校長室より
平成30年度入学式 校長式辞
春の香りが満ち溢れる、春爛漫の今日の良き日、熊本県議会議員 西岡勝成様、天草市副市長 金子邦彦様をはじめ、多数の御来賓の皆様方、並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、入学式を挙行できますことは、誠に喜ばしく衷心より厚く御礼申し上げます。
只今、入学を許可いたしました66名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは、9カ年の義務教育の課程を修了し、本日晴れて高校生となりました。皆さんの胸の中には、これからの期待と不安が大きく膨らんでいることと思います。
さて、本校は、平成27年に、長い歴史と伝統を築いてきた牛深高等学校と河浦高等学校が一つになって生まれた若い学校です。校訓「敬愛・勤勉・創造」のもと、生徒と教師が一体となり、日々の教育活動を営んできています。
この機会に本校で3年間学ぼうとする皆さんに、高校生としての自覚と実践をしていただきたいことを述べたいと思います。
まず、第一は、「高校は学問をするところである」ということです。
志を立て、稚心を去り、すなわち、親への甘えや勉強に対する怠け心を捨て、勉学に励むことが肝要です。勉学は、皆さんの第一の責務であり、勉学なくして高校生活の充実はありません。勉学により、人としての確かな土台を築いてください。さらに、高校生活の学びの中から、「あの人は、凄いな、頑張るなあ、優しいなあ、感心するなあ・・・」などそんな言葉をかけられたり、思われる生徒になってください。
第二は、強く逞しい心と身体をつくることです。健全な精神は健全な身体に宿ると言われます。まずは、毎日、規則正しい高校生活を送り、スポーツに大いに励み、たくさん本を読み、成長盛んな、今この時に身体と精神をしっかりと鍛えてください。
第三は、学校は集団生活の場であり、連帯と友情の輪を広げていく所です。自分自身の行動に責任をもち、人の忠告に素直に耳を傾け、行動できる高校生となってください。
皆さん一人一人が集団生活のルールや規則を守り、自分の責任や役割を果たし、共に力を合わせ協力する、言葉遣い一つにもお互いに配慮ができる居心地のよい学校をみんなで作って欲しいと思います。「勉学に励む」、「逞しい身体と精神を育成する」、「友情の輪を広げる」この3つのことを心に留めて、自分の目標に向かい努力を続けて欲しいと思います。
保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日は、お子さまのご入学おめでとうございます。今後3カ年間、皆様のご期待にこたえるべく私ども教職員一同、誠心誠意、全力を尽くしていく所存でおります。特に、学校と家庭が一つになってこそ、教育の成果は期待できるものであります。御協力と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、本日御臨席を賜りました関係の皆様方に改めて感謝と御礼を申し上げ、式辞といたします。
熊本県立牛深高等学校
校長 中島 一成
平成30年度1学期始業式 校長講話
先程新しく着任された先生方をご紹介いただきました。
本日の午後入学してくる1年生を含めて、初々しい雰囲気の中に平成30年度がスタートすることになります。みんなも心を新たにして始業式に臨んでいると思いますが、最上級生としての新3年生、中堅としての新2年生、ともに、本校を支えてくれる柱として皆さんへの期待は大きいものがあります。
いよいよ、平成30年度の1学期が始まりました。私は、今、ここにいる皆さんのそれぞれの頑張りは、以前勤務していました遠い阿蘇の地では聞いていたくらいで、まだ詳しくは知りません。私は、皆さんに、物事を行うときに思い出す言葉をまずは贈りたいと思います。 アメリカ大リーガーの伝説的ホームランバッターのベーブルースさんの言葉からです。
まず、昨年度までにすばらしい成果を上げることができた人へ。
「昨日のホームランでは今日の試合に勝てない」
また、失敗したりうまくいかなかったりして、今ひとつ自分の思うとおりの結果が出せなかった人へ。
「昨日のエラーで今日の試合は負けない」
どうかな?
新しい年度にあたり、さらなる飛躍を皆さんに期待します。
さて、今日は、はじめて皆さんの前でお話するというので、おまけです。
(実演)
どうですか?紙の帯の真ん中を切るだけで多くの不思議が隠れているし、自分で実際にやってみるとその仕組みが分かってきます。
私は数学の教員です。数学は、「怠け者の学問」と言われています。もっとほかのやり方はないか?もっと楽なやりかたはないか?など、考える姿勢と行動は、仕事や生活をよりよくすることのひとつと考えます。
皆さんの学力はそれぞれ伸びていますが、先生から付けてもらうのではなく自ら興味を持ち、勉強をする人はその伸びは驚異的です。皆さんも授業、実習、部活、委員会活動、学校生活のあらゆることについて昨年度以上に興味を持ち、工夫をしてみてください。
最後になりますが、本年度の1学期は7月20日に「終業式」を行います。温かく心地の良い春の季節に始まり、暑い夏へと季節が移り変わる1学期ですが、くれぐれも健康に留意して、友人と助けあい、励まし合い、志を高く持って、1学期を過ごしてください。
卒業式式辞
春の息吹を感じる今日の佳き日に、熊本県議会議員西岡勝成様、城下広作様をはじめ、同窓会、育友会、県教育委員会などから多数のご来賓、並びに、保護者の皆様のご出席のもと、平成29年度卒業証書授与式を挙行できますことを心から感謝申し上げます。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。そして、新生牛深高校1期生として、すばらしい校風をつくってくれたことに心から感謝します。ありがとう。また、今日の晴れ姿を心待ちにしておられた保護者、ご家族の皆様に心からお祝いを申し上げます。
卒業生の皆さん、この牛深高校で翼を鍛え、鴻(大きな水鳥)となって、社会に飛び立つ時がいよいよ来ました。今、皆さんは、高校生活を終える喜びや未来への希望に胸ふくらませるとともに、ここで過ごした日々が鮮やかによみがえり、感無量のことと思います。そんな卒業生の皆さんには、本校1期生としての誇りを胸に、本校の建学精神である社会に貢献する有為な人材になることを自らの使命とし、未来を切り拓いていって欲しいと願っています。卒業生の門出にあたり所懐の一端を述べ、餞の言葉とします。
一つ目は、建学精神にある挑戦をこれからも続けてもらいたいということです。オリンピックが開催された韓国に、「たくさん皿を洗う人は、たくさん皿を割る。」という言葉があります。皿を割ってもいいからとにかくたくさん皿を洗おう、つまり、失敗を恐れずに、挑戦しようということです。新生牛深高校の一期生であった皆さんは、入学時から普通総合学科の発展と希望を託され、プレッシャーもあったかと思いますが、そのプレッシャーを新しい牛深高校の未来を自分たちの力で切り拓くんだという決意に変えました。何事に対しても自ら進んで挑戦し、チーム牛高で一丸となって多くの成果を残してきました。1期生として見事に役割を果たしてくれたこの挑戦をこれからも続けていってもらいたいと思います。
二つ目は、新たな進路先を愛せよということです。これから、皆さんが進む新たな学校、仕事、職場をとことん好きになって欲しいということです。皆さんの進路先には、皆さんを成長させ、人生を豊かにする宝の泉があります。汲んでもつきない、汲めば汲むほど湧く宝の泉があります。進路先を愛し、直向きに学習に仕事に打ち込み努力を重ねていけば、人生が好転し、新しい未来が必ず開けます。そして、本校で身に付けた牛高スピリッツは、皆さんを助け、励まし、苦難を乗り越える大きな財産となることでしょう。
