校長室(管理職)ブログ

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【地域行事】 「抜穂祭」

 10月16日(日)に鹿本町で新嘗祭の一環である抜穂祭がありました。6月に行われた御田植祭同様、本校からも中学部生徒2人、高等部生徒2人が田男として参加しました。生徒達は緊張した面持ちで鎌を使って稲を刈り取っていました。台風にも負けず、見事に実った稲穂の立派なこと!本校の校章にも稲穂があしらわれており、本校の子どもたちもこの稲穂のように育てていきたいと思いました。

 献穀田栽培者で本校学校評議員でもある星子様や来賓の方々の御挨拶の中で、本校が地域にできた喜び等を語ってくださる場面がありました。地域に愛され誇りある稲田小学校の跡地にできた意味をかみしめ、「この子らを世の光に」できるよう、今後も地域の方と共に生きる学校を目指した教育活動を進めたいと思います。

 最後になりますが、本校の教育理念を理解し、地域の一員として、このような貴重な経験ができるよう、本校に呼びかけていただいた関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。

文責 教頭(荒木)

 

招魂祭

 10月8日(土)に鹿本町来民で「かもと招魂祭」が3年ぶりに開催されました。(本来は8月15日に行われる予定だったのですが、新型コロナ感染症が拡大したため、この時期に延期されました。)

夏休み前に保護者様や子どもたちに折っていただいた紙花を職員で組み立てて、3基の「七夕飾り(ぼんぼり)」を仕上げました。みんなで協力して作り上げた「七夕飾り(ぼんぼり)」が風にそよぐ姿の見事なこと!地域の保育園等諸団体で作られた色とりどりの「七夕飾り(ぼんぼり)」。道行く人々の目を楽しませていました。

 100年以上の歴史を持つ「かもと招魂祭」。次年度は、保護者の方々と歓談しながら「七夕飾り(ぼんぼり)」を作り、花を添えられたらと思います。

 

 連絡帳には「かもと招魂祭」に出かけ、ヨーヨー釣りをしたり、ポテトを食べたりと久々の祭りを楽しんだ様子が綴られていました。

 いつも住んでいる町に出店が立ち並んでいく様・・・

 出店から漂うやきそばやわたがしのおいしそうな香り・・・

 にぎやかな音楽や行き交う人々の笑い声・・・いつもと違う同級生の姿・・・ 祭りの後の寂しさ・・・

彩りにあふれた経験は私たちの心の糧になっていきます。また、共有した空間や思いは、大人になってふとしたつながりにもなることがあります。

子どもたちがたくさんの思い出を多くの人と紡いでいけますように・・・。        

文責:教頭(荒木)

 

 

広がれボッチャの輪

 9月27日(火)に山鹿市スポーツ推進委員鹿本支部6人の方と本校小学部児童がボッチャを通した交流を行いました。

 本校では、「障がいのある我が子が就労してからも楽しめることを見つけてやりたい」という保護者の方の思いを受け、障害の有無や年齢等に関係なく楽しみを分かち合えるスポーツである「ボッチャ」を通した交流に取り組んでいます。このような場・機会が地域に広がると、子どもたちの世界が広がっていき、豊かな充実した生活を送ることができます。今回の交流は、この主旨に御理解いただき、山鹿市スポーツ推進委員の方から交流をしたいという申し出があって実現したものです。

 ボッチャをしている最中、そして終えた後に、「狙ったところに球を投げるのが難しいね」「私より上手!」「ついつい、熱くなってしまいました!」「いや~楽しかった!」と、口々にスポーツ推進委員の方々がおっしゃっていました。みなさん、ボッチャの魅力にとりつかれたようです。本校だけでなく、スポーツ推進委員会の方々からもボッチャの輪が地域に広がっていくのではないかと楽しみにしています。

 スポーツ推進委員会の方々のあたたかで優しさあふれるお人柄に触れ、初めは恥ずかしがっていた子が、帰りには「また来てね~」と名残惜しそうに手を振る姿や自ら手をつなぎに行く姿などが見られました。もちろん、なかには最後まで緊張が解けない子もいました。様々な人とのかかわりのなかででいろんなことを感じ、考える子どもたち。今日もこの出会いが子どもたちの中にいろんな種を蒔いたに違いありません。人とふれあうなかで、ときには不快な気持ちややるせない思いを抱くかもしれません。それは、私たち大人でも同じです。しかし、そういった経験も含めて、人と関わるって楽しいな、新しい自分に出会えるな、いろんなことができるようになるなと子どもたちに思ってもらえるよう、その時々の子どもたちの思いに寄り添いながら支援していきたいと思います。

