徒然雑記帖

徒然雑記帖

アクセス数 700000 → 0に思いを馳せる

暑中お見舞い申し上げます。

 

月が変わり、8月に入りました。連日厳しい暑さが続いていますが、生徒の皆さんをはじめ、いつもHPにお越しの皆さまには、健やかにお過ごしのことと存じます。

 

さて、校内では3年生が「夏を制する者は受験を制す」の心意気で、熱気に包まれながら学習会に参加する一方、部活動では先週の日曜日に、野球部が玉名工業高校と、バレー部は宮崎県の小林高校と練習試合を行うなど、新チームの選手たちが懸命に汗を流している様子を目にしました。

また、福岡市のマリンメッセで行われた玉竜旗大会に出場した剣道部からは、5回戦で敗れたという報告を受けました。「そこまでよく頑張った」と思いつつも、先日の高校野球でもそうでしたが、勝ち続けることの難しさを実感します。

カヌー部は、山形で行われるインターハイに向けて4日に出発します。いい結果を期待しています。

 

それぞれの夏を謳歌する生徒の皆さんに、体調を崩さないよう全力で頑張ってほしいという願いを込めて、通勤の途中で目にした木槿(むくげ)の花を紹介します。

この花、早朝に咲き夕方にはしぼむので、儚(はかな)いものの象徴とされることもありますが、この猛暑の中に毎日毎日咲き続け、生命力を感じます。淡いピンクの涼しげな花びらの色合いが気に入っています。花言葉は「信念」で、お隣の国、韓国の国花でもあります。

 

ところで、昨夜、午後11時47分現在のアクセス件数は、700000

とても感慨深いものを感じながら、素因数分解をしてみました。

 

700000=2×5×7

 

従って、その約数は、1,2, 4, 5, 7, 8, 10, 14, 16, 20, 25, 28, 32, 35, 40, 50, 56, 70, 80, 100, 112,125, 140, 160, 175, 200, 224, 250, 280, 350, 400, 500, 560, 625, 700, ・・・・(途中略)・・・・, 43750, 50000, 70000, 87500, 100000, 140000, 175000, 350000, 700000

の72個あることになります。

 

このような綺麗な数字をみると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れ、意味のある数字を作ってみたくもなります。今回はこの記念すべき70万件*1を達成した昨日、8月1日の「81」という数字に挑戦してみます。

 

15分程色々やってみました。しかし、0の前後に+、-、×、÷をどう入れても無理です。所詮、ゼロはゼロです。

本屋さんには、「0から1の発想術」などの自己啓発本が溢れていますが、昔から「無からは何も生じないFrom nothing, nothing comes.)」などと言われ、「無から有が生じることはありえない」とされているわけで、そのことを実感しながら無力感に苛(さいな)まれかけました。

しかし、数学の分野では、0にある演算を施して1を作る方法*2が幾つかあります。それを駆使して、絶対できるとの「信念」を持って精一杯悪あがきをしてみました。

 

70+{(0!+0!+0!)!}!!!!-0!=81 → 8月1日

 

【注】 中学生の皆さんへ。もう何度も説明していますが、は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、例えば5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。

驚くかもしれませんが、0!=1です。これは定義(決めごと)*3です。ですから、「なぜ0!=1になるのか証明してください」と言われると困ってしまいます。このように決めると色々と都合がいいかからで、なぜ都合がいいかは高校の数学で学習します。

そういうことで、(0!+0!+0!)!=3!=6という所までは大丈夫だと思います。その後の!!!!というのが初登場になります。これは「4重階乗」と呼ばれるものです。

このような「多重階乗」は、高校の数学の範囲を超えますが、「2重階乗(ダブルファクトリアル)」や「3重階乗(トリプル ファクトリアル)」から順を追って説明します。決して難しいものではありません。ついて来てください。

 

・まず通常の階乗です。6を例にとると

6!=6✕5✕4✕3✕2✕1=720

 

・これに対して、2重階乗(!!)は階乗の1つ飛ばしバージョンと考えてください。

n!!なら、n×(-2)×(-4)×・・・×・・・というように、2つずつ減らしながら掛け合わせます。nが偶数だと××2で終わりますが、nが奇数だと最後は1で終わることになります。

従って、 6!!=6××=48 となります。

 

・3重階乗は階乗の2つ飛ばしバージョンです。n!!!なら、n×(-3)×(-6)×・・・ということです。最後は最小自然数まで掛けることになります。

   従って、 6!!!=6×3=18 となります。

 

・もう大丈夫と思います。今日出てきた「4重階乗」は階乗の3つ飛ばしバージョンです。これも最後は最小自然数まで掛けます。

従って、 !!!!=×2=12 になります。大丈夫でしょうか?

   結局、今日の式は、70+12-1=81ということの大袈裟な表現です。(^^

 

今日は0(ゼロ)に苦戦したわけですが、生徒の皆さん方は0にどのようなイメージを持っていますか。

「甘い飲み物なのになぜカロリーゼロ?」とか思ったことはありませんか?(本当は怖い「0カロリーの恐怖」なんていうテレビ番組を見たことがあります。ぞくっとする位、怖かったです)

3年生なら、求人票の中の「過去3年の採用・離職者数」の欄を見るはずです。離職者数が0だったら「この企業、きっといい職場かも?」とか高評価をつけるかもしれません。

私は、「残業ゼロで年収600万円」という見出しの記事を読んだことを思い出します。神奈川県内にあり、ワイヤーカット加工機で金属加工を営む社員7人の中小企業の実践例でした。経営者が作業工程や就業形態を見直し、残業代として払うべき賃金を基本給に組み込んだ結果、無駄の排除に取り組むなど従業員のモチベーションが格段に上がり、22時までの残業が当たり前だったのが、定時退勤に加え、社員全員に賞与(ボーナス)も夏・冬100万円ずつ支給、週休3日を検討中というように、劇的に就業環境が変わったとありました。違法な長時間労働が問題視され、働き方改革が広く議論されている中、「残業を前提にすると作業が遅くなる」という経営者の言葉が胸に響きました。また、つい最近、「住宅ローンの金利(利率)が0」という広告を目にしました。利用者からは勿論大歓迎でしょうが、銀行側からのメリットが何なのか疑問に思ったところです。

 

このように「特別な意義」を感じる「数としての0」です。一体誰が0を発見したのか?皆さんもきっとどこかで聞いたことがあるように、古代インドの数学で「0」の概念が確立されているようです。この夏、数学史の本を読んでみるのも一興かもしれません。

                         【校長】

 

*1桁が3桁違いますが、7月31日のニュースで、東京ディズニーランドが1983415日に開園してから34108日目で入場者数が7億人を達成したと報じていました。7億番目のゲストには、認定証や2020年まで有効の特別ご招待券などがプレゼントされたとか。こういう記念すべき数字にこだわる感性が強いのは日本人だけなのでしょうか?