結びに、本日、卒業生を祝しご臨席いただきましたご来賓の皆様には今後ともご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。また、保護者の皆様には、本校教育の推進と充実発展に多大なるご支援ご協力を賜りましたことに対して厚くお礼申し上げますとともに、今後とも保護者OBとして側面からご支援をお願いいたします。
今日からは牛深高校は皆さんの母校となります。同窓会の一員として、また本校のサポーターとして、母校の発展を見守り、応援してください。教職員、在校生ともども惜別の情を抱きつつ、巣立ちゆく卒業生一人一人の前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
平成30年3月1日
平成29年度 第2学期終業式 校長講話
2学期の終業式を迎えましたが、2学期は皆さんにとってどんな学期でしたか。
2学期の始業式で、3年次生は新生牛深高校1期生として実績を残してほしい。1・2年次生は1年後2年後には進路実現の時期を迎える。実りの秋と言われる2学期となるようしっかり頑張ってほしいと話をしましたが、いかがだったでしょうか。また、1年の締めくくりでもありますが、どんな1年だったでしょうか。
私なりに2学期を振り返ってみますと、皆さんが活躍し牛高生のパワーを感じた学期ではなかったかと思います。
先ほど表彰したように、部活動においては多くの大会で優秀な成績を残しました。文化祭では、笑いあり、感動あり、ドラマありの楽しいもので、総合学科発表会では高い表現力を発揮するなど、学習の成果を遺憾なく発揮してくれました。保護者、地域の方々からは高い評価を得て、参加した中学生からは牛深高校で学びたいとの声が聞こえました。初めての大会で大変な面もありましたが、前向きに挑戦しようとする皆さんの頑張りの成果が出ました。マラソン大会では、一生懸命な姿とお互いに励まし合う友情の深さを感じました。
アサヒ若武者育成塾では、地域活力向上賞を受賞しました。2006年に始まり今回12回目となりますが、熊本県からの選出は初めてであり快挙です。大学進学後も研究を続けるという意向がすばらしいと思います。
その他にも仕事のやりがいと難しさを実感した2年次生のインターンシップ、小中高合同避難訓練、各種検定試験、地域ボランティアなど、多くの場面で力を発揮した2学期でした。一生懸命な姿に感動し、成長を実感し、可能性を感じた2学期だったように思います。
しかしながら、考えるべき点もあったように思います。それは、スマートフォンの利用時間です。生徒保健委員会の生活習慣アンケートによると、1日に2時間以上使っている生徒が約半分いました。この時間を勉強時間に充ててほしい。1・2年次は、進路を控えている。今年3年次生を見ていて、試験直前の学習だけでは大変で、年間を通して筆記試験の学習、文章を書く学習、思っていることを伝える学習に取り組む必要があります。毎日の授業、そして家庭学習で力を付ける必要があります。総合学科発表会で3年次生の発表にあった「頑張らなければわからないことがある。頑張らないといけない。」という言葉が印象に残っています。自分の将来を切り開くためには、社会に出て人の役に立つためには学習時間を増やし、努力できることが大切です。
3年次生の中にはこれから試験を受ける人がいます。センター試験を受ける人、不安もあるかと思いますが、慌てず、焦らず、諦めず自分を信じて頑張ってほしいと思います。そうすれば力は必ず付いてきます。牛高は団体戦で戦います。合格・内定している人もこれから試験を受ける人をしっかり応援していきましょう。
今年のノーベル平和賞授賞式で、被爆者として初めて演説したサーロー節子さんは「あきらめるな!隙間から光が入ってくるのが見えるだろう。そこに向かって、はって行きなさい。」と被爆の逆境の中で生き抜いてきた体験をスピーチされました。皆さんも一人一人目標を持って冬休みを迎えると思います。課外に参加する人もいます。寒さに負けそうになるときもあるかと思いますが、「花の咲かない寒い日は、下へ下へと根を延ばせ やがてでっかい花が咲く」です。
マラソン大会にあったように「自分史上初」といえる充実した冬休みを過ごしてください。新学期に元気に会えるのを楽しみにしています。
総合学科発表会あいさつ
牛深高校生はもちろんですが、多くの保護者、地域、中学生の皆様にお集まりいただき感謝申し上げます。総合学科発表会をこのように盛大に開催できますことを嬉しく思います。
これまでも、行事等を通して学習の成果を発表してきたところですが、新設牛深高校開校3年目を迎え、全年次がそろったことから、今回、第1回の大会を開催させていただきました。第1期生となる3年次生代表を実行委員長に、準備を進めてきたところです。
本日は、生徒が主体的にテーマを選び、考え、分析し、判断し、仲間と協働した取組を掲示やICTを活用し発表します。まさに、変化が激しい情報化社会を生き抜く力として身に付けておくべき実践力の発表です。本校では、全員がこのような学習に取り組んでおり、本日は、その一端を発表します。
また、牛深・河浦地域の生徒が、地域の学校で学び、地域の魅力などを発表することを誇りに思います。地域への思いを熱く語る姿を見ていただければと思います。本日午前中には、地域への感謝を込め、清掃ボランティアも行いました。
本日の発表が、本校生の更なる表現力・実践力の向上につながればと思います。また、中学生の皆様の参考になればと思います。
第1回ということで準備不足もあるかと思いますが、最後まで温かく見守っていただきますようよろしくお願いいたします。
全国高等学校野球選手権熊本大会選手推戴式あいさつ
いよいよ皆さんが最大の目標としている全国高等学校野球選手権熊本大会がはじまります。皆さんは、暑い中、先生方の指導のもと、汗にまみれ、土にまみれ、ひたむきに白球を追い一生懸命に練習をしてきました。それを見ながら、いつも頑張っているなと感心しています。学校の中でも、『明るいあいさつ、意欲的な活動、けじめのある生活』とまさに牛高スピリッツを実践してくれており、学校を引っ張り、元気にしてくれていることに感謝しています。いつも頑張っている皆さんだからこそ、是非、全力を出し切って欲しいと思います。
さて、本年6月3日、本県出身で熊本工業高校卒業、プロ野球中日ドラゴンズの荒木雅博内野手が48人目となる2000本安打を達成しました。2000本安打は打者としての快挙で、ニュースでも大きく取り上げられました。
ところで、荒木選手は他の2000本安打達成者とは違うところがあります。通算ホームラン数が33本と最小なのです。また、打撃タイトルにも縁がない選手です。入団当初、打撃で結果を出せず、解雇されることを覚悟していたそうです。2000本安打を打てる選手になるとは誰も予想していなかったそうです。荒木選手は、打てなくても守備や犠打、走塁でチームに貢献しようと、こつこつ努力したそうです。そんな努力が監督の目にとまり一軍で試合に出だしたのは入団から6年目。派手さはないが、チームに貢献する姿勢が認められ、22年間の永きにわたりプレーしてきたことで2000本安打を達成しました。
皆さんには、荒木選手のように、怖れず気負わず、侮らず、ただひたむきにチームのために全力でプレーしてほしいと思います。うまくやることよりも全力でプレーすること、そして、応援し、陰で支えてくださる人に感謝の気持ちを忘れてはなりません。勝ったとしても、仮に負けたとしても惜しみない拍手を送ってもらえるような試合をして欲しいと思います。緊張もするだろうし、プレッシャーもかかるでしょうが、自分を信じ仲間を信じ、青春の記憶に残るような大会にしてもらいたいと思います。
