徒然雑記帖

徒然雑記帖

アクセス数592017にセミを思う

 いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。
 59
2017とは、5月11日(木)午前6時16分現在
の本校のHPのアクセス件数です。

ここ1週間の1日当たりの平均アクセス数720件のまま推移したと仮定して、「○○2017」というアクセス数が今年2017年の間に何回程あるのか気になりました。

 

482017・・・2016年12月28日(確定)・・・×

492017・・・2017年 1月15日(確定)・・・○

   ↓

   ↓

   ↓

   ↓

592017・・・2017年 5月11日(本日)・・・○

   ↓

   ↓

   ↓

   ↓

752017・・・2017年12月21日(予定)・・・○

762017・・・2018年 1月 5日(予定)・・・×

 

ということで、あくまでも仮定の下ですが、492017から752017まで27回出現することが予想されます。

 

この27回の「○○2017」の中で素数(中1で習ったように、その数と1でしか割れない数字:、5、7、11、13、17・・・など)はいくつあるのかとても気になり始めました。

末尾4桁の2017自体は素数*1ですが、その前に○○という2桁が付くとどうなるのかということです。昔から知られているように、素数の出方は神出鬼没で予測不能、求める公式はありません。「それら27個のうち3つ位は素数かもしれない」という予想の下、最初の492017から素因数分解をしてみました。

何でも分解しないと気が済まないのは、機械科の教員として染みついた悲しい性(さが)です。「おっと、いきなり最初から素数とは!」と、驚きつつも一つ一つ丁寧に計算していきます。

 

492017・・・素数!

502017・・・3×167339

512017・・・11×89×523

522017・・・素数!

532017・・・3×59113

542017・・・7×77431

552017・・・31×17807

562017・・・3×187339

572017・・・439×1303

582017・・・素数!

592017・・・3×197339

602017・・・13×46309

612017・・・7×17×37×139

622017・・・3×11×61×103

632017・・・23×27479

642017・・・223×2879

652017・・・3×217339

662017・・・19×34843

672017・・・29×23173

682017・・・3×7×47×691

692017・・・素数!

702017・・・素数!

712017・・・3×26371

722017・・・83×8699

732017・・・11×13×5119

742017・・・3×247339

752017・・・7×53×2027

 

ということで、5個ありました。6桁の数字から、ある意図を持って取り出した末尾7の数字27個の中に、素数が5個という出現率(19%)は、高いのか低いのか大いに気になったところです。

 

ところで、生徒の皆さんは、素数はランダム(でたらめ)に現れると思いますか。*2

実は、素数はアマチュアからプロまで多くの同好の士が研究の対象としています。素数が出現するランダム性について、アメリカのスタンフォード大学の数学科の先生方による次のような趣旨の研究結果を読んだことがあります。

最初の1億個の素数を調べた結果、「1で終わる素数」の次がまた「1で終わる素数」になる確率は18.5%で、本当にランダムならこの確率は25%じゃないとおかしい。一体何だ!!という趣旨の話です。

おわかりでしょうか・・・?

素数の末尾はかならず1379なので、確率は4つに1つ即ち25%のはずです。この研究結果によると、100%ランダムに出現するのじゃなさそうです。試しに他の数字でも調べているようで、「3」と「7」で終わる素数が連続して出る確率は30%、「9」で終わる素数が連続して出る確率は約22%だったそうです。

面白いですよね!でも素数を相手に格闘していると、桁が大きくなるほど電卓片手とはいえ計算が大変です。次のようなことはよく知られた事実です。

 
1 数が大きくなるほど、素数の出現頻度が下がる。(素数の出現頻度は、桁数に反比例するのだそうです)
 2
 数が大きくなるほど、素数判定に必要な計算回数が増える。(経験上当たり前のことかもしれませんが、素数発見難度は桁数のほぼ3乗に比例するのだそうです)

 

ということで、622017=3×11×61×103 のように気持ちよくサクサクと素因数分解できたものもありましたが、○○2017のわずか27個が素数かどうかの判定計算は、電卓片手に本日(育友会総会代休)の大半を費やしました。

勿論、ネット上には、素数表や素数判定機、素因数分解計算機など便利なツールが沢山出回っています。今回は、素因数を見つけることができずgive upしてしまった572017に致し方なく使いましたが、数に対する感覚の鋭敏さを保つうえで手計算は大切だと思っています。

 

余談ですが、自分の生年月日が素数かどうか判定するアプリがあります。例えば、2001年7月17日生まれの人がいたとして、これを使うと20010717が素数かどうか一瞬で判定してくれます(この場合、3×17×31×4219と素因数分解でき素数ではありません)。

双子素数(11と13のように差が2の素数の組み合わせ)同士のカップルや2人の生年月日を足した数が素数になればラブラブとか・・・そんな嘘みたいな甘い言葉に誘われて私も色々と相性を確かめたことがあります。最近、何と1京未満(16桁以下)の自然数を対象とする素数判定機が登場し、12桁のマイナンバーが素数かどうか確認して一喜一憂する遊びに使っている人が多いと聞きました。マイナンバーのような12桁の数が素数になる確率はわずか3.8%(詳細は略しますが、「素数定理」を使って計算できます)です。ざっと計算して、1億2千700万人×0.038=483万人ですから、日本人のうち福岡県(約510万人)の人口にちょっと足りない位の人が素数のマイナンバーをもっていることになります。

私も自分のマイナンバーがどうなのか興味津々で使ってしまいましたが、素数ではなくて残念でした*3。そのうえ、個人情報が収集されてしまった可能性について考えが及ばなかったことに気づき、真っ青になったのは後の祭りでした。

 

話は大きく変わりますが、生徒皆さん、「素数ゼミ」って聞いたことがありますか?

