校長室からの風

西高体育スピリットの発揮 ~ 県高校総体での活躍

 2年ぶりに開催された熊本県高校総体は、サッカー競技など一部をのぞき無事に終了しました。コロナ第4波が収束しない困難なコンディションの中、「無観客」でしたが、各競技とも熱戦が繰り広げられ、高校生の部活動の集大成の場として教育的意義は誠に大きいものがあったと思います。

 連日、熊本日日新聞の高校総体特集記事で、西高アスリート達の活躍が報じられ、胸が躍る思いでした。女子柔道が先駆けとなりました。女子団体3連覇を成し遂げた大野主将のコメントが頼もしいものでした。

 「県高校総体は通過点と思っている。目標は全国制覇です。」

 さらに高い頂を目指し、女子柔道部に慢心はありません。大野主将の気迫のこもった試合や団体優勝メンバー4人の笑顔の写真が掲載されました。

 また、ウェイトリフティング主将の西田君が102㎏級で優勝。バーベルを力強く上げる姿が写真で紹介されました。西田君は全国でトップクラスの実力の持ち主で、全国高校総体(インターハイ)でも上位入賞が期待されます。

 陸上部の躍進も光りました。走り高跳びの自己記録で優勝した2年生の杉山君の顔写真が載りましたが、その他にも三段跳びや投てき部門(やり投げ、砲丸、円盤)での優勝が相次ぎ、南九州大会には男女合わせ10人以上が進出します。インターハイに何人出場することになるのか期待がふくらみます。

 西高伝統のなぎなた部は、女子個人優勝の内田さんの躍動感あふれる試合の写真が載りました。一瞬の動きを捉えるプロの記者の腕前はさすがです。

 そうして、掉尾(ちょうび)を飾ったのがラグビー部でした。昨日、熊本高校との決勝戦を制し、今日の朝刊に「西高、4連覇」の見出しと共に劇的なトライシーンの写真が大きく掲載されました。強豪で知られる西高ラグビー部ですが、連覇を続けることは至難の業です。それは女子柔道部やなぎなた部にも当てはまります。西高を倒すことを目標に他校の生徒は努力しているわけですから、それを上回る努力、精進が求められるわけです。

 努力が実り輝かしい結果を得た生徒達がいる一方、日頃の練習の成果を十分に発揮できなかった生徒達もいます。これが勝負の世界です。負けたこと、自分の目標に届かなかったことなどの悔しい思いが人間を成長させます。勝ったことより敗れたことからの方が多くのことを学ぶと私は思います。

 正門脇に「文化 体育 両道顕彰」の石碑が立っています。西高が開校するや文化部体育部ともに特筆すべき成績を次々と残していったため、昭和59年に創立10年を記念し育西会が建立されました。この精神は令和の今日も引き継がれています。

 体育の先生方が日頃唱えられる西高体育スピリットが存分に発揮された今年の県高校総体でした。