 

0から1を作る数学の演算、0!=1 の他にも cos0=1 とかあります。cosは「コサイン」と読み、高校1年で履修する数学Ⅰの三角関数の分野で学習します。

 

ちなみに、7月10日の記事の注釈で紹介した「どんな数字でも0乗すると1」については、厳密に言うと0だけは相手にしていません。0の0乗、即ち0は、0÷0と同様、不定ということで定義していないのです。

ただし、0=1と(暗黙的に)定義して議論を進める数学の分野も一部あるようで、Googleなどで「0の0乗」と検索すると「1」と主張するサイトに沢山ヒットします。色々悩ましいところですが、少なくとも高校の数学の範囲内では定義しないと考えておいていいと思います。

アクセス数689730 → 402人の皆さんにメッセージ

   酷暑の中に体験入学が行われました。熱中症の発生を心配し、各所に給水所を設けたこともあり、体調を崩す方が出ることもなく、お昼過ぎに無事に閉校式が行われました。


閉校式を見届け、校長室に戻りHPを開いたら、午後0時18分現在のアクセス件数は、689730

「これはすぐにできるじゃない!」と思いながら、いつものように、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみました。

689-730=402 

402とは、本日の体験入学に参加していただいた中学生の皆さんの人数です。暑い中に人吉・球磨だけではなく、遠方からもご参加いただきありがとうございました。

私たちは、「将来、橋を架ける仕事に携わりたいから、本校の建設工学科で学びたい」とか「発電所で電気を作って世の中に貢献したいから、電気科で学びたい」といった、目的意識を高く持った中学生の皆さんに一人でも多く入学してもらえればという願いを込めて、今日の体験入学を企画しました。

目的意識」、これは中学3年になって最もよく耳にする言葉になっているはずです。これから志望校や学科を決定していくと思いますが、今日見たり聞いたりしたことが参考になれば幸いです。

また、今日は、およそ200人の本校生が、説明や案内、給水等で参加してくれました。自分たちの後輩を迎える為とはいえ、貴重な夏休みの1日にボランティアとして参加して、中学生のお世話をしていただきましたことに感謝します。



中学生の皆さんも本校生もこれから夏休みが本格化し、
特にそれぞれ3年生にとっては、これからが正念場です。そんな皆さん方に俳句を一つ紹介します。

中学生の皆さんも本校生もこれから夏休みが本格化し、特にそれぞれ3年生にとっては、これからが正念場です。そんな皆さん方に俳句を一つ紹介します。

 今日も太陽がぎらぎらと照り付け、積乱雲(俗に入道雲)1がモクモクと立ち昇っています。夏本番です。皆さん方は、青空にくっきりと力強く湧き上がる入道雲を見てどのように感じますか。


夏雲の湧きてさだまる心あり

これは本県出身の俳人である中村汀女*2によるもので、83歳の時に母校の第一高校の創立80周年を記念して建立された句碑除幕式で披露された俳句です。母校においでの汀女先生が、次のように在校生に語りかけられたようです。


 【以下は、同校の80周年記念誌からの抜粋です】

「・・・白い湧きたつような夏の雲を見ながら(今は東京に住んでいますが)、私の心の一隅には熊本の夏雲があります。あ~もう夏になったなあ、といふ気持ちの中に、何か心に期するものがあるはずだ、思ひ立つことは実行することだ、そういふ気持ちが湧くといふ気持ちでしょうか・・・」

 確かに、モクモクと高く湧き上がり、迫力のある入道雲を見ていると、自分の心の中に何か確かな志、強い決心のようなものが湧き上がってくるのを感じますよね。この夏、将来の目標を胸に秘め、本校を目指して受験勉強に打ち込んでいる中学3年生、そして決意新たに部活動や進路実現に向け汗を流す本校生に贈りたい句であると思い、ここで取り上げました。

夏休み中に、空を見上げて入道雲が目に入ったら、この句のことを思い起こしていただけると嬉しいです。              

【校長】

*1積乱雲は、地上付近と上空の温度差がもたらす大気の不安定によって生じる雲で、その高さはゆうに10キロメートルを超え、成層圏まで達することもある。大雨や雷、竜巻など激しい気象の変化を伴うことが多く、俗に雷雲と呼ばれることもある。積乱雲は条件が整えば季節に関係なく発生する。一方、入道雲は夏に発生した積乱雲を指す場合が多い(入道雲は夏の季語)。なお、入道雲の「入道」とは仏道に入ることを意味し、入道雲のモクモクした部分の一つ一つが坊主頭のように見えるところから名付けられたといわれている。

*2中村汀女(なかむら ていじょ) 1900M33)年~1988S63)年、熊本県出身の昭和を代表する女流歌人、1980S54)年文化功労者、1984S59)年、日本芸術院賞受賞、名誉都民、熊本市名誉市民

 

アクセス数682962 → 鵯(ひよどり)越えの戦い

 

長い1学期が終わりました。明日から夏休みということで、生徒の皆さん方、心なしかウキウキしているようにも見えます。

そのような中、1学期最後の生徒会ボランティアとして、人吉駅と本校を繋ぐ「ひよどり越え」*1の清掃活動が行われました。この坂道は、右の写真のように約200人の列車通学生が通学路として使っています。

 

私も生徒たちと一緒に汗を流し、校長室に戻り、ホッとしながら何気にHPを見たら、午後2時3分現在のアクセス件数は、682962

 

この数字にとても閃(ひらめ)くところがあり、数字の並びをそのままにして、加減乗除の記号を入れてみたくなりました。

 

6!+8-96÷2=1184 (今回は偶然にいとも簡単にできました!)

 

【注】 中学生の皆さんへ

もう何度も書いていますが、式の中にある""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここに出てくる6!なら、6×5×4×3×2×1を計算します。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

 

「ひよどり越え」と1184の関係

ところで、生徒の皆さん、「ひよどり(鵯)2」は左の写真のような日本全国に生息する身近な野鳥ですが、見たことがありますか?

私、赴任直後からなぜこの坂を「ひよどり越え」というのか、ひよどりが坂の上空を飛んでいる様子を想像しながら疑問に思っていました。

というのも、これは平家物語の中に「鵯越えの戦い」という名で描かれた、今から835年前、即ち1184年3に実際に行われた源平合戦の一コマだからです。(以下、歴史に興味がない人も読んでもらえれば嬉しいです!)