北米には、ちょうど17年ごとと13年ごとに大量発生するセミ(蝉)がいて、17も13も素数であることから、「素数ゼミ」と呼ばれています。写真のように目が赤くて少し不気味な感じの日本では見受けないセミです。このセミたちは、普通のセミと同じように、一生の99.9%の長さを地中で脱皮を繰り返しながら幼虫のまま、木の根から養分を吸って過ごします。そして、誕生から17年又は13年が経った特定の年の夏がくると、幼虫はいっせいに地面から這い出します。

昨年2016年は、オハイオ州やペンシルベニア州などで17年ゼミが大発生しました。その数は、何と数十億匹で、電話の声も聞き取れないほどだったと、この珍事、日本でも大きく報じられました。なぜ17年周期と13年周期で大発生するのか、アメリカでは毎年その周期が来るたびに、多くの研究者が仮説をたてておられるようです。しかし、セミの生物時計がこれほどまでに正確な理由は誰も知りません。

この難問を解明し、生物界を驚かせた日本の研究者がいらっしゃいます。数理生態学が御専門の静岡大学の生物学者、吉村仁教授(静岡大学)です。幼いころは、昆虫採集に夢中な「昆虫少年」だったそうです。「素数ゼミ」の名づけ親でもありますが、セミのほかにも様々な動物の行動を進化的な数理モデルで解析されておられます。

世界中から注目された吉村教授の学説*4、「素数ゼミの謎」という著本に詳しく書いてあります。本校の図書館には入ってなかったようですので、司書の坂口先生に購入してもらうようにお願いをしておきました。

地球上にセミが登場したのは2億年以上も前なんだそうです。ちなみに、人類は約700万年前ということです。セミたちが生きるための進化とはいえ、興味が尽きません。関心がある方は是非、読んでみてください。

【校長】

 

*1今年2017年(平成29年)は、西暦の2017も和暦の29も素数です。6年ぶりのダブル素数ということで、年明け頃、素数ファンは大いに盛り上がっていましたが、「素数は素因数分解できないからつまらない・・・」なんていう声もチラホラ聞きました。そういう声を聞くと、意地と根性で因数分解をしてみたくなります。どちらも悪戦苦闘の末、どうにかできました!

2017=(9+44i)(9-44i)

29=(5+2i)(5ー2i)

勿論、iは虚数単位でi=ー1です。このiを使った因数分解は反則でしょうか?

電気科の皆さんは、電気の計算において虚数が大活躍することは御存知のとおりです。電流を通常iで表記しますので、区別するために虚数単位はjを使っていますよね。

 

 

*2素数について深く研究した18世紀の数学者・天文学者である

 オイラー(Euler)は、2357・・・と続く素数について右

 のような関係式を発見しています。不規則に出現する素数と円

 周率の間に成り立つこの綺麗な数式に、オイラーは何を感じた

 のでしょうか?

 


*312桁のマイナンバーが素数でなくがっかりした方に朗報です。マイナンバーは4桁区切が3つ合わさった12桁ですから、4桁ずつ吟味するという楽しみ方もあります。この4桁の素数の出現率は12%位ですから、3つ全部が素数となる確率はこれを3乗して0.1%です。これは本当にレアものかもしれません。

逆に、3つに分けたうち少なくともひとつが素数になるのは何%位でしょう。余事象(3年生の数学Ⅱで学習します)の考え方を使うと計算できます。興味ある方は計算してみてください。

 

 

*4ネタバレにならない程度の概要です。

生活周期が比較的大きな素数になっているのは、17年ゼミと13年ゼミの交雑する可能性が最小限になるからでは?これが先生の仮説です。たとえば、これが7と5という小さな素数だったとしたら、35年に一度、成虫になる時期が一致する。生活周期が長くても、たとえば16と12のように素数でない数だった場合、16年ゼミと12年ゼミが交雑する可能性は48年ごとに出てくる。

17と13のように大きな素数なら、両者が交雑する機会は221年に一度しか巡ってこない・・・

いずれが あやめ か かきつばた

 今日で4月も終わり。2017年も3分の1が過ぎたとか思いながら、どんな部活が日曜日に練習をしているかと学校に歩いて行きました。いつもは車で通勤しているので気付かなかったのですが、学校の北門へ続く上り坂の手前の道路際に紫色の花をつけた「あやめ」らしい植物(右の写真の黄色枠)が目にとまりました。
 そう言えば、これから6月にかけて、あやめ や しょうぶ や かきつばたのシーズンです。県内でも玉名市の「高瀬裏川花しょうぶまつり」や天草市の西の久保公園で開催される「天草花しょうぶ祭り」等がもうすぐ開催されるはずです。
 ところで、生徒の皆さん。「いずれがあやめ か かきつばた」(「何れが菖蒲か杜若」)という言葉を聞いたことありますか。どちらも優れていて、選択に迷うことの例えで、あやめ と かきつばた はよく似ていて見分けにくいところから来た言葉のようです。

私自身、以前、あやめと しょうぶ と かきつばたの違いを調べていて混乱したことがあります。生徒の皆さん方は大丈夫ですか?