今年の生徒会のテーマは「Step to the Future」(未来への前進)です。何事にも挑戦し、自分で自分の限界をつくらず、ステップアップしていこうというものです。高校野球熊本大会でも、このテーマのもと南風ならぬ牛高旋風を巻き起こし、頑張ってください。
牛深高校はいつも団体戦です。後方に座っている生徒の皆さんも先生方も全力で応援しています。本大会をとおして、皆さんの絆がより深まり、誇りがより高くなることを願っています。
野球部 浦本侑弥主将以下17名の選手を牛深高校代表選手として認めます。皆さんの健闘を祈ります。
育友会総会あいさつ
本日は、日曜日ということで、いろいろなご予定があったかもしれませんが、育友会総会に参加いただき感謝申し上げます。
私は、今年度の定期異動で本校の校長を拝命しました平田と申します。私を含め10人が転入しました。よろしくお願いします。
はじめに、生徒の様子を紹介したいと思いますが、学習に部活動によく頑張り、落ち着いた生活を送っているところです。牛高伝統のあいさつもいいです。立ち止まって大きな声で挨拶をしてくれます。雨の中、保護者の皆さんも窓をあけてあいさつをしていただきます。1年次生も入学式から宿泊訓練、そしてハイヤ祭りと強行日程でしたが、よく頑張ってくれたと思います。
先日の牛深ハイヤ祭りでは、全校生徒、全職員がハイヤ祭りのオープニングを飾るハイヤ大橋からのハイヤ踊りを披露しましたし、多くの生徒がボランティアとして祭りを支えてくれました。地域の皆様からのお褒めの言葉をいただくとともに期待の大きさを感じました。各行事等での生徒の活躍は本校のホームページで紹介しておりますので、是非見ていただければと思います。
次に本校の教育目標についてお話しをします。本校は、牛深高校と河浦高校で培われた歴史と伝統を継承しつつ、新生牛深高校として普通総合学科を有する学校としてスタートし、今年で3年目を迎えます。3学年がそろい本年は新生牛深高校がその基礎を固め躍進する年です。
学校として、生徒一人一人の力を引き出し、伸ばし、進路希望を実現させること、また、心豊かなたくましい自立した人間に育てること、そして、保護者・地域の信頼を得、生徒がここで学べて良かったと言われる学校をめざすことを目標としています。
本校には、生徒のために一生懸命になれる先生方がそろっています。先生方の数も多く、生徒一人一人に寄り添ったきめ細かい指導ができる先生方ばかりです。チーム牛高で一丸となって、どこにも負けない愛情で頑張る所存ですのでよろしくお願いいたします。
また、生徒たちの成長のためには保護者、地域、学校がお互い協力・連携して行くことが大切です。2週間後には体育大会を実施しますし、今後、高校総体、総文祭と体育・文化両面で生徒たちが活躍する場面が続きます。本日の育友会総会をはじめ、是非多くの皆様に学校行事等に足を運んでいただき、激励と応援をお願いします。
終わりに、今後とも本校の教育活動へのご理解、ご協力をいただくようお願い申し上げ、あいさつとします。
天草地区体育大会 選手激励会
天草地区高等学校体育大会は歴史と伝統のある大会。昨年、この大会は熊本地震の影響でなかったと聞いている。3年次生にとっては、最初で最後の大会という人もいるかと思う。どうか昨年の分まで、思い出深い大会にしてもらいたい。
皆さんの練習の様子も見せていただいた。体育館でグラウンドで、先生方の指導のもと、汗にまみれながら練習している。それを見ながら、頑張っているな。牛高を元気にしてくれているなと感謝の気持ちを感じている。試合が終わった次の日から、黙々とサーブの練習をする人、走る人、バーベルを上げている人、一生懸命の姿はかっこいいし、感動する。頑張っている皆さんだからこそ、是非、全力を出し切って欲しい。応援する人も全力で応援して欲しい。
今年の生徒会のテーマは「Step to the Future」(未来への前進)。新生牛深高校の未来を自分たちの力で切り開いて誇れる牛深高校をつくろうというものです。何事にも挑戦し、自分で自分の限界をつくらず、ステップアップしていこうというものです。
ある本に、こんなことが書かれていました。
『もし君が、負けると考えるなら、君は負ける
もし君が、どうしてもと考えないなら、何一つ成功しない
もし君が、勝ちたいと思っても勝てないかもしれないと考えるなら君に勝利はほほえまない
もし君が、いい加減にやるなら、君は失敗する
成功への道のりは、君の意思によって始まる。必ずできるという信念が大切だ。』
天草地区大会で、南風ならぬ牛高旋風を巻き起こし、優勝を目指して頑張って欲しい。本大会を通して、皆さんの絆がより深まり、誇りがより高くなることを願っています。選手宣誓をしてくれたサッカー部主将をはじめ、7競技の選手を牛深高校代表の選手として認める。皆さんの健闘を祈る。
平成29年度 第1学期 始業式 校長講話
桜の花が咲き、新緑が鮮やかな季節を迎えました。いよいよ新年度がスタートしますが、今、皆さんはどんな気持ちでこの始業式に臨んでいるでしょうか。”春風や闘志いだきて丘に立つ”という句がありますが、新年度を迎え新たな決意をもって、今日の日を迎えたと思います。
3年生は、進路を決める大切な1年となります。最上級生として学校を引っ張るとともに、新生牛深高校の第1期生として後に続く2期生3期生に方向性を示せるようにそれぞれの進路目標の実現に向け取り組んで欲しいと思います。2年生は中堅として新入生が入り先輩という立場になります。リーダーシップを発揮し本校を支えてくれる柱として期待しています。各自、年度当初に当たり、まずは目標をしっかり持って欲しいと思います。
さて、牛高のスローガンは”挑戦”です。新生牛深高校として何事にも挑戦していきたいと思いますし、皆さん一人一人が志を高く持ち、自分の夢に向かっていきいきと生きる生徒であって欲しいと思います。そのためには、私は、皆さんに牛高スピリッツの中の一つ”意欲的な活動”について話をします。
私は、昨年、熊本市内に住んでいて、私自身が熊本地震を経験し、被災しました。避難所生活を送り、大変な思いをしましたが、その中にあって、全国から世界から”がんばろう熊本”の合い言葉の中、多くの支援が寄せられ元気と勇気を与えていただきました。人の温かさやすばらしさをあらためて感じたところです。
ある避難所では、小学校低学年が夜トイレの前で水が一杯入ったやかんを両手で抱えて立っていました。トイレに行かれた高齢者の手を洗うためだったそうです。また、進んで高齢者の話し相手になったり、自分より小さい子の遊び相手になったりしていたそうです。また、中学生がすすんで避難された方におにぎりを配ったり、高校生が学校の駐車場に避難してきた車の誘導を行ったりと頑張ってくれました。皆、自分自身が被災して大変だったにもかかわらず、何か自分にできることはないかと考えて主体的に行動してくれたのです。誰かがしてくれるだろう、頼まれたらやろうではなく、今、自分にできることは何か、自分としてどう動けばよいのかを常に考えて行動したのです。この考えや行動は、人を助け人に勇気や感動を与えるとともに、将来に渡り、自分を成長させる考え方や行動です。牛高生として何ができるのか、受け身ではなく意欲的に行動することが大切です。
先生方も含め全員で力を合わせ、牛高の元気づくりに取り組んでいきましょう。皆さんにとって、目標が達成される1年となることを祈念します。
平成29年度 入学式 校長式辞