 

鵯越えの戦いとは

寿永3年(1184年)2月7日、源平の戦いにおけるハイライトの一つ「一ノ谷の戦い」が始まりました。職員室にあった山川の日本史の教科書には「平氏追討軍の義経は、摂津の一ノ谷で大勝し、さらに平氏を西国に追い詰めていった」というようにさらっと書いてありましたが、私が高校のとき習った日本史の教科書には多分詳しく載っていたのでしょう。劣勢になった平氏が壇ノ浦の戦いで滅びる過程の戦(いくさ)の一つとして「一ノ谷の戦い」を詳しく教わった覚えがあります。「一ノ谷の戦い」は、源義経(みなもとのよしつね)が「鵯越の逆落とし」を行った戦いとして覚えています。

今回この記事を書くに当たり改めて調べてみると、一ノ谷は兵庫県神戸市須磨区に所在し、その古戦場跡は須磨浦(すまうら)公園として整備されていることが分かりました。また、鵯越町も隣の兵庫区内に実在し、鵯越小学校、神戸電鉄鵯越駅のようにその名が今も残っています。

 

それでは、どのような戦いだったかを、この地に例えて簡単に説明します。

本校や隣の人吉西小学校が所在する村山台地(高台)から人吉市街を見下ろし、「ひよどり越え」も写っている左の写真をご覧いただきながら、村山台地に源氏軍が陣取り、下手にあたる人吉駅当たりに平家軍が陣取ってにらみ合っている構図を想像してみてください。人吉駅の少し先には球磨川がありますが、そこは海(瀬戸内海)だと思わなければなりません。

 

台地から見下ろすと断崖は急坂で、馬に乗ったまま平家軍を攻めることは無理そうです。そこで源氏軍を率いる源義経は、どのような戦術をとったのか・・・。

義経は地元の猟師に「鹿が通れる道はありますが、馬はちょっと・・・(無理)」と聞き、「鹿が通れるなら馬が行けないわけがない!同じ四足(よつあし)ではないか。突撃!!」と号令をかけ、義経のあとには三千騎が続き、人馬もろとも怒濤(どとう)の勢いで急斜面を一気に駆け下がり、油断をしていた平家軍の背後をつき源氏軍を勝利に導いたのです。こんな会話が聞こえてきそうです。

 

「義経様!どうされますか?」

「この崖を・・・降りる」

「!!??」

「この崖を一気にかけおり、奇襲をもって平氏軍を打ち倒す!」

「義経様!そ…、それはあまりにも無謀では。この急斜面、馬で降りれるものでしょうか!?」

「無謀ではないぞよ。鹿がこの崖を降りていると聞いた。鹿が降りれるのに馬が降りれぬわけはない。ゆくぞ!」

「よ…、よしつねさ・・・」

「いざ!皆の者!ゆけ~い!!」

「うおおおおおお!!! バカッバカッ バカッ バカッ !!!!」

 

これは、私が高校の時の日本史の先生の口調を思い出しながらテープ起こしをしたものです。登場人物の声色を使い分け、身振り手振り交えて面白おかしく漫才のように演じてくれる先生でした。最後に口癖のように「きっとそんな会話があったのかもしれません・・・」とおっしゃり、現実に引き戻されていました。

そんな授業を受けると嫌が上でも記憶に残るもので、事実40年経っても覚えています。この流れからして、最後は次のように締めくくられたはずです。

 

平家の慌てぶりは尋常ではなく、弓や矢を取ることもなく、他人の馬に乗ったり、つながっている馬に乗ったりして、とても武士とは思えない体たらくで、散り散りになって海に向かって逃げて行ったのでした。

我先に船に乗り込んだことから、定員超過で沈没する船が続出、先に乗り込んだ者があとから乗ろうとする者を切りつけるなどしたため、海岸は赤く血に染まったことは言うまでもありません。これが前代未聞の奇襲「鵯越の逆落とし」であります。チャンチャン。

 

皆さんもそんな卓越した話術を持った先生に習うときっと歴史の授業が好きになると思いませんか?

 

話を戻します。こうして大打撃を受けた平家は瀬戸内海に追い込まれ、さらに西へ逃げ、勢いに乗る源氏はそれを追い、次のハイライトである屋島(現在の高松市のあたり)で再び戦い、そしてついに、1185年に壇ノ浦(本州と九州の間、関門海峡のあたり)で滅びるのです。

そういうことで、本校関係者は普通に「ひよどり越え」と呼んでいますが、そのような歴史4を踏まえておくと、坂の名前一つでも味わい深いものがあるのではないかと思います。ただ、いつごろ誰があの坂を「ひよどり越え」と名付けたのか、人吉市史や本校の30周年記念誌などで調べましたが結局分かりませんでした。それどころか大変意外な事実を知りました。そのことについては、またいつかの機会に紹介します。

【校長】

 

 「ひよどり越え」を、測量サークルの生徒の皆さん5人に7月15日(土)に測量してもらっていました。それによると、一番下から一番上の段までの標高差は約40.136mで、全長153.41mでした。全部で365段の階段がありますから、1段当たり約11cmという計算になります。

一気に2~3段ずつ登れるところも多いので、高校生の足の実測値では登りに4分、下りで3分15秒といったところです。ただ、雨の日は滑りやすいので、安全のため1段1段踏みしめながら歩くのがいいのかもしれません。

 

 

2 ひよどり(鵯)は、何で「卑」しい「鳥」なんていう字を書くのでしょう?ヒヨドリの生態が、字の成り立ちと関係があるのでしょうか?鳥の本で調べたところ、次のようにありました。

「鵯」の左の「卑」という字は、正確には「卑」の旧字体であり、古典語義で「低い」という意味を持ちます。「卑しい」の意味は「低い」から派生したもので、「背の低い鳥」という意味で「鵯」と書くのだそうです。

ひよどりは日本人には古くからの馴染みで、人に慣れるのも早く、平安時代の貴族たちが好んでペットにしていたとありました。ちなみに、英語ではbulbulと綴り「ブルブル」と可愛らしく発音する単語になります。

 

 

3  「ひよどり越え」の清掃活動のまさにその最中、偶然にも下の駐車場に1184のナンバーをつけた車が止まっていました。そのこともこの記事を書こうというモチベーションをぐっと引き上げました。

 

 

4 「鵯越えの戦い」の話は、困難に出会っても柔軟な発想で解決できるという教訓的な話でもあると思います。しかし、ある動物学の専門家が次のように語っています。「鹿と馬を同一と見るのは明らかな間違い。鹿は急斜面に対応できる身体をしているが馬はそんなことはない。そもそも蹄(ひづめ)の形が違う。重さも違う。まったく無理な話。鹿が通れるなら馬も通れるなどという話を信じたら大怪我をする。実際は鹿などが通る「ケモノ道」を見つけて、それを利用したに違いない・・・」と、にべもありません!「馬鹿」はこんなところに語源があるのかもしれないとか思ったところです。