あやめ と しょうぶはどちらも漢字で書くと「菖蒲」です。しかし、漢字は同じでも菖蒲(あやめ)と菖蒲(しょうぶ)は全く異なる植物です。「あやめ」はアヤメ科、「しょうぶ」は何とサトイモ科なんです。

次に、菖蒲(しょうぶ)と花菖蒲(はなしょうぶ)も別物。花菖蒲はアヤメ科です。だから「あやめ」と「しょうぶ」と「はなしょうぶ」は、ぜぇ~んぜん違う植物です。

さらに、「いずれがあやめ か かきつばた」の杜若(かきつばた:これはアヤメ科)が加わって、まるで4つ巴(どもえ)の争い。頭がぐちゃぐちゃになるのです。

整理すると、5月5日の端午の節句の菖蒲湯に入れる①「しょうぶ」(菖蒲)、②「花菖蒲」、③「あやめ」(菖蒲)、④「かきつばた」(杜若)の4つは似ているようで、実は全然違うのです。

まず、①サトイモ科に属する①「しょうぶ」は、左の写真のように花の様相が全く違いますのでこれはいいでしょう。

植物学的にアヤメ科アヤメ属に分類される②「花菖蒲」、③「あやめ」、④「かきつばた」は同じ仲間だから似ていて当たり前。右の花の写真を見ても、「違いを覚えるのは無理!」と諦めたくなるほど微妙です。

そこでもっと調べていくと、③「あやめ」と②「花菖蒲」・④「かきつばた」を見分ける一つの手があることが分かりました。③「あやめ」は陸上の乾燥地に自生しているのに対して、②「花菖蒲」と④「かきつばた」は日当たりのよい水辺や湿地に群生するのだそうです。

そういうことで、学校の北門へ続く上り坂の手前の道路際の花は、乾燥地にありましたので「あやめ」ということで一件落着。

剣状の細かい葉が縦に並んで茂る様子(これが文目(あやめ)模様に似ていることにその命名の由来があるということらしいです)がしっかりしたイメージを与え、花言葉も「良き便り」とか「希望」で前向きなこともあり、好きな花の一つです。

 
 
ところで、学校の横に所在する村山公園の別名は、「あやめ公園」なんだそうです。人吉市のHPの公園一覧のサイトにも「村山公園(あやめ公園)」の表記がありました。この記事を書くに当たり、どこにあやめ があるのだろうと、公園内をくまなく捜し回りました。「『ツツジ公園』と言ったほうがいいのでは?」と思うほど様々な色のツツジ*1が満開で、まさに百花繚乱の装いでしたが、あやめ はついに見つけることができず残念でした。でも、初夏を思わせる日差しの中、新緑が青空に映えて、最高に気持ちがよかったです。 


話は大きく変わりますが、「かきつばた」と聞けば、高校の頃習った伊勢物語を思い出します。伊勢物語とは、全125段からなり、ある男(平安時代きっての色男、在原業平*2【ありわらのなりひら】とされています)の元服から死にいたるまでを、数行程度(長くて数十行、短くて23行)の仮名の文と歌で綴った物語です。

「かきつばた」が出てくる第9段、校長室にあった国語便覧で改めて調べてみたらまさしく次のような話で、それを習った頃の教室の匂いまで懐かしくよみがえりました。


昔、ある男(=在原業平とおぼしき主人公)が都への未練を残しつつ関東の方への旅を続け、三河の八橋(今の愛知県知立市のあたり)に着いた。その沢のほとりの木蔭に馬から降りて座って、乾飯(かれいひ:水やお湯で戻して食べるドライライス)を食べた。

その沢に、かきつばたがとてもきれいに咲いていた。それを見てある人が、「かきつばたという五文字を各句の頭に置いて、旅の心情を詠みなさい」と言ったので、男が次のような歌を詠みます。


らごろも つつなれにし ましあれば

るばるきぬる びをしぞおもふ 


 
(現代語訳:着て馴れ親しんだような妻が都に居るものだから、はるばるとこんなに遠くまで来てしまった旅を悲しく思うのです) 
 最後に、乾飯の上にポロポロと涙が落ちて、乾飯はふやけてしまったのだった、という何とも切ない落ちまでつくという物語です。

このように、五七五七七のそれぞれの頭に、別の意味を持つ言葉を織り込む言葉遊びを「折句」と言います。この「かきつばた」の折句を伊勢物語で学習した際に、国語の先生が「クリスマスをお題にした折句の歌を作ってらっしゃい」と宿題にしたので、やってみたことがあります。

……ん~。………んっ!?……ん~ん。………はぁ

といった感じで、2~3時間格闘しましたが結局できませんでした。


俵万智さんの短歌集の中に一首、クリスマスの折句が紹介してあったことを思い出しました。田中章義さんという十代の歌人の予備校時代の作品で次の歌です。


リスマス んりん響く 音を く無視して タディーハード


キーワードを隠すたわいもない言葉遊びのようですが、いざ作るとなるとそれがどうしてとても難しいのです。こういうのができる人はどのような才能を持っているのだろうと尊敬します。