桜の花が咲き誇り、新緑の息吹あふれる今日の佳き日に、県議会議員 西岡 勝成様、城下 広作様をはじめ多くのご来賓の皆様並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、平成二十九年度熊本県立牛深高等学校の入学式を挙行できますことは誠に喜ばしく、心から感謝申し上げます。
ただ今、入学を許可しました五十一名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。晴れて本校への入学を果たされた皆さんを、教職員、在校生一同、心から祝福し歓迎いたします。
今、皆さんは本校に入学した感激と同時に、新しく始まる学校生活への大きな期待に胸ふくらませていることと思います。
どうか今の気持ちを忘れず、それぞれの夢実現に向けて、果敢に挑戦してください。
君たちの入学した牛深高校普通総合学科は牛深高校普通科と河浦高校普通科を母体として、一昨年開校いたしました。本日、三期生として入学した皆さんをお迎えし、新生牛深高校として三学年がそろいました。本年は新生牛深高校がその基礎を固め躍進する年であり、皆さんには大きな期待を寄せています。今日から君たちの母校となった牛深高校の発展のために、ともに最善を尽くしていきましょう。
さて、入学に当たり、本校建学の精神ともいうべき校訓を紹介し、その心構えについてお話しいたします。
まず「敬愛」です。互いに本校で学ぶ者として思いやりや、いたわりの心を持って助け合い、信頼し、一生涯の友を得るよう、温かい人間関係を作ってください。
次に「勤勉」です。一心に勉学に励み、志を高く掲げ、自分の目標を明確にして、充実した毎日を送って下さい。君たち一人一人には優れた才能があり、大いに伸びる可能性があります。先輩や先生方は君たちを温かく迎え、熱心に指導してくださいます。素直に耳を傾け精一杯努力してください。
そして「創造」です。作り出すものは、自分自身の将来であり、未来です。強く逞しく、心身共に健康な生徒であってほしいと願います。闘志を内に秘め、共に切磋琢磨し、何事にも積極的に挑戦してください。創造とは挑戦する意志のないところに生まれることはありません。
「敬愛」・「勤勉」・「創造」、この三つの言葉を大事にすることが「心構え」となります。この「心構え」から、「高い志」は生まれます。三年間の学校生活の中で、自分の良さを見つけ、自分を磨き、目標を高く掲げ、果敢に挑戦して、自分の未来を切り拓いてください。この牛深高校で、人生の種を蒔き、根を張り、葉を広げて欲しいと思います。
さて、保護者の皆様、お子様のご入学を心からお祝い申し上げます。
私どもはこれから、長い人生の中で最も理想を追い求め、心を燃やすであろうお子様をお預かりすることになりますが、教育は学ぶ者の意欲と教える側の熱意、そしてご家庭の協力が一体となった時、最大の効果があるものです。 私ども教職員一同、皆様の御期待にそうべく、お子様の教育に愛情と情熱を持って全力を尽くす所存です。 どうぞ本校の教育活動充実のために、ご支援、ご協力をお願い申し上げます。
最後になりましたが、ご来賓の皆様にはご多用の所ご臨席を賜りましたことに改めてお礼申し上げますとともに、本校の更なる発展のために、御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
新入生諸君が、今の胸の高まりを大切に、大きく飛躍されんことを願い、式辞といたします。
平成二十九年四月十日
平成28年度 修了式 校長講話
ある大企業で新入社員の中から4人が選ばれた。会社は彼らに不可解な命令を下す。給料やボーナスは特別に多く払う。経費も好きなだけ使ってよい。その代わり何もしてはならない。生産的なことは一切してはならない、というのである。
海辺の寮に隔離された彼らは、釣りをしたりトランプや麻雀に興じたりして過ごすが、じきに飽きて世界中の遊び道具を集めはじめる。しかしついにそれらにも飽きてしまう。
そしてどうなったか。彼らは新しい遊びを考え出したのだ。
地面に複雑な図面を描き、ボールを使い、人間がチェスの駒のようになって遊ぶというそのゲームは、スポーツと知的ゲームとギャンブルの長所がうまくミックスされたような画期的なものだった。すると、本社から重役が飛んできた。
「よくやった。管理人からの報告で、急いでかけつけてきたのだ」
「やったとおっしゃいましたが、わたしたちはなにもやっていませんよ。遊んでいるだけです」
「いや、いまやっているじゃないか。新しいゲームを開発してくれたではないか。それが目的だったのだ」
重役の言葉を聞いた4人は不満げに訴えた。「それならそうと、はじめにおっしゃってくれればよかったのに」
すると重役はこう答えた。「いや、それではだめなのだ。現在あるスポーツやゲームは、どれも19世紀以前に生まれたものだ。そして現在、いまほど新しい遊びが強く求められている時代はないのだが、人々はせかせかし、開発する精神的余裕を失っている。面白い遊びというものは、理屈からはうまれない。そこで優秀なきみたちを、昔の”暇人”の環境に置き、アイデアがにじみ出て形をとるのを待ったのだ。よくやってくれた」
星新一の『盗賊会社』(新潮文庫)所収の「あるエリートたち」という作品の概要である。
◎「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」(新潮社)二宮敦人・著
東京藝術大学の学生とはいかなるものたちか。
ある男子学生は、楽器を荒川に沈めようとしているという。沈めて錆付いた楽器を引き上げて展示したり演奏したりしたいのだが、企画書を持っていても国土交通省から許可が下りないと悩んでいる。
ある女子学生は、アスファルトの駐車場の上にアスファルトでつくった車を置いてみたという。タイヤもアスファルト製で、押せばちゃんと走ると嬉しそうに胸を張る。
表現には彼らなりの理由や背景があるのだ。彼らにアート、芸術をどう考えているか聞いてみると、そのことがよくわかる。
アートとは――。
「知覚できる幅を広げること・・・かなあ」
「ちゃんと役に立つものを作るのは、アートと違う。この世にまだないもの、それはだいたい無駄なものなんですけど、それを作るのがアートなんで」
彼らは前に紹介した星新一のショートショートのエリートたちを髣髴とさせる。このようにひたすら役に立たないことをやり続けることの中から、やがて天才的なアイデアが生まれるのかもしれない。実際、藝大では「天才」という言葉がふつうに使われているらしい。たとえば学長からして新入生たちに対してこんなことを言っている。
「何年かに一人、天才が出ればいい。他の人は天才の礎。ここはそういう大学なんです」
とは言うけれど、何年に一人どころか、この本には天才と呼びたくなるような人物が何人も出てくる。たとえば藝大生をして「あいつは天才」と言わしめるある学生は、口笛の世界チャンピオンだ。彼は口笛をクラシック音楽に取り入れるという前人未到の道を切り拓こうとしている。
この本を読んでいると、いかにこちらの頭がコチコチに固まっているかに気づかされる。常識や世間体、役に立つか立たないか。そんな固定観念でがんじがらめになっていることを思い知らされるのだ。
・「面白い!」という心の声に忠実になること。
・なにかの役に立とうなどゆめゆめ思わないこと。
・ひたすら手を動かし試行錯誤を繰り返すのを厭わないこと――。
・誰もやっていないことに果敢に挑戦すること。
こういったことの先にいつか、この行き詰った社会を打ち破るような新しい芸術や思想が誕生するのかもしれない。
平成28年度 第3学期 始業式 校長講話
挑戦の数だけ、成功があります。偉人と呼ばれる人たちは、誰よりも「挑戦」をした人たちです。何かに迷ったとき、自分を奮起させたいときに、彼らの「言葉」はきっと役立つはずです。
●「今度も立派に乗り越えてみせるぞ。朝の来ない夜はないのだから。」(吉川英治/作家)