等加速度直線運動の公式の憂うつ

先週の研究授業週間中、2年生の物理基礎では、実験をとおして等加速度直線運動を学習していました。

レールとビースビ(ラップタイムを計測する機器)2個を配置した木材を実験台の上に斜めに置き、小球を転がし、ストップウォッチで時間を計測して加速度を計算で求めるというものです。班ごとに協力しながら、実に楽しそうに実験をしていたのが印象的でした。

「自分が高校の時もこんな実験をしたのかな?」と、記憶の糸を手繰(たぐ)りましたが、結局思い出せませんでした。それどころか、これから導き出される様々な運動(自由落下、鉛直投げ上げ、鉛直投げ下ろし、水平投射、斜方投射)の数々の公式に苦しめられた辛い思い出だけが甦ってきました。

 板書もしてあった次の3つの公式が基本になることは確かなのかもしれません。

① v=v0+at    ② x=v0t+1/2at2   ③ v2-v02=2ax
 
 
 

ちなみに、②は、速度の式 v = v0 + atv-tグラフに描き、グラフで囲まれた面積からも公式を導くことができますし、また、将来3年生になって微分積分を習うと、①と②の関係には、味わい深い関係があることが分かったのですが、当時はこの3つの公式すら、いい語呂あわせ、もしくは覚え方はないのかと恨めしく思っていました。しかも・・・

③は①と②からtを消去した式で、①からt = (v- v0)/a、これを②に代入して(数学が苦手な人にとっては少々面倒と感じるかもしれない)ちょっとした計算の末に得られます。手元の参考書には、「この③が最も覚える値打ちのある式である。時間を含まないで各量の間に成立する関係式を表しているので利用価値も高い。この式を覚えてないと、いちいち時間tを求めなくてはならなくなる・・・」とかあります。しかし、速度の2乗と初速度の2乗の差が、変位(移動距離)に加速度を掛けたものの2倍になるというが、(直感的に)どういうことを意味するのか今でもよく分かりません。

2年生はついこの前終わった期末考査の数学で、三角関数の加法定理など沢山の公式に苦しんだはずです。そういうことで、「杞憂であればいいけど、物理嫌いが出てこないといいけどな・・・」とか思いながら、参観した次第でした。

【校長】

 


 

アクセス数666666 → 今日はオイルの日

 いつも本校のホームページにお越しいただき
りがとうございます。

666666とは、本日7月10日(月)15時57分現在の本校のHPのアクセス件数です。こういう綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなります。

朝のテレビで今日は「納豆の日」と報じていました。“ナナ”と“トオ”で納豆、なるほど笑わせます。でも、工業高校で学ぶ皆さんとしては、日本石油工業共同組合が定めた「オイルの日」(OILを半回転させるとそう見える)にも着目してほしい*1という願いを込めて、今日の日付の710を作ってみることにします。

 

666+6×6+6=708 (惜しい、2不足)

6!-6-6+6(6-6)=709 (あと一歩)

6!-{(6+6+6)÷6+6}=711 (あれ~今度は1オーバー)

(6+6)÷6+6!(6+6)=710 (苦戦の末に完成)

 

ということで、今回は30分ほど考え込んでしまいましたが、やっと完成しました。できればスッキリです。必ずできるはずとの信念のもと、諦めずに挑戦する姿勢が大事ということかもしれません。

 

【注】 中学生の皆さんへ

(もう何度も説明しているところですが)2~4番目の式に出てくる""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここに出てくる6!なら、6×5×4×3×2×1を計算します。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

ちなみに、2番目の式の中にある 6(6-6)は、6ですから1になります。どんな数も0乗すると1になります。高校の数学で詳しいことを学習しますが、今は約束みたいまのものと覚えておいてください。

 

ところで、666666を素因数分解すると、2×32×7×11×13×37ですから、約数は、1, 2, 3, 6, 7, 9, 11, 13, 14, 18, 21, 22, 26, 33, 37, 39, 42, 63,66,74, 77,78, 91, 99, 111, 117, 126, 143, 154, 182, 198, 222, 231, 234, 259, 273, 286,333, 407, 429, 462, 481, 518, 546, 666, 693, 777, 814, 819,・・・(途中略)・・・,15873, 17094, 18018, 20202, 25641, 30303, 31746, 37037, 47619, 51282, 60606,74074, 95238, 111111, 222222, 333333, 666666の96個です。

 

6のぞろ目の6桁の整数ですから、66や666で割り切れることは一目瞭然ですが、77や777で割り切れることは素因数分解するまで見破れず、意外な感じがしたところでした。

 

では、生徒の皆さん方に、今申し上げたことに関連した問題を出題します。

次の計算をしたら、答えはどうなると思いますか?直感(山勘)で次の三択の中から選んでください。

 

666666×666666)÷(12345654321)-

777777×777777) ÷(1234567654321)=

 ①5555555  ②0  ③1234321

(答えはここには書きません。興味がある方は電卓をたたいてみてください!)

 

話は大きく変わりますが、皆さんは666666という数字を見て、どのようなイメージを持ちますか。

テレビのCMでよく聞く日本直販テレビショッピングの通販フリーダイヤル:0120-666666)を思い出した人もいるかもしれませんし、真ん中で切って、「666が2回連続している・・・」というのは、ごく普通の反応かもしれません。

では、その666だったらどうでしょう。何をイメージしますか。私なら・・・

 

   現在日本で流通しているコインの額面の和

500円硬貨+100円硬貨+50円硬貨+10円硬貨+5円硬貨+1円硬貨=666

   最初の7つの素数の平方和(意外に有名です!)

