二十四節気では、まもなく「穀雨(こくう)」を迎えます。
「百穀(ひゃっこく)を潤す春の雨」という意味があり、種まきを終えた田畑に恵みの雨が降り注ぎ、作物が力強く芽吹く大切な時期です。
今日は穏やかな晴天に恵まれましたが、ここ数日のしっとりとした雨のおかげで、農場の植物たちは潤いをたっぷりと湛え、日に日にその緑を濃く、大きく成長しています。
冬の刺すような冷たさが消え、風の中に初夏の湿度を感じるこの頃。
季節は着実に次へと動いています。
■ 三者三様、それぞれの「一歩」
新年度が始まって約二週間。
農場では各学年がそれぞれの「新しい顔」を見せてくれています。
● 1年生:まっさらな実習服と、学びの予感
先日、新入生たちの実習服の試着が行われました。
まだ糊の効いた、まっさらな実習服。
袖を通した時の少しはにかんだような、それでいてピリッと引き締まった表情が印象的でした。
彼らがこれから土に触れ、命を育てる「農業」という営みから、一体何を学び、どんな発見をしていくのか。
その成長の過程を見守るのが、今から楽しみでなりません。
● 2年生:葛藤を越えた先の「総合実習」
2年生は「果樹」と「草花」の班分けが行われました。
より専門的な学びへと足を踏み入れる大切な分かれ道ですが、人数の都合上、全員が希望通りというわけにはいきませんでした。
そんな中、全体のバランスを考えて自ら希望を変更してくれた生徒、そして面談を重ねて納得し、新たな道を選んでくれた生徒たちがいました。
自分の希望を譲り、仲間のために、そして科全体の学びのために一歩引いてくれたその姿勢に、深い敬意を表したいと思います。
その利他の心こそが、これからの実習をより豊かなものにしてくれるはずです。
●3年生:さらなる成長への「四日間」
そして3年生。
彼らは木曜日を除く週4日間、実習を伴う授業に臨んでいます。
農場の中心として動く彼らの動きには、もはや迷いはありません。
下級生を導き、最高学年としての確かな「自覚」を背中で語る姿は、後輩たちにとって何よりの道標です。
実習の多さは、それだけ命と向き開う時間が多いということ。
この濃密な日々を経て、彼らがさらに逞しく成長していくことを心から期待しています。
■ 志(ね)を張る季節
「穀雨」の雨が植物の根を強くするように、1年生の期待、2年生の思いやり、そして3年生の責任感という名の「志」も、この芦北の豊かな土壌にしっかりと根を張ろうとしています。
雨の日も晴れの日も、私たち農業科一同、焦らず、着実に、自分たちの「実り」を目指して歩みを進めていきたいと思います
「穀雨(こくう)」
雨を味方に、成長を加速させる芦北高校より。
じりじりと肌を焼く夏を思わせる日差し。
けれど、一歩木陰に入れば、頬をなでる春風の涼しさにホッとする。
そんな季節の変わり目を感じさせる空の下、今日は2年生にとって、初めての「果樹実習」が行われました。
■「はじめて」の連続
学校生活には慣れている2年生ですが、果樹園に一歩入れば、そこは未知の世界です。
●道具(鋏やノコギリ)の名称と正しい扱い方
●道具の置き場所、さらに徹底した片付け方
●果樹園の場所と、そこに並ぶ品種の名前
●実習日誌の書き方
覚えるべきことは山ほどあります。
特に果樹の実習では、鋭利な道具の使用やハウス内での高所作業、脚立の上での作業など、一歩間違えれば怪我に繋がる場面も少なくありません。
まずは何よりも「安全第一」。
その基本を体に叩き込むことから始まります。
■改めて感じる「3年生」の偉大さ
一つひとつ丁寧に指導しながら、ふと思い出したのは3年生たちの姿です。
安全を当たり前に確認し、流れるように準備と片付けを済ませる。