誰だって苦しい日々がある。それを乗り越えていくことで、人は成長する。だから、いつも吉川英治の小説には、「今度も立派に乗り越えてみせてほしい」との願いが込められている。『宮本武蔵』を読んで、自殺しようとした人が思いとどまったという逸話が残されている。
吉川が小説家として一本立ちを決意したのは、関東大震災を経験することによってであった。たくさんの人が死に、当時吉川が勤めていた新聞社も潰れた。そのなかで生き残った者として、人々をそして自分を励ましていこうと決意したのだ。吉川の小説には、それぞれの登場人物の人生への賛歌がある。見方を変えれば、一生懸命に生きているみんなを「頑張れ」と応援している。
●「やってみなはれ。やらなわからしまへんで。」(鳥井信治郎/サントリー創業者)
外国のウイスキーに学んで成功したサントリーだが、その後、本場のスコッチに負けない味で評価を伸ばした。成功の原因の大本は、鳥井信治郎のつくり上げた社風「やってみなはれ」が、ずっと生きていたおかげであろう。
試行錯誤してはじめて本物はできていく。これを認め、当たり前とする経営、社会が企業を強くしていく。ただやってみろではない、やって失敗してみんなで学ぶ。この姿勢が大切である。日本社会で長く成功していくのもそういう人と会社である。
●仕事は自分で見付けるべきものだ。また職業は自分でこしらえるべきものだ。その心がけさえあれば、仕事、職業は無限にある。(豊田佐吉/トヨタグループ創始者)
社会に出て初めて仕事に就いたり、転職して新しい仕事を覚えたり、その会社の流儀を学んでいるときには、ひたすら先輩に学ぶことが大切である。
つべこべ言わずに、人に学ぶのだ。一応の基本をマスターして、そこのやり方になじんだら、そろそろ自分らしさを出すのだ。ここで自分で仕事を創り始める人が本当にできる人である。仕事は時代の変化とともに常に新しく変わっていくので、旧態依存の人は使えない。さらに独立する人、ベンチャーを起こす人は、職業も自分でこしらえる人であろう。新しい仕事、新しい職業は、常に従来の仕事の延長線上にある。豊田佐吉は大工から自動織機の世界的発明家になり、息子に自動車づくりを研究させた。こうしてトヨタができた。
◎木村進(総合法令出版)さんの『日本人なら知っておきたい名言100』から、所収の言葉を三つ紹介しました。
昨年から『挑戦』をキーワードとして教育活動に取り組みました。今年も変わることなく、引き続き『挑戦』の旗を掲げたいと思います。
平成28年度 第2学期 終業式 校長講話
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを
あの人のことを思いながら眠りについたからあの人が夢に現れたのだろうか。もし、夢と知っていたなら目を覚まさなかっただろうものを。
小野小町の詠んだ歌です。好きな人を思い続けていたらなんとその人が夢に現れた。でも目を覚ましてしまい、それが夢だと分かった。その時の「がっかり感」というものを歌ったものです。
●なぜ、『君の名は。』はヒットしたのか?新海監督の創作意図(狙い)とは?①「一度見終わった直後にもう一度見たくなる」
・複数回鑑賞してもらえるような作品を目指しました。
②「映画の鑑賞時間を1分でも短くしよう」
・最初の脚本の段階では116分あったのを、107分にまで削って縮めました。
③「手をかけて、リッチな画面にしていく」
・星のまたたきや水のきらめき、特に自然表現における光の変化を意識しました。①「リアルさ」(背景など作画)の追求
②「安藤雅司さん」(作画監督)の起用
③「スピード感」(1カット平均3.9秒)の採用
④「日本伝統のモチーフ」(男女の入れ替わり)の活用
⑤「結び」という言葉(「日本的コンセプト」)の使用
●作品『君の名は。』のインスピレーションとなったものは? ・アイデアの源は、「自分が興味あること、謎として残っていること」です。端的に言うと、「コミュニケーション」です。「どうして人と人というのは、気持ちを通わすことができるのか」、あるいは「気持ちを通わすことができないのか」と。また、発想のヒントを得るために古典を読みます。
・今回の作品は、出会えないはずの二人の出会いを描いています。男女が入れ替わることで物語は始まるのですが、入れ替わりは出会うための仕掛けです。
・『君の名は。』は、「夢と知りせば」という和歌がインスピレーションを与えてくれました。夢から覚めてなぜかさみしいという感情は、小野小町のいた平安時代から、いやそれ以前から今にいたるまで人の持つ共通の感覚だろうと思ったのです。そこで、「朝、目が覚めると、なぜか泣いている」と物語を始めることで、観客にも「それは分かる」という気持ちになってもらえるのではないかと考えました。
●新海監督の創作意欲の源は? こういう物語を作り続けるのは、「大きなものとの一体感」がほしいんだと思います。何か大きなものについて知りたいし、自分が何か大事な「意味のあるものの一部」なんだと思いたいっていう欲求がすごくあるんです。僕の10代の頃の真剣な望みは「他の惑星にいきたい」と「誰も観たことがない景色を初めて見る人間になりたい」でした。それが年齢を重ねて、イノセンスを失って、自分は社会の中で生きていくしかないんだってわからざるをえない年齢になっても、自分が社会的な存在になる前に強烈に憧れていたものにつながりたいっていう気持ちがどうしても消えなくて、それが物語になり、アニメーションになっているんだと思います。
◎新海監督の創作動機である「ゆかし」や古典作品からの着想「故きを温めて新しきを知る」も普遍かつ不変といえるものです。皆さんも、「知りたい」という感情を大切に、読書を通して常に研鑽に励んで欲しいと思います。これも普遍かつ不変であります。
平成28年度 第2学期 始業式 校長講話
~続 変容する世界と社会の中で未来を「想像⇒創造」する~
夏休みが始まったばかりの7月22日、いよいよ「ポケモンGO」の日本での配信が始まりました。先行したアメリカでは大ブームが巻き起こり「スマホユーザーの行動が変わる」とまで報道していました。何か大変なことが起きたという印象でした。「ポケモンGO」で何が変わるのでしょうか?
ポケモンGOはゲーム世界のユーザーがびっくりしただけではありません。ビジネス世界の投資家を驚かせるもうひとつの仕組みが組み込まれていました。
ユーザーが外に出て「ポケストップ」でポケモンをゲットしたり、「ジム」に所属してそこでポケモンを育てたり、対戦したりするという仮想現実の導入です。ポケモンGOは消費者を「外へ連れ出す」能力を身につけていたのです。
もしこの試みが成功すると、任天堂はこれまで持っていなかった物凄い力を手に入れることになります。それは、任天堂と組んだ店舗に消費者が動く、つまり任天堂は消費者を自在に動かし、小売店や飲食店に大量に集客できるようになるという広告集客力を持つのです。
マクドナルドとの提携が終わったら、次に別の企業が手を挙げることになるでしょう。そしてどこが手を挙げても、その企業は圧倒的な集客力を手にいれることになります。
もしポケストップに設定されている美容室とそうでない美容室が存在したら消費者はどちらに行くでしょうか?もし消費者が外食の目的地をグーグル検索や食べログ検索の代わりにポケモンで検索するように行動が変わってしまったら?
終業式で述べたことを覚えていますか?
この30年での世界の変容を3つ挙げました。
①ドイツ「ベルリンの壁」崩壊
②アメリカ「世界貿易センター」同時多発テロ
③イギリス国民投票EU離脱派の勝利
ひょっとしたらこの3つより大きな分岐点であるかもしれません。
「ゲーム世界」が「現実世界」と融合していく世界、皆さんはどう思いますか?