666 22+32+52+72+112+132+172

○ 0から666まですべてを加算した総和は2221110から666までのうち偶数だけを加算した和は111222(これも数学の雑学の本にはよく紹介されています)

 

などは明るく楽しい話題としてすぐ思いつきます。

しかし、666という数字は、実はキリスト教の新約聖書のヨハネ黙示録の中で、「獣の数字」として記されているらしく、悪魔や悪魔主義的なものを指す数字とされ、キリスト教徒にとっては13と並び大変忌み嫌われているようです。だからでしょうか、悪魔崇拝の組織は、この数字を使って様々な陰謀を企てているとか、とても恐ろしい裏の世界があるようです。ここで紹介するのはとても憚(はばか)られます。どうしても興味がある人は「666」で検索してみてください。数字の神秘に驚愕するはずです。

 

デジタル時計で111(1時11分)と目にしても、ぞろ目に特に関心がなければ何とも思わないかもしれません。222、333、444、555でもそうでしょう。でも666だったらどうでしょう。偶然にでも見てしまったら、多分背筋が凍り付くはずです。555の次のぞろ目は1111(11時11分)、2222(22時22分)しかあり得ないわけですから。

【校長】

 

 

*1 昔、機械科教師として教壇に立っていた頃、機械における潤滑油の働きを懸命に指導していました。現在のクルマのエンジンは、10万キロや20万キロ位はほとんどトラブルなく走れるほど優秀です。でもそれは、定期的なオイル交換を怠っていなければ・・・という条件のもとですから。 

 一般的に、機械の動きを良くするためには、物と物との摩擦を減らす必要があります。その役割として使う油(潤滑油:lubricant [ルーブリカント])は、機械をスムーズに動かすために欠かせない存在です。潤滑油には、機械の摩擦や摩耗を防止するだけでなく、機械のさびを防いだり、稼働する機械を冷やしたりする効果もあります。さらに、接触し回転する機械同士の隙間を埋める密封作用と呼ばれる効果もあります。

アクセス数654321→わが身世にふるながめせしまに


  いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

654321とは、6月30日(金)18時17分現在の本校のHPのアクセス件数です。

各桁の数字が綺麗に降順に並ぶこの記念すべき数に達するのは、8月11日頃か?と4月3日にアップした記事の中で予想をしていました。しかし、当時のアクセス数750件/dayの倍近い平均1350件/dayのアクセスが6月になって続いたこともあり、予想よりも40日以上も早く届きました。

ちなみに、654321*1は、各桁の数の和が21(3の倍数)ですから3で割り切れますので素数ではありません。しかし、こういう綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなります。どういう数字を作ろうかと悩みましたが、今年も半分過ぎたということで、今年の西暦2017を作ってみようと思いました。

÷4+3×21=2007 (10不足!)

65×(4÷2―1)=2015 (惜しい、2不足)

(6!―54)×3+21=2019 (あれ~、今度は2オーバー!)

【注】 中学生の皆さんへ

3番目の式の中にある""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここに出てくる6!なら、6×5×4×3×2×1を計算します。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

・・・・・・・・・・・・

数時間の格闘の後、ついにできました。「やっとできた!!!」と興奮冷めやらないうちに式を忘れないようにメモをしました。ところがです。何とその紙切れを誤ってゴミ箱に捨ててしまいました。焼却炉の中で灰になっているはずです。

色々思い出しながら何度も再チャレンジしましたが、結局できませんでした。こういうのを「再現性がない」と言って、理系の人たちは一番軽蔑するのかもしれないとか思いながら、今とても悔しい思いをしています。

話は変わりますが、新年を迎えると、その年の西暦を織り込んだ整数問題や年賀パズルを作ったり解いたりして楽しむ人たちがいます。

私は昔から小町算*2が好きなので、1から9の全ての数字をこの順に並べて加減乗除等の記号を入れてその年の西暦を作る問題に毎年挑戦しているのですが、これがなかなか苦労します。昨年は2017を作るのに、土日など全部で100時間位は費やしたはずです。苦労の末やっと1つだけできていました。これです!

1+2×34×5×6-7-8-9=2017

年が明けてネット上等で公開される全国の精鋭たちの美しい数式をみると、本当に凄い人がいるな・・・と毎年感心します。一例をあげます。

12+345×6+7-8×9=2017

-1×2+3÷4×5×67×8+9=2017(最初に-[マイナス]okバージョン)

1+(2-3)×4×(5-6)×7×8×9=2017 (括弧もokバージョン)

9-8+7÷6×54×32÷1=2017(逆小町算と呼ばれています)

2018年が半年後に迫りました。生徒の皆さんも2018になる小町算に挑戦してみませんか?

紙と鉛筆があればすぐできます。モチロン、電卓があれば便利です。でも、なかなかうまくいかず、試行錯誤の連続になること間違いなしです。コツは30分やってみてできなければ、一旦全て白紙に戻して別のことをします。そしてまた次の日にやってみるのです。そうすれば意外にできたりします。完成したらすっきり気持ちがいいですよ!その快感・達成感を是非味わってほしいと思います。

私は既に1つだけ完成していますが(12×34×567892018)これ以外で綺麗な式ができたら校長室に見せに来てください。一緒に観賞しながら努力を讃えあいましょう。

【校長】


*1「654321の平方根は何桁の数か」という問題を中学の時の数学で先生が問題に出してきたことがあります。皆さんだったらどう解きますか。確か次のような解き方で「3桁」を導くことを習った覚えがあります。

2桁×2桁の最大数=99×99=9801

4桁×4桁の最小数=1000×1000=1000000

654321はこの2つの数字の間にあるので3桁。ウンウン、なるほどそうきたか(^^)


*2本文の中にも書きましたが、「小町算」とは1から9までの数を1回と、+- × ÷ の計算記号を用いて、100の答えになる計算の式を作る遊びです。

このとき、1から9は順に並んでいることが条件です。34や789のような数も利用できます。きっと小中学校のときにやったことがある人がいるはずです。

下に解答例を紹介しますが、他のパターンを皆さんも頑張って考えてみてください。

12+3+4+5-6-7+89=100    (このような標準的なパターンで101通りあるそうです!)

-1+2+3+4×5-6-7+89=100   (最初にマイナスが付くことを許すパターンは61通り)

(1+23-4)×5×(6-7)×(8-9)=100 (括弧まで許すと一体何通り可能なんでしょう?)

 1÷2×3×4+5×|6-7|+89=100     (さすがに絶対値は反則と言われるかも・・・?)

話は変わりますが、これがなぜ「小町算」と呼ばれるか御存知ですか?

小野小町(おののこまち)は、今から1200年程昔の平安時代の実在の歌人です。幼い頃から歌や踊りはもちろん、琴、書道となんでも上手だったそうです。絶世の美女だったそうで、我が国では、エジプトのクレオパトラ、中国の楊貴妃(ようきひ)と並んで「世界三大美人」と称されることでも有名です。しかし、小野小町が実際に小町算を解いたかどうかは定かでありません。それなのになぜ「小町算」と呼ばれるのか・・・?