国語の先生に伺ったところ、伊勢物語は2年生の2学期に学習し、第6段の「芥川」か、第23段の「筒井筒(つついづつ)」のどちらかを扱う予定だということでした。ネタバレになったらいけませんが、「筒井筒」は、井戸の周りで遊んでいた幼馴染のカップルが、大人になったら・・・?という、ちょっとビターな恋物語です。伊勢物語、きっと面白いです。是非、第9段の「かきつばた」も読んでみてください。

   【校長】
 

*1ツツジは漢字で書くと「躑躅」となり、難読漢字になります。英語ではazaleaと綴り、カタカナでは「アゼリア」とか「アザレア」と表記します。阿蘇市にある「アゼリア21」というレジャー施設(阿蘇から流れる天然水を源泉としているプール)の名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。ちなみに、アヤメは英語でirisと綴り、「アイリス」と表記されます。このiris、ギリシャ神話の「虹の女神」に由来する単語なんだそうです。

*2在原業平、今から約1,200年前に生きたこの方、天皇の血を引く由緒正しい実在の貴族なのですが、既存の風習にとらわれず、あちこちで女性と関係を持っていきます。そんな彼の女性遍歴集といっても過言ではないのがこの伊勢物語です。ついには神に仕える皇女と関係を持ってしまったのでは?ということを匂わせる話(第69段)もあります。関係を持った女性の数は何と3,733人!多分、誇張が入っているはずですが、今と結婚の形態が異なる平安時代の時代背景を考慮に入れても凄まじい数だと思います。実際にどれだけの女性と関係を持ったかは本人だけが知るところでしょうが、こうして物語のモデルとされてしまうくらいですから、女性関係が派手だったことは公然の事実だったのかもしれません。





575770 → 今は春べと 咲くやこの花♪

本日4月20日、午前9時37分現在のアクセス件数は、575770 

 


最初の5桁、57577とは勿論、日本古来の三十一文字(みそひともじ)である和歌のことです。その後の0をどう解釈(こじづけるか)で悩みました。

0番目と捉えると、百人一首競技大会などで試合開始を告げる歌と考えてもいいのかな・・・と思いました。その歌は、百人一首には収められていませんが、スポーツの試合で開始を告げるホイッスルのように、百人一首競技の開始前に必ず詠まれるこの歌です。1

 

難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花

 

【現代語訳】難波津(なにはづ)に、咲いたよこの花が。冬の間は籠っていて、今はもう春になったというわけで、咲いたよこの花が。

 

【解説】難波津とは、難波の港。難波は大阪市及びその付近の古称。第16代仁徳天皇2が高津宮を置いた所です。この歌は、仁徳天皇が即位される時に、朝鮮(百済)からの渡来人の王仁博士(わにはかせ:生没年未詳)が、梅の花に添えて歌ったとされる歌です。陛下の治世が末永く続きますようにという願いを込めた、今でいう「君が代」みたいな祝福の歌です。

 

技巧などなく、見たままを素直に歌った和歌です。皆さん、実際に花が咲き乱れる様が目に浮かびますか?そういうことで、試合の開始時など印象的な場面で詠まれると、華やかな雰囲気が醸し出されますし、そういう効果を狙って詠まれているのかもしれません。

数年前、広瀬すずさんが主演して話題になった競技カルタの映画「ちはやふる」でもこの歌が詠まれるシーンが何度も出てきましたので、そう言えば・・・と記憶にある人もいるはずです。

 

日本が世界に誇る文化遺産ともいえる百人一首、小中学校でいくつか覚えたことがある人も多いことでしょうが、その成立事情は知っていますか?

平安末期~鎌倉初期の大歌人である藤原定家(ていかorさだいえ:11621241)が、友人から「100首の和歌を色紙にしてふすまに飾りたい。いい歌チョイスしてよ!」と頼まれ、飛鳥時代の第38代天智天皇から鎌倉時代の第84代順徳院まで、およそ450年間の中から100人の歌人の優れた和歌を一首ずつセレクトしたものです。まさに「藤原定家セレクション」といったところです。(このような異なる作者による詩文などの作品を集めたものを「アンソロジー(anthology)」と言いますが、これ、覚えておきたい言葉です)

文暦2年(1235年)の5月27日に、百人一首を完成させて、小倉山荘の障子に書写した和歌百首を貼ったという記録が、明月記(定家がつけていた日記)に残っていることから、5月27日は「百人一首の日」とされています。

今、巷(ちまた)では、俳句や川柳がとても盛んです。「良い句」と読める4月19日(昨日です!)や、5,7の並びにかこつけた5月7日に、年に1度の句会や総会などを行い、会員の親睦を深めている団体が多いようです。それにしても、575770とは、何とも堂々とした数字!これが達成された日は、和歌を話題にするしかないと考えていました。

実は・・・、4月当初の1日当たりの平均アクセス件数700件から見積もって、「百人一首の日」である5月27日前後にアクセス件数が575770になるのではという淡い期待のもと、この記事の構想を考えていました。そしたら、4月第2週目あたりから1日当たり1,500件とか2,000件、昨日などは4,000件を超えるアクセスを頂く日が続き、予想が大きく外れて早まってしまい、嬉しい悲鳴というか、ちょっと慌てて記事を作ったところでした。

 

ところで、定家の時代から900年近い歳月が流れ、三十一文字を現代では短歌と呼ぶようになり、歌の詠みぶりは随分変わってしまいました。私は初任校(高校教師になって一番最初に勤めた学校)で百人一首部の顧問を担当したことが縁で、すっかり和歌のとりこになってしまったのですが、和歌の普遍性についてつくづく考えることがあります。