文責:教頭(荒木)

 

通学バスについて

 本校の登下校では、約4割の児童生徒が通学バスを利用しています。

安心安全に運行していただくため、添乗員の方から日誌や降車時に車内での様子を報告していただいています。

~ある日の日誌から~

「今日も皆さん変わりなく元気でした」

 

「今日、ステップを座席の足の所に置くと喜んでいました(○○君が使っていたのを僕も~と言っていたので。)」

 

「乗車するとすぐに本日の学校での様子を話し始め、納得いかないことがあったようで、少し感情的な様子が見られました。思っていることが言えたのか、後半は落ち着かれました」

 

日誌から、添乗員さんが暖かく子どもたちの心身の様子を観察したり、やりとりをして安定を図られたりしていることが分かり、子どもたちの応援団のお一人なのだなとありがたく感じています。

 

 先日、女児が通園バスに取り残されて死亡するという大変痛ましい事故がありました。そのニュースの翌日、登校後のバス会社朝礼で「取り残すなんて、絶対あり得ない!」と運転手さんが話題に挙げられました。即、運転手さん、添乗員さん、学校職員とで、改めて必ず人数確認・報告を互いに行うことを確認し、念入りに乗車・下車確認・報告を双方で行っています。今後も、子どもたちが安心安全に登下校できるよう、バス会社と学校とで密に連携を図り、事故防止対策をとっていきたいと思います。

文責:荒木(教頭)

職員研修

 一人一人の職員が安心して過ごせるよう、あたたかで風通しのよい職場づくりをめざし、夏季休業中に不祥事防止・ハラスメント防止研修に2回取り組みました。

1回目は、すみれ助産院の赤木夏代様を招聘し、アサーションやバウンダリー(距離感)の問題について学びました。職員からは「私が傷ついているのはこれが原因だったのかとストンと自分の中に落ちる感覚だった」「自分の思考パターンを知ることができた」「自分のバウンダリーを大切にすることから始めたい」等の声が挙がっていました。

 2回目は、熊本健康・体力づくりセンター健康科学トレーナー主任高野聡 様を招聘し、ペップトークについて学びました。職員からは、「ペップトークをとおしてポジティブ思考の大切さを身にしみて感じた」「ペップトークは自分も相手も気持ちがよくなれる方法だと思った」「自分もしっかり応援したい」「子どもたちに活用していきたい」等の声が挙がっていました。

 どちらの研修にも共通していたのは、「自分を理解し、大切にすること」でした。研修をとおして、自分の思考を振り返ったり、最適な伝え方を考えたりすることができ、多くの学びを得ることができました。また、研修後、「○○じゃなく、こんなふうに考えよう、言い換えよう!」「バウンダリーの問題が絡んでいるのかな?」等、意識をして改善しようとする姿も見られています。自分を変えることは、経験を重ねるほど難しく勇気のいることですが、このように軽やかにそして前向きに取り組む先生方の姿を見て感動を覚えました。きっと、子どもたちにもよい影響があると確信しています!

文責:荒木(教頭)

高等部「現場実習・校内実習」

 運動会が終わった翌週の5月23日(月)から、高等部3年生は現場実習の事前学習をスタートしました。3年生の現場実習のテーマは「決める」であり、3年生は皆「今回の実習先で就職を決める」という強い思いで取り組む姿勢が見られていました。「運動会」モードから「現場実習」モードにスパッと気持ちを切り替えられた3年生、さすがです!

 

 5月30日(月)~6月10日(金)の2週間の実習期間、大きなトラブルもなく、3年生全員が懸命に取り組みました。小~さなハプニング(?)もなかったわけではありませんが、これは言い換えると今後の課題として取り組むきっかけ、さらに成長へとつながっていくきっかけになったと思います。ぜひ今後に活かしてほしいです。

 

 1年生は、6月20日(月)~7月1日(金)の2週間、初めての校内実習に取り組みました。実習内容は、部品の組み立て(TLフレキステップル)でした。また、この2週間の時間割を変更し、1日の学校生活の大半を作業学習に取り組みました。いわば、「働く生活」です。最初はうまく作業ができなかったり、集中が続かなかったりする様子も見られていましたが、日に日に慣れ、集中が続くようになり、作業スピードも速くなり、報告等も大きな声でできるようになってきていました。1年生のテーマは、「知る」であり、「働く生活」を通してたくさんのことを「知る」ことができたようです。