いくつか語源が考えられているようですが、小野小町が深草少将(ふかくさのしょうしょう)に「自分のもとに100夜続けて通えば結婚してあげます」と約束し、その男性が99夜通って、あと1夜というところで亡くなってしまった! という話にちなんでいるという説が有名です。

また、美しくならんだ数字を計算すると、これまたきれいな数字の結果(100)が出てくるというのは感動さえ覚え、昔の人(小町算は江戸時代の寛保年間[1743]には既に知られ、そう呼ばれていたそうです)は、そこに絶世の美女、小野小町を彷彿(ほうふつ)したのかもしれません。

100は確かに綺麗な数ですが、完全(100%)という意味で好きな人は多いはずです。100点は何回取っても学校で勉強をする身にとっては嬉しい数字でから。

ちなみに、100(=10=6+8)は10の平方数であり、2つの平方数の和になります。即ち、直角三角形の3辺の比が3:4:5の2倍の6:8:10もピタゴラス数ということです。

生徒の皆さん、100は最初の9つの素数の和(100=2+3+5+7+11+13+17+19+23)とか、100は最初の4つの自然数の和でもある(100=1+2+3+4=1+8+27+64)とか知っていましたか?美しいだけでなく、色々と面白い性質をもった数でもあります。

でも、私は、「こんなものに没頭していると、いつの間にか年を取ることも忘れて、おばあさん(おじいさん)になってしまうよ!」という警告であるという説が一番腑(ふ)に落ちます。ちょっと考えてみると、作る数が大きな数になればなるほど、式を作るのが難しくなってくることが予想されます。ちなみに、括弧や累乗を許さない標準的な小町算で1桁多い1000は、次の1通り(-12+34×5×6-7+8-9=1000)しかないと、コンピュータプログラムで解析したある同好家のサイトにありました。

そういうことを知らずにやっていると時間ばかり浪費するわけです。そのことを踏まえたうえでこの被虐的なネーミング「小町算」の由来を理解するには、百人一首にも取られている小町の次の和歌の知識が必要です。色あせた桜に老いた自分の姿を重ねた歌で、聞いたことがある人も多いはずです。

 

花の色は うつりにけりな いたづらに

  わが身世にふる ながめせしまに


【現代語訳】

桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。

【鑑賞等】

【ながめせしまに】「眺め」は「物思い」という意味と「長雨」の掛詞(ダジャレ)で、「物思いにふけっている間に」と「長雨がしている間に」という2重の意味をかけています。

栄え咲き誇った桜の花も、むなしく色あせてしまったわね。私が降り続く長雨でぼんやり時間をつぶしているうちに。(かつては絶世の美女よ、花よと謳われた私も、みっともなく老けこんでしまったものね。恋だの愛だの、他人との関わりのようなことに気をとられてぼんやりしているうちに)

【現代語訳等の出典http://www.rakuten.ne.jp/gold/ogurasansou/hyakunin/009.html

             

小町算以外にも「111×11112321」(答えが12321)なども面白い計算ですが、それはまたいつかの機会に。

 

アクセス数640221 → 考査1週間前

    いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

今朝5時15分現在のアクセス件数は、640221

数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなりました。

 

(6+0)÷2―21=627

 

627(6月27日)とは期末考査が始まる日で、今日(6月20日)はその1週間前です。部活動も「学習時間の確保」に配慮して早めに切り上げることになりますし、早朝の勉強会が始まった部もありました。

特に3年生は、考査後に計算する「評定平均」に一喜一憂するようになるでしょうし、それはそれで大事な姿勢かもしれません。

何はともあれ、納得いく結果が出るように、ラケットやバットをシャープペンに持ち替えて精一杯頑張ってください。

 

話は変わりますが、梅雨前線が北上して久々の雨です。傘を持って登校している生徒たちを見ながら、「さすがは球磨工生、天気予報のチェックの怠りはないな・・・!」と感心しました。

そして、明日21日は昼間が一番長い夏至。まだ、これから暑くなるのに、明日を境に日が短くなっていきます。まだ頂点と思っていない時に夏の頂点が来てしまい、小さく秋が始まることに、不条理感と言えば大げさですが、何かやりきれなさみたいなものをいつの頃からか感じるようになりました。生徒の皆さん方はいかがですか。

【校長】

616161 → 水無月

いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

616161とは、月がかわった本日6月1日(木)11時15分現在のアクセス件数です。

「まるで今日の日を待っていたかのように616161とは何と縁起がいい!」とか考えながら、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなりました。

 

61+61―61=61  6月1日 全く面白くありません。

6+1-6+|1-61|=61 → 6月1日 絶対値は反則なのかも?

(6-1)!÷(6―√16)+1=61 → 6月1日 今日の会心の出来!

 

【注】 中学生の皆さんへ

2番目の式の中にある"||"の記号は「絶対値」です。中学1年の数学で正の数、負の数を学習したとき、この言葉は見受けたことがあるはずです。数直線上の(原点との)距離(の差)を表し、|-4|=4とか学習しましたよね!

絶対値の問題では、絶対値の記号"||"をはずして計算をすることが多くあります。そのはずし方、3通りあります。

①絶対値の中が0より大きい場合は、|3|=3のように絶対値の記号をはずすだけ。②絶対値の中が0の場合は、|0|=0のように0になります。③絶対値の中が0より小さい場合は、|-4|=|(-1)×(-4)|=4のように、中の数字に-1をかけてから絶対値の記号をはずします。-をとるのではなくて、-1をかけるというのが"みそ"です。

先日、1年生のある教室の数学では、|√22|の絶対値をはずす授業をしていました。√2はおよそ1.414です。それから2を引きますので絶対値の中は0より小さくなります。従って|√22|=|(-1)×(√22)|=-√2+2(=2-√2)となります。中学生の皆さんにはちょっと難しいかもしれませんが、大丈夫ですよね!このくらい。

 

3番目の式の中にある""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここに出てくる(61)!即ち5!なら、5×4×3×2×1を計算します。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

 

6月、あじさいが夢見心地に咲く梅雨(つゆ)の時期になります。雨音を聞きながら本を読んだり、眠りに落ちたりするのが好きな私は、6月は最も好きな月の一つです。

数十年前、中学で初めて古文を学習したときに、睦月・如月…という旧暦を暗記させられました。6月は水無月(みなづき)です。先生が「6月は雨がたくさん降る時期なのになぜ『水の無い月』と書くのでしょう?」と皆に問いかけられました。「確かにそうだよね」と思いました。

「水無月」の「無」は「の」にあたる助詞ですから、「水無月」は「水の月」ということになります。田植えが済み、田に水を張る必要があることから「水の月」→「水無月」と呼ばれるようになったといった趣旨の説明だったはずです。しかし、今日、ウィキペディア等で改めて調べてみたら、その他にも様々な説があるようです。

旧暦の月は梅雨明け後で夏の盛りであることから、水が涸れて無くなる月であるという説

田植えなどの農作業をみんなやり尽した「皆仕尽(みなしつき)」が変化

雷が多いことから「雷月(かみなりづき)」が変化

そのように説明を受けると、どれも正しいような気がします。

睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走。旧暦に風情を感じるのは、その月にふさわしい呼び名だからかもしれません。大人(高校生)の常識として覚えておくべきことだと思いますが、生徒の皆さんは全部言えて、正しく漢字で書けますか?