昨日も当たり前のようにこなしていたあの姿は、決して一朝一夕で身についたものではなかったのだと、2年生の初々しい格闘ぶりを見て改めて痛感しました。
「あいつら、実はすごいことやってたんだな……」
そんな思いが込み上げ、「明日の実習では、いつもより少し多めに3年生のことを褒めよう」と心の中で決めました。
■まだ、始まったばかり
慣れない手つきで甘夏の剪定に挑む2年生たち。
今はまだ、道具の名前を覚えるだけで精一杯かもしれません。
けれど、この一歩一歩が、いつか先輩たちのような頼もしい背中へと繋がっていきます。
始まったばかりの彼らの成長を、そして頼れる先輩へと育った3年生たちの姿を、これからもじっくりと見守っていきたいと思います。
福祉科の1年生にとって、専門の学びである福祉科目の授業がスタートしました。
「生活支援技術」の授業では、人の暮らしを支える知識と技術を学びます。
1年生は初めて実習服に袖を通し、これから始まる授業内容にワクワクしています。
これから、クラスで協力しながら、新しい学びに挑戦していきます
今年度大会スローガン「常笑軍団キラキラ笑顔で楽しんだもん勝ち」
「常に勝つ」ではなく、あえて**「常に笑う」**。いかにも、明るくタフな芦北高校らしい言葉が選ばれました
林業科の結団式では、団長の生徒が力強く宣言してくれました
「連覇のプレッシャーを感じることなく、一つ一つ楽しみながら盛り上げながら優勝をしましょう!」
その言葉通り、団員たちの顔にはすでに「楽しんだもん勝ち」と言わんばかりの不敵な(?)笑みが。
林業科の団結力は、日頃の山での実習で培われた本物です。重い丸太を運ぶときも、困難な作業のときも、常に声を掛け合ってきた彼らにとって、体育大会はまさに最高の「晴れ舞台」になるはずです
技での勝利はもちろんですが、大会が終わった後に「最高に楽しかった!」と全員が笑い合える、そんな一日を目指して
今年の体育大会は5月9日(土)に開催します。
あいにくの雨となった今日、実習室では2年生による「食品製造」の実習が行われました。
作るのは、爽やかな香りが広がる「甘夏マーマレード」です。
■丁寧な下準備から始まる
今日は仕上げに向けた大切な下準備。
まずは皮を一つひとつ四角く成形し、機械へ投入します。
すると機械からは、細長い短冊状にカットされた皮が次々と出てきます。
一方で、甘夏の実(じょうのう)は熱湯へと移されます。
「熱湯へ入れ、取り出す」
この実習工程を、3回。
その後、じっくりと熱湯で煮詰めていきます。次回はいよいよ仕上げの予定です。
■「なぜ?」から始まる学び
実習中、実を熱湯に入れている男子3人組に声をかけてみました。
「なぜ、3回も熱湯に浸すのかな?」
すると、生徒からは自信満々にこんな答えが。
「冷凍保存していたので、解凍してるんです!」
確かに、素材の状態を考えれば「解凍」も間違いではありません。
……が、あと一歩足りなかった!
そばにいた担当職員からは、すかさず愛のある訂正と嘆きが入ります。
「苦みを抜くためたいっ! 頼むから、話をきいといてくれよぉ……」
■工程の意味を考える
言われた通りに実習をこなすだけでなく、「なぜこの工程が必要なのか?」を考える。
「3回繰り返す」という手間には、甘夏特有の強い苦みを和らげ、最高に美味しいマーマレードにするための先人の知恵が詰まっています。
今回のユニークな回答も、本質を知るための大切なステップ。
「なぜだろう?」と疑問を持ち、先生の話をしっかり聞いて、その理由を深く考える。
そんな積み重ねが、技術だけでなく「食」に向き合う姿勢を育ててくれるはずです。
次回の仕上げ実習では、苦みがきれいに抜けた甘夏の香りが、実習室いっぱいに広がるのが楽しみです。