一つは、歌は喜びを高らかに歌い上げることも多々ありますが、かなしみの器(うつわ)として用いられることが多いということです。そしてもう一つは、かなしむ人を美しいと思う日本人の感性です。歌の中に秘められた思いを想像し、共感して涙をもよおす心、これは感性がなせるものでしょうが、これもまた美しいと思っています。

 

手元のシラバスによると、本校では2年生の3学期の2月頃に国語(国語総合)で百人一首を学習するようです。「和歌」は古文ですから、現代に生きる私たちにはとっつきにくいところがあるのは否めません。でも考えてみてください。わずか三十一文字ですが、その中にあらゆる感情を打ち込んでくる力業ですので、そこに含まれる情報量はもの凄く多いです。ちょっと気のきいた人なら一つの和歌を題材にして小説がかけてしまう位の情報量といってもいいと思います。一つ一つが短編小説と言ってすら過言でありません。歌の中に秘められた思いを想像するうちに、好きな1首に出会えるように願っているところです。百人一首の授業をどうぞお楽しみに!

そして・・・、本校の三綱領の中に「好学」というのがあります。和歌と短歌の違い、俳句と川柳の違いなども、ぜひ興味をもって調べて知的好奇心を満たしてもらえればなお嬉しいです。          【校長】

 

1競技百人一首では、競技のはじめに「序歌」という百首のいずれにも属さない特別枠の歌を詠みます。地方によって何の歌を詠むかは色々ありますが、競技百人一首の段位や公式ルールを仕切っている全日本かるた協会は、この「難波津の歌」を序歌に定めています。

 

2仁徳天皇は、歴史上まれに見るほど、徳のある君主であり、その治世は何と87年間も続いたと「日本書紀」に記されています。特に、「かまどの煙」の逸話が有名です。

ある時仁徳天皇が高台から、民の家々を見ておられました。

しかし、かまどから煙が上がっている家がありませんでした。民が貧しい証拠です。

「これは租税が高すぎるのじゃ」

仁徳天皇は、3年間租税の徴収をやめ、労役を課すことをやめ、その間は宮殿の茅葺(かやぶき)も葺(ふ)きなおさず、雨漏りがしてもたらいで受けて、しのがれました。

3年後、ふたたび高台にのぼった仁徳天皇は、家々から元気よく煙が立ち上っているのを目にされます。「これでよし!」こうして3年ぶりに租税と労役をもとに戻しました。

このように徳の高い天皇のもとで国は栄えたということです。よって仁徳天皇のことを「聖帝(ひじりのみかど)」と呼ぶこともあります。「難波津の歌」は、そんな徳の高い仁徳天皇の御世が末永く続きますようにと、祝福をこめた寿(ことほ)ぎの歌です。

ところで、仁徳天皇のお墓を知っていますか?私が小学生の頃、大阪府堺市にある右の写真の前方後円墳を「仁徳天皇陵」と習いました。今は、そうでないようですね。

堺市には3つの天皇陵が存在します。埋葬されている埴輪をよく調べてみたところ、学術上ここが仁徳天皇陵であると確定することは不可能であることにより、堺市大仙町に所在する古墳ということで、「大仙陵古墳」と称されているようです。自宅にあった「もう一度読む山川日本史」には、この古墳について「大仙陵古墳(伝仁徳陵)」と表記され、職員室にあった山川出版社の「高校日本史B」の教科書では、「大仙陵古墳(仁徳天皇陵)」と記載されていました。新しい史実に基づいて教科書が書き換えられるのはこれまでもあった話です。でもこの写真はきっと脳裏に焼き付いていることでしょう。

日本全国に20万基(古墳は1基、2基・・・と数えます)以上はあるといわれる古墳のなかで、日本最大の古墳であり、エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓の一つに数えられています。上から見ると円と四角を合体させた前方後円墳という日本独自の形で、5世紀中ごろに約20年をかけて築造されたと推定されているようです。

労役を課すことを中止するほど徳のある仁徳天皇が、そんなに歳月がかかる土木工事を民にさせたとは・・・と突っ込みを入れたくなる人もきっといるのでは?

 

565656とは何とまぁ!

 4月1日(土)、午後分前の本校       

HPのアクセス件数は565656でした。

  これを確認した時のスマホの右上に表示されていた電池残量が65%、丁度、おでん用に卵を個茹でていた最中でした。この朱書きの数字を横に並べても565656、何という偶然だろうと思ってしまいました。

 花に花言葉があるように、数字にも意味があると昔から信じられています。それによると、5には「変化が訪れる」、6には「富をもたらす」という暗示があり、その2つが組み合わさった56は「変化によって恩恵を授かる」と解されているようです。この56が3回順番に現れるとは、何とおめでたいことだろうと思い、この565656に関して、56に関する思い出を3つ綴ってみたいと思います。

 

ぱっと思いつくのは、本校が来年、創立56年目であるということ、第二次世界大戦の指導者だった山本五十六連合艦隊司令長官(「いそろく」:お父様が56歳だったときの子、「苦しいこともあるだろう/言いたいこともあるだろう/・・・の「男の修行」の名言で有名)、雷おこしの製作体験学習で、昔、修学旅行の時に引率したことがある東京浅草の雷5656会館、「シゴロク」や「高原のポニー」の愛称で親しまれたC56形蒸気機関車などです。

