校長室よりブログ
ゾーンに入る
先日,校内の進路検討会で,石田教頭先生が職員に話した言葉が耳に残りました。
「ゾーンに入ると すべての感覚が研ぎ澄まされて,スローモーションを見ているような状態になるそうです。
部活動でその経験を持つ生徒もいると思います。
勉強でゾーンに入ったら,3倍のスピードで学ぶことができます。
ということは,3年生は,残り6か月で18か月分の学びができるということです。
是非,集中度をUPさせて,時間を引き延ばしてください。」
私は以前,熊本近代文学館に勤務していました。
年間3回の企画展示と,資料調査・収集・研究という膨大な作業を1人でやらなければなりません。仕事は山積みで,休日も書庫に籠る毎日です。しかし,作家さんたちの隠された一面を垣間見ることができて,とても楽しい日々でした。
その熊本近代文学館勤務で一番胃が痛かったのが,展示会のオープンでした。
まだまだ,読まなければならない資料は山積みなのに,展示会初日は確実に迫ってきます。もしオープンできなかったら,と思うと夜も眠れません。
しかし「やるしか無い」と腹を括ると,不思議なことに,展示原稿締め切り日が迫るにつれてどんどん集中力が増して,普段なら読むのに何日もかかる資料が数時間で読めてしまうし,検討しなければいけない事柄が,ページから,立体写真のように文字が浮き上がってくるのです。普段何気なく聞き流していた同僚の言葉も,VTRが巻き戻されるかのように映像として立ち上がり,別角度からの検討資料が見つかるということもよくありました。そして,一気に原稿を書き上げ,気づくと朝だった,ということもしばしばでした。
学びの世界にも,ゾーンは,確実にあります。
私の場合は,ウルトラマンのように,追い込まれなければゾーンに入ることはできませんでしたが,誰でもゾーンに入ることはできます。
石田教頭先生は言います。
「『集中力がない』と生徒たちは言いますが,
模試等の振り返りで渡された百ページを超える解説書を,
それこそ1日半で読み込み,チェックできているんです。
普段これだけの厚さのレポートを渡されて,読みなさいと言われたら,何日かかりますか?
『集中力』は,本人が気づいていないだけで,みんなが持っている能力なんです。」
2学期のテーマは「自分の良さや可能性を自ら認識して,本質を学び続ける」です。
総合型選抜,就職試験・公務員試験はいよいよ本番です。
共通テストまでは,あと4カ月となりました。みんな,腹を括って頑張れー!!