今日の1枚 (2019.5.27)
専攻科2年の学生たちが芦北町告(つげ)に所在する「山の神社」の新築工事(来年1月末に設置予定)に4月から取り組んでいます。
今日は原寸図(げんすんず)を描いていました。
原寸描きは社寺建築の肝(きも)と呼ばれています。図書館にあった菊池恭二著「宮大工の人育て」のp.119~123には、「『原寸描き』こそ、宮大工仕事の根本」と題して次のような記述がありました。引用してその作業の一端をご紹介します。
原寸は実際の軒の反り(屋根の曲線)や大きさなどを実物大の大きさでベニヤ板に描くことをいいます。なぜこの作業が必要かというと、10分の1の図面では実際の軒反りなどを正確に表現できないからです。私どもは、原寸を描き上げると、それを原寸状の壁に貼って、少し離れた位置から確認し、必要な修正を施します。・・・(中略)・・・そして、どこにどれだけ勢いをつければいいか、どこでどれだけ力を抜いて勢いを落とせばいいか、軒反りのラインを見極め、最終的に決定するわけです。
これは宮大工の力量のすべてが試される場面で、原寸の手伝いの職人に向かって、「おい、そこを3ミリ上げろ」とか「そこを5ミリ下げろ」などと指示を出していきます。そのへんの曰(いわ)く言いがたいミリ単位の微調整は、古建築の学者さんでも専門の設計士の方でもできません。長年の経験と勘に裏打ちされた宮大工の技量、感性があってこそで、職人としては社寺建築で一番の腕の見せ所です。
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