 

そう言えば・・・、結婚当初、旅行に行く計画を立てた際、妻は「晴れるといいな」と、てるてる坊主をつり下げていたことがありました。「この人、こんなことをするんだ」と苦笑したことも思い出します。ジューン・ブライドでした。

 

最後に・・・、食中毒に注意しましょう。特にお弁当の管理!

【校長】

 

613557→5月28日(業平忌・辰雄忌)

今現在、午後2時5分現在のアクセス件数は、613557

数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなりました。

 

613-5!+5×7=528 → 5月28日

 

【注】 中学生の皆さんへ !は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習しますが、例えばここに出てくる5!なら、5×4×3×2×1を計算することになります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

今回はあまりにも簡単に528ができあがったので唖然としましたが、今日5月28日と言えば文学忌*1の一つ「業平忌」です。

 

その話をする前に・・・

前任校で春休みの宿題に「あなたが一番好きな歴史上の人物を一人取り上げて、その生涯やどのような点が好きなのかレポート用紙5枚程度でまとめなさい」という課題を出される先生がいらっしゃいました。どのような人物が高校生に人気なのかと気になりました。大河ドラマに取り上げられていた平清盛とかかな?と思いながらレポートを見せていただいたところ、徳川家康が多く、意外だな・・・と思った記憶があります。

皆さんだったら誰を取り上げますか。私、今だったら在原業平(ありわらのなりひら)にするかもしれません。でも、業平をよく知らなかった(あまり関心がなかった)高校の頃だったら誰にしただろうとか考え込んだところです。

 

在原業平は、伊勢物語(本校では2年生の国語総合で2学期に学習する予定と聞いています)のモデルとされている実在の人物で、和歌に優れ六歌仙*2の一人でもあります。今から約1,200年前に生きたこの方、天皇の血を引く由緒正しい実在の貴族なのですが、既存の風習にとらわれず、56歳の生涯の中で多くの女性(一説には3,733人)と関係を持っていきます。一夫多妻制の当時の結婚形態を考慮に入れてもスゴイの一言ですが、別にそういう所に憧れるのではなく、反骨の精神で自由奔放に、そして風流に生きたその生き様に心惹かれるわけです。実は、今日5月28日はそんな業平の命日とされる日なのです。

業平が晩年を過ごした京都市小塩の十輪寺では、毎年この日に「業平忌」を営み、平安王朝時代の歌聖業平を偲んでいます。今年は日曜日に当たりましたが、10年ほど前、土曜日だった日にそのお寺を訪ねたことがあります。全国から集まった本堂に入りきれないほど沢山の業平ファンが境内から見守る中、住職が三弦を弾きながらお経(般若心経)を唱え始めると、木漏れ日に薫風が葉影を揺らす中、鶯(うぐいす)のさえずりだけが聞こえ、異空間に迷い込んだ気がしました。

彼が関わりを持った女性たちも、そのことで運命が分かれ、幸・不幸様々な人生を送ったに違いないと、胸に迫るものがあったことも静かに思い出しました。業平が生きた年月よりも1つ多く齢を重ねてしまった今、「貴方にとって恋愛とは何だったのか?」と訊いてみたい気がします。

 

話は大きく変わりますが、作家の堀辰雄が昭和28年5月28日、肺結核のため享年48歳で亡くなっており、今日は「辰雄忌」でもあります。

中には「堀辰雄なんて聞いたことないよ・・・」という人がいるかもしれません。でも、数年前に大ヒットした宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」は見たことがある人も多いはずです。これ、実在の人物である堀越二郎をモデルにその半生を描いたものでしたが、堀辰雄の小説「風立ちぬ」からの着想が盛り込まれていたと知ると、きっと身近に感じるはずです。実際、映画のポスターには、「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」と印刷してありました。

余談ですが、「後期一般入試を受けて入学した1年生は、全員が堀辰雄の『風立ちぬ』*3の抜粋を読んで入学している」と言ったら、驚くかもしれません。

 

実は・・・

この3月に実施された熊本県公立高校入試の国語で、この「風立ちぬ」からの抜粋でしょっぱなの問題が作問されていたのです。「一朝一夕」にふりがなをつける問題がありましたよね!できていましたか?

 

そんなこんなでもうすぐ5月も終わり。衣替えの季節です。夏服への移行期間ということで、ざっと見て8割以上の男子生徒が白い開襟シャツを着ています。

高校総体もサッカーなど先行実施分が始まり、順当に勝ち進んでいるようです。保護者の皆さまには、暑い中ご声援をいただきありがとうございました。

学校の四季の中で皆さん方が一番輝く季節の到来です。文武両道で頑張ってください。                      【校長】

 

*1文学忌(ぶんがくき)とは、作家の命日をその雅号やペンネーム、代表作などにちなんで、その文学的な業績を偲ぶ日としたものです。国文学の専門家の手帳のカレンダーには、文豪の文学忌や誕生日がびっしり書き込まれているとか聞いたことがあります。

もし、皆さん方の中に「桜桃(おうとう)忌」とか聞いて、「太宰治大先生!」とか言い出す人がいたら、相当なファンなのかもしれません。桜桃忌はもうすぐ6月13日、さくらんぼが美味しい頃です。

 

2六歌仙(ろっかせん)とは、平安時代の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう:天皇や上皇の命によって編集された歌集)である「古今和歌集(こきんわかしゅう)」の序文に名前が挙げられている 6人の歌人をいいます。具体的には、正遍照(そうじょう へんじょう)、原業平(ありわらのなりひら)、屋康秀(ふんやのやすひで)、撰法師(きせんほうし)、野小町(おののこまち)、友黒主(おおとものくろぬし)です。

試験で名前を問われることがあり、「大いに喜べ 小僧の分際(おおいによろこべ こぞうのぶんざい)」→【変換】いにべ 在 などと覚えたものですが、皆さん方はどのように暗記しているのでしょうか?