また、昭和56年(1981年)という切り口だったら、私が大学4年生の時でしたので、トヨタが高級スポーツ車「ソアラ」を販売してブームになったことや、ダイアナ妃がチャールズ王子と結婚したこと、作家の向田邦子さんが台湾で起こった航空機墜落事故で亡くなったことなど、当時の思い出に重ねながらいくつかはすぐに思きます。しかし、いずれも生徒の皆さんたちには生まれる前のことで関係ありませんよね。

そこで今日は、各クラスに配布されているシラバスを見ながら、皆さん方が高校3年間に学習することに関連付けて考えることにします。

 

最初の56です。2年生の国語総合で5月頃学習する「伊勢物語」に関連付けました。その心は、伊勢物語は第56代清和天皇(在位:946967)の御代(みよ)の出来事だからです。まずクイズを1問。

 

 千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)

   からくれなゐに 水くくるとは

 

多分耳にしたことがある和歌だと思います。これは古今集に収録されており、百人一首にも採られ、数年前に公開されてヒットした競技かるたに青春を懸ける高校生の物語「ちはやふる」のタイトルにもなった超有名な歌です。現代語訳は不要でしょう。さて、誰の歌でしょう?

平安時代一のプレイボーイと名高く、光源氏のモデルの一人と言われ、「伊勢物語」の主人公のモデルとも考えられている人物…、そうです。在原業平(ありわらのなりひら)です。業平には清和天皇に関連してこんな悲恋があります。

清和天皇の后(きさき)となったのは藤原高子(たかいこ)。彼女は、清和天皇が17歳の時、25歳で入内(今でいう婚姻)し、貞明親王(後の陽成天皇)を産みました。高子は入内する前、業平と恋愛関係にあり、言うまでもなく高子の一族によって強引に別れさせられました。悲嘆に暮れる業平は、こんな歌を詠んでいます。

 

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ  わが身ひとつは 元の身にして

 

【現代語訳】あの月は昔と変わったのだろうか。この梅の咲く春の景色は昔と変わっているのだろうか。いや、どちらもあなたと一緒に見上げた美しい月であるし、かぐわしい香りを楽しんだ梅の花である。しかし、あなたがいなくなり一人ぼっちになってしまった今、私の周りのものは何もかも変わってしまった気がする。私だけは元とのままで変わらないのに・・・

 

世の無常と手が届かない所に行ってしまった恋人に思いを馳せ、嘆いている歌ですが、日本和歌界に燦然と輝く最高傑作とも称され、外国の日本文学研究者によって他言語に翻訳されている数が最も多い和歌なんだそうです。

 

伊勢物語は全部で125段ですから、薄い文庫本1冊程度です。一話一話も短く、簡潔です。どこから読んでもいいし、読み飛ばしてもいいので疲れません。その意味で古典に親しむ入口として最適です。それでいて、深い内容があり、とても面白いです。何が、面白いのか?何と言っても、歌がいいです。現代人と変わらぬ喜怒哀楽を詠んでいますので、「この気持ち、わかるなぁ」と共感できる歌が必ず見つかるはずです。詠んでいる歌は、男女の恋愛、男同士の友情、親子の情愛、年を取ること、愛する人の死、旅の情緒など実に多彩です。ちなみに、先ほど紹介した「ちはやぶる」は第106段に、「月やあらぬ」は第4段にあります。1,2年生の皆さん、伊勢物語の学習、楽しみにしておいてください。

 

 次の56は、3年生の数学Ⅱで就職試験対策として学習する場合の数(順列・組合せ:本来これらは数学Aで学習する内容です)に出てくるの計算結果です。実は、などは、本校入学後の6月に全科とも受験する計算技術検定の中でも出てきます。しかしその時は「詳しいことは数学で学ぶから、今は電卓操作だけできるようになりなさい!」などと言われ、意味は分からず、ひたすらキーを叩くことだけに没頭することになります。

とは、8人の中から3人選ぶとき、何通りあるかということを計算する式で「Cの8,3」とか「コンビネーション8の3」とか読み、次の計算をします。

(8×7×6)/(3×2×1)56通り

 

一般的には、n個の異なるものから順序を考えずにr個取り出す選び方をn個からr個取る「組合せ」といい、その総数をnCrであらわします。Cは組合せを意味するCombination(コンビネーション)の頭文字で、次の計算をします。

nCrn!/(r!(n-r)!)になります。

(ここでn!=n(n-1)(n-2)・・・・・1です)

 

 nとrの選び方で色々な計算結果が得られるわけですが、なぜ結果が56になるを取り上げたかというと、その心は・・・。

昔、担任をしている時、「明日数学のテストというのに、数学の先生が帰っていて質問できません。先生、教えてくれませんか?」と言いながら、生徒が機械科の職員室に質問に来ました。見れば「男子3人、女子5人の中から3人を選ぶとき、男子が少なくとも1人含まれる選び方は何通りあるか」という問題です。

高校の頃、「順列・組合せ」はあまり得意なほうではなかったのですが、昔を思い出しながらどうにか教えました。このことが強く記憶に残っていたからです。答えは「46通り」です。皆さん分かりますか?