 

 2年生も、同じ6月20日(月)~7月1日(金)の2週間、初めての現場実習に取り組みました。特に慣れるまでは、緊張していつも通りにできなかった部分もあったことと思います。また、実際の現場で「働く」ことを通して、自分の課題ややりがいなど、多くのことに気付くことができたことと思います。今回の実習を振り返りながら、2年生の現場実習のテーマである「探す」のとおり、面談等を通して、自分に合う進路を探してほしいと思います。

 

 最後になりましたが、それぞれの学年で充実した取組を行えたのも、現場実習・校内実習に御協力いただいた事業所等の皆様のおかげと、感謝申し上げます。コロナ禍の中、本校生徒の現場実習を受け入れていただき、また、校内実習用の部品を提供していただき、誠にありがとうございました。今後とも、本校の教育活動に御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

文責:瀧口(教頭)

かもと稲田支援学校第1回運動会!①

令和4年5月21日(土)にかもと稲田支援学校第1回目の運動会が開催されました。

運動会当日に向かっていくほど雨模様・・・。当日も開催が危ぶまれていました。あるクラスには、子どもたちがつくった色とりどりのてるてる坊主が飾ってありました。その祈りが通じたのか、曇天ではありましたが、無事、開催することができました。特にコロナ禍で様々な行事が中止となっていた高等部3年生のことを思うと、安堵の気持ちでいっぱいになりました。

学校行事は、子どもたちが大きく成長する機会でもあります。運動会の一連の学習を通して子どもたちがどのように子どもたちが成長していったか、4回に分けて紹介したいと思います。

~運動会を楽しみに~

 連絡帳を見てみると、「家族の前でダンスを披露してくれました」「寝言でかけ声をかけていました」「一人で予行練習をしていました」等の姿が書かれており、子どもたちが、運動会を楽しみにし、期待している様子が窺えました。また、練習では、集団や初めてのことが苦手で場を離れたり、泣いたりする子どももいましたが、写真カードでスケジュールを示したり、参加する競技を選んでもらったりすることで、少しずつ参加する場面が増え、当日も堂々と参加し、力を発揮することができました。そこには、子どもたちが安心して主体的に活動に取り組むことができるよう、焦らず、じっくりと待ち、子どもたちの心に寄り添いながら手立てを適宜講じていかれる先生方の姿がありました。

文責:荒木(教頭)

かもと稲田支援学校第1回運動会!②

~成長段階に応じた力を発揮して~

 運動会当日も、子どもたちのキラリと光る姿が随所に見られました。小学部の玉入れでは、時間いっぱい玉を投げて入れようとする姿、中学部のボールリレーでは、ボールを落とさないように持ち手を上げ下げして工夫する姿、高等部のダンスでは、キビキビとした行動と複雑なダンスを全員でそろえようとする姿・・・個の頑張りから友達との協力、集団でのまとまりといった成長段階に即した姿が印象的でした。保護者の方からも「走っている姿を見て涙が出ました」「ダンスをする姿がとてもかわいかったです」「うちの子が1番かっこよかったです」等々喜びの声が挙がっていました。また、感動で目を潤ませている職員もチラホラ・・・。

 文責:荒木(教頭)

かもと稲田支援学校第1回運動会!③

~リーダーが高校1年生!?~

今回、高等部2、3年生の生徒が運動会の競技準備や放送等を行い、1年生がリーダーとして小、中学部を盛り上げました。これまで、最上学年である3年生がリーダーとして団をまとめていくことが多く、初めにそれを聞いたときは「あれ?」っと思いました。しかし、予行練習と当日の姿を見て納得です!高等部2、3年生が運営をするということに重きを置いた形に、主査である先生の仕掛けを感じました。

教師の指示に従って的確に準備物を配置する姿、自分ができることを率先して探す姿、声を掛け合って荷物を運んだり、役割を忘れないよう互いをフォローし合ったりする姿等が見られ、これまでの作業学習や係活動、特別活動の集大成を見たように思いました。それは、小学部の保護者さんからの「うちの子も高等部の生徒のようになれるといいな」という声にも表れていたように思います。

小中学部と高等部校舎が離れ、合同で活動する機会が少ない本校では、縦割りの活動で何をねらうのか重要になってきます。下級生は上級生の姿に憧れ、上級生は期待に応え頑張ろうとする縦割りの良さが見事に表れた運動会でした!