30年後の未来、振り返って「未来の現在」へ繋がった選択肢の分岐点が平成28年7月22日と記録されることになるのでしょうか。
インターネットは私たちの生活を変化させました。30年後の未来、インターネットと切り離した生活は考えられないでしょう。誰かが思いを巡らし、想像さえすれば、コンピューターは最適な創造のために全力で思考するでしょう。あっという間に答えは出るでしょう。「OK!○○○○」
インターネットの仮想現実世界で時を過ごせば、現実世界の人との人間関係、結びつきはどうなるのでしょうか。仮想現実で友達を作れるけど、現実の人の声や接触を煩わしく思う人が増えてきたらどうでしょうか。
仮想現実世界の結果は決して真実ではありません。現実世界にリセットもききません。ポケモンGOがもたらすものは、未来の新しい光となり、新たな夜明けをもたらすものになるのでしょうか。私は怪しげな未来の想像、不安ばかりです。「杞憂」に終わって欲しいと思います。
想像力を駆使して、クラスの仲間と、先生たちと話し合ってみるのもいいかもしれません。どんな世界になるのでしょうか。
平成28年度第1学期終業式 校長講話
平成28年7月20日(水)
「万物流転」~変容する世界と社会の中で未来を「想像⇒創造」する~
「万物流転(ばんぶつるてん)」はこの世の常であります。この世にあるあらゆるものは、絶え間なく変化します。そんなことは当たり前とわかっていても、その変わりよう、変化にびっくりさせられることがたびたびです。
先日、イギリスで欧州連合(EU)残留or離脱の国民投票が行われ、「離脱支持派」が多数を占めることになりました。離脱支持派は、EU加盟で失ってしまった国家支出(お金)や政策決定における自己決定権を取り戻すという「主権回復の戦い」であると主張していました。まさに、過去の栄光「グレートブリテン(偉大なる大英帝国)」復活を目指し、歴史の針を巻き戻そうとしたのです。
しかし、この結果を受けて、逆に「残留支持派」が6割を超えたスコットランドからは、「独立」の是非を問う住民投票を行うという動きも出てきました。EU離脱で、「歴史の針を巻き戻す」どころか、イギリスという国家の歴史的解体という「歴史の針を先に進める」ことになるのではないだろうかと、危惧しています。
私は何事も30年の期間で考えるようにしています。ちょうど30年前、国連人口基金が世界人口が50億人に到達したと推計される1987年7月11日を「世界人口デー」と制定しました。ちなみに現在は約73億人と言われています。世界の人口は、1分に137人、1日で20万人、1年で7千万人、増えているそうです。世界で最も変化したのは「人口」かもしれません。
平成元年の牛深高校卒業生は225人でした。およそ30年が経ち、昨年度(平成27年度)卒業生は61人でした。世界の人口爆発とは反対に、この30年、牛高は右肩下がりで生徒数が減少しています。変化は数だけではありません。進路面を観ると、元年に進学3割、就職7割であった割合が、平成10年前後を境に逆転、現在は進学7割、就職3割という様相へ変化しています。進学先も大学・高等看護学校等の割合が、平成元年度に4.4%(10人)であった数字が、昨年度は37.7%(23人)、約9倍と激増しています。明らかに生徒・保護者・地域の要望(ニーズ)が変化しています。
この30年間の変化を見ると、世界が一変した事件、国家体制が変わってしまった例は数え上げたらきりがありません。
●東欧革命から始まる新しい社会体制と社会秩序
・東西ドイツの統一(1989年11月10日に東西ベルリン市民による壁の破壊)
・ソ連邦の崩壊(超大国として君臨したが、1991年12月25日に崩壊した。)
●テロの頻発とグローバリズム
・アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日に同時多発的に発生した4つのテロ事件。
・先日のバングラデシュの首都ダッカで起こった立てこもりテロ事件。邦人7名の犠牲者。
●不透明感漂う未来
・EU(欧州連合)の未来
世界と社会の変容はあまりに凄まじく、私たちの想定を遙かに超えています。しかし、たとえどんなに変化しようとも、皆さんには「笑顔の未来」を作って欲しいと思います。
30年後の未来を逞しく生き抜くことのできる人材とは「与えられた枠組の中で機能する人材ではなく、自ら新しい枠組を創造しようとする人材」だと考えます。 必要なものは「能力」以上に「意欲」である。
⇒ジリツ・プラスα・カクシン
⇒自立+自律・付加価値・革新(現状打破)
⇒「さらに もう一歩 高みへ」 ⇒『挑戦』
第98回全国高等学校野球選手権熊本大会選手激励会 校長講話
平成28年7月1日(金)
◎今年のKAB熊本朝日放送の応援ソングは植田真梨恵さんの「ルーキー」、軽快な音楽とアメコミ調の編集で記憶に残ります。(7月1日のKAB熊本朝日放送「くまパワ 」に出演するらしい。)
◎今年で98回目の開催となります。藤崎台野球場も今度の地震によって少なからず被害を受けています。個人的な話になりますが、藤崎台には随分足を運んだ記憶があります。私の中で2つの「藤崎台野球場」にまつわる「伝説」があります。春の大会の準決勝?が「八代高校」vs「天草高校」となった試合があります。熊本市内の高校でもなく、私立の高校でもない2校の激突に興味がそそられました。春のうららかな一日をのんびりと楽しむつもりで、バックネット裏から、観戦していました。そんな春の陽気を切り裂く打球を放つ選手がいました。高々と舞い上がった白球は左中間スタンドのクスノキ付近に吸い込まれていきました。びっくりしました。高校生の飛距離を遙かに超えています。その選手は途中からリリーフに登場、コントロールは悪いのですが、むちゃくちゃボールが速い。後にプロ野球で大活躍する秋山幸二さんです。八代高校出身です。
「弾丸ライナー」という言葉があります。「セカンドが飛びついた打球がそのままライトスタンドに突き刺さった。」という伝説を残した選手がいます。ただし、バットのどこでボールを捉えていたのかを確認するため、その選手はバットをもったまま一塁まで走って監督から怒られたそうです。あのイチロー選手が、唯一天才と認めたバッター、広島カープの前田智徳さんです。熊本工業出身です。
今年のチームは「ここ数年では1番力があるという噂です。3年生の5人全員が1年生の時からレギュラー。この経験が練習でも堂々とした態度に現れています。しっかり守って、少ないチャンスをものにしていくのが牛深のモットー。固い結束で結ばれた5人の3年生が下級生を引っ張り夏の勝利を掴んで下さい。」チーム紹介を引用させてもらいました。
最後に「高校野球の舞台には魔物が棲む」という話があります。ありえない逆転や、想像を遙かに超えたドラマチックな場面が、1世紀(100年)にも渡って、いつも展開したからでしょう。
ただ、こんな言葉を遺した人もいます。
「甲子園には、魔物なんて棲んでいない。もしも、棲んでいるとしたら、お前たちの心の中にいる」
昨年の夏に勇退した横浜高校・渡辺元智(わたなべ もとのり)監督
春夏通算5度の甲子園優勝。ソフトバンク松坂をはじめ、プロ野球界に数々の教え子を送り込んできた名将である。指導した主な選手は、松坂大輔・涌井秀章・筒香嘉智など数え上げたらきりがない。
藤崎台県営野球場、県営八代野球場、山鹿市民球場3カ所に別れて大会が開催されることになっています。野球部の皆さん、どうか、非常心で唯一無二の一球を追いかけて、思いっきり泣ける「夏の思い出」、それぞれの「伝説」をつくって下さい。
平成28年熊本県高校総体選手激励会 講話
平成28年5月25日(水)
●熊本県内の全日制高校の生徒数は平成27年度資料によると、県立29448人、私立16973人、市立1672人、合計48093人である。
●熊本市内に高校が公立13校、私立14校あるが、すべての学校がGWまでを休校措置にした。再開できたのはほとんどの学校が5月10日からである。