8人の中から3人選ぶのは、先ほど述べたとおり、

(8×7×6)/(3×2×1)56通り

男子が少なくとも1人含まれるということは、3人とも女子の場合を引けばいいので、3人とも女子であるのは

(5×4)/(2×1)10通り

従って、561046通りになります。

数学では、「男子が少なくとも1人含まれる選び方」というのは、「全事象-女子が3人選ばれる選び方」で、これを「余事象」の考え方と言います。

実はこれ、ずっと昔の学生時代に大検(今は「高校卒業程度認定試験」と名称が変わっています)の試験監督をアルバイトでやっていたとき、全く同じ問題が出題されていたのを見たことも思い出しました。ということで、nとrの組み合わせは無数にあるのですが、市販の問題集や簡単な入試問題レベルでは8と3が多いような(あくまでも)気がして、結果の「56」というのは数学の先生の感性に訴える何かがあるからかな・・・?とか密かに思っているところです。

 

 最後の56、これは何にこじつけようかな・・・と考えました。

憲法56条の定足数の内容、北緯56度や東経56度は地球上でどんな所を通っているか、第56代内閣総理大臣だった岸信介氏の頃の我が国の世相、原子番号56のBa(バリウム)の性質、在学中に皆さんが受験する電気工事士や危険物乙種第4類等の国家試験の中で56が超重要数字になっていなかったかな・・・と色々と調べてみましたが、ぱっとしたものはありませんでした。

 

そうこうしているうちに、右の写真のような最近学校に寄贈を受けたYamasemi/Kawasemiという1冊の本が目にとまりました。そう言えば、地元のローカル線である肥薩線は3月4日にデビューした観光特急「かわせみやませみ号」で沸いています。「ヤマセミ(山翡翠)」は人吉市の鳥、「カワセミ(翡翠)」は八代市の鳥とあり、なるほど水質日本一の球磨川に棲む美しい鳥を列車名につけたJR九州のアイディアは素晴らしいと思っていました。

その本にこの2つの鳥の生態が詳しくまとめてあり、こんなことが書いてあります。カワセミに関して、「宝石の翡翠(ひすい)は、このカワセミの名前から来ている。宝石のほうが先ではない。翡翠の二文字共に羽の字が入っていることからも判ろう」と。そしてヤマセミに関して、「産卵後56日で巣立つが、人吉市の観察では1日に1羽ずつ巣立っている」と。何と、ここに56という数字を偶然に見つけることができました!

 

皆さんも一日一度も数字を見ない日はないはずです。56という数字に注意を払って学校生活を送ってみましょう。

 

今日は長い文になってしまいました。ここまでお読みいただきありがとうございました。 【校長】


 

561248→172→All

入学式が終わって、更衣を済ませホッとしながら何気にHPを見たら、

午後3時10分現在のアクセス件数は、

                  561248 

下4桁の1248とは、1<2<4<8で末広がりです。

「何と縁起がいいのだろう!」と思いながら、閃(ひらめ)くものがあ り まし た。

数字の並びをそのままにして、加減乗除の記号を入れてみます。

 

56+124―8=172


172とは、つい先ほど本校に入学した生徒数(本科168名、専攻科4名の計172名)です。私、「172って何てステキな数字だろう・・・」と「入学許可」の時、壇上にいながら思っていました。

というのも、各位の数を合計すると10になるからです。「一を聞いて十を知る」「十人十色」のように、慣用表現では、10 は 「多く」「全部All)」の比喩として使われています。たまたま時刻も3時10分、日付も4月10日ということで10が揃いました。10に比喩的に込められた「全部」にあやかって、172全員が2年、あるいは3年後に揃って卒業できるようにと、この記事を書きながら願いを込めたところです。

同時に、様々な個性や能力を持った生徒たちが集まったこのダイヤモンドの原石の集団を、どう磨きどう輝かせて卒業させるか、私共の力の見せ所であり、責任を痛感するとともに、楽しみに思ったところでもあります。                                           

                                                                                                                                          【校長


【各位の数の和が10に関連して】

172は、各位の数の和が10となる17番目の数で、1つ前は163、次は181です。

各位の数の和が10というのは、数学の先生たちの人の関心を引くようで、2008年の入試では「2008は、各位の数字の和が10になる4桁の自然数である。このように、各位の数字の和が10になる4桁の自然数は全部でいくつあるか求めよ」といった問題がいくつか大学で出題されていました。

ちなみに今年、2017年も各位の数字の和が10で、2008年以来9年ぶりです。2008年の1つ前は何と「未成年者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」で有名な未成年者喫煙禁止法が制定された1900年(明治33年)だったわけですから、数学の先生たちがいかに興奮したか容易に察しがつきます。そういうことで、さすがに今年は「2匹目のドジョウはいない」のかもしれませんが、生徒の皆さん、この問題に挑戦してみてはいかがでしょうか。(中学生の皆さんには結構手ごわいかもしれません。答えは219個です)

ところで、人の手の指の数は両指併せて10本です。多くの文明において標準的な記数法として十進法が採用されているのは、人間が指を折って数えるこの習慣から来ていると言われています。ちなみに、新入生の数172を16進数**で表すとACになります。

余談になりますが、ACというのは、電卓やパソコンの世界では、

All Clear(完全に消す)を意味します。入学してすぐ(6月頃)

受験する計算技術検定3級では、消すこと(ソロバンで言うとこ

ろの「御破算」)の重要性を嫌になるほど思い知るはずです。

直前に行った数値が残っていたら、正しい計算結果は出ませんよね。

きちんとクリアしてから計算を始めるようにすれば、おのずと間違

いは 少なくなります。だけどそれがクセになってしまって、一つの

数値の入力ミスでもAll Clearしてしまうと、特に長い計算式では再

入力の時間がもったいないです。皆さん方がこれから授業で使う電

卓は、入力ミスした部分だけを修正して要領よく計算ができるよう

な賢い電卓です。どうぞ、高校の専門の授業をお楽しみに!