文責:荒木(教頭)

かもと稲田支援学校第1回運動会!④

~楽しかったね運動会~

 運動会が終わり、小学部では図工で絵を、中学部、高等部では感想文を書きました。頑張ったことや心に残ったこと、楽しかったことなどを写真等で振り返りながら、制作しました。小学部の授業を覗いたのですが、先生や友達と思いを共有し、楽しさも喜びも倍増!!優しくあたたかな時間が流れていました。きっと、来年の運動会も楽しみになっているだろうなと授業を見て感じました。

次年度は、新型コロナウイルス感染症も収まり、地域の方にも運動会を観覧、参加していただき、本校の子どもたちと一緒に感動の時間を過ごしていただけることを心から願っています・・・。

文責:荒木(教頭)

開校記念式典を終えて

 新年あけましておめでとうございます。

 寅年の令和4年(2022年)も、かもと稲田支援学校をよろしくお願いします。

 さて、穏やかな日差しに包まれた冬晴の日、12月11日(土)に開校記念式典を行いました。開校準備からここまで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、思うように準備が進まないこともありましたが、無事に式典を開催することができたことを心から嬉しく思っています。式典には稲田小学校の卒業生である蒲島郁夫熊本県知事様をはじめ、渕上陽一県議会議員様、早田順一山鹿市長様など、多数の来賓の方々に御臨席賜り、本校が開校するまでの思いも含めた温かい御祝辞や御挨拶を賜りました。本来であれば、開校に向けて御尽力いただいたすべての方々に、来賓として御出席いただきたかったのですが、コロナ禍での開催ということで、入場を制限させていただいたことを大変申し訳なく思っています。

 それでも、お越しいただいた方々に本校が開校した喜びを伝えたいという思いで、「みんなで創ろう!かもと稲田の未来!」というスローガンのもと、47人の児童生徒、43人の教職員が一丸となって準備を進めてきました。

 式典では、校章に描かれた校訓「心豊かに 道を求め 共に生きる」のデザインの説明を行い、児童生徒会役員の協力で校旗披露を行いました。また、式典の最後には校歌の作曲をしてくださいました桐田信一郎様の指揮のもと、全員で校歌披露を行いました。稲田小学校から譲り受けたマリンバやシロフォン、電子ピアノ等を高等部の生徒たちが演奏し、代表の生徒が校歌を歌い、小中学部の子どもたちが音楽に合わせてダンスを披露しました。練習までの期間が短かったのですが、子どもたちは笑顔で最高の演奏やダンスを見せてくれました。式典に参加できなかった保護者の皆さまにもオンラインで式典の様子を見ていただきましたが、「子どもたちの様子に感動した」と多くの方々からコメントをいただきました。

 式典終了後に、校舎案内も計画しました。校舎の施設説明は小中学部の子どもたちがタブレットや電子黒板を用いながら、これまでの学習の様子を交えながら行いました。来賓の皆さまが熱心に聞いてくださり、子どもたちも期待に応えたいとはりきって説明をすることができました。

 開校記念として、小中学部の子どもたちが地域の方の御協力のもと生産することができたお米と地元来民の伝統工芸品である渋うちわを記念品とさせていただきました。うちわには高等部の生徒が描いた山鹿灯篭と石のかざぐるまがデザインされています。子どもたちのアイデアを生かした、手づくりの開校式典となり、笑顔に満ち溢れた一日となりました。

 子どもたちやかもと稲田支援学校の可能性は無限です。可能性を信じ、ゆっくり、たっぷり、一歩ずつ 未来に向けて、確かなものにしていきたいと思っております。どうぞ、御支援をよろしくお願いします。

令和4年1月

                             

熊本県立かもと稲田支援学校長  後迫 貴利子

はじめての学校祭

学校周辺の田んぼもすっかり刈込が終わり、一気に季節が進んだように感じています。11月になっても、日中は汗ばむ日がありますが、それでも朝夕は冷え込んできたため、体温調整が苦手な子どもたちは体調を崩すのではないかと心配しましたが、毎日元気に登校しています。