阿蘇地区、宇城地区の学校を含めると、GWまでの休校措置は公立高校20校 /57校(18811人)、熊本市内私立高校14校/22校(13146人) 計31957人/48093人(66.4%)であった。県内高校生のうち、3人に2人はおよそ1ヶ月学校を離れた生活があったわけである。
◎この地震は学校の施設、設備、教室にも多くの被害をもたらした。体育大会を中止にした学校も多くある。無念である。ありふれた日常であるが、仲間とわいわいやりながら部活動や授業に取り組んでいたことがなんと「幸福」であったか。
◎相手があって初めて試合は成立する。審判員の方がいて初めて記録を確認できる。本当に「あたりまえ」のことであるが、君たちのできることは、この「あたりまえ」に感謝する気持ちを忘れず、一心不乱に堂々と試合・競技の場に臨むことである。一人一人の力は、微力ではあるが、決して無力ではない。君たち一人一人の笑顔とプレーが見ている人と対戦した同じ熊本の高校生に勇気と元気をもたらしてくれることをどうか、まずお願いしたい。
◎「ゾーン体験」
★中田久美(なかだ くみ)さん 1965年9月3日生まれ
中学入学と同時にバレーボールを始め、日立や全日本で監督を務めた名将、 山田重雄氏に見出され、セッターに転向する。1981年に日立に入団し、セッター転向後、わずか1年でスタメンを獲得。日本リーグ6連覇、リーグ戦88連勝という、いまだ破られていない快挙を成し遂げた。1983年からは、全日本でもスタメンセッターとなる。オリンピックには3度出場。日本リーグ、V・プレミアリーグ時代を通じて、女子最多4度の最高殊勲選手賞受賞者。性格は強気で負けず嫌い。天才セッターと呼ばれた。 |
●彼女のエピソードから
「生涯の何百、何千の試合でどうしても忘れられない試合がある。10m後ろの5m上からの視点から、コートを見て試合ができた。まるで負ける気がしなかった。」極度の精神の高揚と緊張がもたらした視覚と言われ、これをゾーンに入るという言い方をするようです。集中力を切らすことなく、体と心が一体化していて、何もかもがうまくいく状態のことで、「ゾーン体験」とも言われ、よくメンタルトレーニングの目指す一つの境地と考えられます。トップアスリートが到達できる感覚といえばその通りですが、君たちもこの「ゾーン」体験に挑戦して欲しい。集中して、冷静に、常に視野を全方位に放射しながら笑顔で試合、競技に取り組んでください。
◎陸上競技部、サッカー部、男子ソフトテニス部、バスケットボール部、女子バレーボール部、弓道部の皆さん、スポーツができる喜び、そして仲間との絆をしっかり感じて、大会を楽しんできてください。
平成28年度 体育大会講話
「チャレンジ ~新たな目標を抱け~」
●4月14日以降の一連の地震により、甚大な被害が生じました。多くの尊い命が失われ、多くの住宅が倒壊しました。改めまして、この地震で犠牲になられた全ての皆様に対し、謹んで哀悼の意を表します。また、被災されたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。そして、お忙しい中、本日ご来校いただきましたご来賓の皆様、地域の皆様には、深く感謝申し上げます。まことにありがとうございます。
●この地震、震災でそれまでのありふれた日常は一変しました。学校の施設、設備、教室に被害が出て体育大会も中止にせざるを得なくなった学校もたくさんあります。君たちにこの大会をとおして次のことを感じ、考えて欲しいと思います。
◎あたりまえの日常はかけがえのないものである。
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
失ってしまって、その価値がかけがえのないものであったことを知る。
幸福とは、あたりまえの日常そのものである。
◎今私たちができること
①関心を持つこと
②今自分ができることを冷静に見つめること
③あたりまえの日常を、友人・家族と共有して大事にすること
◎ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェの言葉を紹介します。
一緒に黙っていることは素敵だ。
もっと素敵なのは、一緒に笑っていることだ。
二人以上で、一緒にいて、同じ体験をし、共に感動し、泣き笑いしながら
同じ時間を共に生きていくのは、とても素晴らしいことだ。
●今日の大会は、これまで練習してきた成果を発揮できる機会、舞台であります。「あたりまえの日常」がかけがえのない「幸福」であることをしっかりと感じながら、仲間と共にその磨いてきた技と力をかけがえのない友人と家族の前で披露してください。
●一人一人の力は、微力ではありますが、決して無力ではありません。君たち一人一人の笑顔と今日の一日が勇気と元気を与えることのできる大会となる事を祈念して、挨拶といたします。
平成28年度 天草地区大会選手推戴式講話
幸福とは、あたりまえの日常そのものである。
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
失ってしまって、その価値がかけがえのないものであったことを知る。
◎私たちは試されている。
◎何ができるか?
「微力だが、無力ではない」
東日本大震災の時、災害救援ボランティアプロジェクトを立ち上げた学生のことばです。そして、早稲田大学でボランティア活動をすすめる言葉が残っています。
| 特別な技術をもたない私たちが現地で活動をするうえでは、自らの非効率さや矛盾に直面することがあります。状況によって、現地の期待に必ずしも応えられないこともあるのです。 しかし現地に赴く者がひとり増える毎に、その一人が行った活動によって、被災地の復興に少しでもつながるはずだと考えています。また、若者が現状を見て、感じて、行動することは、これからの日本社会にとって重要な礎になると信じています。ぜひ、皆さんは、長期的に関心を持ち続け、必要とされていることを理解したうえで、ボランティアに臨んでください。 |
◎「健康・友人・家族」そして「故郷」
多くのものを失ってしまったことを毎日のテレビの報道をとおして理解します。そして今、失ってしまったものの価値がかけがえのないものであったことを知ります。
◎今私たちができること
①関心を持つこと
②今自分ができることを冷静に見つめること
③あたりまえの日常を、友人・家族と共有して大事にすること
平成28年度 第1学期始業式講話
・7月夏の参議院選挙から投票できる年齢:20歳→18歳
・年齢引き下げに対する様々な意見
| 13世紀モンゴル帝国の領土、支配地域は、東ヨーロッパからアジア東端にまで及ぶ。まさに世界史上最大級の帝国であった。そんな巨大帝国であるから、辺境の小国であった日本ならば使者を送れば、すぐに降伏するに違いない――。そう考えたモンゴルからの使者は『家来になれ、武力を使わず済ませたいのでよい返事をしろ』といった内容を伝えてきた。しかし、当時の日本はこのことばに従わなかった。このときその決断をしたのは北条時宗、なんと18歳。 18歳でモンゴルと戦うことを決意した時宗が、文永の役で勝つのは23歳のとき、この間、彼は軍事政権をつくり、戦う準備を着々と進めていた。モンゴルは、武力に任せるだけでなく、敵の内乱に乗じた侵略を得意としていました。しかし、日本は北条時宗によって挙国一致体制を築いており、その隙を与えなかった。 最後は台風による被害でモンゴル軍は大打撃を受けるものの、決して上陸させない作戦を展開し、台風を待ったのも北条時宗の戦略だったとか。ちなみに北条時宗は、二度目の元寇である「弘安の役」を防いだ3年後の34歳でこの世を去りました。 当時、世界最大の帝国に対して敢然と対峙して「来るなら来いっ!」 と言い放ち、アジアの辺境、東の端の我が国を背負って立った18歳がいたのである。 |
◎まだ18歳ではなく、もう18歳である。