 

**16進数は16を基数として表した数値です。高校入学後、全科で共通に学ぶ「情報技術基礎」(建築科と電気科は1年生で、機械科・建設工学科は2年生で学習)で、これまた嫌になるほど叩き込まれます。ちょっとだけ予習気分で・・・

16進数、ちょっと難しいですが、10進数と比較しながら考えたら分かりやすいかもしれません。10進数は、0から9までの 10種類の数字を使って数を表し、数が0から123…と順に増えていくとき、789 までは 1桁ですが、次は桁上がりして10になります。

同様に、16進数には16種類の数字があります。文字としての数字は0から9までの10種類しかないので、アルファベットのAFを「数字」として借用します。16進数は0からFまでの16種類の数字を使って数を表し、数が0から123… と順に増えていくとき、789の次はABC と続き、DEF までは1桁ですが、次に桁上がりして10になります。コンピュータでは 2進数が使用されていますが、2進数は桁上がりが激しいので、例えば今話題にしている172だったら10101100となるように、大きな数値を2進数にすると桁数も多くなります。そこで16進数が登場するわけです。16進数にはアルファベットが混じったりするので、慣れないうちは「数」とは思いにくいかも知れませんが、01ばかりがやたら並んでいる 2進数よりは、はるかに扱い易いはずです。詳しいことは授業でのお楽しみということで、今日はこのへんで。

アクセス数555555件達成

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

555555とは、4月2日(日)10時25分現在の本校のHPのアクセス件数です。前回のぞろ目である444444件を達成したのは、昨年11月5日(土)でした。従って、1日平均750件という県下の公立高校の中では最高水準のアクセスを日々いただきながら順調に数を増やし、148日(約5カ月)で111111件を積み上げて、555555件になったことになります。

 次のぞろ目は666666ですが、その前に654321という記念すべき数字もあります。今の調子で順調に推移していくとすると、654321が8月11日(金)、666666が8月28日(月)で、いずれも夏休み期間中になりそうです。その頃どのような日々を送っているのか、考えるだけでも楽しいですね。「今年こそ宿題に追われない日でありたい」とか頭をよぎった人もいることでしょう?

 

ところで、555555という数字の並びは、高校の頃に因数分解同好会に所属していた私にとって妙に惹きたてられるものがあります。手始めに素因数分解をしてみました。

555555=3×××11×13×37

でした。最初の素因数の並びが何とも綺麗です。従って、約数は 1, 3, 5, 7, 11, 13, 15, 21, 33, 35・・・・・(途中省略)・・・・・, 15873, 16835, 26455, 37037, 42735, 50505, 79365, 111111, 185185, 555555の64個あることになります。

 

そういえば、小学生の頃、「けけけけ555555 これなんだ?」というなぞなぞがあったことを思い出しました。生徒の皆さん分かりますか?

ヒントは「」です。(答えはこの記事の最後に載せておきます)

 

ところで、ぞろ目はプレミアム(付加価値)が付くこともあります!

  

 上の写真は、随分前ネットオークションで出品されていた発券番号P555555Xの5千円札です。最低落札希望価格が8万円だったのを覚えています。

5千円で思い出したのですが、生徒の皆さん、555,555円は英語で何と言うかは大丈夫ですか?世界共通の商慣習に従って3桁で区切りのコンマを入れていますが、まずコンマの前の数字は555です。千が555個という発想で、five hundred fifty five thousandとなり、次に555を同じようにと読んで追加します。従って、

five hundred fifty five thousand, five hundred(and) fifty-five yen

となります。英語の数字は、基本的にコンマごとに単位を変えて読めばいいので、一・十・百・千・万・・・・と、位どりがややこしい日本語の数字の読み方より簡単で合理的ですよね!

次のぞろ目である666666に向けて、HPの内容充実を図っていくつもりです。今後とも、本校のHPへのお越しをお待ち申し上げております。

                           【校長**


答え:「消しゴム」 これは、日本最大級のなぞなぞ問題集サイト(なぞQ.com)にも収録されていることを確認しました。それによると、5つの難易度レベル(ようちえん、かんたん、ふつう、むずかしい、おにころし)の中の「ふつう」レベルでした。このサイトの「おにころし」レベルの問題は、暇つぶしに十分楽しめますよ!

 

**このたびの定期人事異動で末廣克郎前校長の後任として天草工業高校から転任して参りました西智博と申します。天草工業高校もHPの充実に力を入れていましたが、どのようにすれば一日750件のアクセスが集まるのだろうと、球磨工業高校のHPをいつも尊敬の念で見ながら多方面から分析をしておりました。
今回、
生徒たちが多方面で活躍し、全国にその名を轟かしている本校に赴任できたことを大変喜んでおりますし、赴任して何気に見たアクセス数をヒントにした本記事のアップが最初の仕事になりましたことを光栄に思います。HP運営者とともに魅力あるHPに力を入れて参りますので、今後とも宜しくお願いします。