このホームページでも紹介させていただいていますが、10月16日(土)に本校の学校祭である「かもと稲田まつり」を開催しました。夏休み明けから、日頃の学習の成果発表ということで、小学部はソーラン節と手話ダンス、中学部は稲の成長報告、高等部は「高等部プロモーションビデオ」の披露のために、各学部準備を進めてきました。中学部と高等部は作業製品の販売会も行い、自分たちが作った製品をどのように売り込むか、丁寧な製品づくりから梱包、商品説明など工夫を凝らしました。祭りが近づくにつれ、ボルテージが上がり、子どもたちは風邪もひかず、元気いっぱいに登校してくることができました。

当日は保護者の皆様に学部ごとの参観や物品購入をお願いし、自宅からもリモートで観覧できるようにしました。保護者の皆様の御協力もあり、コロナ禍での制限がある開催でしたが、初めての「かもと稲田まつり」を楽しむことができました。今年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、地域への呼びかけを控えさせていただきましたが、もっと本校のことを知っていただきたい、子どもたちの活躍の様子を見ていただきたいと思っています。ぜひ、地域の皆さま、次年度の「かもと稲田まつり」にご期待ください。

 「学校での学びが、子どもたちの『生きる力』となって、明日に、そしてその先の未来につながってほしい、これからの社会がどんなに変化しても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして、明るい未来をともに創っていきたい。」

 これは文部科学省が、新しい学習指導要領に込めた「願い」です。そして、このことは特別支援学校で学ぶすべての子どもたちにも共通する願いです。本校のめざす学校教育目標(グランドデザイン)に示すとおり、本校で学ぶ子どもたちが、それぞれの幸せを実現する「生きる力」を、授業をとおして身につけ、自立を目指します。そして子どもたちだけでなく、すべての人が幸せに暮らすことができる共生社会の実現を目指して。地域とともにかもと稲田支援学校は歩み続けます。

 

令和3年11月                             

熊本県立かもと稲田支援学校長  

後迫 貴利子

共生社会をめざして~ボッチャ交流~

 長い夏休みが終わり、子どもたちが元気に登校してきました。コロナ禍での夏休みの過ごし方については、保護者の皆様の御協力もあり、感染拡大防止に努めていただいたことに感謝しています。

 この夏はオリンピック、パラリンピックが東京で開催され、日本はたくさんのメダルを獲得することができました。コロナ禍で一年延期された開催でしたが、選手にとっては体や気持ちのコンディション調整に気を遣った開催だったと思っています。競技はその一瞬に力を集中させて、結果を出さなければならないことではありますが、それまでの過程でどのようなことを考え、取り組んできているのか、それぞれの選手の背景を知ることで、メダル以上の多くの感動を得ることができました。

 スポーツをとおした交流については、本校でも力を入れていきたいと考えています。ある保護者が「障がいをもつ我が子が就労してからも楽しめることを見つけてやりたい」と思いを述べられました。大人になって、仕事以外に余暇をどのように過ごしていくのか、心配されての発言だったと思います。本校では、地域や保護者とボッチャをとおした交流を進めています。

 子どもたちも興味を持って取り組んでいて、先日の「楽球(ボッチャ)甲子園」では、二つの部門ともに本校のチームが優勝することができました。結果に喜んだのはもちろんですが、大会をとおして、参加者同士、大会を運営している方々とも交流ができたことが何よりの収穫でした。ボッチャは障がいの有無に関係なく、体力のある人もない人も、言葉は交わせなくても楽しみを分かち合える競技だと思います。本校から少しずつでもボッチャの楽しみを広げていき、生涯、スポーツを楽しみながら豊かな生活を送っていってほしいと思います。

 

令和3年9月

熊本県立かもと稲田支援学校長

        後迫 貴利子

地域に愛される学校

 今年は例年になく、梅雨入りが早く、はっきりしない天気が続いています。開校前に校庭脇に植えていただいた紫陽花の苗も背丈が15cmほどになり、来年度は花をつけるのではないかと楽しみにしているところです。

 報告が大変遅くなりましたが、4月かもと稲田支援学校開校の折に、旧稲田小学校閉校事務局より、開校お祝いとしてテント2張、観葉植物3鉢を寄贈していただきました。玄関にシュロ(観音竹)、児童生徒昇降口にサンスベリア(虎の尾)、校長室にはドラセナ(幸福の木)を飾らせていただいています。7月8日(木)に実施されるふれあい交流会の折に地域の皆様にも紹介させていただきます。