本校で育てたい生徒像を「志高く、夢に向かっていきいきと生きる生徒」としました。理想を追い求める時期だからこそ、さまざまな挫折や苦難はつきものです。青春とはそのような季節であり、皆さんがまさにその時期にあるのです。高校生活の中で、様々な体験をする中で、成長の証を獲得できるよう、今年も牛深高校を大きく飛躍させる年にしたいと考えています。
そこで、「地域への貢献」、「愛校心の涵養」を目的に2つの思い出作りを計画しました。
①牛深ハイヤ祭りへの参加(4月)
②全校生徒での応援(7月)
心に刻む思い出こそ、成長の大きな糧になるものと思います。積極的、意欲的、自発的、能動的に「挑戦」することを今年のスローガンとします。
◎「挑戦」~志高く、夢に向かっていきいきと生きる生徒であれ~
平成27年度 修了式講話
・それぞれ一人一人が持っているテーマに「進路をどうするのか?」があります。
・参考としたいモデルがあります。君たちのすぐ前を歩いてくれた先輩、先日卒業式を終えたばかりの先輩達の例が良いお手本になります。進学、就職試験に果敢に挑戦して見事に結果を出してくれました。中でも、九州で最難関とされるレベルの大学、九州大学法学部に現役合格を果たしてくれた生徒がいます。先日、校長室へ合格の報告に来てくれました。
・「合格に不思議の合格なし、不合格に不思議の不合格なし」といいます。必ず、起こった出来事には原因と理由があります。「合格を自己分析すると、どういうことだと思いますか?」と聴いてみました。話してくれている時の様子は、常に真摯で素直な姿勢と態度が感じられました。まとめると、次の3点になります。
①あきらめなかったこと。 【勤勉】
②先生方、友人、家族に支えてもらったこと。【敬愛】 → 《 校訓 》
③彼の人柄も大きな要因であること。 【誠実】
・誠実な人柄は、素直でまっすぐな構えを生みます。そこで、あきらめることなく努力を続けたこと、周囲に対する感謝を忘れなかったことが、大いなる挑戦を成功に導いた原動力であったということになります。そして一つの結果に満足するのではなく、さらに「高み」を目指して挑戦したことも大いなる成長の糧になったのではないでしょうか。
●未在を知る
もうこれで十分だ。自分には学ぶものはもうない、と思うのは、大いなる勘違いです。どんな道でも究めることは難しいものです。もう学ぶことはない、と思った時点でその人の成長は止まってしまいます。「未在」とは「まだまだ学ぶべきことがある。」という意味です。
◎将棋のプロ棋士で羽生善治さんがいます。1970年生まれ、中学3年でプロ棋士にり、26歳の時、7冠王に輝き、2012年、大山康晴十五世名人の持っていた生涯獲得タイトル数を超えて、歴代1位となりました。昨年棋士生活30年を迎えた人です。その羽生さんの言葉です。
今の世の中は動きが非常に速いですが、それは将棋の世界も同じです。めまぐるしく新しい戦法が出てきます。そこで、ミスを覚悟で思い切って冒険的な手を指すことがあります。そうしないと進歩がなく、取り残されてしまうのです。勝ち負けということでいえば、型通りの手堅い方法をとった方がいいでしょう。 ただ、今日最善の方法は、数年後には負ける確率が非常に高くなっている。長い目で見ると、リスクをとらないことが逆に一番のリスクになる、と私は思っています。 経験や今ある情報にばかりしがみついていると、頭を使って考えなくなったり、新しいことに挑戦しなくなります。 将棋でも生き方でも、今の自分にとらわれすぎると広がりがなくなってしまい、行き詰まりや心の乱れを感じることになるでしょう。ですから私は、チェスをやったり、講演やイベントをできるだけお引き受けして、将棋以外の世界を広げるようにしています。 |
平成27年度 3学期 始業式講話
・平成28年の合い言葉:「挑戦(チャレンジ)」
・「挑戦」は不易のスローガンである。
①挑戦のために必要なことは何か?準備すべきものは何か?
★「構え」(覚悟)」と「気迫(やる気)」
②挑戦することを阻害する、躊躇わせるのは何か?
★失敗に対する恐れ
・CM「やっちゃえ日産」と「やっちゃったな日産」
下記枠内は日産HPより転載した文章である。
| 技術の日産が人生を面白くする。世界から事故が消える。CO2排出がゼロになる。そんな時代はもう夢じゃない。今の技術のすべては未来につながっている。 |
| カメラとレーダーを組み合わせ周囲の状況を把握します。対向車や歩行者を見つけることはもちろん、オーナーを識別することも可能になるでしょう。クルマはますます、家族や、相棒や、恋人のような存在へ。 |
・成功と失敗とは?
成功と失敗はその時の感情の起伏でしかない。喜んでジャンプしているか、
膝から崩れて落ち込んでいるかの姿でしかない。大事なことは、その結果を次
の展開にどう生かしているかということである。
一度の成功や失敗などたいしたことではない。まさに「禍福は糾える縄の如
し」である。一喜一憂してもよいが、本当の成功か失敗の評価はさらに遠い未
来でないと、分からないものである
日産の「やっちゃえ」が「成功したのか」「失敗した(やっちゃった)のか」
は、30年後の社会と60年後の歴史学者が評価することになるだろう。
ただし、挑戦(やっちゃえ)が創造と革新の原動力であることは間違いない。
成功したのか、だめだったのかは、後の学者に任せることにしよう。今は挑戦
することで今の自分を革新していこう。
・「挑戦」とは何をすることか?
挑戦とは「戦いを挑むこと」である。誰に対して、何に対して戦いを挑むの
か?身近な挑戦の例を考えてみよう。対象は「それまでの日常」である。
「朝1時間早く起きちゃえ。」
↓
1時間あれば、その時間でできることはいろいろあるだろう。
↓
「そうだ、弁当を作ろう。」
自律した生活、他人任せからの脱却、保護者からの信頼獲得等多くのプラス
効果が考えられる。ただし、それまでの生活習慣を変えることは、本当に難し
い。簡単なものではない。いやだからこそ「挑戦」なのだ。
・3つの力が大事である。
①「学び続ける力」:諦めるな!
②「コラボレーション能力」:友だちをつくろう!
③「課題発見、試行錯誤する力」:挑戦する意欲(やる気)を持とう!
平成27年度 2学期 終業式講話
・「世界の中心」は東京でもなければ、ニューヨークでもない。あなた自身が「世界の中心」である。
・小学生の65%が大学を卒業する時(15年後)、今は存在していない職に就くだろう。また、これから20年間ですべての仕事の47%が自動化される可能性がある。(ロボットがわれわれの仕事を奪ってしまう)」
・「機械化されないスキルをひたすら磨くしかない」という自覚が大事である。
・3つの力が大事である。
①「学び続ける力」:諦めるな!
②「コラボレーション能力」:友だちをつくろう!
③「課題発見、試行錯誤する力」:挑戦する意欲(やる気)を持とう!
・ひと昔前の「正解」はグーグルに転がっている。(OK!グーグル)
しかし、未来の答えは手作りからしか生まれない。
・3つの力のベースとなるのは「内発性」と「自己と他人を肯定する力」である。
■牛深高校のチャレンジ 開校記念式典式辞
校訓:敬愛 「コラボレーション能力」 ①夢を持つこと
勤勉 「学び続ける力」 ← ②諦めないこと
創造 「課題発見、試行錯誤する力」 ③世界と繋がること
日本はこれから人類の長い歴史の中で初めての世界、未体験の超高齢社会に突入する。まさに問題山積である。だからこそ面白い。私たちがその解決策を創る、その主役になれる。もし、解決できたら、諸外国に、気前良く(気分良く)解決策を教えてあげよう。そして30年後、今は存在していない仕事を創って世界に貢献しよう。この時代に生まれたっていうのは、それだけで心躍ることである。
牛深高校のチャレンジは今スタートしたばかりである。
「内発性」と「自他を信じる力」を磨くために、いろいろなプロジェクトをち上げよう、参加しよう、小さくてもいろんな成功と失敗体験を積んでいこう。
合い言葉は「挑戦(チャレンジ)」である。
〒863‐1902
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