高等部通信

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2学期を振り返って

 

 7月の豪雨による被害で高等部棟が使えなくなり、今学期は、会議室を教室として利用しました。限られたスペースではありましたが、生徒間の距離を保つことに配慮し、活動内容や支援方法を工夫しながら、学習を進めてきました。

 また、新型コロナウイルス感染予防のため、今学期の序盤と終盤にセンター閉鎖があり、自宅生のみの登校となった期間もありました。しかしそれ以外は、生徒が3人そろって活動する機会を多く設けることができた今学期でした。

 生活単元学習では、ゲームや制作活動、「にこにこふれあい発表会」に向けた活動等に取り組むました。

 筒倒しゲームや射的ゲーム、ボッチャでは、ボールの投げ方や転がし方、弾の発射の方法等、それぞれ生徒の得意な動きを発揮しながら、活動に取り組むことができました。大型ディスプレイやカラーボールと透明筒等を使って視覚的に示すようにしながら、ゲーム毎の点数や勝敗を見比べることも多く取り入れ、活動をより盛り上げるようにしました。

   

  

  

 今年度の「にこにこふれあい発表会」は、例年のようなステージ発表ではなく、各学部の活動の映像をDVDにまとめて配付することとなりました。“あしえんから元気を”の全体テーマのもと、高等部では〈元気アート2020〉というテーマで、1学期に取り組んだ園芸と紙漉きを結び付けて、作品作りに取り組みました。牛乳パックから取り出したパルプと1学期に植えた野菜の葉や皮、花を混ぜて漉き液を作り、枠に流し込んで紙を漉いていきました。途中、高等部佐敷分教室の農園芸班のみなさんと映像でのやりとりを行い、野菜の葉や花等、混ぜる素材を提供してもらいました。そして、漉き上がった様々な模様の紙を素材として作品作りを進めました。紙や作品は、学校全体の取組として毎年実施している「アートトレイン」(肥薩おれんじ鉄道様の御協力で、列車内に児童生徒の平面作品を一定期間掲示してもらう取組)に出品したり、今年度直接の交流及び共同学習ができなかった芦北高校農業科のみなさんへのメッセージに利用したり、高等部佐敷分教室のみなさんへの素材提供のお礼のメッセージに利用したりしました。さらに、復旧が終わった後の高等部棟に飾るためのアート作品作りにも取り組み、たくさんの作品が出来上がりました。

   

   

  

 3学期からは、高等部棟で活動できるようになる予定です。引き続き感染症予防に努めていきつつ、生徒同士のかかわり合いや生徒と教師とのかかわり合いの機会をより多く設けることができるようにしていきたいです。

 

1学期を振り返って

 昨年度末から、新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休校が続き、今年度は、5月19日(火)から自宅通学生のみで新学期がスタートしました。センター生は、6月8日(月)から登校できるようになり、高等部生徒3人(うち新入生1人)がそろっての入学式(高等部のみ)は6月9日(火)の実施となりました。

 授業を再開するに当たって、当初予定していた年間計画を変更して取り組みました。最も大きな課題は、感染予防対策の徹底です。登下校時の導線や活動場所を限定し、他学部の児童生徒と交わらないようにすることや、活動時、生徒間の距離を保つこと、生徒の支援に当たる際の教師の位置、体位変換等、密着する支援を行う場合のフェイスシールドの活用、施設や使用教材類の消毒等、多岐にわたる予防対策を職員間で確認し合いながら取り組みました。

 午前は、朝の会や生活単元学習といった集団での活動を中心に、午後は、自立活動や国語・数学といった個別の活動を中心に取り組みました。新型コロナウイルス感染拡大防止のための様々な制限がある中、それぞれできることや得意なことを生かしながら、また、周りの生徒の様子にも関心を示しながら、活動する生徒たちの姿がいろいろな場面で見られました。

 ところが、生徒3人がそろって登校し、様々な活動に取り組むことができるようになって4週間、豪雨による浸水被害を受け、その復旧のため7月6日(月)から2週間の臨時休校となりました。1学期を7月31日(金)までとしていましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのセンター閉鎖も重なり、生徒3人での1学期の振り返りを行う機会がとうとう設けられませんでした。しかしながら、幸いにも1学期の活動を振り返り紹介する壁新聞を生徒3人で役割分担して7月20日(月)~22日(水)の間に作成していましたので、全員がそろったときにあらためて振り返る機会を設けたいと考えています。

