの多くの御支援に勇気づけられ幾多の試練を乗り越えてくることができました。このたびの豪雨により被害を受けた国道や鉄道橋、ライフラインの復活までには相当の期間を要すると思われます。被災地の皆様の安全を心よりお祈りするとともに、一刻も早い復旧を願っています。


令和2年7月6日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その54)

 昨年、全国聾学校長会の中で『Ontena(オンテナ)』という新しいタイプの機器の紹介がありました。どのようなものか簡単に言えば、音や声、音楽などを振動や光に変えて体で感じることのできる新しいタイプの送受信機器です。これまでにも似たような発想から開発された機器として、ボディソニックチェアやボディソニックマットなどがありますが、それらの小型軽量版(携帯型)と考えればよいでしょう。
 既に全国の多くの聾学校で使用されていると思いますが、本校でも試用を希望したことで、今年3月には10台の機器が届けられました。昨年度末からの休校期間があったことで、今年度は学校再開後にようやく音楽の授業で使い始めたところです。実際に着用した小学部の子供たちは最初「くすぐった~い」と口々に言っていたようですが、すぐに馴染んで体のいろんなところにくっつけて感触を楽しんでいるようです。 
 私も実際に試してみましたが、音楽や話しことばをリズムとして捉えるには有効な手立てとなり得るようです。また、音楽以外でも発想を広げれば、自立活動や体育、その他の教科等でも活用の幅が広がると思われます。試用していくうちに効用と課題も見えてくると思いますが、先ずは音楽科の中で試していきたいと考えています。
さらに付け加えれば、振動覚を活用しての学習は聴覚に障がいのある子供たちに限らず、他の障がいのある子供たちにとっても有益な学習につながります。聾学校以外の他の特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室での活用も大いに考えられますね。

 
令和2年7月6日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その53)

 小学部3・4年生の大好きな歌に『にじ』(教科書に掲載)があります。
 先日、音楽の授業を見に行った時には、情景を味わいながら歌っている子、大きな動きで虹を作っている子、飛び跳ねながら体全体を使って表現している子、と十人十色ならぬ九人九色の豊かな表現に触れ、私の心も踊りました。
 授業の後半では、音を体で感じる新しいタイプの機器『Ontena(オンテナ)』が登場しました。このOntenaについては次号でお伝えします。
 どうぞお楽しみに!

 
令和2年7月3日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