 さて、コロナウイルス感染症もようやく下火の兆しが見え始めました。地域の方々に本校の様子をお伝えしたいという気持ちだけは十分ありましたが、密を避けた開催が困難であることからこの時期まで開催を延期していました。7月8日のふれあい交流会では高等部生徒が進行を努め、学校紹介を行います。また、地域の方々と小学部、中学部、高等部の生徒を6グループに分けて、それぞれの会場でパラスポーツであるボッチャを通した交流を予定しております。また、15日には鹿本小学校の特別支援学級の子どもたちとの交流も予定しています。

 本校の学校目標である「心豊かに地域で学び、自信を持って挑戦する力や地域で生きていく力を育む」ことの一歩になることを期待しています。

 梅雨は気温の上昇と雨の影響もあって、ぐんぐんと草木が伸びてしまい、本校の学校技師が毎日刈り払い機を使って除草を行っていますが、広い校庭の草の勢いがとどまることがありません。そんな中、先日の県下一斉クリーン作戦(地域の清掃活動)の折、本校の敷地内を除草してくださった方がいらっしゃいました。除草が追い付いていない状況を見かねて、公道だけでなく学校敷地内に入ってくださったものだと思います。翌日、除草されている校庭を見た職員が驚いて報告していましたが、地域の皆さまのご厚意に心から感謝しているところです。本当にありがとうございました。児童生徒が在校中は門扉を閉めておりますが、放課後や休日は地域の方々へ校庭を開放させていただいております。どうぞ、地域の施設としてご利用ください。

令和3年6月

熊本県立かもと稲田支援学校長

        後迫 貴利子

4月 校長だより「校長あいさつ」(2021/4/4 更新)

 令和3年4月1日、緑に囲まれた長閑な田園風景に桜が満開に咲き誇る中、かもと稲田支援学校が開校しました。山鹿・鹿本地域に初めて開校する特別支援学校として、地域や保護者の皆様の期待を受け、開校初年度、小学部13人、中学部8人、高等部26人 全児童生徒47人がかもと稲田支援学校の一期生として、スタートを切りました。

 4月9日の開校式、入学式で歴史の幕開けとなる「開校宣言」を行い、中心に校章を描いた真新しい「校旗」と、校訓である「心豊かに 道を求め 共に生きる」の思いを込めた「校歌」を披露することができました。

 「恵まれた自然環境のもとで、心豊かに地域で学び、自信を持って挑戦する力や地域社会で生きていく力をはぐくむ教育の実現」をコンセプトとして、子どもたちの気持ちを大切にし、保護者の思いに寄り添いながら、教職員一丸となって、笑顔あふれる学校づくりを進めていきたいと考えています。

 

 開校初年度の重点目標として、特に下記4点について取組を進め、皆様から愛され、信頼される学校となるよう努めてまいります。

①安全・安心で優しい教育環境づくり

②学ぶ楽しさ、わかる喜びを実感できる授業づくり

③地域資源の活用と地域に根差した教育の推進

④センター的機能を生かした地域の特別支援教育の充実

 

 学校の教育活動をホームページでお伝えしていきたいと思っておりますので、ぜひご確認ください。

 今後とも、皆様からの御支援・御協力をどうぞよろしくお願いします。

 

学校グランドデザインはこちら→【グランドデザイン2021】かもと稲田支援学校.pdf

 

令和3年4月

熊本県立かもと稲田支援学校長

        後迫 貴利子

開校まであとすこし

 コロナウイルス感染症対策として、熊本県独自の非常事態宣言が発令されている中、2月を迎えることになりました。一年前のこの時期から報道で新型コロナウイルス感染症の話題が聞かれるようになってきましたが、もう一年が経つのにまだまだ終息の気配がありません。マスクをつけずに会話を楽しめる世の中に早く戻ることを願っています。

 

 来年度、本校へ転入学を希望している子どもたちの教育相談を実施しています。開校後、山鹿市を中心に近隣市町村から多くの子どもたちがかもと稲田支援学校へ登校してくることを楽しみにしています。

 

 今、準備室では小中学部の子どもたちの登下校を支える通学バスの準備を進めています。山鹿市内を走る「山鹿線」と熊本市から七城方面を巡る「植木・七城線」の二路線を通学バスが走ります。安全に子どもたちを送迎することができるようバス会社と細かな打ち合わせを行っていきます。また、停留所として使用させていただく施設からも、使用許可に関して快いお返事をいただき感謝しています。

 

学校側の整備としては、子どもたちが雨天時にバスや自家用車等から濡れずに校舎内に移動ができるようキャノピー(庇、車寄せ)を設置しました。毎日、笑顔で登校してくる姿を楽しみにしています。