  

  

  

  

  

 

 

「卒業制作」「卒業生を送る会」

 今年度、2人の卒業生が本校高等部を巣立ちます。卒業に向けて、3年生は「卒業制作」に、2年生は「卒業生を送る会」の準備活動にそれぞれ取り組んできました。

 3年生は、“ボッチャレーン”作りに取り組みました。今年度、ゲームを中心とした生活単元学習で“ボッチャ”というスポーツやそのルールをアレンジしたゲームに取り組んできました。これまで“ボッチャ”のボールを転がすための専用レーンは、校内に1台のみでしたが、今回、「卒業制作」として新たに3台出来上がりました。これから、在校生が“ボッチャ”やいろいろなゲームで活用していくことでしょう。来年度の卒業生との交流では、一緒に“ボッチャ”を楽しめればと思います。

 2年生は、「卒業生を送る会」に向けて、卒業生へのプレゼント作りに取り組みました。羊毛からフェルト生地を作り、出来上がった色とりどりの生地を組み合わせて、“写真掛け”(写真を差し込んで飾る壁掛け)を作りました。巻き簀で巻いた羊毛が縮んでしっかり絡まるまでたいへん時間がかかりましたが、ねばり強く取り組むことができました。

 「卒業生を送る会」当日、出来上がった“ボッチャレーン”と“写真掛け”をそれぞれ披露し、贈り合いました。

  

  

交流及び共同学習➁ ~芦北高校~

 11月25日(月)に、今年度第2回目の芦北高校との交流及び共同学習を行いました。今回は、農業科の8人の生徒が来校してくれました。本校高等部では、2週間前からボウリングや玉入れといった、ボールを投げたり転がしたりするゲームに取り組んで来ました。交流当日のゲームは「筒倒し」。チームごとのエリアに並べられた筒に向かってボールを投げて倒し、倒れた筒の中に入っているカラーボールの数の合計を競うゲームです。本校の生徒は、直接ボールを投げたり、ゴムを利用した発射台の紐を引いてボールを飛ばしたりと、それぞれ得意な方法で取り組みます。芦北高校生は、少し遠い距離から投げることにしました。各チーム2人組になり、4戦行いました。芦北高校生が投げるボールの勢いが凄く、筒がどんどん倒れるため、途中からゲームの制限時間を半分にするほどでした。賑やかにゲームが盛り上がる中にも、本校の生徒にカラーボールや筒を優しく手渡したり、タイミングよく発射台にボールをセットしたり、1ゲーム終わるごとに散らばったボールを拾い集めたりする芦北高校生の姿が見られました。終わりの挨拶のあと、帰る際には、お互いに握手したりタッチしたりするなど、微笑ましい光景も見られました。

  

にこにこふれあい発表会 ~「僕らのちゃれんじ」~

 11月3日(日)の「にこにこふれあい発表会」に向けて、3週間の単元活動に取り組んできました。初めての「さをり」に“ちゃれんじ”しようということで、高等部佐敷分教室の手工芸班の「さをり」を中心とした作業学習の様子を見学しに行きました。専用の織機を操作する「さをり」の様子や、織り上がった布を利用して製品化する分担作業の様子を見学したり、説明を聞いたり、体験をしたりすることができました。

 単元活動では、「さをり」の布をアレンジした掲示板を作ることを目指して、それぞれ得意な方法で取り組み始めました。専用の織機を使って1本1本糸を編み込んでいく生徒。細く裂いた布を染色して横糸に利用する生徒。オリジナルの小型織機を用いて糸を通す生徒。スイッチに繋げたパンチャーミシンを動かして布を定着させる生徒。初めはうまくいかなかった活動も、回を重ねるごとにスムーズに活動を進めることができるようになりました。色鮮やかな布やいろいろな大きさ・形の布、また、独特の表面の感触の布など、それぞれ個性豊かな布がたくさん出来上がりました。それらを90㎝✕180㎝の土台にアレンジして貼り付け、賑やかな掲示板が完成しました。

 「にこにこふれあい発表会」当日は、それまでの活動の様子を映像と実演でステージ上で発表しました。