 

*3モチロン、「風立ちぬ」は「風が立たない」という打消しの意味ではなく、「あっ、風が吹いた!」という意味です。36年前、グリコ・ポッキーCM曲として松田聖子さんが歌った同名の曲が、後に爆発的にヒットしたことがありました。大学生だった当時、友達同士での「風立ちぬってどういう意味だろうね?」という会話の中で、何気に打消しで訳したところ、「あんたの文法、相当ヤバい!」と笑われたことがありました。

祝 アクセス数600000件達成


いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。



  600000とは、5月19日(金)23時35分現在の本校のHPのアクセス件数です。
 

50万件を達成したのは、今年の1月30日(土)でした。従って、1日平均917件という県下の公立高校の中では最高水準のアクセスを日々いただきながら順調に数を増やし、109日(約3ヶ月半)で10万件を積み上げたことになります。

私が球磨工業高校の驚異的なアクセス数に気付いたのは、前任校に勤務していた平成27年10月頃で、20万件にもうすぐ届こうとしていた頃でした。当時から球磨工のアクセスデータを記録して、どうすればこのように多数のアクセスを頂戴できる魅力的なホームページになるのか分析していました。

それによると、本校のアクセス数は、次のような経緯をたどっています。

200000 2015年【平成27年】10月14日

   ↓

   ↓              177days(1日当たり564件)

   ↓

300000 2016年【平成28年】4月8日

   ↓

   ↓              157days(1日当たり637件)

   ↓

400000 2016年【平成28年】9月12日

   ↓

   ↓              140days(1日当たり714件)

   ↓

500000 2017年【平成29年】1月30日

   ↓

   ↓              109days(1日当たり917件)

   ↓

600000 2017年【平成29年】5月19日

ここでクイズです。現在のペースがあまり落ちなければ東京オリンピックの開催の年である(2020年【平成32年】)までに桁上がりして100万(1,000,000)件が到達できるのでしょうか?

ざっと暗算しても達成できることがお分かりと思いますが、一応電卓を叩いて確認してみます。

残り40万÷917=436日ということで、100万件の達成は来年、2018年【平成29年】の7月28日前後だと思われます。

ところで、600000という数字は、妙に惹きたてられるものがあります。素因数分解をしてみました。

600000=2× 3 × 5 

従って、約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 15, 16, 20, 24, 25, 30, 32, 40, 48, 50, 60, 64, 75, 80, 96,・・・・・(途中省略)・・・・・, 40000, 50000, 60000, 75000, 100000, 120000, 150000, 200000, 300000, 600000 84個あることになります。

そう言えば、私は名前が西で、その擬音語(onomatopoeia:オノマトピア)の数字表記である24(ニシ)で色々と遊んでいたら、次の面白いことに気付いていたことを思い出しました。

●とりあえず24の2桁を足してみます。

2+4=6

●24の約数を全部足してみます。

1+2+3+4+6+8+12+24=60 「アレっ!」

●24同士を掛けたり足したりしてみます。

24×24+24=600 「何とまぁ!!」

それ以来、この600000(60万)の弟的な存在である60600にも愛着を持っています。生徒の皆さんは、それらの数字を目にするとどんなことを思い出しますか?人によってかなり違うと思いますが・・・、私がパッとおもいつくものをそれぞれ6個ずつ挙げてみます。

「第交響曲」・・・くま川鉄道で土日に1日1本運行される観光列車「田園シンフォニー」ではベートーベンの交響曲「田園」をBGMで聴きながら美しい田園風景が楽しめます。普段の運行では流れていませんが、「日本一心豊かな通学列車」と言われるこの列車で約190人の本校生が通学しています)

×1023」・・・アボガドロ数(原子、分子、イオンなどの物質粒子1mol[モル]中に含まれるそれらの粒子の数:1年次の化学基礎で勉強します)

は完全数*1」・・・6321

月の花嫁」・・・June bride(ジューン・ブライド:6月に結婚すると幸せな結婚生活を送ることができるという西洋の言い伝え)

は母性の象徴」・・・胎児をお腹に抱える妊婦のイメージ。暖かさ・優しさ

は西洋では悪魔の数字」・・・「悪い」や「無い」を意味する忌み数(不吉な数として忌避される数)であると聞きます。(日本の4「死」や9「苦」みたいなもの?)

60進数」・・・1分は60秒、1時間は60分

60Hz(ヘルツ)」・・・西日本地域の商用交流電源の周波数(電気のプラス、マイナスが1秒間に60回入れ代わっています。その入れ替わる回数を周波数(単位:Hzヘルツ)と言います)

60度は(30度、45度とならぶ)有名角」・・・三角定規の角度でもあり、cos60°=0.5とか1年次の数学Ⅰで学習します。

60兆個」・・・体重「60kg」の平均的男性の細胞の個数(割り算して細胞1個当たりの重さを計算してみたいと思う人は多いかも?)

「結婚60周年」・・・ダイヤモンド婚

60歳からの人生の再設計」・・・還暦を迎え、定年退職した後の老後をどう楽しく送るかは国民みんなの課題

600の前後の数599と601」・・・双子素数2

600円」・・・ 500円+100円(異なる日本円硬貨2枚で作ることのできる最大の金額)

CBR600RR」・・・ホンダの600ccのスポーツバイク(昔、同僚の先生が乗っていました。ナナハン並みのパワーがあるとか。現在生産中止)

600or 600形」・・・電車の形式(新幹線は欠番)

TOEIC600点」・・・社会人が仕事と両立させながらとりあえず目指す点数

「年収600万円」・・・埼玉県では、30代は年収600万円あって「人並み」の生活ができる。(最近の朝日新聞の記事で印象に残っています)
                                     
【校長】

*1完全数とは、自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数のことです。映画化もされた小川洋子著「博士の愛した数式」で話題になりました。

完全数の最初の3個は 6 (= 1 + 2 + 3)28 (= 1 + 2 + 4 + 7 + 14)496 (= 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 31 + 62 + 124 + 248) です。ウィキペディアによると、「完全数」は「万物は数なり」と考えたピタゴラスが名付け親ということですが、彼がなぜ「完全」と考えたのかについては何も書き残されていないということです。何が「完全」なんでしょうか、気になっています。

2双子素数とは、差が 2 である2つの素数の組のことです。小さい順に(3, 5), (5, 7), (11, 13), (17, 19), (29, 31), ・・・というように双子素数は無限に存在するように思えます。

ウィキペディアによると、素数が無数に存在することは古代ギリシャの時代から分かっていて、ユークリッドの『原論』にその証明があるんだそうです。これに対し、双子素数は無数に存在するかという問題、いわゆる「双子素数の予想」は、いまだに数学上の未解決問題で、「無数に存在するだろう」と多くの数論学者が予想しているということです。

ところで、(3, 5) を除く双子素数は (6n 1, 6n + 1)n は自然数)の形で表せるということに気付きましたか?