 

 

 そして、改修工事もいよいよ大詰めです。現在、内装の仕上げと学校敷地周囲を巡るフェンスの工事が進んでいます。3月5日にはすべての工事が終了し、竣工検査ののち開校準備室も稲田校舎内に移動することになります。準備室の移転に伴い、みなさまにご迷惑をおかけしますが、当ホームページをご確認のうえご対応いただきますようお願いいたします。

 

 

 令和3年2月

 熊本県立かもと稲田支援学校長

         後迫 貴利子

校歌が完成しました

 令和3年(2021年)が幕開けしました。皆さま、あけましておめでとうございます。

 今年は丑年(うしどし)です。かもと稲田支援学校の校舎裏には乳牛の牛舎があり、おなじみの白黒まだら模様の牛が学校を眺めています。「牛」は古くから食牛や乳牛、耕牛と呼ばれ酪農や農業で人々を助けてくれる存在として重要な生き物でした。大変な農業を地道に最後まで手伝ってくれる様子から丑年は「我慢(耐える)」や「発展の前ぶれ(芽が出る)」を表す年になると言われているそうです。開校まで残り3カ月を切りました。開校準備室もラストスパートをかけて、4月の子どもたちの受け入れ準備を進めているところです。発展の前ぶれ“芽が出る”年に開校を迎えられることに、運命を感じながら、厳かに新年を迎えたところです。

 さて、今回は12月に完成しました校歌について、皆さまにご紹介をさせていただきます。

 校歌は、本校の校訓「心豊かに 道を求め 共に生きる」に基づき、3番構成にしています。歌詞は学校教育目標の実現に向けたワードを元に原案を作成し、開校準備室職員と何度も何度も検討を重ねて作成しました。作曲については、熊本県内の県立高等学校で長年音楽の担当として教鞭をとられていた桐田信一郎氏に依頼しました。桐田氏は現在、作・編曲活動のほか吹奏楽及び管楽器指導等を行っていらっしゃいます。桐田氏は鹿本高等学校在職中に、不動太鼓部のために、「和太鼓アンサンブルのための幻想詩曲“不動岩”」を作曲されています。山鹿鹿本地域のこともよくご存じで、作曲依頼にも快く承諾していただきました。作曲にあたり、改めて現地を訪れて取材をされたり、地元の情報を収集されたり、学校づくりに熱く参画していただいたことに感謝しています。子どもたちが歌いやすい音の取り方、発声しやすい歌詞の修正等、完成までにさまざまなアドバイスをいただいています。

左が作曲者の桐田信一郎様

 

 録音に際しては、桐田氏の大学時代のご友人である東京混声合唱団理事の德永祐一様に歌唱していただきました。技術面では、遊工房有限会社の益永剛様の御協力をいただき、録音をすることができました。

歌唱してくださった德永祐一様(東京混声合唱団理事)

 

 校歌作成に関わっていただきました桐田様、德永様、益永様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

【校歌】再生できます 

かもと稲田支援学校校歌(斉唱).mp3

 

 令和3年1月

 熊本県立かもと稲田支援学校長

         後迫 貴利子

高等部の制服デザインが決定しました

 12月に入り、冷え込みも厳しくなって参りました。不動岩周辺の木々の紅葉がとても美しく、心を和ませてくれていましたが、それもすっかり落葉してしまい、冬の到来を感じるころとなりました。今冬はインフルエンザの流行に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念され、学校現場だけでなく、社会全体がどのように感染症と向き合っていくのか心配されるところです。

 さて、かもと稲田支援学校では、来年度高等部の生徒が着用する制服デザインが決定しました。複数の業者からそれぞれコンセプトを示しながら、素敵なデザインの提案がありました。その中から制服選定委員会で検討をし、下の写真に示した制服が選定されました。

 

 この制服のデザインを担当した光多制服株式会社の笹本純子高校営業部課長に制服のコンセプトについて、インタビューをさせていただきました。

コンセプト ~光多制服株式会社 笹本純子高校営業部課長~

 ブレザーは鹿本町のシンボルである「石のかざぐるま」をイメージしています。大きくて重い石が動き出す、うちに秘めた力がかもと稲田支援学校の子どもたちの成長するイメージと重なったからです。近隣の県立学校、県内の特別支援学校にグレーのブレザーはないことも意識しています。ポロシャツ等の素材は、着心地を重視し、毎日の生活を快適に過ごせるような素材を工夫しました。また、洗濯やアイロンなど、保護者の負担を軽減できるようにしています。全体的に上品で爽やかなイメージでまとめるようにしてみました。

