=2015/12/03付 西日本新聞朝刊=
八代妙見祭神幸行列(国無形重要民俗文化財)の江戸時代の様子を描いた「妙見宮祭礼絵巻」を、高画質映像で保存するための撮影が2日、八代市の市総合体育館であった。八代妙見祭保存振興会が地元ケーブルテレビ局に撮影を依頼。全長40メートルに及ぶ絵巻を移動撮影するためのレールや台車の製作を八代工業高のインテリア科、機械科の生徒7人が協力し、低予算による撮影を実現させた。
全国32件の山・鉾(ほこ)・屋台と合わせた形でのユネスコ無形文化遺産登録を目指す同保存会が、PRや機運を盛り上げようと企画した。この日は4巻に分かれた下書きの絵巻(総全長34メートル)と2種類の絵巻撮影を、高画質の「4Kカメラ」を使って敢行した。
約200年前に描かれた絵巻は長いため、一般市民が目にしやすい形での実物の常設展示は難しい。撮影した映像は、来年八代市で開かれる全国山・鉾・屋台保存連合会の総会で披露するほか、同市の博物館や学校教材などで活用するという。
「妙見宮祭礼絵巻」の撮影準備をする八代工業高の生徒たち(奥)