絵師 荒木かおりさんによる特別授業
文化財保存修復・復原、絵画・建造物彩色、社寺建築堂内荘厳などを手がけている川面美術研究所より、絵師の荒木かおりさんをお招きし、文化財の保存に関わる技術者としてのあり方について講演をいただきました。
今回は建築科1年生と伝統建築専攻科1,2年生が受講しました。
禅林寺阿弥陀堂の彩色・塗膜構造についての説明。
研究所で実際に使われている純金箔を使ったワークショップ。「金箔だ」
専攻科1年生は木材で銘々皿、専攻科2年生は匙を事前に作っています。その上に人工漆を使って金箔を箔押しします。
箔押しと、砂子(金箔を粉末にした物)を施しました。砂子は七夕の歌にも登場します。金・銀・砂子~です。
いにしえより「美しいもの」として歌い継がれてきたのですね。「砂子で富士山をイメージしてみました。」
あらかじめ柿渋を塗っておいたので、落ち着いた感じに仕上がりました。制作の思い出と共に宝物になりそう。
1年生は色画用紙の上に膠(にかわ)を使って箔押しに挑戦。赤い色と金色でめでたい感じかな?
天然の土や鉱石などを砕いて粉末状にした顔料(絵の具の元)の現物を展示していただきました。
こちらも蓮弁に彩色された現物の展示です。間近で見ることができて感動。
鉱石から鮮やかな顔料が作られることに驚き。そして牡蠣殻が白い絵の具に変身することが一番の驚きの様子。
1年建築科伝統建築コースの西生君による御礼の挨拶。
建築科、伝統建築専攻科の生徒たちをあたたかく見守るように講演、ワークショップを行っていただきました。講演の最後にあった「後世に残る令和の文化を皆さんと共につくっていきましょう」というお言葉に胸が熱くなりました。これから荒木先生のお言葉を胸に生徒の皆さんは頑張ってくれると思います。
これまで手がけられた文化財保存の様子などはこちらで拝見できます。