日誌

2020年9月の記事一覧

今、熊聾では・・・(その96)

 2つの台風が過ぎた頃から朝夕に涼しい風を感じるようになりました。
 写真でご紹介できないのが残念ですが、校庭では虫取り網を伸ばせばすぐにでも取れそうなほどに赤とんぼが群れをなしています。
 校庭と言えば、長年熊聾の子供たちに親しまれてきた中庭及び幼稚部南庭の大型遊具と埋め込みタイヤが9月の連休中に撤去されました。経年劣化等により安全性が損なわれてきたことがその大きな理由です。
 危険性が減り、すっきりした庭になったので、よりダイナミックな活動ができるようになりました。一方で、様々な活動の要素が減った面もあります。大型遊具は価格的に簡単に購入できるものではありませんので、今後計画的な整備が必要になってくると思います。以前、ことばの学習にも繋がっていた想い出の遊具が無くなることに寂しさもありますが、新しい庭づくりの構想を抱きながら未来に向かって進んでいきたいと思います。 

 

令和2年9月23日        

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その95)

 第37回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト(朝日新聞社主催)の入賞者が確定しました。作文・動画による審査を経て、全国の応募者の中から上位10人の高校生が特別賞を受賞しました。
 昨年までと実施形態が変わり、作文とDVD映像による審査が行われ、10人の順位付けはなされず全員が特別賞受賞となりました。
 その10人の中の一人に本校高等部の吉村君の作品が選ばれました。
 今村君の作品も一次審査を通過したのですが、今回は残念ながら上位入賞とはなりませんでした。
 2人の作文を添付していますので、どうぞご一読ください。

 叶わなかった夢.pdf     私が成し遂げたい目標.pdf

 ※また、本校ホームページ(高等部)にも掲載してあります。

 
     令和2年9月18日        
       熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その94)

 県教育委員会から予算をいただいている取組のひとつとして、本校では昨年度から小学部・中学部・高等部の児童生徒を対象に、永久歯の虫歯予防のためにフッ化物洗口を行っています。
 フッ化物洗口とは、フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいを行い、歯のエナメル質表面にフッ化物を作用させて虫歯を予防する有効な方法です。
 本校では週1回、各学部学級で曜日と時間を決めてフッ化物洗口を実施しています。
 虫歯になってしまえば自然治癒することはありませんので、一生涯その影響は続きます。特に食生活の安定や生活・生命の質(Quality of Life;QOL)に大きな影響を与えます。大切な歯を80歳まで20本以上は残せるよう、「8020(ハチマルニイマル)」を目指しましょう!

 
令和2年9月17日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その93)

 小学3年生の国語科で「仕事の工夫、見つけたよ」という単元の学習を行っています。その学習の一環で、Mさん、Hさんが昼休みに私へのインタビューのため校長室を訪れてくれました。
 二人からは先ず、「校長先生は、どんな仕事をしているのですか?」という質問を受けたので、逆質問で「どんな仕事をしていると思う?」と返したところ、「みんなのことを考えて、プリントを作っていると思う。」という答えが返ってきました。なるほど…!いろんなプリント類が校長名で出されるので、私は校長室でせっせとプリントを作成していると思ったみたいです。「半分当たってるけど、半分はちょっと違うよ」と言って説明を加えたところでした。
 聾学校に校長として赴任して、子供たちからこのような質問を受けたことは今回が初めてでしたので、如何に分かりやすく子供たちに説明できるか、私も教材研究ができ、良い経験になりました。
 学習のまとめが来週あたりには廊下に貼りだされるらしいので、学習の成果を見に行く楽しみが増えました。
 

     令和2年9月16日        
       熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その92)

 今年度本校に赴任された先生方を対象に、「新任者オリエンテーション」を実施しました。年間10数回にわたって行うものですが、今回は「ろう者の話に学ぶ」というテーマで幼稚部の野田先生からお話をいただきました。
 野田先生ご自身の生い立ちから現在に至るまでの略歴の中で、手話に対する思い、ろう者理解への願い、ろう教育の変遷や当時の想い等について生の声を聴くことができました。楽しいエピソードも交えながらお話しいただいたので、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
 コロナ禍の中での限られた時間での研修でしたが、充実した時間になりました。もっともっと野田先生のお話を聞きたい気持ちになりました。特に今回受講された先生方は、野田先生のPP(パワーポイント)資料にも目を通していただき、是非学びを深めていってください。
 さて、本校には野田先生を含め7人の聴障の教職員が在職しています。熊聾の子供たちのロールモデルとして、また聴者である教職員にとっても、ろうの先生方の存在意義はとても大きいものがあり、熊聾の財産でもあります。互いを尊重し合いながら、そしてそれぞれの良さを引き出しながら、子供たちの健やかな成長につながる教育を目指していきましょう。

 

令和2年9月15日        

熊本聾学校 校長 五瀬 浩