球磨工ブログ

租税教育(1年生)について

  2月21日(水)から3月9日(金)までの期間、1学年において租税教育を実施しております。「税の役割と政治参加」をサブテーマに設定し、各クラス2コマずつ講義を行っております。

事前アンケートでは、「税金とはどういったものでしょう?」という問いに対し「国や市に納めなければならない」「高額なイメージ」「買い物するときに強制的にかかるお金」など、税の必要性は感じているものの、ポジティブな印象は弱いといった生徒が大半でした。そこで、今回は税の役割や仕組みを知るだけではなく、納税の意義に焦点を当てて講義を展開することにしました。また、講義の着地点を若者の政治参加という部分に置くことで主権者教育にも関連づけた内容理解を促しました。

前半は、租税教育アニメビデオ『ご案内しますアナザーワールドへ』を鑑賞し、平成29年度「税に関する高校生の作文」において国税庁長官賞作品を紹介しました。ビデオでは税が存在しなくなり、公共サービスの有料化や社会福祉の崩壊で混乱する世界(アナザーワールド)が描かれており、税の存在の重要性を強調しました。また税の作文においては、高校生の“私”と“祖母”のやりとりの中で税を納めることができるありがたみや喜びが描写されており、奉仕の精神や納税への感謝と納税者としての誇りについて強調してみました。作文はBGMとともに文章を映像に流しながら、文責者でもある私が朗読するという演出に生徒たちも真剣に聞いてくれていました。

後半は、日本の歳入と歳出の総額や内訳の資料をもとに、課題点や疑問点を探すグループワークを行い、税の使い道を決める政治にベクトルを向けて講義を展開しました。数字ばかりの資料を読み解きながら、課題を探す作業は簡単なことではありませんが、教師側からのヒントを参考にしながら多くの生徒が活発に意見してくれました。

卒業後に就職する生徒が大半を占める本校では、選挙権を持つ18歳で多くの生徒が納税者(生産年齢)としての側面が大きくなります。自分たちが納めた税を適切に活用していくために、多くの若い世代が与えられた権利をしっかりと行使して欲しいと思います。ちなみに講義終了後のアンケートでは97.9%(未実施クラスを除く145名)の生徒が「将来選挙権を持ったら選挙に行きたいですか」という問いに「はい」と回答しています。この子たちが18歳になった頃に、このアンケートの結果通りに高い投票率が実現されるように今後も主権者教育には力を入れていきたいと思います。


                                                                                                    文責 地歴公民科 菊池 公成