 

 

  本校では多様化する性認識(LGBT)の対応も考えており、女子はスカートだけでなく、スラックスタイプのデザインを選ぶことができます。紺地に稲田をイメージしたグリーンのチェック柄がスラックスとスカートに施されています。ブレザーはグレーですが、襟は濃紺のパイピングがデザインされていて、胸元にはかもと稲田の「K」のイニシャルがマークされたエンブレムがついています。ネクタイも紺、グリーン、グレーのレジメンタル柄になっていて、全体的な統一感を意識されています。グレーのブレザーを見たら「あっ、かもと稲田支援学校の生徒さんだ」って、すぐにわかってもらえる学校の顔の役割のある制服を大事に着こなしていってほしいと思います。

  制服づくりに関わっていただきました制服業者のみなさま、制服選定委員の保護者のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 令和2年12月

 熊本県立かもと稲田支援学校長

         後迫 貴利子

校章デザインが決定しました

 校章デザインが決定しました。たくさんの御応募ありがとうございました。300点を超える応募作品の中から椎葉瑛稀さんの作品が最優秀賞に選ばれ、めでたく校章として採用することになりました。

 

 

 校訓である「心豊かに 道を求め 共に生きる」がデザインにうまく表現されている作品でした。地域の特産であり、校名にもある稲の生き生きと伸び行く姿や、上級生が下級生を温かく包み込んでいる様子が描かれています。左の下から上に通した筋は夢を持って自ら道を求めていく力強さが表現されています。また、オレンジ色の右下からのラインには地域や保護者などの周囲の方々の見守りや愛情が表現されており、私たちの学校に対する思いがすべて盛り込まれた作品でした。

 校章は一番大きなところでは体育館の緞帳の中央に、そして、校旗や応援旗にも使用されます。細かなところは学校用の封筒やリーフレット、発行物にも使用する予定です。この後、長く子どもたちだけでなく、卒業生や保護者、地域の方にも親しまれていくものだと思っています。

 

 併せて、今回はスクールカラーも制定することにしました。「藍色」です。校章の左側にある縦のラインの藍色を採用しました。藍色はジャパンブルーとも呼ばれ、染料などで古くから用いられてきたことから、歴史と伝統のある鹿本地域にふさわしい色であること、長く愛されてきたその色には、芯のある実直さやひたむきに努力する姿勢を感じることができるということ。そして、深みがあり、落ち着いた色であることから、人を包み込む優しさや豊かさがあり、安心感を感じることのできる色であるという理由からです。校訓「心豊かに 道を求め 共に生きる」にもつながるこの藍色をしっかり定着させていきたいと思っています。

 

 

 令和2年11月

 熊本県立かもと稲田支援学校

        後迫 貴利子

働くみなさんに感謝しています

 旧稲田小学校周辺はすっかり稲刈りも終わり、早いところでは麦作に取り掛かっているところも見られるようになってきました。ついこの間まで、暑さに耐えられないとつぶやいていたはずですが、朝夕はすっかり冷え込んできて、不動岩周辺の山々も色づき始めています。

 工事をされている方々にとっても、今が一番作業しやすい時期なのではないでしょうか。先日、改修工事の様子を見に行きましたが、総勢60名の方々が黙々と工事を進めていらっしゃいました。教室棟(南棟)の改修には宇都宮建設と岩下建設、特別教室棟(北棟)の改修には緒方建設の方々にお世話になっています。事務所の中では、工程会議が行われていて、設計の細かな部分の確認と修正案の検討が行われていました。

 

 

 現場周辺では、水道やガス、電気の配管の埋設工事が行われていました。朝早い時間から暗くなるまで、新しい学校づくりをしてくださっている方々に心から「ありがとうございます」と伝えたいのですが、邪魔にならないところからいつも声援を送っているところです。工事をしてくださっている方々にもしっかり学校づくりのコンセプトをお伝えしていなかったことを大変申し訳なく思い、遅ればせながら60名の方々に新校のリーフレットをお配りし、学校説明をさせていただきました。4月にやってくる子どもたちのことを浮かべながら作業をしていただくとありがたいです。安全第一でどうぞ、よろしくお願いします。

 

 

 令和2年10月

 熊本県立かもと稲田支援学校長

         後迫 貴利子