お知らせ

魚卵状(じ状)石灰岩
場所:八代郡坂本村油谷 

 国道219号線から坂本橋を渡り,西日本製紙工場跡へ向かう途中に,この工場への引込み線のトンネルがあるが,このトンネルの入口付近の灰色の石灰岩が出ている。
  坂本層の魚卵状の構造をした石灰岩。
 風化した石灰岩の表面を見ると,直径数㎜の丸いツブツブがある。
 これは生物の遺骸や石英・長石などの小さな破片が核となって,石灰分がそれを同心円状に包んだものである。



参考:魚卵状(じ状)石灰岩
  多くの石灰岩は生物の遺骸が集まって出来たものである(生物岩)。
 しかし,それ以外にも海水中のCaCO3 成分がそのまま化学的に沈殿してできたものもある(化学岩)。この化学岩の中に魚の卵のような丸い粒で構成されているものがあり,魚卵状石灰岩(オーライト)と呼ばれている。このツブツブは,現在でも、フロリダやバハマの潮流の流路や潟のような浅海で現在形成されている。
 海水が温められて蒸発が進むと,CaCO3が濃縮してついには析出する。海水が波や流れでかきまぜられるところでは,CaCO3 の小さな粒は沈殿の核となり,次第に同心円状の層でおおわれていく。また,海底で常に転がっているので形は丸くなる。直接CaCO3が核となる以外にも,生物の破片が核となる場合も多くある。


[八代]